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番外編・大学生活編
今なら2倍サイコパス! その目には何が見えているのか。
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「加納君にはウチの娘をと思っていたんですが…」
「お気遣いなく、彼女で手一杯なので」
加納父の会社の取引先の人に声を掛けられた慎悟は苦笑いしていた。
私を目の前にして、娘を紹介するだなんていい度胸である。
「もう、お父様ったらそんな冗談言って。加納さん、先日のパーティではどうも」
「こちらこそ」
先程、加納ガールズ亜種と遭遇してひと悶着起こした私が逃げ出さないように、慎悟によってがっしり腰を掴まれていた。そんな暴れ馬の手綱を掴むみたいな扱いせずとも…何もしないよ…。
なにやら慎悟は取引先の相手の娘さんと親しげである。清楚で温和そうな実に育ちの良さそうなお嬢さんだ…。二階堂と加納の会社は業種が違うから、お互いの会社の取引先も違うし、招待されるパーティも異なる。
私の知らない人と親しくなるのは当然のことであるが……へぇ、親しげなんですね、どこでも女を引き寄せてさすがファビュラス&マーベラスな魔性の男…
私は言葉には出さずに静かにじーっと真顔でガン見していた。
私は疑って詰ったりはしない。大海原のように心が広く、とてもおおらかだから静かに見守ってあげているのだ。
「違うよ、うちの会社の取引先でのパーティで挨拶がてら少し話しただけ」
私の視線を受けた慎悟は怪訝な顔をして何やら弁解をしていたが、私は別に何も言っていないぞ。そんな言い訳されると、まるで私が嫉妬に狂って文句つけたみたいじゃないか。
私は沈黙を守り、じぃ…と慎悟の目を見つめて真実を探っていた。慎悟はムッとした顔をして私の目を見返していた。その眼力の強さよ。
いいか、あんたは確かに絶世の美青年だが、私は元々面食いじゃないからあんたの顔の良さで許したりしなんだからな。カッコいい…しゅき…とか頭の悪いこと考えたりしないんだからな。
すると、それを見ていたお嬢さんが小さくフフフ、と笑い声を漏らしていた。
「父がごめんなさいね、うちの父は意地が悪いのでからかってるだけ。私にはお付き合いしている方がおりますからご安心を」
なんだと。今さっきのやり取り全部意地悪だったのか。
趣味の悪い意地悪すぎないか。私はお嬢様の皮を被った脳筋だけど、これでも二階堂の娘ですからね? お嬢様を舐め過ぎでないか?
「仲睦まじいからからかってしまったよ、すまんな。愛されてるなぁ加納君。少しばかり尻に敷かれ気味だが…」
「女が強いほうが上手くいくんですよ」
ニヤニヤと笑うオッサンだったが、背後に忍び寄ってきた同じ年代の女性の声を聞いた瞬間ピッと背筋を伸ばしていた。
「あなた…取引先のご子息に悪い冗談をおっしゃらないでくださいな。信用を失いたいのですか」
これぞ社長夫人って感じの女性は意地悪オッサンの奥さん、お嬢さんのお母さんらしい。彼女の登場にオッサンはギクッとしてうろたえていた。
「そもそも加納様には相思相愛の婚約者がおりますのに。その目の前で……二階堂のお嬢様に失礼でしょう」
「いや、ほんの冗談…ほら由里には恋人がいるだろう…」
「だまらっしゃい! …大変失礼いたしました、うちの主人にはきつく言い聞かせておきますので…」
旦那をぴしゃりと一喝した奥さんは、私と慎悟に視線を向けると腰低めに謝罪していた。どうやら尻に敷かれているのはオッサンのようであった。
オッサンは奥さんに腕を引っ張られてどこかへと消えていった。お嬢さんはそれを恥ずかしそうに見送り、父親に代わって改めて謝罪をして、両親を追いかけていた。
あちらのお嬢様も大変そうである。
■□■
慎悟がお花を摘みに行ったので、私はひとり、自分の作品の前に立っていた。
この作品は会場でもひときわ目立っているので、見つけやすいからここで待ってろとかなんとか言われたんだ。
…よせやい、私が現代のダリだからってそんな褒めるなよ。
「…あれ、そこにいるのは二階堂さん?」
私が自分の才能にほくそ笑んでいると、ここにはいないはずの奴の声が聞こえてきた。
「帰れ」
「僕は招待されて来たんだよ?」
大学でもその面を見なきゃいけないのに、プライベートでもって…悪縁退散して欲しい。
サイコパス上杉はいつもの心の読めない笑みを浮かべながら、私の背後に飾ってある生け花を見上げた。それを数秒観察した後、こう言った。
「独特な花だね」
「何が言いたい、言ってみろ」
返答によっては容赦しないぞ。
私が睨みつけると、上杉は謎の笑みを深めた。こいつの笑顔はなにか良からぬことを企んでいそうで、笑われるたびに私は悪寒に襲われるのだ。
「あ、お父さん、ここだよ」
蛇に睨まれた私は相手の動向を伺って、しばし膠着していたが、先に上杉のほうが動きを見せた。どこかに軽く手を上げて誰かを呼んでいる……
その声に呼ばれてこちらに歩いてきたのは、二階堂パパよりも少し歳上であろう男性……似てないな。お父さんと呼ばれていたからてっきり上杉そっくりなのだろうと思ったが、普通のどこにでもいそうなおじさんだ。
…上杉は母親似なんだろうか。
「急にどこかに行ったから心配したよ」
「ごめんね。彼女を見つけたから声をかけようと思って」
上杉は私の姿を見つけて寄ってきたらしい。こいつのエリカちゃんセンサーは未だ健在のようだ。中の人は別人だと言っているのに、私には婚約者がいるのに諦めの悪い上杉は今日も気持ち悪いサイコパスストーカーである。
上杉父は私を見ると「あぁ、二階堂のお嬢さん、こんにちは」と挨拶してきたので、私もこんにちはと返しておく。
この人は上杉の父親だけど、だからって失礼な態度は取りにくいなぁ。やりにくい。しかしこれ以上サイコパスストーカーと一緒にいたくないので早いところずらかろう…
「僕のお嫁さん候補だよ、お父さん」
「ちげーよ!予約済みだっつの!」
何言ってるのこいつ、頭お花畑か!
いつ私とあんたが結婚のお約束をしましたか! 寝言は寝て…いや、性質が悪いから寝てても言うな!
私が噛み付いてくると思ってわざと言ったのか、そうじゃないのかは不明だが、上杉は楽しそうにニコニコしている。
殴りたいな、殴っちゃ駄目かな。
「元気なお嬢さんだ」
「もう少しお淑やかにして欲しいんだけどね」
「ハァン!?」
どの口がそんな事言うのかな!?
あんたが余計なこと言わなければ私だって大人しくしてるんだわ! ふざけたこと言って怒らせてんのあんたなんだわ!
私は歯をぎりぎりさせて拳を握っていた。落ち着け、殴っちゃ駄目だ殴っちゃ駄目だと自分に言い聞かせて深呼吸をしていた。
「二階堂さんは高校時代は色々大変だったとか…本当に、色々災難だったね」
そんな中で上杉父は神妙な様子でこちらを心配するような言葉を投げかけてきたが、ヒクリと口元が引きつりそうになった。
えぇ、お宅の息子さんのせいでもありますがね。
上杉がエリカちゃん追い詰めなければ、絶対にあそこまで悪化しなかったから。どっちにしても婚約破棄はあったかもしれないけど…上杉のやったことは悪質そのもの。
証拠がないのでこいつを突き出せないのが口惜しい。
「…ご心配ありがとうございます、今はもう大丈夫です。優しい婚約者とも出会えましたし」
私はあの頃よりも大人になった。
だから落ち着いて返事を返せるのだ。たとえ不快なサイコパスが隣にいようとも…
「──失礼、僕の婚約者の話し相手をしてくださっていたようで」
「あぁ加納君、もう戻ってきたの?」
まだ戻ってこなくても良かったのに、とでも言いたいのか、上杉はつまらなそうに慎悟に視線を送っていた。それに対して慎悟は不快そうに顔をしかめる。
「…行くぞ」
慎悟は私の手を引いてこの場から立ち去ろうとした。
それに異論はなかったので、私は大人しくそれについていこうとした。踵を返し歩き始めると、後ろから「お嬢さん」と上杉父が私を呼び止めてきた。
私が首だけを動かして後ろを振り返ると、上杉父は優しく微笑んでこちらを見ていた。
……しかし、その目は全く笑っていない。
「今度遊びにおいでなさい」
たった一言のお誘いの言葉だ。なのだが、体の中でざわりと何かが騒いだ。上杉父はその目を細め、何かを探るような瞳で私を見ていた。
──ものすごく、嫌な感じがする。本能が逃げろと訴えているかのように……
「立場が変わると、慣れなくて辛いでしょう。息苦しくなった時、いつでも受け入れてあげますよ」
「…!?」
立場が変わると…?
え、なに……
その言葉の裏を探ろうと意味を考えた私は、ゾワッと鳥肌を立てた。
どういう意味……何を知っているんだ?
…もしかして、息子から聞いたのか? そして信じたのか? ファンタジーでホラーな憑依話を……
「お気遣いどうも、ですが大丈夫なので」
それに返事をしたのは慎悟である。慎悟は上杉父を睨むように鋭い視線を送ると、固まっている私の手を強めに引っ張って背中に隠した。
顔立ちは似ていないけど、笑ったときの雰囲気が似ている。
「それは残念」
本当に残念と思っているのだろうか。
蛙の子は蛙。サイコパスの親もサイコパス…ってことなのか…
似てないって印象を撤回させてもらう。 間違いない、この、不気味で掴みどころのないところ…上杉の親だ。
「そうだ、この作品、入札させていただきますよ。粗削りだが実に独創的で、生きる力に満ちている。面白いのでオフィスに飾らせていただきます」
褒められているのか貶されているのかわからない感想を述べられ、私の生けたお花は上杉父が高額で競り落としてしてしまった。
マジで…?
もうやだ、サイコパスが2倍になったじゃん…2倍疲れた……
なんかに気づいている風だったし、上杉父とはもう会いませんように。できれば上杉とも会いたくありません。
「お気遣いなく、彼女で手一杯なので」
加納父の会社の取引先の人に声を掛けられた慎悟は苦笑いしていた。
私を目の前にして、娘を紹介するだなんていい度胸である。
「もう、お父様ったらそんな冗談言って。加納さん、先日のパーティではどうも」
「こちらこそ」
先程、加納ガールズ亜種と遭遇してひと悶着起こした私が逃げ出さないように、慎悟によってがっしり腰を掴まれていた。そんな暴れ馬の手綱を掴むみたいな扱いせずとも…何もしないよ…。
なにやら慎悟は取引先の相手の娘さんと親しげである。清楚で温和そうな実に育ちの良さそうなお嬢さんだ…。二階堂と加納の会社は業種が違うから、お互いの会社の取引先も違うし、招待されるパーティも異なる。
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私は言葉には出さずに静かにじーっと真顔でガン見していた。
私は疑って詰ったりはしない。大海原のように心が広く、とてもおおらかだから静かに見守ってあげているのだ。
「違うよ、うちの会社の取引先でのパーティで挨拶がてら少し話しただけ」
私の視線を受けた慎悟は怪訝な顔をして何やら弁解をしていたが、私は別に何も言っていないぞ。そんな言い訳されると、まるで私が嫉妬に狂って文句つけたみたいじゃないか。
私は沈黙を守り、じぃ…と慎悟の目を見つめて真実を探っていた。慎悟はムッとした顔をして私の目を見返していた。その眼力の強さよ。
いいか、あんたは確かに絶世の美青年だが、私は元々面食いじゃないからあんたの顔の良さで許したりしなんだからな。カッコいい…しゅき…とか頭の悪いこと考えたりしないんだからな。
すると、それを見ていたお嬢さんが小さくフフフ、と笑い声を漏らしていた。
「父がごめんなさいね、うちの父は意地が悪いのでからかってるだけ。私にはお付き合いしている方がおりますからご安心を」
なんだと。今さっきのやり取り全部意地悪だったのか。
趣味の悪い意地悪すぎないか。私はお嬢様の皮を被った脳筋だけど、これでも二階堂の娘ですからね? お嬢様を舐め過ぎでないか?
「仲睦まじいからからかってしまったよ、すまんな。愛されてるなぁ加納君。少しばかり尻に敷かれ気味だが…」
「女が強いほうが上手くいくんですよ」
ニヤニヤと笑うオッサンだったが、背後に忍び寄ってきた同じ年代の女性の声を聞いた瞬間ピッと背筋を伸ばしていた。
「あなた…取引先のご子息に悪い冗談をおっしゃらないでくださいな。信用を失いたいのですか」
これぞ社長夫人って感じの女性は意地悪オッサンの奥さん、お嬢さんのお母さんらしい。彼女の登場にオッサンはギクッとしてうろたえていた。
「そもそも加納様には相思相愛の婚約者がおりますのに。その目の前で……二階堂のお嬢様に失礼でしょう」
「いや、ほんの冗談…ほら由里には恋人がいるだろう…」
「だまらっしゃい! …大変失礼いたしました、うちの主人にはきつく言い聞かせておきますので…」
旦那をぴしゃりと一喝した奥さんは、私と慎悟に視線を向けると腰低めに謝罪していた。どうやら尻に敷かれているのはオッサンのようであった。
オッサンは奥さんに腕を引っ張られてどこかへと消えていった。お嬢さんはそれを恥ずかしそうに見送り、父親に代わって改めて謝罪をして、両親を追いかけていた。
あちらのお嬢様も大変そうである。
■□■
慎悟がお花を摘みに行ったので、私はひとり、自分の作品の前に立っていた。
この作品は会場でもひときわ目立っているので、見つけやすいからここで待ってろとかなんとか言われたんだ。
…よせやい、私が現代のダリだからってそんな褒めるなよ。
「…あれ、そこにいるのは二階堂さん?」
私が自分の才能にほくそ笑んでいると、ここにはいないはずの奴の声が聞こえてきた。
「帰れ」
「僕は招待されて来たんだよ?」
大学でもその面を見なきゃいけないのに、プライベートでもって…悪縁退散して欲しい。
サイコパス上杉はいつもの心の読めない笑みを浮かべながら、私の背後に飾ってある生け花を見上げた。それを数秒観察した後、こう言った。
「独特な花だね」
「何が言いたい、言ってみろ」
返答によっては容赦しないぞ。
私が睨みつけると、上杉は謎の笑みを深めた。こいつの笑顔はなにか良からぬことを企んでいそうで、笑われるたびに私は悪寒に襲われるのだ。
「あ、お父さん、ここだよ」
蛇に睨まれた私は相手の動向を伺って、しばし膠着していたが、先に上杉のほうが動きを見せた。どこかに軽く手を上げて誰かを呼んでいる……
その声に呼ばれてこちらに歩いてきたのは、二階堂パパよりも少し歳上であろう男性……似てないな。お父さんと呼ばれていたからてっきり上杉そっくりなのだろうと思ったが、普通のどこにでもいそうなおじさんだ。
…上杉は母親似なんだろうか。
「急にどこかに行ったから心配したよ」
「ごめんね。彼女を見つけたから声をかけようと思って」
上杉は私の姿を見つけて寄ってきたらしい。こいつのエリカちゃんセンサーは未だ健在のようだ。中の人は別人だと言っているのに、私には婚約者がいるのに諦めの悪い上杉は今日も気持ち悪いサイコパスストーカーである。
上杉父は私を見ると「あぁ、二階堂のお嬢さん、こんにちは」と挨拶してきたので、私もこんにちはと返しておく。
この人は上杉の父親だけど、だからって失礼な態度は取りにくいなぁ。やりにくい。しかしこれ以上サイコパスストーカーと一緒にいたくないので早いところずらかろう…
「僕のお嫁さん候補だよ、お父さん」
「ちげーよ!予約済みだっつの!」
何言ってるのこいつ、頭お花畑か!
いつ私とあんたが結婚のお約束をしましたか! 寝言は寝て…いや、性質が悪いから寝てても言うな!
私が噛み付いてくると思ってわざと言ったのか、そうじゃないのかは不明だが、上杉は楽しそうにニコニコしている。
殴りたいな、殴っちゃ駄目かな。
「元気なお嬢さんだ」
「もう少しお淑やかにして欲しいんだけどね」
「ハァン!?」
どの口がそんな事言うのかな!?
あんたが余計なこと言わなければ私だって大人しくしてるんだわ! ふざけたこと言って怒らせてんのあんたなんだわ!
私は歯をぎりぎりさせて拳を握っていた。落ち着け、殴っちゃ駄目だ殴っちゃ駄目だと自分に言い聞かせて深呼吸をしていた。
「二階堂さんは高校時代は色々大変だったとか…本当に、色々災難だったね」
そんな中で上杉父は神妙な様子でこちらを心配するような言葉を投げかけてきたが、ヒクリと口元が引きつりそうになった。
えぇ、お宅の息子さんのせいでもありますがね。
上杉がエリカちゃん追い詰めなければ、絶対にあそこまで悪化しなかったから。どっちにしても婚約破棄はあったかもしれないけど…上杉のやったことは悪質そのもの。
証拠がないのでこいつを突き出せないのが口惜しい。
「…ご心配ありがとうございます、今はもう大丈夫です。優しい婚約者とも出会えましたし」
私はあの頃よりも大人になった。
だから落ち着いて返事を返せるのだ。たとえ不快なサイコパスが隣にいようとも…
「──失礼、僕の婚約者の話し相手をしてくださっていたようで」
「あぁ加納君、もう戻ってきたの?」
まだ戻ってこなくても良かったのに、とでも言いたいのか、上杉はつまらなそうに慎悟に視線を送っていた。それに対して慎悟は不快そうに顔をしかめる。
「…行くぞ」
慎悟は私の手を引いてこの場から立ち去ろうとした。
それに異論はなかったので、私は大人しくそれについていこうとした。踵を返し歩き始めると、後ろから「お嬢さん」と上杉父が私を呼び止めてきた。
私が首だけを動かして後ろを振り返ると、上杉父は優しく微笑んでこちらを見ていた。
……しかし、その目は全く笑っていない。
「今度遊びにおいでなさい」
たった一言のお誘いの言葉だ。なのだが、体の中でざわりと何かが騒いだ。上杉父はその目を細め、何かを探るような瞳で私を見ていた。
──ものすごく、嫌な感じがする。本能が逃げろと訴えているかのように……
「立場が変わると、慣れなくて辛いでしょう。息苦しくなった時、いつでも受け入れてあげますよ」
「…!?」
立場が変わると…?
え、なに……
その言葉の裏を探ろうと意味を考えた私は、ゾワッと鳥肌を立てた。
どういう意味……何を知っているんだ?
…もしかして、息子から聞いたのか? そして信じたのか? ファンタジーでホラーな憑依話を……
「お気遣いどうも、ですが大丈夫なので」
それに返事をしたのは慎悟である。慎悟は上杉父を睨むように鋭い視線を送ると、固まっている私の手を強めに引っ張って背中に隠した。
顔立ちは似ていないけど、笑ったときの雰囲気が似ている。
「それは残念」
本当に残念と思っているのだろうか。
蛙の子は蛙。サイコパスの親もサイコパス…ってことなのか…
似てないって印象を撤回させてもらう。 間違いない、この、不気味で掴みどころのないところ…上杉の親だ。
「そうだ、この作品、入札させていただきますよ。粗削りだが実に独創的で、生きる力に満ちている。面白いのでオフィスに飾らせていただきます」
褒められているのか貶されているのかわからない感想を述べられ、私の生けたお花は上杉父が高額で競り落としてしてしまった。
マジで…?
もうやだ、サイコパスが2倍になったじゃん…2倍疲れた……
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