99 / 137
乱れる乙女心
説得と提案
しおりを挟む
「呆れた」
ルーカスの弁解という名の言い訳を遮ることなく、全て聞き終えた大巫女様は心の奥底から呆れた顔をなさっていた。
私は彼女が腰掛けているソファの隣に座ってうつむいてフェリクスの顔を見つめていた。話を聞いていく内にだんだんルーカスの顔を見るのが辛くなってきてしまったのだ。
「我ながら間が悪い上に、情けない男だと思っています。ですが僕は決して彼女を裏切るつもりではありませんでした」
ルーカスの言葉に私は唇を噛み締めた。
そんなのわからないじゃない。妊娠したと私が打ち明けたら怖気づいて逃げていたかもしれないじゃない。
今だからこそ、大巫女様の前だからそんな事言っているんじゃないの?
口を開けば冷静さを欠いて醜態を晒してしまいそうだったのでぐっと堪える。
「それで? あなたはリナリアさんを見つけた。次はどうするおつもりで?」
「もちろん、彼女に許しを得た上で、求婚したいと考えています」
大巫女様の問いかけに迷わず返答したルーカス。
ぴくっと私の肩が揺れたのに気づいた人間はどれだけいるだろう。
そんなの、今更すぎる。
私にどうしろって言うの。
「なるほど…どうしましょう、リナリアさん」
隣から優しく大巫女様が声を掛けてくださる。敢えてここは私の意見を最優先してくれるみたいだ。
例えば、私は今の生活を守りたいと言えば、ルーカスから私を庇ってくれるだろう。
だけどそれを言うには、私の心には迷いが生まれてしまった。
だから彼と会いたくなかったのに。私の正体を知られたくなかったのに。
「大巫女権限であなたを神殿巫女に出来ます」
「…へっ?」
私の沈黙をどう捉えたのだろうか。大巫女様の提案に目を丸くして気の抜けた返事をしてしまった。
「女神様の下僕になるということは、異性との結婚・接触が禁止になります。そうすればこの男性の手から逃れる。誰であろうとあなたに干渉できなくなります」
いや……別にそこまでせずとも。
どっちにせよ、未婚で出産している立場なので結婚は諦めていたし、神殿入りすると、今より戒律に縛られそうだから都合が悪いかな。今の仕事は気に入っているからやめたくないし。
「ただのリナリアとして女神様に仕えますか? もちろん坊やは俗世に籍を置いたままにも出来ます」
私の困惑をよそに、神殿巫女になることをおすすめしてくる大巫女様。私はそれに何も言えずに返事に窮していた。
どう言えば角が立たずに収められるだろう。
「おやめください! なんてことを仰るのですか!」
断固反対の意志を見せたのはルーカスだった。
私のことなのになんでルーカスが口を出すのか。私がムッとしていると、同じく気に触ったらしい大巫女様が冷たい目でルーカスを睨みつけていた。
「黙りなさい。発言を許した覚えはありませんよ」
「しかしっ」
「…つまみ出しておきましょうか?」
それに怯まず言い募ろうとしたルーカスの言葉を遮るようにして口を挟んできたのは、第三者だった。
黒髪を持つ女性だったので一瞬あのドロテアさんかと錯覚したけど全然違う人だった。
その人はドロテアさんと同じ漆黒の髪色だけど、年頃も顔立ちも瞳の色も違った。不思議な紫色の瞳をしたその人はエスメラルダの高等魔術師であることを証明するペンダントをしていた。
難解な試験を突破した、国に数人いる程度の高等魔術師。女性では初めて見たかも。
私よりもいくつか年上のきれいな女の人。大巫女様と同じくらいのお年だろうか。一体誰……?
「あなたは」
ルーカスはその女性を知っているようで、驚いた顔をしている。クライネルト家はエスメラルダの魔術師と交流があるのかな。
「お久しぶりです、サンドラ様。先日ご依頼いただいていた薬ができたので配達に来たんですが、他人の痴情のもつれに巻き込まれたとお聞きして……」
どうやら大巫女様に用があって近くに立ち寄ると、この騒ぎを耳にしてやって来たようなのだ。
紫色の瞳がちらりとこちらをみた。私とフェリクス、そしてルーカスへ視線が送られる。
「外で大体の話は聞かせてもらいましたけど、ここで話し合いしても、建設的な解決には至らないと思います。夜遅いですし、坊やもお休みの時間が迫ってるでしょうし」
言外に、話し合いは持ち越して解散しろと言う女性。
確かに時間のことを考えるとご近所迷惑にもなるし、そろそろフェリクスをお布団で寝かせてあげたい。大人たちの会話はうるさくて敵わないだろう。
ルーカスは不満そうに眉間にシワを寄せていて納得していない様子だが。
それに気づいた女性は腰に手を当ててため息をついた。
「君は自分のした責任を負いなさい。まずはすることがあるでしょう?」
少し年上の女性にチクリと言われて気まずいらしいルーカスはぐうの音も出ない様子だ。
「未婚の女性が妊娠することに対して世間の目が冷たいのは理解したと思う。なにか事情があったにしても、苦労させることになった原因は君にあるからね」
少し感情的になっていた大巫女様と違って、こちらの女性はあくまで第三者としての意見を冷静に述べた。
ルーカスも重々理解しているからか、反論はないみたいだ。
「今の君は中途半端すぎる。責任を取るとは言うけど、全くもって信用がない。まずは自分や彼女の親に真実を述べて頭を下げて、殺される覚悟で許しを得てから、このお嬢さんに初めて求婚できると思いなさい」
ころ、殺される覚悟って。
流石に言いすぎじゃと思ったけど、大巫女様は同じ意見らしく、大きく首を縦に振っていた。
出る言葉もないルーカスから興味をなくした女性は視線を私に向けた。
「お嬢さんは、家族に見捨てられたの?」
「いえ……迷惑をかけたくなくて自己判断で失踪しました」
「親にひどく当たられるとか冷たくされるってことはあった?」
「いえ、ありません。両親は私を大切に育ててくれました…」
なんでそんなこと質問してくるのだろう。不思議に思いながら正直に答えると、ここに来て女性は初めて無表情から心配する親の顔を見せた。
「頼れる親がいるなら頼った方がいい。今まで大切に育ててくれたのであれば、妊娠したことで娘を放り出すような非情な人たちではないはずだよ? あなたは迷惑をかけたくないと言うけど、訳も告げずに失踪される方が余程迷惑だし、心配で不安だよ」
私も若い頃散々親に心配かけさせたから偉そうなことは言えないけどね、と苦笑いを浮かべる女性。彼女にはお子さんがいるのかな。だから親の立場になって意見を言っているのだろうか。
私もすでに人の親だけど、まだまだ未熟者ということなのだろうか。
「私が実家まで一緒についていって親御さんに話をつけてあげる。仮に突き放された場合はその後のことまで対処してあげるから、一度顔を見せに帰ってあげない?」
黒髪の女性の提案に私はまごつく。
もう二度と実家には帰らないつもりでいた。
夫でもない相手と子供を作った私は両親を裏切ってしまった気がして、合わせる顔がないと思っていたから。
どうしよう……帰ったほうがいいのかな。
帰ったら、優しく出迎えてくれるだろうか……?
両親には会いたい。
だけど嫌われるのが怖くて帰れなかった。
その結果、2人を傷つけているのだとしたら、私の選択は間違っていたのだろうか。
「彼女は信用に値する方です。悪いことにはならないとお約束しますよ」
迷いはまだあったけど、大巫女様に後押しされて私は決めた。
ルーカスに存在を知られた時点で、このままではいられないというのは確定なんだ。来る日が来てしまったと割り切ろう。
私も人の親だ。けじめをつけよう。それで両親に軽蔑されてもそれを甘んじて受け入れる。
帰ろう、実家に。もう隠れず真実を両親に話すんだ。
決心した私は、黒髪の女性に家まで送ってもらうことになったのである。
ルーカスの弁解という名の言い訳を遮ることなく、全て聞き終えた大巫女様は心の奥底から呆れた顔をなさっていた。
私は彼女が腰掛けているソファの隣に座ってうつむいてフェリクスの顔を見つめていた。話を聞いていく内にだんだんルーカスの顔を見るのが辛くなってきてしまったのだ。
「我ながら間が悪い上に、情けない男だと思っています。ですが僕は決して彼女を裏切るつもりではありませんでした」
ルーカスの言葉に私は唇を噛み締めた。
そんなのわからないじゃない。妊娠したと私が打ち明けたら怖気づいて逃げていたかもしれないじゃない。
今だからこそ、大巫女様の前だからそんな事言っているんじゃないの?
口を開けば冷静さを欠いて醜態を晒してしまいそうだったのでぐっと堪える。
「それで? あなたはリナリアさんを見つけた。次はどうするおつもりで?」
「もちろん、彼女に許しを得た上で、求婚したいと考えています」
大巫女様の問いかけに迷わず返答したルーカス。
ぴくっと私の肩が揺れたのに気づいた人間はどれだけいるだろう。
そんなの、今更すぎる。
私にどうしろって言うの。
「なるほど…どうしましょう、リナリアさん」
隣から優しく大巫女様が声を掛けてくださる。敢えてここは私の意見を最優先してくれるみたいだ。
例えば、私は今の生活を守りたいと言えば、ルーカスから私を庇ってくれるだろう。
だけどそれを言うには、私の心には迷いが生まれてしまった。
だから彼と会いたくなかったのに。私の正体を知られたくなかったのに。
「大巫女権限であなたを神殿巫女に出来ます」
「…へっ?」
私の沈黙をどう捉えたのだろうか。大巫女様の提案に目を丸くして気の抜けた返事をしてしまった。
「女神様の下僕になるということは、異性との結婚・接触が禁止になります。そうすればこの男性の手から逃れる。誰であろうとあなたに干渉できなくなります」
いや……別にそこまでせずとも。
どっちにせよ、未婚で出産している立場なので結婚は諦めていたし、神殿入りすると、今より戒律に縛られそうだから都合が悪いかな。今の仕事は気に入っているからやめたくないし。
「ただのリナリアとして女神様に仕えますか? もちろん坊やは俗世に籍を置いたままにも出来ます」
私の困惑をよそに、神殿巫女になることをおすすめしてくる大巫女様。私はそれに何も言えずに返事に窮していた。
どう言えば角が立たずに収められるだろう。
「おやめください! なんてことを仰るのですか!」
断固反対の意志を見せたのはルーカスだった。
私のことなのになんでルーカスが口を出すのか。私がムッとしていると、同じく気に触ったらしい大巫女様が冷たい目でルーカスを睨みつけていた。
「黙りなさい。発言を許した覚えはありませんよ」
「しかしっ」
「…つまみ出しておきましょうか?」
それに怯まず言い募ろうとしたルーカスの言葉を遮るようにして口を挟んできたのは、第三者だった。
黒髪を持つ女性だったので一瞬あのドロテアさんかと錯覚したけど全然違う人だった。
その人はドロテアさんと同じ漆黒の髪色だけど、年頃も顔立ちも瞳の色も違った。不思議な紫色の瞳をしたその人はエスメラルダの高等魔術師であることを証明するペンダントをしていた。
難解な試験を突破した、国に数人いる程度の高等魔術師。女性では初めて見たかも。
私よりもいくつか年上のきれいな女の人。大巫女様と同じくらいのお年だろうか。一体誰……?
「あなたは」
ルーカスはその女性を知っているようで、驚いた顔をしている。クライネルト家はエスメラルダの魔術師と交流があるのかな。
「お久しぶりです、サンドラ様。先日ご依頼いただいていた薬ができたので配達に来たんですが、他人の痴情のもつれに巻き込まれたとお聞きして……」
どうやら大巫女様に用があって近くに立ち寄ると、この騒ぎを耳にしてやって来たようなのだ。
紫色の瞳がちらりとこちらをみた。私とフェリクス、そしてルーカスへ視線が送られる。
「外で大体の話は聞かせてもらいましたけど、ここで話し合いしても、建設的な解決には至らないと思います。夜遅いですし、坊やもお休みの時間が迫ってるでしょうし」
言外に、話し合いは持ち越して解散しろと言う女性。
確かに時間のことを考えるとご近所迷惑にもなるし、そろそろフェリクスをお布団で寝かせてあげたい。大人たちの会話はうるさくて敵わないだろう。
ルーカスは不満そうに眉間にシワを寄せていて納得していない様子だが。
それに気づいた女性は腰に手を当ててため息をついた。
「君は自分のした責任を負いなさい。まずはすることがあるでしょう?」
少し年上の女性にチクリと言われて気まずいらしいルーカスはぐうの音も出ない様子だ。
「未婚の女性が妊娠することに対して世間の目が冷たいのは理解したと思う。なにか事情があったにしても、苦労させることになった原因は君にあるからね」
少し感情的になっていた大巫女様と違って、こちらの女性はあくまで第三者としての意見を冷静に述べた。
ルーカスも重々理解しているからか、反論はないみたいだ。
「今の君は中途半端すぎる。責任を取るとは言うけど、全くもって信用がない。まずは自分や彼女の親に真実を述べて頭を下げて、殺される覚悟で許しを得てから、このお嬢さんに初めて求婚できると思いなさい」
ころ、殺される覚悟って。
流石に言いすぎじゃと思ったけど、大巫女様は同じ意見らしく、大きく首を縦に振っていた。
出る言葉もないルーカスから興味をなくした女性は視線を私に向けた。
「お嬢さんは、家族に見捨てられたの?」
「いえ……迷惑をかけたくなくて自己判断で失踪しました」
「親にひどく当たられるとか冷たくされるってことはあった?」
「いえ、ありません。両親は私を大切に育ててくれました…」
なんでそんなこと質問してくるのだろう。不思議に思いながら正直に答えると、ここに来て女性は初めて無表情から心配する親の顔を見せた。
「頼れる親がいるなら頼った方がいい。今まで大切に育ててくれたのであれば、妊娠したことで娘を放り出すような非情な人たちではないはずだよ? あなたは迷惑をかけたくないと言うけど、訳も告げずに失踪される方が余程迷惑だし、心配で不安だよ」
私も若い頃散々親に心配かけさせたから偉そうなことは言えないけどね、と苦笑いを浮かべる女性。彼女にはお子さんがいるのかな。だから親の立場になって意見を言っているのだろうか。
私もすでに人の親だけど、まだまだ未熟者ということなのだろうか。
「私が実家まで一緒についていって親御さんに話をつけてあげる。仮に突き放された場合はその後のことまで対処してあげるから、一度顔を見せに帰ってあげない?」
黒髪の女性の提案に私はまごつく。
もう二度と実家には帰らないつもりでいた。
夫でもない相手と子供を作った私は両親を裏切ってしまった気がして、合わせる顔がないと思っていたから。
どうしよう……帰ったほうがいいのかな。
帰ったら、優しく出迎えてくれるだろうか……?
両親には会いたい。
だけど嫌われるのが怖くて帰れなかった。
その結果、2人を傷つけているのだとしたら、私の選択は間違っていたのだろうか。
「彼女は信用に値する方です。悪いことにはならないとお約束しますよ」
迷いはまだあったけど、大巫女様に後押しされて私は決めた。
ルーカスに存在を知られた時点で、このままではいられないというのは確定なんだ。来る日が来てしまったと割り切ろう。
私も人の親だ。けじめをつけよう。それで両親に軽蔑されてもそれを甘んじて受け入れる。
帰ろう、実家に。もう隠れず真実を両親に話すんだ。
決心した私は、黒髪の女性に家まで送ってもらうことになったのである。
20
あなたにおすすめの小説
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
猫になった悪女 ~元夫が溺愛してくるなんて想定外~
黒猫子猫
恋愛
ディアナは欲深く、夫にも結婚を強いた悪女として知られた女王だ。当然のように人々から嫌われ、夫婦仲は悪く、病に倒れた時も誰も哀しまなかった。ディアナは、それで良かった。余命宣告を受け、自分の幸せを追い求める事などとうに止めた。祖国のためにできる事は全てやった。思うままに生きたから、人生をやり直せると言われても、人間などまっぴらごめんだ。
そして、《猫》になった。日向でのんびりと寝ている姿が羨ましかったからだ。いざ、自堕落な生活をしようと思ったら、元夫に拾われてしまった。しかも、自分が死んで、解放されたはずの彼の様子が妙だ。
あなた、隙あらば撫でようとするの、止めてくれる? 私達は白い結婚だったでしょう。
あなた、再婚する気がないの? 「お前を愛したりしない」って嬉しい事を言ってくれたのは誰よ!
猫になった孤高の女王×妻を失って初めて色々気づいてしまった王配の恋のお話。
※全30話です。
お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?
夕立悠理
恋愛
もうすぐ高校一年生になる朱里には、大好きな人がいる。義兄の小鳥遊優(たかなしゆう)だ。優くん、優くん、と呼んで、いつも後ろをついて回っていた。
けれど、楽しみにしていた高校に入学する日、思い出す。ここは、前世ではまっていた少女漫画の世界だと。ヒーローは、もちろん、かっこよくて、スポーツ万能な優。ヒロインは、朱里と同じく新入生だ。朱里は、二人の仲を邪魔する悪役だった。
思い出したのをきっかけに、朱里は優を好きでいるのをやめた。優くん呼びは、封印し、お兄ちゃんに。中学では一緒だった登下校も別々だ。だって、だって、愛しの「お兄ちゃん」は、ヒロイン様のものだから。
──それなのに。お兄ちゃん、ちょっと、距離近くない……?
※お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね? は二人がいちゃついてるだけです。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
Catch hold of your Love
天野斜己
恋愛
入社してからずっと片思いしていた男性(ひと)には、彼にお似合いの婚約者がいらっしゃる。あたしもそろそろ不毛な片思いから卒業して、親戚のオバサマの勧めるお見合いなんぞしてみようかな、うん、そうしよう。
決心して、お見合いに臨もうとしていた矢先。
当の上司から、よりにもよって職場で押し倒された。
なぜだ!?
あの美しいオジョーサマは、どーするの!?
※2016年01月08日 完結済。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる