57 / 57
再びの異世界、シャーシード国
その後……
しおりを挟む「おめでとうございます! 王女様の誕生です!!
おや、また今年もまだいらっしゃいますね。双子でした!!」
「ふぃー。」
僕がこの世界のシャーシード国にやって来て、10年経った。
あれから、毎年1人か2人の娘を産み出し続けているので、僕とリンの子どもは今ので16人になった。
リンはいつからか長男ではなく、立派に国王兼父親になってくれた。
けれど、出産日だけは野獣に変身する。
シャーシード国では基本的に出産は魔法で全部取り出して初期設定に戻すだけなので、出産の痛みや疲労も陣痛もない。
そこで、待ちきれないとばかりに僕を欲して野獣のように無茶苦茶に抱くのだ。
それから、約4ヶ月間は赤ちゃんが乳のみで過ごすため、出が悪くならないようにリンとの性交は禁止となる。
そんな説明をしている間に、ホラ、今回もまた、野獣がやって来た。
「シノダ……」
後ろから抱きしめられ、右耳にだけ囁くように名を呼ばれれば、条件反射のように後孔が湿ってくる。
「…………リン…」
今年は、名前を呼び返せただけでもソフトな野獣のようで安心する。
酷い時にはそのまま激しくキスされて、だいぶ魔法が掛かるようになって来たので、魔法で服を剥かれてベッドに転移して朝までコースだったりするのだ。
でも良かった。
去年はそれで怒って、暫く口をきかなかったんだ。
リンが覚えていてくれて良かった……のだが………
「え? ココどこ?」
リンの魔法が発動したのを感じた僕は、自分の現在位置に呆然としていた。
なぜなら、初めて見るこの世界の海を見下ろす岩風呂に居たからだ。
「気に入った? 今年はこの日に合わせて仕事の調整をしていたからな。
私は今日から1週間の育児休暇なんだ!
今年生まれた子は、丁度夏のバケーション生まれだ。
明日から、家族揃って赤ちゃんのお世話をするぞ!」
「本当に?」
「でも、そ・の・ま・え・に……」
リンはニヤニヤとした嫌な笑顔を向ける。
「ハァ…」
思わず溜め息が漏れる。
「仕方ないなぁ、もうちょっとのんびり入りたいんだけどな……」
僕は観念して、リンの首に腕を絡めると唇を寄せた。
後ろは既に準備万端。
「今年も、僕を愛してくれる?」
耳元に囁やけば、リンは僕とおでこ同士をくっつけて答えた。
「もちろん。私の愛を伝えるから、覚悟して。」
僕達は、再び唇を重ねる。
どんどん深くなって、舌同士絡め合う。
「……んっ……むぅ……あんっ!」
後ろにリンの手が伸びる。
「あぁっ!!」
背が反り返り、唇が離れてしまえば、後はもう喘ぐことしかできない。
そしてまた、僕はイき、リンもイって、僕に子種が注がれる。
それからまた新しい命が、僕の中に育まれる。
あの日、あんな声を聞かなければ、僕とリンジ先生はただの恋人として、同僚として、人生を終えていたのかな?
まさかリンジ先生が僕を好きだったなんて。
まさかリンジ先生が、異世界人だったなんて。
そして僕もこの異世界に、前世のシーシャの恋人だったダンネスの記憶を持つ王太子ダリンスに召喚されて来てしまうなんて。
それに、大好きなリンジ先生の子どもを産むことになるなんて、思わなかった。
でも、たくさんの子ども達に囲まれて、今僕は、とても幸せだ。
「考え事ができるとは。シノダはまだ余裕があるのか?」
リンは僕に穿ったまま、僕の顔を覗き込む。
「ううん。ただ、幸せだなって思っただけ。」
「かわいいことを言って、私を煽ってる? いいよ。これから天国を見せてあげる。」
そして、強烈な突上げが始まる。
「り、んん~……あいし、てる、よ!」
「私も愛してる、シノダ。」
おしまい
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
42
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる