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■第二章 闇を返す
第七話 失せ物の在処
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翌日、私と春菊は菫青宮に呼び出された。
「来たわね」
椅子に腰掛けたまま、二人の側女に風を扇がせている叔妃は、私達を見るとニヤリと笑ってみせた。恰幅が良いが、顔が少し脂ぎっており、数年前なら美人で通ったのかもしれないが、今はただの太ったおばはんだ。きらびやかなゆったりとした衣を纏っていても、お腹の出っ張りは隠しようがないらしい。
前に陽翔とここに来た時に帳の向こうで彼女が応対したが、あまり人前に姿を見せたくなかったのかも。
だが、今は違う。
彼女の側では、一人の才女が縋り付くように泣き崩れていた。
「私の、聖人先生からいただいた大切な筆が、うう、ぐすっ」
私は、芙蓉という人物が叔妃に似ていると勝手に予想していたので、すらりとしているその美少女に少し驚いた。優しげな顔をしている分、余計にショックが大きい。
「昨日、あなたたちがこの芙蓉の部屋の近くにいたのを見た者がいるわ。正直におっしゃい。筆を隠したのはあなたたちね?」
叔妃が決めつけてくるが――まぁ、私達がやったんですがね。もちろん、そんなことは言わない。
「「いいえ、違います」」
二人ではっきりと言う。
「ふん。そんな嘘が通ると思っているのかしら? 盗みは死罪、分かっているわよねぇ?」
ギロリとこちらを睨む叔妃の声に、険悪さが増した。やはりひとかどの人物、迫力がある。
それでも、私は悪ではない。
やられたらやり返す。当たり前のことをしただけだ。
だからこそ、決して怯みはしない。
「ええ、ですが、違いますから。それより、お部屋をよく探してみてはいかがでしょうか。ひょっとしたら机の下に落ちているかも」
春菊も怯まない。それどころか当てつけるように笑顔で言ってのけた。
「黙らっしゃい! 探したに決まっているでしょう!」
落雷のように大声で怒鳴り散らす叔妃に、私は思わず肩をすくめてしまった。
「恐れながら、叔妃様、探しようが足りないと思われます。この玲鈴も昨日、大事な物を無くしたとさんざん騒ぎ立てましたが、探してみたらタンスの後ろにあったそうで。ね? 玲鈴」
「はい」
「ふーん。お前、名は?」
「春菊と申します。何度もお目通りして前に自己紹介もしていますけど」
「ふん、才女ごときの名と顔、妾がいちいち覚えているとお思い? 笑わせないでちょうだい。高く付くわよ、春菊。アンタだけじゃない。アンタの主もタダじゃあ済まないわ。この妾に喧嘩を売ったのだからね。地獄でたっぷり後悔する羽目になるよ」
「それはそれは。怖いですわ。でも、その言い方だとまるで私や賢妃様を叔妃様が殺すようですけど」
「馬鹿をお言いでないよ。妾は何もしないさ。だが、天罰が下る。それは間違いない」
据わった目で言うこの人は果たして本当に天罰などと、そんなものを信じているのかどうか。
あるいは、平然とうそぶいて、部下に実行させるのかもしれない。
「まあいいわ。お前達がどう言おうと、探せば出てくるでしょうよ。そのときの賢妃の顔が見物だねぇ。どうやって賢妃に謝らせてやろうかしら。フフフ。犬の鳴き真似がいいかしら、それとも猿の真似かしらね」
随分と悪趣味で想像力が豊かな御方のようだが、残念、そうは問屋が下ろさない。
すぐに女官や宦官が黄晶宮に派遣されたが、もちろん、私達の部屋からは何も出ないし、出るはずもない。
「どこに隠した! さっさとお言い。こうなったら拷問にかけてでも吐かせてやるよ」
だんだんと口汚くなった叔妃に、立ち合った賢妃様が困った顔で声をかけた。
「叔妃、少し、落ち着いて考えてみてください。この子達がそんなことをするはずがないし、理由が無いわ」
「ふん、理由ならあるさ」
「ええ? どういう理由が」
復讐。
それはどうやら叔妃もすでに察しているらしい。
だが、その証拠が出せなければ私達の勝利だ。
「聖上のご寵愛を受けんがため、妾達を失脚させる目的に決まっているじゃないの」
「そんな! 私達は確かにお互いに切磋琢磨せよと聖上からは申しつけられていますが、それはあくまで才を磨くためのもの。このような足の引っ張り合いを聖上が望まれるはずがないではありませんか」
「そうだねえ。だが、聖上がどう思われるかは関係ないよ。――この二人がどう思うかだ」
それは一瞬、皇帝の意向を無視する言動にも見えたが、叔妃も言質を取らせるような間抜けではないようだ。
「いいえ、私はこの二人をよく知っています。理由もなくそんなことはしません」
「では、理由があったら?」
「それは……いいえ、仮定の話には答えようがありません。具体的にどういう理由があると叔妃はお考えなのです?」
「そうだねぇ、ちょっとした悪戯、いや、賢妃、アンタを守ろうとするためなら、どうだい?」
叔妃が言うが、賢妃は毅然と否定した。
「馬鹿げています。私を守るにしても、方法は盗みであるわけがない。それとも、あなたの配下は、盗みがお得意なのかしら?」
「この妾を侮辱するのかい!」
「ま、まあまあ、お二人とも、気をお鎮め下さい」
冷や汗を掻いている宦官達はさきほどからオロオロしているばかりで何の役にも立っていない。
事態は予想以上のまずい方向へ動き始めている。仕返しは望んだけれど、叔妃と賢妃の大喧嘩など。春菊も渋い顔だ。
こういうとき、陽翔がいてくれたら。彼ならばきっと――
「失礼、この離宮で重大な盗みがあったと聞いてやって参りました」
うわ、本当に陽翔が出てきた。
だが、そういえば彼は官吏の監督役で、警察の役割を担っていたっけ。
流れる銀髪に凍てつくような瞳は、どこまでも怜悧に落ち着き払っており、それまで殺気立っていた場の空気が一瞬で変わった。
「侍御史か。お前、どうせ賢妃の肩を持つのであろう?」
「いいえ、叔妃様、私は丞相の直属、よって四妃のいずれにも加担するつもりはありません。それより、失せ物の捜索許可をいただきたい」
「お前! 妾が失せ物を見落とし、あるいは虚言を用いたとでも言うのかい!」
「いいえ、そうは申しておりません。ですが、叔妃自ら探されたわけでもありますまい。誰しもうっかりということもあり得ます」
「ふん、いいだろう。だが、侍御史、許可は出してやるが、それで見つからなかったらお前が責任をお取り」
「それは……」
陽翔が眉をひそめ、ためらいを見せる。当然だ、そんな責任を押しつけられるのは極めて不利。見つかる保証はどこにもないのだ。
――筆の有りかを知る私と春菊を除いては。
私は陽翔を真っ直ぐ見据えた。
おそらく、聡い彼なら、これですぐに理解してくれるはずだ。
普段の私なら、この場で責任を押しつけられるのを恐れ、誰にも目を合わせたりはしないのだから。
陽翔がその蒼き瞳の奥を光らせる。
「分かりました。見つからなかった場合、私が責任を取りましょう」
「ほう。聞いたかえ?」
「はい、確かに」「ええ、聞きました」
叔妃の配下の女官達が確とうなずく。
部屋を出てたあと、廊下で陽翔が話しかけてくる。
「それで、どこにある」
「芙蓉のタンスの裏を探してみてはいかがでしょう」
「よし」
それ以上は何も聞かず、陽翔に命じられた宦官がヒイヒイ言いながらタンスを動かした。
「ありました! 筆がありますぞ!」
「そんな……!」
居合わせた芙蓉はまさかという表情で青ざめ、そして私と春菊を忌々しそうに睨み付けた。
私は澄ましたまま、春菊はニヤリと笑い返す。
してやったりだ。
かくしてやり返しは完璧に成功した。
訴え出た芙蓉は叔妃ともども恥をかき、しばらく病と称して寝込んだそうだ。
ま、当然ね。
善は勝つ!
「来たわね」
椅子に腰掛けたまま、二人の側女に風を扇がせている叔妃は、私達を見るとニヤリと笑ってみせた。恰幅が良いが、顔が少し脂ぎっており、数年前なら美人で通ったのかもしれないが、今はただの太ったおばはんだ。きらびやかなゆったりとした衣を纏っていても、お腹の出っ張りは隠しようがないらしい。
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だが、今は違う。
彼女の側では、一人の才女が縋り付くように泣き崩れていた。
「私の、聖人先生からいただいた大切な筆が、うう、ぐすっ」
私は、芙蓉という人物が叔妃に似ていると勝手に予想していたので、すらりとしているその美少女に少し驚いた。優しげな顔をしている分、余計にショックが大きい。
「昨日、あなたたちがこの芙蓉の部屋の近くにいたのを見た者がいるわ。正直におっしゃい。筆を隠したのはあなたたちね?」
叔妃が決めつけてくるが――まぁ、私達がやったんですがね。もちろん、そんなことは言わない。
「「いいえ、違います」」
二人ではっきりと言う。
「ふん。そんな嘘が通ると思っているのかしら? 盗みは死罪、分かっているわよねぇ?」
ギロリとこちらを睨む叔妃の声に、険悪さが増した。やはりひとかどの人物、迫力がある。
それでも、私は悪ではない。
やられたらやり返す。当たり前のことをしただけだ。
だからこそ、決して怯みはしない。
「ええ、ですが、違いますから。それより、お部屋をよく探してみてはいかがでしょうか。ひょっとしたら机の下に落ちているかも」
春菊も怯まない。それどころか当てつけるように笑顔で言ってのけた。
「黙らっしゃい! 探したに決まっているでしょう!」
落雷のように大声で怒鳴り散らす叔妃に、私は思わず肩をすくめてしまった。
「恐れながら、叔妃様、探しようが足りないと思われます。この玲鈴も昨日、大事な物を無くしたとさんざん騒ぎ立てましたが、探してみたらタンスの後ろにあったそうで。ね? 玲鈴」
「はい」
「ふーん。お前、名は?」
「春菊と申します。何度もお目通りして前に自己紹介もしていますけど」
「ふん、才女ごときの名と顔、妾がいちいち覚えているとお思い? 笑わせないでちょうだい。高く付くわよ、春菊。アンタだけじゃない。アンタの主もタダじゃあ済まないわ。この妾に喧嘩を売ったのだからね。地獄でたっぷり後悔する羽目になるよ」
「それはそれは。怖いですわ。でも、その言い方だとまるで私や賢妃様を叔妃様が殺すようですけど」
「馬鹿をお言いでないよ。妾は何もしないさ。だが、天罰が下る。それは間違いない」
据わった目で言うこの人は果たして本当に天罰などと、そんなものを信じているのかどうか。
あるいは、平然とうそぶいて、部下に実行させるのかもしれない。
「まあいいわ。お前達がどう言おうと、探せば出てくるでしょうよ。そのときの賢妃の顔が見物だねぇ。どうやって賢妃に謝らせてやろうかしら。フフフ。犬の鳴き真似がいいかしら、それとも猿の真似かしらね」
随分と悪趣味で想像力が豊かな御方のようだが、残念、そうは問屋が下ろさない。
すぐに女官や宦官が黄晶宮に派遣されたが、もちろん、私達の部屋からは何も出ないし、出るはずもない。
「どこに隠した! さっさとお言い。こうなったら拷問にかけてでも吐かせてやるよ」
だんだんと口汚くなった叔妃に、立ち合った賢妃様が困った顔で声をかけた。
「叔妃、少し、落ち着いて考えてみてください。この子達がそんなことをするはずがないし、理由が無いわ」
「ふん、理由ならあるさ」
「ええ? どういう理由が」
復讐。
それはどうやら叔妃もすでに察しているらしい。
だが、その証拠が出せなければ私達の勝利だ。
「聖上のご寵愛を受けんがため、妾達を失脚させる目的に決まっているじゃないの」
「そんな! 私達は確かにお互いに切磋琢磨せよと聖上からは申しつけられていますが、それはあくまで才を磨くためのもの。このような足の引っ張り合いを聖上が望まれるはずがないではありませんか」
「そうだねえ。だが、聖上がどう思われるかは関係ないよ。――この二人がどう思うかだ」
それは一瞬、皇帝の意向を無視する言動にも見えたが、叔妃も言質を取らせるような間抜けではないようだ。
「いいえ、私はこの二人をよく知っています。理由もなくそんなことはしません」
「では、理由があったら?」
「それは……いいえ、仮定の話には答えようがありません。具体的にどういう理由があると叔妃はお考えなのです?」
「そうだねぇ、ちょっとした悪戯、いや、賢妃、アンタを守ろうとするためなら、どうだい?」
叔妃が言うが、賢妃は毅然と否定した。
「馬鹿げています。私を守るにしても、方法は盗みであるわけがない。それとも、あなたの配下は、盗みがお得意なのかしら?」
「この妾を侮辱するのかい!」
「ま、まあまあ、お二人とも、気をお鎮め下さい」
冷や汗を掻いている宦官達はさきほどからオロオロしているばかりで何の役にも立っていない。
事態は予想以上のまずい方向へ動き始めている。仕返しは望んだけれど、叔妃と賢妃の大喧嘩など。春菊も渋い顔だ。
こういうとき、陽翔がいてくれたら。彼ならばきっと――
「失礼、この離宮で重大な盗みがあったと聞いてやって参りました」
うわ、本当に陽翔が出てきた。
だが、そういえば彼は官吏の監督役で、警察の役割を担っていたっけ。
流れる銀髪に凍てつくような瞳は、どこまでも怜悧に落ち着き払っており、それまで殺気立っていた場の空気が一瞬で変わった。
「侍御史か。お前、どうせ賢妃の肩を持つのであろう?」
「いいえ、叔妃様、私は丞相の直属、よって四妃のいずれにも加担するつもりはありません。それより、失せ物の捜索許可をいただきたい」
「お前! 妾が失せ物を見落とし、あるいは虚言を用いたとでも言うのかい!」
「いいえ、そうは申しておりません。ですが、叔妃自ら探されたわけでもありますまい。誰しもうっかりということもあり得ます」
「ふん、いいだろう。だが、侍御史、許可は出してやるが、それで見つからなかったらお前が責任をお取り」
「それは……」
陽翔が眉をひそめ、ためらいを見せる。当然だ、そんな責任を押しつけられるのは極めて不利。見つかる保証はどこにもないのだ。
――筆の有りかを知る私と春菊を除いては。
私は陽翔を真っ直ぐ見据えた。
おそらく、聡い彼なら、これですぐに理解してくれるはずだ。
普段の私なら、この場で責任を押しつけられるのを恐れ、誰にも目を合わせたりはしないのだから。
陽翔がその蒼き瞳の奥を光らせる。
「分かりました。見つからなかった場合、私が責任を取りましょう」
「ほう。聞いたかえ?」
「はい、確かに」「ええ、聞きました」
叔妃の配下の女官達が確とうなずく。
部屋を出てたあと、廊下で陽翔が話しかけてくる。
「それで、どこにある」
「芙蓉のタンスの裏を探してみてはいかがでしょう」
「よし」
それ以上は何も聞かず、陽翔に命じられた宦官がヒイヒイ言いながらタンスを動かした。
「ありました! 筆がありますぞ!」
「そんな……!」
居合わせた芙蓉はまさかという表情で青ざめ、そして私と春菊を忌々しそうに睨み付けた。
私は澄ましたまま、春菊はニヤリと笑い返す。
してやったりだ。
かくしてやり返しは完璧に成功した。
訴え出た芙蓉は叔妃ともども恥をかき、しばらく病と称して寝込んだそうだ。
ま、当然ね。
善は勝つ!
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