27 / 209
Day's Eye 森に捨てられたデイジー
忍び寄る影
しおりを挟む
「ごきげんよう、マックさん」
「…ファーナム様?……あれ。ここ一般塔の図書館…」
「あなたがよくここにいるとフレッカー様に聞いたの。入場許可は頂いてるから大丈夫よ」
えぇ…そんな軽く一般塔に入れるの? それっていいことなの…?
一般塔の図書館で勉強していたらファーナム嬢が現れた。私の頭は一瞬疑問に固まったが、なんとか挨拶を返せた。彼女はといえば、私の教科書や開いていた本を覗き込み、目を瞬かせる。
「…あら、だいぶ先まで進んでるのね。噂通りの勤勉家ね」
長期休暇中の遅れを取り戻し、3年の範囲を予習中の私はほぼ毎日図書館通いをしている。
とはいえ、学年が上がったことによって内容も難しくなったのでスムーズに…とは行かないが。しかも一般塔の図書館の本はそこまで潤沢じゃない。だって利用者が少ない上に平民専用だからだ。
ファーナム嬢は私の前の席に座ると、目が合った私にニコリと微笑みかけてきた。
…なんだろう、この間の交流会の件で言いたいことでも出来たのかな…。
私は困惑していたが、彼女はどこからか持ってきた本を広げて読書をし始めてしまった。…私の邪魔にならないように極力話しかけないで、閉館時間ギリギリまで。用があれば話しかけてくるかなと待ってたんだけどなーにも言わないから、私も何も聞かなかった。
片付けを終えて図書館の外に出ると、そこにはメイド服を来た女性が立っていた。彼女はファーナム嬢の姿を認めると、頭を下げている。
そうよね、貴族の娘が一人でフラフラするわけじゃないもんね。
「それではまたね、マックさん」
「…お気をつけて」
…一体何だったの? ガリ勉クイーンの二つ名を持つ私は勉強だけは得意だが、おしゃべりは得意じゃない。彼女の目的が分からず困惑しっぱなしであった。
それ以降も何かと気にかけられた。
特別塔の図書館から持ち出し許可を取って借りてきてくれたという本を見せてくれたり、彼女が3年の時に使っていた教科書とノートをお借りしたり……私は助かるけど、ファーナム嬢には何の得もない。
ますます彼女の目的がわからない。
そして今日は一般塔と特別塔の境目になる中庭に席を設けた、優雅なティータイムに誘われた。おかげで私は一般塔の生徒たちに羨ましそうな視線を向けられて落ち着かない。
優雅にティーカップを傾ける彼女に対して、私はぎくしゃくとお茶を飲む。高そうな茶器だ。割らぬようにしなくては。お菓子をすすめられるも、緊張で味がよくわからない。
「ごめんなさいね。あなたにも都合ってものがあるのにこうして押しかけてきて」
紅茶を眺めていた私はパッと視線を上げた。その先にはファーナム嬢。先程まで笑顔を浮かべていたはずの彼女の表情は曇っていた。
「…理由を聞いてもよろしいですか? 一庶民と関わり合いになっても何の得もしないと思うのですが…」
パトロンにでもなってくれるとでも言うのか。私は教科書とか本を貸してくれるだけで十分なんだけど。そういうパトロンとかって見返り求められそうで怖いので遠慮しておきたい。
「校内の地位争いで疲れたの。あなたはそれとは無縁でしょう? あなたの興味は勉学だけ。私に興味がないから楽なのよ」
興味ないのバレバレだったか。
いや、だって貴族様に興味持っても仕方ないじゃない。
でもそうか、なるほど。お姫様の気まぐれ…息抜きね。
「あなたのそばだと息がしやすい気がするの。利権や嫉妬とは何の関係もないから」
まぁ庶民ですし。お貴族様に対抗意識持っても勝てるわけじゃないでしょう。
なんて返せばいいのか分からないので、微妙な笑顔を作っておいた。
「それにマックさんは自分というものを強く持っていて、とても好感が持てるの…だからあなたと親しくしたいの、迷惑かしら?」
そう言う彼女はなんだか……彼女の顔を正面から見つめて私は違和感を覚えた。
……なんか、おかしい。
ざわざわ、と彼女の身体に忍び寄る影。この間解呪したはずの呪いが再び彼女の身体に這い寄っている。
