192 / 312
番外編
小話・すみれちゃんと伯父さん。
しおりを挟む
※続編読了されてない方はご注意下さい。
【未来の橘家の話】
ふたりの子どもの設定だけ軽く↓
橘 睦生
亮介とあやめの長男で、あやめ似の男の子。面倒見の良いお兄ちゃんタイプだが、押しの強い幼馴染達のせいで好意に鈍い難聴系ヒーローになる。
橘 すみれ
亮介とあやめの長女で、外見は亮介似のクール美幼女。ただしお転婆無鉄砲ガールに成長する。恵介伯父さんにすごく懐いている。睦生の2個下。
ーーーーーーーーーー
「ほら、すみれ! 良かったね~伯父さんがすみれのためにお人形買ってくれたって!」
「すみれ! 伯父さんが遊びに来たよ!」
「すみれ! 伯父さんがお散歩につれてってくれるって!」
睦生の時の悲劇を起こさせないように、娘の時は私は義兄をちゃんと伯父と把握させるべく強調して言い聞かせた。
今回は間違いが起きないように、亮介
さんが父親であるとインプットしておきたいのだが……
睦生はすみれの2歳上だから、亮介さんがお父さんだともうちゃんとわかっているけど、すみれはまだそこまで理解が追いついていないだろうから、刷り込みさせるしかない。
だが悲劇は2度起きることになった。
「すみれ~伯父さんが絵本読んでくれるって~」
赤ちゃんであるすみれは義兄=遊んでくれる人と把握していた。
その日は休日で、日頃の疲れを癒やしに来たのか、甥姪に会いに来た義兄は早速知育を始めようとしていた。
義兄が頻繁に遊びに来ることに慣れてしまった亮介さんはぼんやりとそれを眺めている。
橘の義父・義母から、結婚のけの字もない義兄のことを心配しているという相談を受けてはいたが……今の時代強制させることでもないし‥…
義父母の知り合いのツテとかでお見合いをセッティングしてみては? とアドバイスをしてみたけど、義兄はドライな所があるからどうかな。
すみれは遊んでくれる人がやってきたと反応すると、二足歩行で駆け寄ってくる。義兄に懐いているのか、すみれはフル笑顔である。両手を広げて義兄に抱き着いた。
亮介さんはそれを面白くなさそうにしているけど……その顔見てると、うちの父を思い出すわ。
「おぃたん!」
「……」
「……あら、」
「……すみれ」
上から順にすみれ、義兄、私、亮介さんである。おぉ…お父さんの前に伯父さんを先に呼んだか…
義兄は可愛がっている姪からの「伯父さん」呼びに心なしか嬉しそうだ。すみれを高い高いして喜びを表現している。
私は…無表情になっている亮介さんにそっと声をかけた。
「……今度は間違えなかったから良かったですね?」
「…あやめが…すみれに言い聞かせるからこんなことに…」
「良かれと思ってやったことなんですけどね。間違わなかっただけマシじゃないですか?」
「………」
私のせいにされた。無表情でこっち見るの止めてください。
すみれはお父さんが大好きなのだが、たまに遊びに来る伯父さんのことも大好きなのだ。仕方ないじゃない。
睦生のときと同じくらい凹んでいる亮介さん。どうしようかなーと思っていると、父親が凹んでいると察知したすみれが、義兄の膝の上から降りて、亮介さんのもとに駆け寄ってきた。
ソファーに座っている亮介さんの膝小僧に手を載せて、心配そうに顔を伺っている。
「いたいいたい?」
「…大丈夫、痛くない」
「とぉたん、いたい、ない?」
「……すみれ…」
その直後、亮介さんはすみれを抱きしめていた。順番は置いておいて、めっちゃ嬉しかったようだ。
……喜んでいる2人には悪いけど、すみれは既に私のことを「お母さん」と呼んでいるのだ。悔しがるだろうから言わないけど。
さて、おやつも用意できた。そろそろ睦生を起こすかな。
あの子ってば、いつもお昼寝ばかりしてるんだから。幼稚園で「将来の夢」を画用紙いっぱいにお布団を描いてたらしく、保育士さんにその事を聞かされた時なんとも言えない気持ちになったよ。
将来はお布団屋の娘さんのお婿さんにでもなるのだろうか。ニートだけはお母さん許しませんよ。
【未来の橘家の話】
ふたりの子どもの設定だけ軽く↓
橘 睦生
亮介とあやめの長男で、あやめ似の男の子。面倒見の良いお兄ちゃんタイプだが、押しの強い幼馴染達のせいで好意に鈍い難聴系ヒーローになる。
橘 すみれ
亮介とあやめの長女で、外見は亮介似のクール美幼女。ただしお転婆無鉄砲ガールに成長する。恵介伯父さんにすごく懐いている。睦生の2個下。
ーーーーーーーーーー
「ほら、すみれ! 良かったね~伯父さんがすみれのためにお人形買ってくれたって!」
「すみれ! 伯父さんが遊びに来たよ!」
「すみれ! 伯父さんがお散歩につれてってくれるって!」
睦生の時の悲劇を起こさせないように、娘の時は私は義兄をちゃんと伯父と把握させるべく強調して言い聞かせた。
今回は間違いが起きないように、亮介
さんが父親であるとインプットしておきたいのだが……
睦生はすみれの2歳上だから、亮介さんがお父さんだともうちゃんとわかっているけど、すみれはまだそこまで理解が追いついていないだろうから、刷り込みさせるしかない。
だが悲劇は2度起きることになった。
「すみれ~伯父さんが絵本読んでくれるって~」
赤ちゃんであるすみれは義兄=遊んでくれる人と把握していた。
その日は休日で、日頃の疲れを癒やしに来たのか、甥姪に会いに来た義兄は早速知育を始めようとしていた。
義兄が頻繁に遊びに来ることに慣れてしまった亮介さんはぼんやりとそれを眺めている。
橘の義父・義母から、結婚のけの字もない義兄のことを心配しているという相談を受けてはいたが……今の時代強制させることでもないし‥…
義父母の知り合いのツテとかでお見合いをセッティングしてみては? とアドバイスをしてみたけど、義兄はドライな所があるからどうかな。
すみれは遊んでくれる人がやってきたと反応すると、二足歩行で駆け寄ってくる。義兄に懐いているのか、すみれはフル笑顔である。両手を広げて義兄に抱き着いた。
亮介さんはそれを面白くなさそうにしているけど……その顔見てると、うちの父を思い出すわ。
「おぃたん!」
「……」
「……あら、」
「……すみれ」
上から順にすみれ、義兄、私、亮介さんである。おぉ…お父さんの前に伯父さんを先に呼んだか…
義兄は可愛がっている姪からの「伯父さん」呼びに心なしか嬉しそうだ。すみれを高い高いして喜びを表現している。
私は…無表情になっている亮介さんにそっと声をかけた。
「……今度は間違えなかったから良かったですね?」
「…あやめが…すみれに言い聞かせるからこんなことに…」
「良かれと思ってやったことなんですけどね。間違わなかっただけマシじゃないですか?」
「………」
私のせいにされた。無表情でこっち見るの止めてください。
すみれはお父さんが大好きなのだが、たまに遊びに来る伯父さんのことも大好きなのだ。仕方ないじゃない。
睦生のときと同じくらい凹んでいる亮介さん。どうしようかなーと思っていると、父親が凹んでいると察知したすみれが、義兄の膝の上から降りて、亮介さんのもとに駆け寄ってきた。
ソファーに座っている亮介さんの膝小僧に手を載せて、心配そうに顔を伺っている。
「いたいいたい?」
「…大丈夫、痛くない」
「とぉたん、いたい、ない?」
「……すみれ…」
その直後、亮介さんはすみれを抱きしめていた。順番は置いておいて、めっちゃ嬉しかったようだ。
……喜んでいる2人には悪いけど、すみれは既に私のことを「お母さん」と呼んでいるのだ。悔しがるだろうから言わないけど。
さて、おやつも用意できた。そろそろ睦生を起こすかな。
あの子ってば、いつもお昼寝ばかりしてるんだから。幼稚園で「将来の夢」を画用紙いっぱいにお布団を描いてたらしく、保育士さんにその事を聞かされた時なんとも言えない気持ちになったよ。
将来はお布団屋の娘さんのお婿さんにでもなるのだろうか。ニートだけはお母さん許しませんよ。
10
あなたにおすすめの小説
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
理想の男性(ヒト)は、お祖父さま
たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。
そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室?
王太子はまったく好みじゃない。
彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。
彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。
そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった!
彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。
そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。
恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。
この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?
◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
R-Kingdom_1
他サイトでも掲載しています。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない
斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。
襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……!
この人本当に旦那さま?
って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる