【R18】年下王子と未亡人令嬢

紺乃 藍

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月の褥に溺れる ④ ◆

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 ゆっくりと挿入されて奥に触れると、すぐにゆっくりと引き抜かれていく。けれど抜けきらないうちにまた深く突き込まれて、いちばん反応がいいところを優しく突く、とゆるやかな抽挿を繰り返される。

「んぅ、ぁ……ぁん」

 熱棒で貫かれる刺激に徐々に慣れてきたのか、ティアナの身体が痛みとは別の感覚を拾い始める。最初は違和感ばかりだったのに、熱の塊と粘膜が擦れあうたびに不安が溶けて、男性の熱を分け与えられたように奥が甘く疼くのだ。

 そんな甘美な移ろいの中に大きな変化が生まれたのは、突然のことだった。

「ふぁ、ぁっ……!?」

 男性の陰茎を受け入れている部分ではなく、別の場所に強い刺激を感じる。驚いて身体が跳ねると同時に、男性がくすりと微笑んだ。 

「ここも……お好きですよね?」
「やぁ、ちが……あっ……ん」

 小声で問いかけられたことで、自分が再び陰核を撫でられていることに気づく。鋭い刺激に慌てて首を振るティアナだが、左手で右脚を抱えたまま右手で花芽を撫でる男性の指は止まらない。

 ゆったりとした抽挿を続けながら陰核をクリクリと愛撫されると、ティアナの身体に残存していた痛みとまだ小さかったはずの快感が、あっという間に逆転する。

 性の興奮を覚えたばかりの身体に二つの刺激はひとたまりもなく、先ほど達し損ねた状態を思い出したティアナの身体はびく、びくん、と過剰反応するばかり。

「はぁ、あぁっ……ん……ぅ」

 奥を突かれるたびに全身が震える。細長い指に蜜芽を揺さぶられるたびに蜜孔が収縮する。

 きゅうぅ、と強い力が入っているはずなのに、抽挿は徐々にスムーズになっていく。結合部からはぬちゅ、ずちゅ、くちゅ、と淫らな水音が溢れて、互いの摩擦を緩衝させる。

「やぁ……あ……ああ……っ」
「……っ」

 速度を上げるように腰を打ちつけられると、太くて熱くて固い剛直がティアナの中をごりごりと抉る。肌を打つ乾いた音と共に尖端が奥を突くと、そのたびに、びくっ、びくん、と背中が仰け反る。

 全身を巡る血液が沸騰しているみたいだ。撫でられた蜜芽も、触れ合った肌も、繋がった結合部も、いちばん奥も、わけがわからなくなるほど気持ちいい。

 先ほど開放し損ねた熱がまた下腹部の奥に集まり始めている。――ティアナがそう感じた瞬間、全身の熱が暴走したように、身体が急に制御を失う。

 腰ががくがくと震えて、内股が小刻みに揺れて、喉からは甘えるような高い声がとめどなく溢れる。

「ふぁ、ああ、あ、ぁ……っ」
「っ……」
「ひぁっ……ああぁ……っ」

 足先でシーツを蹴り、背中を浮かせながら腰を震わせる。だがその無意識の反応は男性の興奮を煽ったらしく、ティアナの前兆と高揚に応えるように彼も激しく腰を突き入れてくる。

 これまで以上に凶暴な動きで何度も腰を振り乱されると、肌がぶつかる音と結合部から溢れる濡れ音も急に大きくなって、天蓋の中は淫らな音だけで満たされる。

「あっ……あぁ、あッ、ん……だ、め……!」
「っぁ……く――ぅ」
「ふあ、あああぁっ……っ――」

 喉の奥から嬌声が溢れ、足と腰がビクビクッと痙攣する。胎の奥でなにかが勢いよく弾け、熱い飛沫がじゅわっと散る。

 それが絶頂を迎えることだと――快感を極めることだと気づくと同時に、目の前の男性も自身の下唇の端を噛みながら腰を震わせた。

(あ……お腹、に……たくさん……)

 ティアナが達すると同時に痙攣する蜜壺からずるりと陰棒を引き抜いた男性は、快楽の飛沫をティアナの中ではなく、ティアナの腹の上に放った。

 小さな呻き声を噛み殺しながら白濁の液をびゅく、びゅるる、とかけられると、不快感や嫌悪感ではなく、なぜか少しだけ寂しい気持ちになってしまう。

「ぁ……ん……ぅ」
「っ……ふ――っ……」

 はじめて快楽を極めた直後で、感覚も判断力も鈍っている。熱を含んだ息を吐き出しながら月色が透けた褥に身を沈めると、男性も脱力してティアナの上へ倒れ込んできた。

 どうせ身体が動かないので、このまま呼吸が落ち着くまで待つことにしよう……と考えていたティアナだったが、そこで突然、男性が冷めた声を発した。

「……これで、満足しましたか?」
「……っ……?」

 ここまでの間で聞いたことのない冷たい声が鼓膜に響き、思わず身を固くする。ピリッとした空気に背筋がざわりと凍りつく。

 なにか失敗をしてしまったのだろうか、彼を怒らせてしまったのか、と焦るティアナだったが、どうやら違ったらしい。

 彼の問いかけはティアナに向けたものではなく、別の人物――この部屋にいるもう一人の女性に向けられたものだった。

「それとも、まだ足りませんか、ルドミナ」
「いいえ、結構でございます」
「!」

 男性の質問に、扉の傍に立つ女性が男性と同じぐらい冷たい声を放つ。声音は静かで抑揚がなく、答えも実に淡々としていた。

「〝さるお方〟には私からご報告いたしましょう。それでは――失礼いたします」

 そう宣言した女性が身を翻す気配がすると、再び扉がガチャリと開き、ほどなくしてパタンと閉じる。

 その後は足音も気配もなく静かになったので、本当に女性が立ち去ったのか、それとも部屋を出ただけですぐ前に控えているのかもわからなかったが、ともかくこれでまた男性と二人きりになったらしい。

 ルドミナ、というのは女性の名前なのだろうか。素性や正体を暴かれることがないよう、月の仮面舞踏会では偽名を使う人もいるというが、従者の名前をぽろりと口にしてしまって大丈夫なのだろうか。それとも、従者の偽名まで設定しているのだろうか。

 一人で考え込んでいると、男性が「はぁ」と大きな息をついて、ティアナにのしりと体重をかけてきた。

 圧迫感を覚えるほどではないが、急に体重を預けられているような――ティアナに甘えているような気配を感じて、少し困惑してしまう。

「あ、あの……?」
「! あ、申し訳ございません……」

 ティアナがおろおろと声をかけると、男性がハッとした様子で身体を起こした。ティアナを抱きしめるように体重をかけてきたのは無意識だったらしく、目が合うと少し照れたようにはにかまれた。

「汚れてしまいましたね。今、お拭きします」
「い、いえ……それは自分で……!」
「身体がだるいでしょう。もう少し休んでいてください」

 男性の冷たい態度は、従者の女性に対してだけのごく限定的なものだったらしい。ティアナに怒りや呆れや後悔といった負の感情を向けたわけではないとわかり、ほっと安堵する。

 とりあえず自身の下衣を整えた男性は、一度ベッドを出るとすぐに濡れたタオルを用意してくれた。彼の予想通りティアナの身体はぐったりと脱力するばかりで満足に動かなかったので、清拭や身支度を手伝ってくれることは素直にありがたい。

(触れ方も、優しい……)

 暖炉の近くにお湯の入ったポットが用意されていたらしく、濡れたタオルはじんわりと温かい。男性の触れ方も丁寧でやわらかく、このまま眠ってしまいそうなほど心地が良かった。

 内心、こういう面倒な身支度こそ従者の女性にやらせるべきなのでは? と感じた。だがティアナが深く考え込む前に男性がふと手を止め、意外な問いかけをしてきた。

「あなたはどうしてこの〝月の仮面舞踏会〟に?」

 ぽつりと放たれた質問に、一瞬思考が止まる。ティアナが白い仮面の下でぱちぱちと瞬きをすると、それを見た男性がハッと我に返った。 

「失礼しました。ここで個人の事情を聞くことはご法度でしたね」
「いえ……」

 男性が申し訳なさそうに謝罪してくれるので、ティアナもそっと首を振る。

 おそらく彼は、男女の交わりの経験がないというティアナがこうしてこの場にやってきた理由に、ささやかな興味が湧いたのだろう。ティアナの事情が知りたくてしょうがなく、絶対に暴いてやろう、と考えて質問してきたわけではない。

 つまりただの雑談。身体を清める間の照れくささや気恥ずかしさを埋めるために、思いついた質問をしてきたに違いない。

 ベッドの上にのそりと身を起こしたティアナは、彼が肩にかけてくれたシーツをぎゅっと引き寄せて裸体を隠すと、ふう、とため息をこぼした。

 直後に脳裏に浮かんだラザールの笑顔を心の目で睨みつけると、この甘く優しい時間を邪魔されたような気分を打ち消すよう、そっと口を開く。

「……乙女のままだと、結婚することになるから……です」

 ティアナがぽつりと呟くと、男性が「え?」と首を傾げた。

「実は私、一度とある男性の元に嫁いだのです。ですが旦那さまが亡くなったことをきっかけに、婚家から離縁されまして」

 胸の中に生まれたモヤモヤを吐き出すように、けれど個人を特定できるほどの決定的な情報を落とさないよう注意しながら、男性の疑問を埋めるための言葉を探す。

 本当は適当にはぐらかし、この話題からサッと退いてもよかった。その選択をしても、彼は文句も不満も言わなかっただろう。

 それでもティアナが『話す』ことを選んだのは、きっと彼に知っておいてほしかったから。ティアナの『はじめて』をもらってくれた男性だけに――目の前の貴公子に、あとほんの少しだけ甘えたくなったからだ。

「その後は生家でひっそりと暮らしておりました。しかし先日、旦那さまのご兄弟である男性から突然再婚を乞われたのです」
「!」

 ティアナの説明に、男性の指先がピクリと反応する。だが特になにかを言われるわけではないので、説明を続けることにする。

「私は『旦那さまにすべてを捧げた身なので、再婚の意思はない』と伝えました。ですが彼は、本当は私が旦那さまに愛されていないことに気づいていたのでしょう。一度も閨を共にしなかった私が『乙女のまま』だということにも気づいていたようで、『嘘をついても無駄だ』と迫られました」
「……」
「ですから私は、亡き夫を愛していると――旦那さまに操を立てたという〝嘘〟を〝本当〟にして再婚から逃れるためにも、一刻も早く乙女を失う必要があったのです」

 ジャックと身体の関係がなかったティアナは、三年間人妻であったにも関わらず、二十二歳となった今でも処女のままだった。乙女であることが悪いことだとは思わないが、乙女であることによってティアナはまた不遇に遭うかもしれないのだ。

「私、もうあの家には戻りたくありません。役立たずだと頬を打たれるのも、おまえが悪いと突き飛ばされるのも、一人で食事を摂って一人で眠るのも、辛くて、悲しくて、切なくて……ずっと、苦しいのです」

 話しているうちに声が震えてしまう。泣くつもりなんてないのに、思い出すだけで胸の奥から恐怖や苦しみがせり上がってくるような気がして、視界の端がじわりとにじんでしまう。

 それらを振り払うように息を吐き出すと、気を取り直して顔を上げる。

 せっかく甘やかでふわふわとした気持ちを味わっていたのに、これではすべて台無しだ。最初で最後の思い出をティアナの与太話なんかでつまらないものに替えたくないので、無理にでも笑顔を作る。

「申し訳ございません、つまらない身の上話を。お耳汚しでしたね」
「いえ、そんなことはありません。申し訳ありません、聞いた俺が悪かったです」

 努めて笑顔で前を向くが、男性は申し訳なさそうに俯くばかり。

 そんな顔をさせたかったわけではない、とおろおろ焦っていると、男性がふと手を伸ばしてティアナの頭に触れてきた。

「辛かったですね」
「!」

 ぽんぽん、と労わるように指先を動かされ、直前で堪えた涙がまた滲みそうになってしまう。胸がきゅっと締めつけられる。

 ティアナが咄嗟に俯くと、男性が身体の距離を近づけて耳元に唇を寄せてきた。そして優しく穏やかな声で、密かに寂しさと苦しさを思い出していたティアナを慰め、労わってくれる。

「抱きしめてもいいですか」
「……はい」

 男性は辛い記憶を呼び起こさせてしまったことへの謝罪のつもりで、そう言ってくれたのかもしれない。

 だが今夜中にこのモヤモヤを打ち消したくて――目の前の男性と離れる前に彼自身のぬくもりで嫌な気持ちをかき消してほしくて、素直に頷いて同意を示す。

 すると両腕を伸ばしてシーツごとティアナの身体を包み込んだ男性が、今度は背中をぽんぽんと撫でてくれた。

(温かい……)

 男性の鼓動が耳に心地良くて、そっと目を閉じる。ティアナを慰めて労わるような温度にもたれかかると、心の奥底にこびりついていた苦しい感情がやんわりとほどけて消えていく気がした。

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