「…私は殿下の妻となるため、王妃になるため必死に頑張ってきたの。そんな私を、殿下は優しく見守ってくださったのに……彼は段々様子がおかしくなってしまわれたの」
黒いモヤがブワッと大きく広がった気がした。ファーナム嬢の沈んだ心に共鳴するかのように。
「前はあんな不誠実な方じゃなかった。おかしくなってしまわれたのはあの男爵令嬢が編入してきてから…!」
私が相槌せずとも、ファーナム嬢は一人で勝手にぺらぺら話してきた。
あの時殿下にべったりくっついていた令嬢は庶子育ちで、去年途中編入してきた男爵令嬢らしい。殿下は気を遣って彼女の面倒を見てあげていたそうなのだが、それから彼らは急接近するようになったとか。
「私の忠言にも、側近候補からの諌め言にも耳を貸さなくなって…人目はばからず逢瀬されるようになられた」
恋に溺れ、頭花畑になってしまった殿下は周りなど見えない状況らしいが、堂々と不貞をされたファーナム嬢は婚約者としての立場がない。
エスメラルダ王国は一夫一妻制だ。王族も例外ではない。愛人を設けることは出来るが、国を乱す原因になるのであまりいい顔はされない。イメージも最悪だ。
「殿下のことは同盟相手のように思っているの。私達の結婚は好いた惚れたの恋愛結婚とは違うけれど、真面目で誠実な彼を信頼して、好ましく思っていたのに、それが一気に裏切られた気分になって……少し疲れてしまったわ」
だけど弱いところを見せたら周りの貴族にナメられる。足を引っ張られる。なので彼女は気を張って、普段どおり過ごしてきたけど我慢の糸が切れてしまったのだそうだ。
彼女ははぁ、と息を吐き出すと、笑顔を作って「ごめんなさいね、今のはここだけの話にしておいて」と言った。私は黙って頷いておく。ていうかそんなことよりも彼女の身体にまとわりつくその黒いモヤが気になって仕方がないのですが。ファーナム嬢、誰かに恨まれたり、命を狙われていない…?
これを放置していたらこの間みたいに大きなモヤに変わって、いずれ命を吸い取ってしまう恐れがある。
「…私は、フレッカー卿は信頼できる先生だと思っているんですが、ファーナム様はいかがでしょうか」
「え…? えぇ、まぁそうね、彼は権力争いから離れているし、そういった事に興味もない方だから、足を引っ張ることも無いでしょう…」
そういう意味で聞いたんじゃないけどまぁいいや。私一人では判断つかないから彼に相談したい。
王太子云々はそちらでやってもらわなきゃならない案件だが、この黒呪術らしき呪いは早々に解決しておいたほうがいいと思うんだな。フレッカー卿は特別塔の教師なので、簡単に呼び出せないのがあれなんだけど…
その日のお茶会は不完全燃焼と言うか、微妙な空気で終わった。私はなんと言葉をかけていいか分からず、ただ彼女の弱音を聞いていただけだ。
パーティ会場で令嬢の群れに囲まれて優雅に笑っていたファーナム嬢が寂しく笑う姿はまるで別人のようであった。
彼女には心許せる友人はいないのだろうか。親兄弟は? こんなそのへんに居る村娘にしか吐き出せないって相当だぞ。
…お貴族様も、大変だな。
それにしても、ファーナム嬢に降りかかる呪いと、王太子殿下の心変わり…人格も別人みたいな言い方をしていたしどうにも引っかかるぞ…?
私は王太子殿下の人柄を知らんのでなんとも言えん。ファーナム嬢が大げさに語ってる可能性もあるが……それでも、あの交流会の時の態度はあまりに非礼だし、一国の王子がやっていい態度ではない。いくら権力者でも礼儀は大事だ。
──恋とか愛というものは、人格まで変わってしまうものなのだろうか?
王太子と未来の王太子妃。そのふたりを陥れようとする、何らかの力が影で暗躍している…なんて私の考えすぎだろうか。
ともかくフレッカー卿を見かけたら相談しなきゃ。
「…ファーナム様?……あれ。ここ一般塔の図書館…」
「あなたがよくここにいるとフレッカー様に聞いたの。入場許可は頂いてるから大丈夫よ」
えぇ…そんな軽く一般塔に入れるの? それっていいことなの…?
