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番外編
来訪者
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ルーカスは毎日のおはようとおやすみのキスは欠かさない。
食事も時間が合えば一緒に摂るし、団欒の時間も一緒に過ごすこともある。
フェリクスのことも可愛がってくれて、あやし疲れた結果、抱っこしたままお昼寝していることだってある。
私への愛を言葉と態度で示してくれるし、妻として大切にしてくれていると感じる。
しかし、私達は夫婦のはずなのに、未だに身体を重ねていなかった。
寝る前もキスだけだ。その際に抱きついて甘えるもやんわり離される。
まるで拒絶されているみたいで悲しい。
「あなたと一緒に寝ては駄目なの?」
業を煮やした私がそう尋ねると、ルーカスは気まずそうに目をそらすのだ。
「あー…大学の課題をするから僕はまだ休まない。起こしてしまうかもしれないから…」
そんな風に無理矢理理由をこじつけては私を寝室へと追い返す。
最初は私の身体を心配して気を遣っているのだと思っていたけど、時間が経過するごとに違和感はどんどん大きくなった。
彼が手を出してくれない理由は、別にあるんだ。
夜に色仕掛けをしても駄目だった。スケスケのネグリジェだけじゃなく、あのハイドフェルトに着せられた際どい下着に似たものを着用して部屋に押しかけたけど、それでも駄目。
むしろ風邪をひくから薄着をしては駄目だとたしなめられた。私に色気がないのだろうかと落ち込むこともあった。
暑くなってきたので、髪型を変えて首元を出して過ごしていると、ルーカスがこちらをじっと見ていた。
やけに凝視するものだから「なに?」と首を傾げると、彼はハッとした顔をした。
ルーカスは「その髪型も似合うよ、綺麗だよ」と言うけど、私にくれるのは軽いキスのみだ。
日に日にもやもやが肥大していき、私の中で彼への不信感は育っていった。
それに気づいているのか否か、ルーカスは大学の研究室に泊まり込むようになった。数日は帰れないとルーカスから伝書鳩で連絡をもらったときは思わずため息が漏れ出した。
そんな私をフェリクスは不思議そうに見つめ、馬の玩具を私の頬にねじ込んでくる。地味に痛い。
「ありがとうね。でもいいのよ、これはフェリクスの玩具だからね」
やんわりお断りすると、次はおやつの人参ボーロを一粒差し出された。我が子にまで気を遣われて全く情けない母親である…
「リナリア様…あの、お客様がいらしていますが…」
「え?」
項垂れている私に声かけ辛そうに話しかけてきたメイドさんから来客の知らせを受けて、私は訝しんだ。
おかしいな、来客の予定はなかったはずだけど……
「お約束のない方の訪問はお断りしているんですが、ルーカス様に関わることだからって……その、しつこくて」
困った様子で助けを求めてきたメイドさん。
義両親はお仕事、夫のルーカスは大学、義祖父アンゼルムさんは離れで療養。長年クライネルト家に仕えている執事頭さんは用事で外に出ている。
現在屋敷にいるのは、難しい判断をする権限のない使用人さんだけのようである。
そうなればクライネルト家の長男の嫁である私が来客対応をこなさなくてはならない。
身だしなみを整えて、来客を待たせているという玄関ホール近くの応接室に顔を出すと、そこには見知らぬ女性の姿があった。多分、私と年の変わらない女性だ。
窓から差し込んだ陽の光が照らす彼女の髪の毛は赤毛にも見えた。私が入室したことに気づいたのか気の強そうなキリリとした眉がピクリと動いた。
彼女の茶系の瞳がこちらへ向く。真っ白な肌にはそばかすが散って見えた。
「あの、どちらさまでしょうか」
「……あなたが、ルークの奥さん?」
どなたなのかと聞いたのに、質問を返されてしまった。
「ルーカスの妻のリナリアです。それでどのようなご用向でしょうか」
「彼の着替えを取りに来ました」
「……え?」
今度は質問へ答えてくれたけど、それでも理解が追いつかなかった。
ルーカスの着替え? なんで知らない人に預けなきゃいけないの? そもそも彼女は誰なの。
「私はメラニーといいます。ルーカスが所属する大学の研究室の仲間で、彼とは特別親しくさせていただいてます」
大学の友人だと言われたが、彼女の語弊がありそうな言い方に私は引っかかった。
そこは強調するところなのだろうか。
「昨日は私と一緒でした」
にっこりと笑う彼女であるが、その笑顔にはあまりいい感じがしない。どう頑張っても好意的には受け取れない。挑発されているような気がする。
「奥さん、相手してあげてないらしいですね。彼が可哀相」
夫婦生活について赤の他人から揶揄されて私は不快な気持ちにさせられた。
ルーカス、そんなことを大学の人に話しているの? しかも異性に向けて。
本人がこの場にいないので問い詰めることは出来ないが、少し彼を軽蔑した。
「もしかして、女として見れなくなったとか? 子ども生んだらそういう対象に見られなくなるってよく言いますもんね」
それは私も薄々考えていた。
愛していると何度も縋ってきた割に、キスしかしないルーカスは異常に見える。なにか欠陥があるのか、それとも私になにか問題があるのかと考えて思いついたのがそこだ。
全員とは言わないが、世の中にはそういう男性も存在すると知ってからその可能性も考えていた。
確かに妊娠したことで体の変化はあったけど、目立つほどじゃないし、大幅に太ったわけでもない。
まぁ、多少胸が大きくなったのはあるけど、ルーカスは私の胸の大きさまで覚えていないだろうし、気づいていないだろう…。
「あ、貴族に誘拐された時に穢されたって噂本当なんですか?」
おかしそうに笑うその女性は明らかに私をバカにしている。
なるほど、この人はルーカスの事を狙っているんだな。だから妻である私に牽制しに来たと。
しかし私は真正面から相手にしてあげるつもりはなかった。
「……恐れ入りますが、お帰りいただけますでしょうか」
「はぁ?」
大体着替えなんて、転送術で一時帰宅すればお風呂と一緒に済ませられるだろう。
そんなこともわからないこの人は魔力持ちではない。魔法魔術学校在校時の記憶をたどっても見かけない顔だから間違いなくそうだ。
恐らく中等学校から大学校へと進学した口だろう。優秀なはずなのに抜けているな。魔法と縁がなければ気づけないものだろうか。
「ルーカス本人からなんの連絡ももらっていないので、彼の着替えを渡すわけには参りません」
とはいえ、みなまで答える義理はないので、私は彼女を追い出した。
不審者扱いを受けたと感じたのだろうか。
彼女は思いっきり顔に怒りを露にしていた。
「なによっ! ルーカスに女として見てもらえていない、ただのお飾り女房のくせに! ひとり子ども産んだからって調子乗ってると後で痛い目に遭うんだから!」
そんなこと言われたって、本人にその気がないなら私にはどうしようもない。
私は何度も彼に夜のお誘いを仕掛けてみた。それでも駄目だったんだ。もうお手上げだ。
フェリクスの母として尊重され、大切に扱われているのは間違いない。
衣食住は十分すぎるほどだし、家事はクライネルト家の使用人さんが済ませてしまうので、休職中の私はなにもせず悠々自適に暮らしているただのお飾り女房にしか見えないはずだ。
外から見たら幸せそうに見えるかもしれないが、私は夫に拒絶された、魅力のない女である刻印を押されたような心境で毎日を過ごしている。
私はこんな結婚生活を望んでいたわけじゃない。私はなんのためにここにいるのだ。彼からの愛しているの言葉は空虚に聞こえるし、キスをされてもただ悲しくなるだけ。
ルーカスの求婚を受けたのは間違いだったのだろうか。
食事も時間が合えば一緒に摂るし、団欒の時間も一緒に過ごすこともある。
フェリクスのことも可愛がってくれて、あやし疲れた結果、抱っこしたままお昼寝していることだってある。
私への愛を言葉と態度で示してくれるし、妻として大切にしてくれていると感じる。
しかし、私達は夫婦のはずなのに、未だに身体を重ねていなかった。
寝る前もキスだけだ。その際に抱きついて甘えるもやんわり離される。
まるで拒絶されているみたいで悲しい。
「あなたと一緒に寝ては駄目なの?」
業を煮やした私がそう尋ねると、ルーカスは気まずそうに目をそらすのだ。
「あー…大学の課題をするから僕はまだ休まない。起こしてしまうかもしれないから…」
そんな風に無理矢理理由をこじつけては私を寝室へと追い返す。
最初は私の身体を心配して気を遣っているのだと思っていたけど、時間が経過するごとに違和感はどんどん大きくなった。
彼が手を出してくれない理由は、別にあるんだ。
夜に色仕掛けをしても駄目だった。スケスケのネグリジェだけじゃなく、あのハイドフェルトに着せられた際どい下着に似たものを着用して部屋に押しかけたけど、それでも駄目。
むしろ風邪をひくから薄着をしては駄目だとたしなめられた。私に色気がないのだろうかと落ち込むこともあった。
暑くなってきたので、髪型を変えて首元を出して過ごしていると、ルーカスがこちらをじっと見ていた。
やけに凝視するものだから「なに?」と首を傾げると、彼はハッとした顔をした。
ルーカスは「その髪型も似合うよ、綺麗だよ」と言うけど、私にくれるのは軽いキスのみだ。
日に日にもやもやが肥大していき、私の中で彼への不信感は育っていった。
それに気づいているのか否か、ルーカスは大学の研究室に泊まり込むようになった。数日は帰れないとルーカスから伝書鳩で連絡をもらったときは思わずため息が漏れ出した。
そんな私をフェリクスは不思議そうに見つめ、馬の玩具を私の頬にねじ込んでくる。地味に痛い。
「ありがとうね。でもいいのよ、これはフェリクスの玩具だからね」
やんわりお断りすると、次はおやつの人参ボーロを一粒差し出された。我が子にまで気を遣われて全く情けない母親である…
「リナリア様…あの、お客様がいらしていますが…」
「え?」
項垂れている私に声かけ辛そうに話しかけてきたメイドさんから来客の知らせを受けて、私は訝しんだ。
おかしいな、来客の予定はなかったはずだけど……
「お約束のない方の訪問はお断りしているんですが、ルーカス様に関わることだからって……その、しつこくて」
困った様子で助けを求めてきたメイドさん。
義両親はお仕事、夫のルーカスは大学、義祖父アンゼルムさんは離れで療養。長年クライネルト家に仕えている執事頭さんは用事で外に出ている。
現在屋敷にいるのは、難しい判断をする権限のない使用人さんだけのようである。
そうなればクライネルト家の長男の嫁である私が来客対応をこなさなくてはならない。
身だしなみを整えて、来客を待たせているという玄関ホール近くの応接室に顔を出すと、そこには見知らぬ女性の姿があった。多分、私と年の変わらない女性だ。
窓から差し込んだ陽の光が照らす彼女の髪の毛は赤毛にも見えた。私が入室したことに気づいたのか気の強そうなキリリとした眉がピクリと動いた。
彼女の茶系の瞳がこちらへ向く。真っ白な肌にはそばかすが散って見えた。
「あの、どちらさまでしょうか」
「……あなたが、ルークの奥さん?」
どなたなのかと聞いたのに、質問を返されてしまった。
「ルーカスの妻のリナリアです。それでどのようなご用向でしょうか」
「彼の着替えを取りに来ました」
「……え?」
今度は質問へ答えてくれたけど、それでも理解が追いつかなかった。
ルーカスの着替え? なんで知らない人に預けなきゃいけないの? そもそも彼女は誰なの。
「私はメラニーといいます。ルーカスが所属する大学の研究室の仲間で、彼とは特別親しくさせていただいてます」
大学の友人だと言われたが、彼女の語弊がありそうな言い方に私は引っかかった。
そこは強調するところなのだろうか。
「昨日は私と一緒でした」
にっこりと笑う彼女であるが、その笑顔にはあまりいい感じがしない。どう頑張っても好意的には受け取れない。挑発されているような気がする。
「奥さん、相手してあげてないらしいですね。彼が可哀相」
夫婦生活について赤の他人から揶揄されて私は不快な気持ちにさせられた。
ルーカス、そんなことを大学の人に話しているの? しかも異性に向けて。
本人がこの場にいないので問い詰めることは出来ないが、少し彼を軽蔑した。
「もしかして、女として見れなくなったとか? 子ども生んだらそういう対象に見られなくなるってよく言いますもんね」
それは私も薄々考えていた。
愛していると何度も縋ってきた割に、キスしかしないルーカスは異常に見える。なにか欠陥があるのか、それとも私になにか問題があるのかと考えて思いついたのがそこだ。
全員とは言わないが、世の中にはそういう男性も存在すると知ってからその可能性も考えていた。
確かに妊娠したことで体の変化はあったけど、目立つほどじゃないし、大幅に太ったわけでもない。
まぁ、多少胸が大きくなったのはあるけど、ルーカスは私の胸の大きさまで覚えていないだろうし、気づいていないだろう…。
「あ、貴族に誘拐された時に穢されたって噂本当なんですか?」
おかしそうに笑うその女性は明らかに私をバカにしている。
なるほど、この人はルーカスの事を狙っているんだな。だから妻である私に牽制しに来たと。
しかし私は真正面から相手にしてあげるつもりはなかった。
「……恐れ入りますが、お帰りいただけますでしょうか」
「はぁ?」
大体着替えなんて、転送術で一時帰宅すればお風呂と一緒に済ませられるだろう。
そんなこともわからないこの人は魔力持ちではない。魔法魔術学校在校時の記憶をたどっても見かけない顔だから間違いなくそうだ。
恐らく中等学校から大学校へと進学した口だろう。優秀なはずなのに抜けているな。魔法と縁がなければ気づけないものだろうか。
「ルーカス本人からなんの連絡ももらっていないので、彼の着替えを渡すわけには参りません」
とはいえ、みなまで答える義理はないので、私は彼女を追い出した。
不審者扱いを受けたと感じたのだろうか。
彼女は思いっきり顔に怒りを露にしていた。
「なによっ! ルーカスに女として見てもらえていない、ただのお飾り女房のくせに! ひとり子ども産んだからって調子乗ってると後で痛い目に遭うんだから!」
そんなこと言われたって、本人にその気がないなら私にはどうしようもない。
私は何度も彼に夜のお誘いを仕掛けてみた。それでも駄目だったんだ。もうお手上げだ。
フェリクスの母として尊重され、大切に扱われているのは間違いない。
衣食住は十分すぎるほどだし、家事はクライネルト家の使用人さんが済ませてしまうので、休職中の私はなにもせず悠々自適に暮らしているただのお飾り女房にしか見えないはずだ。
外から見たら幸せそうに見えるかもしれないが、私は夫に拒絶された、魅力のない女である刻印を押されたような心境で毎日を過ごしている。
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