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閑話:一城可那斗②
しおりを挟むやっとこの日が来た。
やっと、やっとこの手に入る。
やっと……。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
年が明け、1月も終わろうとしている。
一城可那斗は苛立っていた。
あれから、棗アカリの父・蒼から連絡はない。
アカリも学校を休んでいるため会えない。
更に、先月、未那斗と凪沙が突然家を出て居場所が分からないのだ。
アカリに会うことができず溜まったストレスを凪沙で発散させようとしたのに。
2人は学校も休んでいるため、学校に乗り込んで捕まえることもできず、その辺の緩そうな奴を相手にずっと発散させていたがもう限界だった。
息子を探そうともしない父を問い詰め、2人はアカリの父親に預けたところまでは聞き出したが、居場所までは知らされていおらず分からなかった。
そのため執事を引き連れ棗家に訪問したが不在で何度も空振った。
そして何度目かでやっと現れたアカリの母・百合には、インターホン越しに門前払いを食らった。
「クソッ、オメガのクセにアルファの僕を馬鹿にしやがって」
オメガなんて性欲を満たす以外使い道がない底辺の存在でしかないのに、アルファに楯突くとは、番である夫は躾もできないのか。
婚約したら、アカリには誰が上なのかしっかり躾けてやる。
そして、発情期に妊娠させてあの幼なじみの欠陥品アルファをドン底に叩き落としてやる。
1人自身を扱き妄想にふけるのだった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
2月に入り、事態がやっと動いた。
一城家と棗家の顔合わせの日取りが決まったのだ。
あれからもう少しで3ヶ月。
このタイミングで顔合わせということは、アカリの発情期に合わせてのことなのだろう。
焦らしプレイは好きじゃない。
が、この計らいは嫌いじゃない。
場所は都心から離れた有名避暑地のホテルか。
ずいぶん山の上だな。
もう少し近場にできなかったのか。
まあ、式と披露宴は都心で盛大にするように父に言っておくか。
あいつは僕には逆らえない。
なにせ、ベータだから。
一年前の相模の調査報告では、アカリの発情期は1週間と聞いている。
躾けるには丁度良い期間だ。
部屋に閉じ込め、ずっと体を繋げたまま溢れるほど注ぎ続けよう。
ああ、奉仕の仕方も教え込まないとな。
1週間後には僕なしでは生きていけない雌犬になるだろう。
妊娠したら学校は辞めさせる。
どうせオメガなんだから、優秀なアルファの子さえ産めば学歴なんか必要ない。
子供は最低3人は欲しいな。
大人になる頃にはその中の1人が、欠陥品の男の会社を買収して社長の椅子に座らせよう。
僕の未来はなんて楽しみなんだろう。
まずは、絶望のどん底に叩き落とされた欠陥品の顔でも見に行こうか。
__________________
やっぱりキモい…
よくよく考えたら、ジェンダーハラスメントですね。
フィクションでもやりすぎはダメですね。。。
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