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しおりを挟む『親愛なるお兄様へ
これまで、私や弟を引っ張って、支えてくれてありがとう。
お兄様がいろいろなことを我慢していたことは知っていたわ。
けれど、いつもお兄様にだけ厳しかった先代も次の世界へ旅立ったのだもの。お兄様は、もっと自由に生きて良いと思う。
それに私、ミルス辺境伯様は好みじゃないの。だって、私の理想はお兄様みたいな細身の男性なのだもの。
幸いにも、こんな私でも縁を繋げてくださる方が現れましたし、家督は私たちの弟が継いでくれとるとのことなのでご安心を。
貴方のかわいい妹、キャスリーネ』
「キャスリーネ嬢…いや、現在は第二王子殿下の婚約者だな。それに、弟で今頃は公爵を継いだロバートとも話はつけた。
だから、お前のことは俺が貰い受ける。」
マイルズは言うと、私の目尻に強く口付けた。
「お前はもう解放されたのだ。泣いても構わないが、俺としては別の理由で泣かせたいものだ。」
それから、音を立ててキスをした。
ただ軽く唇を合わせるだけかと思ったが、予想に反して深く、それにしつこいくらいに長かった。
「へぁっ…ハァ……マイ…ズ?」
息も絶え絶えになりながら見上げれば、
「それは反則だろう?」
あっという間に布を剥がされ、対面の座席に手を付かせられると後ろから強く突き上げられた。
「ぁああ…!!!」
弱々しくも善がってオスを誘うような声を発すれば、後ろに突き立てられたまま彼の膝の上で腰を振るハメになってしまった。
また、繋がったまま右足だけを上げてクルリと体を回されれば、ナカで彼が暴れてゴリゴリとした強い刺激が脳天へと突き抜ける。
彼の胸に縋り、髪を振り乱して善がり高められれば、私はもう何も考えられなくなっていた。
南のミルス辺境伯領へ向かう堅牢な馬車は、舗装されていない道を行く所為かたまにガタガタと激しく揺れながら、目的の要塞まで更に3日を掛けた。
堅牢な馬車が到着すると領民や南辺境所属の騎士団員は歓声を上げて出迎えたが…
ぐったりとした奥方をシーツにくるんで横抱きにしたミルス辺境伯マイルズが馬車から降りると、彼らは途端に静まる。
何故なら、ステップを降りる振動で奥方の頭まで覆っていたシーツが少しずれて長い髪が一房落ち、領民から見える左の目元には、痛々しい紫色の痣が、ダラリと落ちた左腕にも紫色の斑点が浮き出ていたからである。
以降、代替わりの時期を迎える今の今まで領民も団員も一度も奥方様を見ることはなかった。
病のせいで体調が芳しくなく寝たきりだからだと噂されていたが、毎日定時に仕事を終えて走って帰宅し奥方の眠る部屋へ向かうマイルズは、かなりの愛妻家だと評されていた。
すっかりマイルズの形を覚えたナカをうねらせ、胸の突起を紅く熟れさせながら、白い肌に無数の愛の花を咲かせた細身の男は、気付けばとある豪華な部屋の大きな寝台で眠っていた。
窓のないその部屋は、マイルズによれば歴代のミルス辺境伯が愛する者と過ごす場所とのことだった。
例に漏れず、ミルス辺境伯に愛された元公爵家当主であるこの男も、任期の5年をこの部屋で過ごした。
代替わりと共に騎士を引退したマイルズは、その後領内の端に位置する屋敷を買い取り、最愛と共に幸せに暮らしたという。
おしまい
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