一般塔の図書館で勉強していたらファーナム嬢が現れた。私の頭は一瞬疑問に固まったが、なんとか挨拶を返せた。彼女はといえば、私の教科書や開いていた本を覗き込み、目を瞬かせる。
「…あら、だいぶ先まで進んでるのね。噂通りの勤勉家ね」
長期休暇中の遅れを取り戻し、3年の範囲を予習中の私はほぼ毎日図書館通いをしている。
とはいえ、学年が上がったことによって内容も難しくなったのでスムーズに…とは行かないが。しかも一般塔の図書館の本はそこまで潤沢じゃない。だって利用者が少ない上に平民専用だからだ。
ファーナム嬢は私の前の席に座ると、目が合った私にニコリと微笑みかけてきた。
…なんだろう、この間の交流会の件で言いたいことでも出来たのかな…。
私は困惑していたが、彼女はどこからか持ってきた本を広げて読書をし始めてしまった。…私の邪魔にならないように極力話しかけないで、閉館時間ギリギリまで。用があれば話しかけてくるかなと待ってたんだけどなーにも言わないから、私も何も聞かなかった。
片付けを終えて図書館の外に出ると、そこにはメイド服を来た女性が立っていた。彼女はファーナム嬢の姿を認めると、頭を下げている。
そうよね、貴族の娘が一人でフラフラするわけじゃないもんね。
「それではまたね、マックさん」
「…お気をつけて」
…一体何だったの? ガリ勉クイーンの二つ名を持つ私は勉強だけは得意だが、おしゃべりは得意じゃない。彼女の目的が分からず困惑しっぱなしであった。
それ以降も何かと気にかけられた。
特別塔の図書館から持ち出し許可を取って借りてきてくれたという本を見せてくれたり、彼女が3年の時に使っていた教科書とノートをお借りしたり……私は助かるけど、ファーナム嬢には何の得もない。
ますます彼女の目的がわからない。
そして今日は一般塔と特別塔の境目になる中庭に席を設けた、優雅なティータイムに誘われた。おかげで私は一般塔の生徒たちに羨ましそうな視線を向けられて落ち着かない。
優雅にティーカップを傾ける彼女に対して、私はぎくしゃくとお茶を飲む。高そうな茶器だ。割らぬようにしなくては。お菓子をすすめられるも、緊張で味がよくわからない。
「ごめんなさいね。あなたにも都合ってものがあるのにこうして押しかけてきて」
紅茶を眺めていた私はパッと視線を上げた。その先にはファーナム嬢。先程まで笑顔を浮かべていたはずの彼女の表情は曇っていた。
「…理由を聞いてもよろしいですか? 一庶民と関わり合いになっても何の得もしないと思うのですが…」
パトロンにでもなってくれるとでも言うのか。私は教科書とか本を貸してくれるだけで十分なんだけど。そういうパトロンとかって見返り求められそうで怖いので遠慮しておきたい。
「校内の地位争いで疲れたの。あなたはそれとは無縁でしょう? あなたの興味は勉学だけ。私に興味がないから楽なのよ」
興味ないのバレバレだったか。
いや、だって貴族様に興味持っても仕方ないじゃない。
でもそうか、なるほど。お姫様の気まぐれ…息抜きね。
「あなたのそばだと息がしやすい気がするの。利権や嫉妬とは何の関係もないから」
まぁ庶民ですし。お貴族様に対抗意識持っても勝てるわけじゃないでしょう。
なんて返せばいいのか分からないので、微妙な笑顔を作っておいた。
「それにマックさんは自分というものを強く持っていて、とても好感が持てるの…だからあなたと親しくしたいの、迷惑かしら?」
そう言う彼女はなんだか……彼女の顔を正面から見つめて私は違和感を覚えた。
……なんか、おかしい。
ざわざわ、と彼女の身体に忍び寄る影。この間解呪したはずの呪いが再び彼女の身体に這い寄っている。
「…私は殿下の妻となるため、王妃になるため必死に頑張ってきたの。そんな私を、殿下は優しく見守ってくださったのに……彼は段々様子がおかしくなってしまわれたの」
黒いモヤがブワッと大きく広がった気がした。ファーナム嬢の沈んだ心に共鳴するかのように。
「前はあんな不誠実な方じゃなかった。おかしくなってしまわれたのはあの男爵令嬢が編入してきてから…!」
私が相槌せずとも、ファーナム嬢は一人で勝手にぺらぺら話してきた。
あの時殿下にべったりくっついていた令嬢は庶子育ちで、去年途中編入してきた男爵令嬢らしい。殿下は気を遣って彼女の面倒を見てあげていたそうなのだが、それから彼らは急接近するようになったとか。
「私の忠言にも、側近候補からの諌め言にも耳を貸さなくなって…人目はばからず逢瀬されるようになられた」
恋に溺れ、頭花畑になってしまった殿下は周りなど見えない状況らしいが、堂々と不貞をされたファーナム嬢は婚約者としての立場がない。
エスメラルダ王国は一夫一妻制だ。王族も例外ではない。愛人を設けることは出来るが、国を乱す原因になるのであまりいい顔はされない。イメージも最悪だ。
「殿下のことは同盟相手のように思っているの。私達の結婚は好いた惚れたの恋愛結婚とは違うけれど、真面目で誠実な彼を信頼して、好ましく思っていたのに、それが一気に裏切られた気分になって……少し疲れてしまったわ」
だけど弱いところを見せたら周りの貴族にナメられる。足を引っ張られる。なので彼女は気を張って、普段どおり過ごしてきたけど我慢の糸が切れてしまったのだそうだ。
彼女ははぁ、と息を吐き出すと、笑顔を作って「ごめんなさいね、今のはここだけの話にしておいて」と言った。私は黙って頷いておく。ていうかそんなことよりも彼女の身体にまとわりつくその黒いモヤが気になって仕方がないのですが。ファーナム嬢、誰かに恨まれたり、命を狙われていない…?
これを放置していたらこの間みたいに大きなモヤに変わって、いずれ命を吸い取ってしまう恐れがある。
「…私は、フレッカー卿は信頼できる先生だと思っているんですが、ファーナム様はいかがでしょうか」
「え…? えぇ、まぁそうね、彼は権力争いから離れているし、そういった事に興味もない方だから、足を引っ張ることも無いでしょう…」
そういう意味で聞いたんじゃないけどまぁいいや。私一人では判断つかないから彼に相談したい。
王太子云々はそちらでやってもらわなきゃならない案件だが、この黒呪術らしき呪いは早々に解決しておいたほうがいいと思うんだな。フレッカー卿は特別塔の教師なので、簡単に呼び出せないのがあれなんだけど…
その日のお茶会は不完全燃焼と言うか、微妙な空気で終わった。私はなんと言葉をかけていいか分からず、ただ彼女の弱音を聞いていただけだ。
パーティ会場で令嬢の群れに囲まれて優雅に笑っていたファーナム嬢が寂しく笑う姿はまるで別人のようであった。
彼女には心許せる友人はいないのだろうか。親兄弟は? こんなそのへんに居る村娘にしか吐き出せないって相当だぞ。
…お貴族様も、大変だな。
それにしても、ファーナム嬢に降りかかる呪いと、王太子殿下の心変わり…人格も別人みたいな言い方をしていたしどうにも引っかかるぞ…?
私は王太子殿下の人柄を知らんのでなんとも言えん。ファーナム嬢が大げさに語ってる可能性もあるが……それでも、あの交流会の時の態度はあまりに非礼だし、一国の王子がやっていい態度ではない。いくら権力者でも礼儀は大事だ。
──恋とか愛というものは、人格まで変わってしまうものなのだろうか?
王太子と未来の王太子妃。そのふたりを陥れようとする、何らかの力が影で暗躍している…なんて私の考えすぎだろうか。
ともかくフレッカー卿を見かけたら相談しなきゃ。
40
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】身代わり皇妃は処刑を逃れたい
マロン株式
恋愛
「おまえは前提条件が悪すぎる。皇妃になる前に、離縁してくれ。」
新婚初夜に皇太子に告げられた言葉。
1度目の人生で聖女を害した罪により皇妃となった妹が処刑された。
2度目の人生は妹の代わりに私が皇妃候補として王宮へ行く事になった。
そんな中での離縁の申し出に喜ぶテリアだったがー…
別サイトにて、コミックアラカルト漫画原作大賞最終候補28作品ノミネート
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる