61 / 91
二章
蠱惑的な提案
しおりを挟む
「人を、生き返らせる……?」
俺は男の言葉を復唱した。
「そうだ。その儀式の完成のためには、お前の協力が必要不可欠なんだ」
はっきりとした口調で男が言った。
「具体的には、俺が作った儀式の実験体になってもらいたいというわけだ」
人を生き返らせる? 生き返る? 生き返るということはつまり、死んだ人間が蘇るということなのか……?
「ふざけるな。そんなことができるわけがないだろ」
あまりに荒唐無稽な話であったため、今度は落ち着いた声で男の言葉を一蹴できた。
「人を弄ぶのも大概にしろ。お前の目的は何なんだ」
胃の奥からまた、ふつふつと怒りが込み上げてくるのがわかった。馬鹿げた話で俺を翻弄して、一体何が楽しいのか。
男がはあとため息を吐いた。
「別にふざけてもいないし弄んでもいない。俺はいたって真面目に話をしている」
「信じられるわけないだろ」
「信じてもらわなくても構わない。信じられるとも思っていないからな。だが、俺に協力する価値はあると思うぞ?」
「……どういう意味だ?」
「儀式が成功すれば、お前の大切な二人を生き返らせることができるかもしれない」
「―――ッ⁉」
その言葉に、俺の心臓がドクンッと大きく跳ねた。
脳裏に、二人の笑顔が映し出される。
初音とみらいを生き返らせることができる? そんなことはもちろん、今まで考えたことがなかった。
死んだ人間を生き返らせる方法など、この世に存在するわけがない。死んだらそこで終わり。死人はこちら側の世界に戻ってくることはできない。そんな現実は小学生でもわかるはずだ。
それなのに―――
俺の心は大きく揺れていた。
男の戯言に魅かれそうになっている自分がいる。
馬鹿馬鹿しいとわかっているのに。そんなことはあり得ないと理解しているのに―――
男の言葉に耳を傾けてしまう。あるはずのない未来を想像してしまう。
もしも二人が生き返るのなら、もしもまた彼女たちと暮らすことができるのなら、
俺は―――
「いい加減なことを言わないでください!」
しかし、俺が口を開くよりも前に、さよが吼えた。そこで俺ははっと我に返る。
「そんな適当な話で彼を惑わせて、一体何のつもりですか⁉」
これまでに見たこともないくらいに、彼女は激昂していた。
「適当などではない。俺はただ彼に協力してもらいたいだけだ」
「ふざけないでください! 人を生き返らせる儀式など、あるはずがないでしょう!」
「あるさ。言っただろう。俺が作ったと」
「…………ッ⁉」
「この六年間、俺が何もしていなかったと思うのか? あの日、お前の前から姿を消して、その辺をぶらぶらと散歩でもしていたと思うのか?」
「…………」
「ずっと、準備をしてきたんだ」
そこで男の声音が少し変化する。
「長かった。辛かった。血の滲む、なんて表現じゃとても足りない。俺は今日まで、全てを犠牲にして生きてきたんだ」
目の前の闇が、さらに深くなっていく。
「そして、ようやくあと一歩のところにまで来た。あと少しで全てが終わる。全てが変わる。俺は、やっとこの生き地獄から解放されるんだ」
そう言う男の言葉は、これまでのモノとは違った。確かな感情がそこには宿っていた。本心から出た言葉なのだろう。思わず俺は聞き入ってしまっていた。
「……本当に、できると思ってるんですか?」
さよが、わなわなと肩を震わせている。
「愚問だな。何度も言わせるな」
「たとえ可能だとしても、それが、何の代償も払わずにできることなんですか?」
「……さあな」
低く嗤って、男は答えをはぐらかした。
「それ相応の代償が必要なのでしょう?」
「…………」
「そんな危険な儀式を、行わせるわけにはいきません」
「……ならどうする?」
男がさよに問うた。
「止めます」
「あ?」
さよが力強い声で言った。
「止めて、兄さんを連れ戻します」
「連れ戻すだと? 俺を?」
