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本編
非行じゃありません。イメチェンです。
しおりを挟む入学式も終えて一週間ほど経ったとあるお昼時。
『2ーA田端あやめさん、至急職員室に来てください。繰り返します…』
学校中に流れる呼び出しのアナウンスに私は首を傾げ、食べてたお弁当を渋々包み直した。
はて、なんだろうか。と職員室に行ってみれば、待ち構えていた担任から「なにか悩みがあるのか?先生でよければ聞くぞ?」と聞かれた。
…確かに私はこの数日間で色々あったけど、鬼気迫るようなことはなにもない。
死ぬフラグがたっているわけでもないし、私は二度目のJK生活を結構楽しんでいるつもりである。
「……別に、なにもないですけど」
「だがな、お前いきなり金髪ってな」
「他にも金髪の人いるじゃないですか。うち公立だから校則緩いし」
「でも」
「一度染めてみたかったからですよ。別に非行に走ってる訳じゃないですよ」
「化粧だってこんな濃いし!!」
「他にも化粧してる人いますって」
「だけど!!」
私は始業式を終えてイメチェンをしたのだが、思いきってギャル系になってみた。
金髪に一度染めてみたかったのもあるのだが、これなら地味とか言われずに済むんじゃないだろうかと考えが至ったのだ。
私の勝手な偏見で申し訳ないが、ギャル系の女の子は戦闘能力が高そうに見えるのだ。もうそこに居るだけで圧倒される存在なんじゃないかと思う。
化粧もガッツリできるので、地味なこの顔を孔雀のように華やかにしてオーラで敵を圧倒できるのではなかろうかと考えたのだ。
お前はなにと戦ってるのかと言われれば、弟と比較してくる有象無象とでも言っておく。慣れたとはいえ、相手しないに越したことはないのである。
担任との攻防を終え、疲れた顔をしながら教室に戻っていると例のヒロインちゃんと、スポーツ万能クラスメイト兼私の幼馴染みである山浦大志が会話しているのを見つけ、私は反射的にササッと物陰に隠れる。
幼馴染みの山浦大志は巨人である。
バスケ部在籍で188cmの長身で、精悍な顔立ちをしている。ああいうのを切れ長の瞳と言うのであろうか。これまたイケメンで、ファンクラブなんてあるらしい。乙女ゲームあるあるだ。
今は彼女がおり、その子が山浦大志ルートのライバルキャラ。
私と幼馴染みのうちは斜向かいなので、たまたま家の前で遭遇して少し話をしたときは、普通の恋する一途な子だなと感じた。もちろんライバルキャラらしく美人で、少々つり目がちだけど、そこがいい味だしている背の高いスレンダーな女の子。
あの彼女さんが乙女ゲームのようないじめをするのかと思うと女って怖いって思う。
(ゲーム補正なんてあるのかな?)
私はそんなことを考えながら窓の外を眺めた。
入学式の時満開だった桜は、早くも葉桜へと移り変わっていたのであった。
キーンコーンカーンコーン
そんな風に黄昏れていると、予鈴がなった。
5時間目は体育だ。
そして私はお弁当を半分も食べれていない。
グウゥと空腹を訴える腹を抱えながら急いで準備に走る羽目になったのだ。
私は空腹のまま、体力テストを受けて最低記録を更新した。
(ランニングして体力つけよう)
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