彼女の言葉に顔を歪め、男がこれ以上ないくらいの嫌悪感を露にする。
「そうです。そのために、私はずっと兄さんを探してきたんです」
「はっ、虫唾が走る。お前ごときが俺を連れ戻せると思うのか? そんな権利が自分にあると、本気で思っているのか?」
「…………」
「話にならないな。お前と話していると疲れる」
男が呆れたようにため息を吐いた。
「兄さん、私は―――」
「さよ」
男がひときわ低い声で、彼女の名を呼んだ。
殺気の籠ったその声に、彼女の身体が大きく跳ねた。
「俺はな、こんな下らない話をしに来たわけじゃないんだ。お前に用はない。俺はな、彼と話がしたいんだよ」
男が冷たくあしらうと、彼女は悔しそうに奥歯を鳴らした。
「さて、お前はどうする?」
闇の奥から、男が再び俺に訊ねてきた。
「俺に協力する気はあるのか?」
「……俺は……」
言葉に窮してしまう。
何と答えればいいのか。何と答えるべきなのか。
協力すべきなのか。拒否するべきなのか。そもそも人を生き返らせることなど、本当に可能なのか。
わからなかった。
わからなかったが―――
彼女たち二人を生き返らせたいという想いだけは、確かに俺の中に存在していた。
「いい加減にしてくださいっ!」
さよがまた声を張り上げた。
「これ以上、彼を巻き込まないでください!」
男がため息を吐く音が聞こえてきた。
「……巻き込んだのはお前も同じだろう?」
「……ッ、それでも、彼の日常をこれ以上壊さないであげてください!」
「キンキンとうるさい奴だな」
男の声に苛立ちが籠った。
「少し黙っていてくれるか」
闇の向こうで男が動く気配があった。
パチンッ。
指を鳴らす音が聞こえた。
刹那、
カチンッ―――!
堅い物同士がぶつかり合う音と共に、さよが細い悲鳴を上げた。彼女が自分の口元に手を当てる。小さいうめき声のようなものを漏らしていた。
今のはまさか―――
「言霊の応用だ」
男が静かな声で言った。
「それで、答えは決まったか?」
余裕のある声で、男が再度俺に問うてきた。
「俺は……」
だが、俺はまだ答えを出せずにいた。どうすることが正しいのか、まるで判断がつかなかった。
呆然と立ち尽くす俺を見かねて、男が小さく息を吐いた。
「まあ、今すぐに決断しろとは言わない。少しだけ時間をやる」
そう言うと男は闇の中からこちらに近づいて来て、俺の肩に手を乗せた。
暗く濁った男の双眸が俺を覗き込んでくる。
「だが考えるまでもなく、すでに答えは出ていると思うがな」
次の瞬間、
ゴウッ―――!
一陣の風が吹いた。
凍てついた風が路地裏に吹き荒れ、砂と落ち葉が舞い上がる。
思わず目を閉じ、そして次に目を開けた時には、
男の姿はどこにもなく、目の前にはドロリと濃い闇が広がっているだけだった。
# # #
「全部、説明してもらうぞ」
テーブルを挟んで俺は彼女に詰め寄っていた。
場所は俺の家のリビング。男が去った後、俺は強制的にさよを家に連れてきた。
「あの男は、本当にお前の兄なのか?」
向かいに座る彼女に訊ねると、さよは俯いた状態で小さく頷いた。
「目的は何だ? 人を生き返らせるなんてことが、本当に可能なのか?」
「…………」
彼女は黙っている。下を向いたまま、小さく口を結んでいる。
俺は質問を変えた。
「男が言っていたことは本当なのか?」
そこで彼女の肩がピクリと動いた。
「お前は本当に、途中から全部わかってたのか? 知ってて、俺に言わなかったのか?」
「…………」
さよは何も答えない。下から彼女の顔を覗き込むようにしたが、すぐに目を逸らされてしまった。
その態度に腹が立って、俺はバンッと机を叩いた。
「黙ってないで何とか言えよ!」
彼女の身体がビクンと跳ねる。怒りを剥き出しにした俺に彼女はますます首を垂らし、小動物のように身体を小さくしてしまった。
俺がよく知る彼女の姿はそこにはなかった。幾度となく俺を助け、頼もしく見えた彼女の姿が、今はとても弱弱しい存在に見えた。
大きく息を吐き、俺はテーブルに突っ伏す。
額に当たるテーブルの冷たさが、少しだけ心地よかった。
色々な事実を一度に突き付けられて、頭の中がぐちゃぐちゃだった。こうして彼女と対峙しているが、さよを責めるべきなのかどうかも、正直言ってよくわかっていない。
あの事件の背景に、一体何があったのか。俺の知らないところで、何が起こっていたというのか。初音とみらいは何故死ななければならなかったのか。
何一つ、はっきりとした答えがわからない。
俺も当事者のはずなのに、一人だけ置き去りにされているような気がして、ひどい孤独感に苛まれていた。
……重たい静寂がリビングに落ちる。
針のように鋭く冷たい空気が、シンと部屋の中に張り詰めた。
壁に掛けられた時計の秒針音が、ねっとりと鼓膜に纏わりついてくる。
……どれくらいした頃だろうか。
不意に、すぅと空気が吸い込まれる音がした。
そして、
「あなたには、全てをお話します」
凛としたさよの声が、部屋に響いた。
おもむろに額をテーブルから離して顔を上げると、こちらを真っ直ぐに見つめる彼女と目が合った。その瞳の奥に、怯えや恐怖の色はなかった。代わりに確かな決意のような想いが伝わってきた。
「……どういう意味だ?」
俺が訊ねると、彼女は一度大きく深呼吸をしてから、その小さな口を開いた。
「全ての始まりは、六年前のある夜のことでした」
俺は男の言葉を復唱した。
「そうだ。その儀式の完成のためには、お前の協力が必要不可欠なんだ」
はっきりとした口調で男が言った。
「具体的には、俺が作った儀式の実験体になってもらいたいというわけだ」
人を生き返らせる? 生き返る? 生き返るということはつまり、死んだ人間が蘇るということなのか……?
「ふざけるな。そんなことができるわけがないだろ」
あまりに荒唐無稽な話であったため、今度は落ち着いた声で男の言葉を一蹴できた。
「人を弄ぶのも大概にしろ。お前の目的は何なんだ」
胃の奥からまた、ふつふつと怒りが込み上げてくるのがわかった。馬鹿げた話で俺を翻弄して、一体何が楽しいのか。
男がはあとため息を吐いた。
「別にふざけてもいないし弄んでもいない。俺はいたって真面目に話をしている」
「信じられるわけないだろ」
「信じてもらわなくても構わない。信じられるとも思っていないからな。だが、俺に協力する価値はあると思うぞ?」
「……どういう意味だ?」
「儀式が成功すれば、お前の大切な二人を生き返らせることができるかもしれない」
「―――ッ⁉」
その言葉に、俺の心臓がドクンッと大きく跳ねた。
脳裏に、二人の笑顔が映し出される。
初音とみらいを生き返らせることができる? そんなことはもちろん、今まで考えたことがなかった。
死んだ人間を生き返らせる方法など、この世に存在するわけがない。死んだらそこで終わり。死人はこちら側の世界に戻ってくることはできない。そんな現実は小学生でもわかるはずだ。
それなのに―――
俺の心は大きく揺れていた。
男の戯言に魅かれそうになっている自分がいる。
馬鹿馬鹿しいとわかっているのに。そんなことはあり得ないと理解しているのに―――
男の言葉に耳を傾けてしまう。あるはずのない未来を想像してしまう。
もしも二人が生き返るのなら、もしもまた彼女たちと暮らすことができるのなら、
俺は―――
「いい加減なことを言わないでください!」
しかし、俺が口を開くよりも前に、さよが吼えた。そこで俺ははっと我に返る。
「そんな適当な話で彼を惑わせて、一体何のつもりですか⁉」
これまでに見たこともないくらいに、彼女は激昂していた。
「適当などではない。俺はただ彼に協力してもらいたいだけだ」
「ふざけないでください! 人を生き返らせる儀式など、あるはずがないでしょう!」
「あるさ。言っただろう。俺が作ったと」
「…………ッ⁉」
「この六年間、俺が何もしていなかったと思うのか? あの日、お前の前から姿を消して、その辺をぶらぶらと散歩でもしていたと思うのか?」
「…………」
「ずっと、準備をしてきたんだ」
そこで男の声音が少し変化する。
「長かった。辛かった。血の滲む、なんて表現じゃとても足りない。俺は今日まで、全てを犠牲にして生きてきたんだ」
目の前の闇が、さらに深くなっていく。
「そして、ようやくあと一歩のところにまで来た。あと少しで全てが終わる。全てが変わる。俺は、やっとこの生き地獄から解放されるんだ」
そう言う男の言葉は、これまでのモノとは違った。確かな感情がそこには宿っていた。本心から出た言葉なのだろう。思わず俺は聞き入ってしまっていた。
「……本当に、できると思ってるんですか?」
さよが、わなわなと肩を震わせている。
「愚問だな。何度も言わせるな」
「たとえ可能だとしても、それが、何の代償も払わずにできることなんですか?」
「……さあな」
低く嗤って、男は答えをはぐらかした。
「それ相応の代償が必要なのでしょう?」
「…………」
「そんな危険な儀式を、行わせるわけにはいきません」
「……ならどうする?」
男がさよに問うた。
「止めます」
「あ?」
さよが力強い声で言った。
「止めて、兄さんを連れ戻します」
「連れ戻すだと? 俺を?」
彼女の言葉に顔を歪め、男がこれ以上ないくらいの嫌悪感を露にする。
「そうです。そのために、私はずっと兄さんを探してきたんです」
「はっ、虫唾が走る。お前ごときが俺を連れ戻せると思うのか? そんな権利が自分にあると、本気で思っているのか?」
「…………」
「話にならないな。お前と話していると疲れる」
男が呆れたようにため息を吐いた。
「兄さん、私は―――」
「さよ」
男がひときわ低い声で、彼女の名を呼んだ。
殺気の籠ったその声に、彼女の身体が大きく跳ねた。
「俺はな、こんな下らない話をしに来たわけじゃないんだ。お前に用はない。俺はな、彼と話がしたいんだよ」
男が冷たくあしらうと、彼女は悔しそうに奥歯を鳴らした。
「さて、お前はどうする?」
闇の奥から、男が再び俺に訊ねてきた。
「俺に協力する気はあるのか?」
「……俺は……」
言葉に窮してしまう。
何と答えればいいのか。何と答えるべきなのか。
協力すべきなのか。拒否するべきなのか。そもそも人を生き返らせることなど、本当に可能なのか。
わからなかった。
わからなかったが―――
彼女たち二人を生き返らせたいという想いだけは、確かに俺の中に存在していた。
「いい加減にしてくださいっ!」
さよがまた声を張り上げた。
「これ以上、彼を巻き込まないでください!」
男がため息を吐く音が聞こえてきた。
「……巻き込んだのはお前も同じだろう?」
「……ッ、それでも、彼の日常をこれ以上壊さないであげてください!」
「キンキンとうるさい奴だな」
男の声に苛立ちが籠った。
「少し黙っていてくれるか」
闇の向こうで男が動く気配があった。
パチンッ。
指を鳴らす音が聞こえた。
刹那、
カチンッ―――!
堅い物同士がぶつかり合う音と共に、さよが細い悲鳴を上げた。彼女が自分の口元に手を当てる。小さいうめき声のようなものを漏らしていた。
今のはまさか―――
「言霊の応用だ」
男が静かな声で言った。
「それで、答えは決まったか?」
余裕のある声で、男が再度俺に問うてきた。
「俺は……」
だが、俺はまだ答えを出せずにいた。どうすることが正しいのか、まるで判断がつかなかった。
呆然と立ち尽くす俺を見かねて、男が小さく息を吐いた。
「まあ、今すぐに決断しろとは言わない。少しだけ時間をやる」
そう言うと男は闇の中からこちらに近づいて来て、俺の肩に手を乗せた。
暗く濁った男の双眸が俺を覗き込んでくる。
「だが考えるまでもなく、すでに答えは出ていると思うがな」
次の瞬間、
ゴウッ―――!
一陣の風が吹いた。
凍てついた風が路地裏に吹き荒れ、砂と落ち葉が舞い上がる。
思わず目を閉じ、そして次に目を開けた時には、
男の姿はどこにもなく、目の前にはドロリと濃い闇が広がっているだけだった。
# # #
「全部、説明してもらうぞ」
テーブルを挟んで俺は彼女に詰め寄っていた。
場所は俺の家のリビング。男が去った後、俺は強制的にさよを家に連れてきた。
「あの男は、本当にお前の兄なのか?」
向かいに座る彼女に訊ねると、さよは俯いた状態で小さく頷いた。
「目的は何だ? 人を生き返らせるなんてことが、本当に可能なのか?」
「…………」
彼女は黙っている。下を向いたまま、小さく口を結んでいる。
俺は質問を変えた。
「男が言っていたことは本当なのか?」
そこで彼女の肩がピクリと動いた。
「お前は本当に、途中から全部わかってたのか? 知ってて、俺に言わなかったのか?」
「…………」
さよは何も答えない。下から彼女の顔を覗き込むようにしたが、すぐに目を逸らされてしまった。
その態度に腹が立って、俺はバンッと机を叩いた。
「黙ってないで何とか言えよ!」
彼女の身体がビクンと跳ねる。怒りを剥き出しにした俺に彼女はますます首を垂らし、小動物のように身体を小さくしてしまった。
俺がよく知る彼女の姿はそこにはなかった。幾度となく俺を助け、頼もしく見えた彼女の姿が、今はとても弱弱しい存在に見えた。
大きく息を吐き、俺はテーブルに突っ伏す。
額に当たるテーブルの冷たさが、少しだけ心地よかった。
色々な事実を一度に突き付けられて、頭の中がぐちゃぐちゃだった。こうして彼女と対峙しているが、さよを責めるべきなのかどうかも、正直言ってよくわかっていない。
あの事件の背景に、一体何があったのか。俺の知らないところで、何が起こっていたというのか。初音とみらいは何故死ななければならなかったのか。
何一つ、はっきりとした答えがわからない。
俺も当事者のはずなのに、一人だけ置き去りにされているような気がして、ひどい孤独感に苛まれていた。
……重たい静寂がリビングに落ちる。
針のように鋭く冷たい空気が、シンと部屋の中に張り詰めた。
壁に掛けられた時計の秒針音が、ねっとりと鼓膜に纏わりついてくる。
……どれくらいした頃だろうか。
不意に、すぅと空気が吸い込まれる音がした。
そして、
「あなたには、全てをお話します」
凛としたさよの声が、部屋に響いた。
おもむろに額をテーブルから離して顔を上げると、こちらを真っ直ぐに見つめる彼女と目が合った。その瞳の奥に、怯えや恐怖の色はなかった。代わりに確かな決意のような想いが伝わってきた。
「……どういう意味だ?」
俺が訊ねると、彼女は一度大きく深呼吸をしてから、その小さな口を開いた。
「全ての始まりは、六年前のある夜のことでした」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】百怪
アンミン
ホラー
【PV数100万突破】
第9回ネット小説大賞、一次選考通過、
第11回ネット小説大賞、一次選考通過、
マンガBANG×エイベックス・ピクチャーズ
第一回WEB小説大賞一次選考通過作品です。
百物語系のお話。
怖くない話の短編がメインです。
神楽囃子の夜
紫音みけ🐾書籍発売中
ライト文芸
※第6回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
地元の夏祭りを訪れていた少年・狭野笙悟(さのしょうご)は、そこで見かけた幽霊の少女に一目惚れしてしまう。彼女が現れるのは年に一度、祭りの夜だけであり、その姿を見ることができるのは狭野ただ一人だけだった。
年を重ねるごとに想いを募らせていく狭野は、やがて彼女に秘められた意外な真実にたどり着く……。
四人の男女の半生を描く、時を越えた現代ファンタジー。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
【電子書籍化】ホラー短編集・ある怖い話の記録~旧 2ch 洒落にならない怖い話風 現代ホラー~
榊シロ
ホラー
【1~4話で完結する、語り口調の短編ホラー集】
ジャパニーズホラー、じわ怖、身近にありそうな怖い話など。
八尺様 や リアルなど、2chの 傑作ホラー の雰囲気を目指しています。現在 150話 越え。
===
エブリスタ・小説家になろう・カクヨムに同時掲載中
【総文字数 800,000字 超え 文庫本 約8冊分 のボリュームです】
【怖さレベル】
★☆☆ 微ホラー・ほんのり程度
★★☆ ふつうに怖い話
★★★ 旧2ch 洒落怖くらいの話
※8/2 Kindleにて電子書籍化しました
『9/27 名称変更→旧:ある雑誌記者の記録』
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
怪奇蒐集帳(短編集)
naomikoryo
ホラー
この世には、知ってはいけない話がある。
怪談、都市伝説、語り継がれる呪い——
どれもがただの作り話かもしれない。
だが、それでも時々、**「本物」**が紛れ込むことがある。
本書は、そんな“見つけてしまった”怪異を集めた一冊である。
最後のページを閉じるとき、あなたは“何か”に気づくことになるだろう——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる