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三章
全ての始まり
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―――空っ風が吹き荒れ、まだまだ冬の気配が色濃く残るある朝。
私の両親が家を出た。
突然のことだった。朝起きてリビングに下りてくると、食卓の上には通帳とカード、それから小さな手紙が一枚置かれており、父と母の姿はどこにもなかった。
手紙には母の細い文字で『ごめんなさい』とだけ―――
いわゆる失踪だった。
当時、まだ小学六年生だった私は、突然突き付けられたその現実に,ただただ呆然とするしかなかった。しかし同時に、こうなることをわかっていたのかもしれない、と頭のどこかで思ったりもしていた。
……兄のことがあったからだ。
両親が家を出る一週間前の夜―――
彼らは私の兄を殺そうとした。
静かな夜だった。
質素な食卓にはいつも通りの光景が広がっていた。味噌汁と白ご飯、焼き魚、そしてテーブルの真ん中には大皿に盛られた野菜炒め。
食卓には母と父、そして私と兄の四人が座っていた。
本当にいつも通りの光景だった。
しかし―――
ガチャン―――ガタンッ―――!
向かいに座っていた兄が突然、椅子から床に倒れ落ちた。
一瞬、何が起こったのかわからなかった。しかし、胸を掻き毟りながらのたうち回る兄の姿ですぐに我に返り、私は椅子を蹴立てて彼の側に駆け寄った。テーブルの下に、兄の味噌汁が入れられていた器が転がっていた。
私は暴れる兄を必死に押さえつけ、彼に呼びかけた。
しかし兄は、嘔吐くような呻き声を漏らすばかりで、まともに会話ができるような状態ではなかった。白目を剥き、口からは泡を吹いていた。
兄に一体何が起きているのか。
理解が追い付かない状況に、私の頭は完全にパニックになった。恐怖と不安がごちゃ混ぜになった私は、後ろにいた両親に助けを求めた。
しかし、彼らの顔を見た瞬間、私の中にあったそれらの感情は吹き飛び、逆に落ち着きすら取り戻した。激しく狼狽する私とは正反対に、両親はとても静かに、そして氷のような冷ややかな眼で、苦しみもがく兄を見降ろしていたのだ。
私は瞬時に察知した。
今この場で頼ることができるのは、自分だけであるということを―――
凪のような落ち着きを取り戻した私は、すぐに家の固定電話から救急車を呼んだ。十分ほどで救急車は到着し、兄は病院へと運ばれていった。
幸いにして、兄は命を落とすことはなかった。目立った後遺症もなく、数日間の入院生活を経て、無事退院することができた。
しかし主治医には、もしもあと数分手当てをするのが遅れていたら、兄は助からなかっただろうと伝えられた。
兄は毒を喰っていた。味噌汁の中に入れられていた毒を、兄は喰わされたのだ。
その毒は他でもない、私の両親が盛ったものだった。事故などではない。故意に、意図的に、兄を亡き者にするために、父と母は兄の飯に毒を盛ったのだ。
その夜の出来事を以って、私の家族は崩壊した。いや、もしかすると、もうずいぶんと前から崩壊していたのかもしれないが、確かな形を持って崩れ去ったのは、間違いなくこの日が初めてのことだった。
そして、兄が毒を喰わされてからちょうど一週間後の朝、両親は家を出て行った。
彼らの失踪には驚きはしたけれど、その事実は意外にもすんなりと私の中に入ってきた。それは私が、兄に対しずっと恐怖心を抱いていた両親のことを知っていたからかもしれない。
父と母は、兄のことを怖がっていた。兄の持つ人並外れた〝力〟に、彼らはずっと怯え続けていた。
ここで言う〝力〟とは霊力のことを指す。霊力とはいわば人智を超えた能力のこと。もっと簡潔に言うのであれば第六感のような力のことである。
兄は生まれつき、この霊力を莫大にその身に宿していた。
元々、私たちの家系では霊力を多く持って生まれてくる子供が多い。詳細は不明だが、それは私たち血筋に大きく起因しているらしかった。
かく言う私も、そこらの一般人と比較すれば、遙かに多くの霊力をその身に宿しており、物心つく前から、自分が人とは違う力を使えることに気付いていた。
しかし、その中でも兄は逸材だった。生まれ持った霊力も才能も、私たちのそれらとは桁違いだった。
兄は天才だった。
そんな兄を、私はずっと尊敬し、目標としていた。
初めは両親も喜んでいた。実家が神社を営んでおり神職であった父は、才能豊かな兄が表に立てば参拝客も増えるだろうと期待していた。
……しかし、事はそう単純には運ばなかった。
兄が中学へ進学してしばらくした頃、近所でおかしな噂が流れるようになったのだ。
〝あの家の子は忌の子だ〟
そんな流言が、ちょくちょくと私たちの耳に入ってくるようになった。
〝あの家〟とは、もちろん私の家のことを指していた。
その噂はどうやら、兄のクラスメイトが源流であるらしかった。
元々人付き合いが苦手で内気だった兄は、クラスに上手く馴染むことができず、お世辞にも友達がいるとは言えなかった。学校から帰宅しても外に遊びに行くようなことは滅多になく、ずっと部屋の中で一人、黙々と本を読んでいるような人だった。だから、すき好んで兄に関わってくるような生徒はいなかったのだが―――
ある日、とある一人のクラスメイトが、休み時間の教室で兄を指差してこう言ったらしいのだ。
―――お前は悪魔の子だ、と。
明らかに悪意の籠った言葉だ。
しかしその生徒には、別段何の悪気もなかったらしい。ただ単純に、思ったことを、思ったまま口に出してしまったに過ぎなかったのだ。
実はその頃、兄の周りでは時折、奇妙な現象が目撃されるようになっていた。
授業中にラップ音が鳴り響いたり、誰も触れていないはずの花瓶が突然割れたり、机や椅子が勝手に宙に浮き上がったり―――そのような怪異が時折、兄の周囲で目撃されるようになっていた。
兄は自分の力を上手くコントロールできていなかった。天才の兄でも、自分の内に宿る莫大な霊力を持て余していたのだ。制御から外れた霊力は身の内から溢れ出し、周囲に何かしらの影響を及ぼす。その影響が、ラップ音やポルターガイストなどの怪異となって表れていたのだろう。
しかし当然、周囲の人間は、そんな兄の都合や理屈などは露ほども存じない。元々関係の希薄だったクラスメイトとの間に、溝が生じるのは時間の問題だった。
結果、気味悪がったクラスメイトの一人が、兄のことを〝悪魔の子だ〟と罵った。
通常なら、そのような言葉は戒められ、おかしな噂に繋がるようなこともないだろう。
しかし、兄の周りで起こる怪異については、その頃には既に学校中で噂となっており、生徒や先生、さらには生徒の親までもがそのことを承知していた。
根拠や信憑性を伴わない噂は自然消滅していく。しかし、ほんの少しでも信憑性や人の興味を惹く噂は、尾ひれはひれが付き、まるで積乱雲のように大きく膨らんで、いつしか真実と同等のモノに成り代わる。
不幸なことに、そのクラスメイトの言葉は後者へと割り当てられた。そしていつしか兄を指す言葉は〝忌の子〟に成り代わった。
噂が広がるのに比例して、兄の登校回数は減っていった。学校でイジメられるようなことも出てきたのかもしれない。気弱な性格の兄にとって、それはさぞかし辛いことであっただろう。私も辛かった。
そして、噂が経ち始めてから半年後の秋、兄は完全に不登校になり自室に引き籠った。風呂とトイレ、食事の時以外では、家でも姿を見せなくなった。
胸が痛かった。見ていられなかった。
本当は他人想いで心根の優しい兄なのに、どうして学校のみんなも大人たちも、そのことに気付いてくれないのだろうと怨んだ。そして何もできない自分を呪った。
その頃は、両親も兄のことを心配していた。何度も兄と話し合おうと試みていたし、あれこれと手は尽くしていた。しかし、兄がそれに応えることはなかった。
結局、彼らの方が先に折れた。
話し合いの末、兄の心の傷が癒えるまでは、しばらくそっとしておこうということになった。妙な噂も、兄が姿を見せなければそのうち自然に消滅していくだろうと考えての結論だった。
……しかし、事態はより悪い方向へと進んでしまうこととなった。
兄が引き籠り始めてから、一か月ほどが経ったある日の晩、私の家が所有する神社の境内で、小さなボヤ騒ぎがあったのだ。
父から連絡を受けた私は、急いで家から一時間ほどの距離にある神社に駆けつけた。すると、野次馬の向こうに見える拝殿の一角から、赤い炎が上がっているのが見えた。
しかし、幸い小さな火事であったようで、火はすぐに消し止められた。参拝客の少ない夕暮れ時であったために死傷者もおらず大事には至らなかった。
野次馬の中で、私はほっと胸を撫でおろした。
だが、私の後ろに立っていた男が、焦げた拝殿の一角を指差して、突然こんなことを言い出したのだ。
『私はこの神社の息子が火をつけているのを見た。忌の子が神社を燃やしていたぞ』
と。
私は唖然とした。
自分の背丈の二倍ほどもある男に振り向いて、下から思いきり睨みつけてやった。胃の底から、ふつふつと怒りが湧いてくるのがわかった。
ありえない。いい加減にしろ。ずっと家に籠っていた兄に、どうしてそんなことができるのか―――
説明してみろ。証拠を示せ。いたずら半分でこれ以上、私の大切な兄を追い詰めるな。
しかし、私が言い返すよりも前に、
『それは本当か』
『やはり忌の子だったんだ。気味が悪い』
『今度はうちの家が燃やされるんじゃないか』
男の言葉を聞いた野次馬たちが次々と騒ぎ始めた。
……結局、ようやく収まりかけていた妙な噂は、以前よりもさらに肥大化することになった。
兄を指す言葉が〝忌の子〟から〝災厄の子〟に成り代わった。
……私はまた、兄を助けられなかった。
前にも増して兄は部屋から出てこなくなってしまった。風呂にもほとんど入らなくなり、食事の量も減っていった。
しかし、何よりも最悪だったのは、私の両親の態度だった。あろうことか、父と母はあの野次馬の放った言葉を半分信じかけていたのだ。
何もしてやれない無力な私たちを怨み、兄が神社に火を放ったのではないか。これは兄からの警告なのではないか。
そう、彼らは本気で考え始めていたのだ。
そんなこと、あるはずがないのに……。
だが思えば、この時が初めて私たち家族に大きな亀裂が走った瞬間かもしれなかった。
火事のあった翌日から、両親は露骨に兄のことを腫れもの扱いにした。以前のようにそっとしておこうという気遣いからではなく、ただ近寄るのが怖いという理由で兄のことを避け始めたのだ。
そこから先は早かった。
いつしか両親は、兄が自分たちのことを殺そうとしているのではないかと疑うようになった。
なにを馬鹿な、と私は必死に抗議したが、一度そう思い込んでしまった彼らの思考を変えることは難しかった。
―――殺しに来る。今にあの子が殺しに来る。あんな力を向けられたら私たちはお終いだ。何故あんな子を産んでしまったのか―――
そう、両親は怯え続けた。毎夜毎夜、布団の中で震え続けていた。
―――そして、ボヤ騒ぎから数週間後の夜、あの出来事が起こった。
恐らくは、殺される前に殺してしまおうという浅はかな結論に至ったのだろう。そう結論付けてしまうほどに、彼らの精神は衰弱していた。
父と母は兄の食事に毒を盛った。
しかし失敗した。殺し損ねた。
一度しくじった彼らにもう次はなかった。
次こそ本当に兄に殺されると慄いた彼らは〝ごめんなさい〟と一言だけ書いた紙を置いて行方を晦ませた。そうするより他になかったのだろう。同じ立場だったなら、私でもそうしていたかもしれない。
兎にも角にも、その日から私と兄は、親に捨てられた子供という存在になった。
最初の頃は辛かった。朝起きるたびに突き付けられる現実が受け入れられなくて、何度も何度も泣いた。夜になると、このまま世界に一人きり取り残されてしまうんじゃないかという不安に駆られてまた泣いた。しばらくは本当に辛い日々が続いた。
しかし、徐々にそんなことも言っていられなくなった。
私たちには、頼れる親戚や知り合いが全く存在しなかったのだ。
兄が引き籠ってしまっている以上、家のことは全て私がしなければならない。掃除や洗濯はもちろん、三食の食事も全て私が作らなければならなかった。
料理というものを全くしたことのなかった私は、それこそ、初めの頃は片栗粉と小麦粉の違いもよくわかっていなかったのだが、レシピ本を買って懸命に勉強し、指にいくつもの切り傷を作っていった結果、開始から半月後ぐらいには、そこそこまともな料理が作れるようになっていた。味もそこまで悪いものではなかった。
朝は太陽が顔を覗かせる前に起床し、兄と私の分の朝食、そして昼のお弁当を作る。兄は学校に行っていなかったため、私の作ったお弁当はもちろん家で食べることになってしまうのだが、せめて形だけでもと、私は兄の昼ご飯は、毎回弁当箱に詰めるようにしていた。これを見て、いつか兄が自分から学校に行きたいと言ってくれることを、心のどこかで願っていたのかもしれない。
学校から帰宅してからは、朝に干しておいた洗濯物を取り込み、洗い物を片付ける。そして、すぐに夕飯の準備に取り掛かる。当然、遊びに行くような時間などない。テレビを見てくつろぐような暇もない。自分だけの時間はほとんど取れないような生活だった。
しかし、そんな多忙な日々を辛いと思ったことは、一度としてなかった。ずっと尊敬してきた兄の役にほんの少しでも立てていることが嬉しかったし、何より、これからは私が兄を護っていかなければならないという強い使命感が私を駆り立てていたからだ。
小学生にはあるまじき目が回るような日々を過ごし、ゆっくりと考え事をする余裕もなかったためか、私は両親のことを少しずつ忘れていった。彼らが家を出て行ってしまってから一ヶ月も経った頃には、悲しいとか寂しいとか、そういった感情はほとんど消えてしまい、兄と私しかいない家の空間にも、もうすっかりと耐性ができてしまっていた。兄が生きてさえいてくれれば、私には十分だった。
―――両親が家を出て行ってから数か月後。
桜の蕾が色付き、春の陽気が色濃くなり始めたある日のこと、依然自分の部屋に籠りっぱなしだった兄に少しの変化が訪れた。
それは私がいつものように、兄の部屋の前まで夕飯を運んでいった時のことだった。おかずを乗せたお盆を床に置いて扉に背を向けた時、部屋の中から小さな音が聞こえたのだ。
はじめ、私はそれが兄の声だとはわからなかった。ガラガラに掠れた声だったし、何よりも兄が言葉を発することなんてここ数ヶ月間なかったことだったから―――何かの物音だと思ったのだ。しかし、それが兄の発した声だと気が付いたのは、そこに微かな息遣いを感じたからだ。
小動物のように素早い動きで、私は自分の耳を部屋の扉に押し当てていた。心臓がバクバクと脈打っているのが、音と振動になって自分に伝わってきた。
扉の向こうで、微かな声が聞こえた。兄が何かを話している。
私はその言葉を一つも聞き漏らすまいと、体重を扉にかけ、全神経を耳に集中させた。
単語を一つ一つ拾い、その意味を繋げていくと、兄の言ったことはおおよそ次のような内容だった。
―――この家を出たい。ここにいるのは苦痛だ。
私はその場で泣き崩れそうになった。
兄にそんな苦痛を感じさせていたことに申し訳が立たなかったし、何より兄が、自分から何かをしたいと言ってきたことは、本当に久々のことだったから―――
そのため私には、兄の望みを叶えてあげる他に選択肢はなかった。
早速その日の内に、私は長年生まれ育った家を出て行く準備に取り掛かった。必要最低限の物だけを鞄に詰めて、他のものは適宜取りにくればいいだろうと考えた。準備を進めていく途中で、そういえばここを出て行って、私たちは一体どこに引っ越せばいいのだろう、という当然の疑問が浮かび上がってきたが、幸い私の家が保有する神社の杉林の中に、使われていない小さな小屋が二つと納屋が一つあったことを思い出し、当面はそこで暮らせばいいと考えた。
そして翌日。引っ越し当日の朝。一通りの荷物を詰め終えた私は、兄の部屋の扉をノックし声を掛けた。
ややあって扉の向こうで人の動く気配があり、ドアノブが回された。錆びた蝶番の擦れる音とともに扉が開かれ、生ごみの腐ったような匂いと共に、のっそりと兄が現れた。
兄の姿を認めた瞬間、私は思わず息を呑んだ。数ヶ月ぶりに目にした兄の姿は、私の知る兄とはあまりにもかけ離れた姿だった。
ぼうぼうに伸びた黒髪は油でギトギトになり廊下の明かりを受けててらてらと光っていた。頬は遠目にもわかるほどにこけており、顔色は真っ青を通り越して真っ白になっていた。
あまりにも変わり果てた兄の様子に、私は思わず泣きたい衝動に駆られた。しかし、一番辛いはずの兄が泣いていないのに当事者でもない私が泣くことはお門違いだと思い、胸の奥から湧き上がってくる感情をぐっと抑え込んだ。
兄を風呂に入れ、その間に私は兄の部屋で、彼の荷物をまとめた。
そして太陽が西に傾き始める頃、私は兄の手を引き、逃げるようにして家を出た。途中で後ろを振り返ると、長年私たちを育んでくれた家が、まるで責めるみたいに、私たちを追いかけて来るように見えた。それが怖くて、私は歩くスピードを速めた。兄の手を強く引いた。
―――ならばどうすればよかったのか。どうすることが正解だったのか。
早足に歩きながら、私は他の誰にでもなく自分に問いかけた。
―――仕方ない……仕方ないじゃないか。私にはこれくらいのことしかできない。こうすることでしか兄を助けてあげられない。全部仕方のないことだ。
言い訳のような呪文を心の中で繰り返しながら、私は更に歩を速めた。
それと同時に、私はこれからのことを少しだけ悟った。
もう、あの家へ帰ることはないだろう。
私の両親が家を出た。
突然のことだった。朝起きてリビングに下りてくると、食卓の上には通帳とカード、それから小さな手紙が一枚置かれており、父と母の姿はどこにもなかった。
手紙には母の細い文字で『ごめんなさい』とだけ―――
いわゆる失踪だった。
当時、まだ小学六年生だった私は、突然突き付けられたその現実に,ただただ呆然とするしかなかった。しかし同時に、こうなることをわかっていたのかもしれない、と頭のどこかで思ったりもしていた。
……兄のことがあったからだ。
両親が家を出る一週間前の夜―――
彼らは私の兄を殺そうとした。
静かな夜だった。
質素な食卓にはいつも通りの光景が広がっていた。味噌汁と白ご飯、焼き魚、そしてテーブルの真ん中には大皿に盛られた野菜炒め。
食卓には母と父、そして私と兄の四人が座っていた。
本当にいつも通りの光景だった。
しかし―――
ガチャン―――ガタンッ―――!
向かいに座っていた兄が突然、椅子から床に倒れ落ちた。
一瞬、何が起こったのかわからなかった。しかし、胸を掻き毟りながらのたうち回る兄の姿ですぐに我に返り、私は椅子を蹴立てて彼の側に駆け寄った。テーブルの下に、兄の味噌汁が入れられていた器が転がっていた。
私は暴れる兄を必死に押さえつけ、彼に呼びかけた。
しかし兄は、嘔吐くような呻き声を漏らすばかりで、まともに会話ができるような状態ではなかった。白目を剥き、口からは泡を吹いていた。
兄に一体何が起きているのか。
理解が追い付かない状況に、私の頭は完全にパニックになった。恐怖と不安がごちゃ混ぜになった私は、後ろにいた両親に助けを求めた。
しかし、彼らの顔を見た瞬間、私の中にあったそれらの感情は吹き飛び、逆に落ち着きすら取り戻した。激しく狼狽する私とは正反対に、両親はとても静かに、そして氷のような冷ややかな眼で、苦しみもがく兄を見降ろしていたのだ。
私は瞬時に察知した。
今この場で頼ることができるのは、自分だけであるということを―――
凪のような落ち着きを取り戻した私は、すぐに家の固定電話から救急車を呼んだ。十分ほどで救急車は到着し、兄は病院へと運ばれていった。
幸いにして、兄は命を落とすことはなかった。目立った後遺症もなく、数日間の入院生活を経て、無事退院することができた。
しかし主治医には、もしもあと数分手当てをするのが遅れていたら、兄は助からなかっただろうと伝えられた。
兄は毒を喰っていた。味噌汁の中に入れられていた毒を、兄は喰わされたのだ。
その毒は他でもない、私の両親が盛ったものだった。事故などではない。故意に、意図的に、兄を亡き者にするために、父と母は兄の飯に毒を盛ったのだ。
その夜の出来事を以って、私の家族は崩壊した。いや、もしかすると、もうずいぶんと前から崩壊していたのかもしれないが、確かな形を持って崩れ去ったのは、間違いなくこの日が初めてのことだった。
そして、兄が毒を喰わされてからちょうど一週間後の朝、両親は家を出て行った。
彼らの失踪には驚きはしたけれど、その事実は意外にもすんなりと私の中に入ってきた。それは私が、兄に対しずっと恐怖心を抱いていた両親のことを知っていたからかもしれない。
父と母は、兄のことを怖がっていた。兄の持つ人並外れた〝力〟に、彼らはずっと怯え続けていた。
ここで言う〝力〟とは霊力のことを指す。霊力とはいわば人智を超えた能力のこと。もっと簡潔に言うのであれば第六感のような力のことである。
兄は生まれつき、この霊力を莫大にその身に宿していた。
元々、私たちの家系では霊力を多く持って生まれてくる子供が多い。詳細は不明だが、それは私たち血筋に大きく起因しているらしかった。
かく言う私も、そこらの一般人と比較すれば、遙かに多くの霊力をその身に宿しており、物心つく前から、自分が人とは違う力を使えることに気付いていた。
しかし、その中でも兄は逸材だった。生まれ持った霊力も才能も、私たちのそれらとは桁違いだった。
兄は天才だった。
そんな兄を、私はずっと尊敬し、目標としていた。
初めは両親も喜んでいた。実家が神社を営んでおり神職であった父は、才能豊かな兄が表に立てば参拝客も増えるだろうと期待していた。
……しかし、事はそう単純には運ばなかった。
兄が中学へ進学してしばらくした頃、近所でおかしな噂が流れるようになったのだ。
〝あの家の子は忌の子だ〟
そんな流言が、ちょくちょくと私たちの耳に入ってくるようになった。
〝あの家〟とは、もちろん私の家のことを指していた。
その噂はどうやら、兄のクラスメイトが源流であるらしかった。
元々人付き合いが苦手で内気だった兄は、クラスに上手く馴染むことができず、お世辞にも友達がいるとは言えなかった。学校から帰宅しても外に遊びに行くようなことは滅多になく、ずっと部屋の中で一人、黙々と本を読んでいるような人だった。だから、すき好んで兄に関わってくるような生徒はいなかったのだが―――
ある日、とある一人のクラスメイトが、休み時間の教室で兄を指差してこう言ったらしいのだ。
―――お前は悪魔の子だ、と。
明らかに悪意の籠った言葉だ。
しかしその生徒には、別段何の悪気もなかったらしい。ただ単純に、思ったことを、思ったまま口に出してしまったに過ぎなかったのだ。
実はその頃、兄の周りでは時折、奇妙な現象が目撃されるようになっていた。
授業中にラップ音が鳴り響いたり、誰も触れていないはずの花瓶が突然割れたり、机や椅子が勝手に宙に浮き上がったり―――そのような怪異が時折、兄の周囲で目撃されるようになっていた。
兄は自分の力を上手くコントロールできていなかった。天才の兄でも、自分の内に宿る莫大な霊力を持て余していたのだ。制御から外れた霊力は身の内から溢れ出し、周囲に何かしらの影響を及ぼす。その影響が、ラップ音やポルターガイストなどの怪異となって表れていたのだろう。
しかし当然、周囲の人間は、そんな兄の都合や理屈などは露ほども存じない。元々関係の希薄だったクラスメイトとの間に、溝が生じるのは時間の問題だった。
結果、気味悪がったクラスメイトの一人が、兄のことを〝悪魔の子だ〟と罵った。
通常なら、そのような言葉は戒められ、おかしな噂に繋がるようなこともないだろう。
しかし、兄の周りで起こる怪異については、その頃には既に学校中で噂となっており、生徒や先生、さらには生徒の親までもがそのことを承知していた。
根拠や信憑性を伴わない噂は自然消滅していく。しかし、ほんの少しでも信憑性や人の興味を惹く噂は、尾ひれはひれが付き、まるで積乱雲のように大きく膨らんで、いつしか真実と同等のモノに成り代わる。
不幸なことに、そのクラスメイトの言葉は後者へと割り当てられた。そしていつしか兄を指す言葉は〝忌の子〟に成り代わった。
噂が広がるのに比例して、兄の登校回数は減っていった。学校でイジメられるようなことも出てきたのかもしれない。気弱な性格の兄にとって、それはさぞかし辛いことであっただろう。私も辛かった。
そして、噂が経ち始めてから半年後の秋、兄は完全に不登校になり自室に引き籠った。風呂とトイレ、食事の時以外では、家でも姿を見せなくなった。
胸が痛かった。見ていられなかった。
本当は他人想いで心根の優しい兄なのに、どうして学校のみんなも大人たちも、そのことに気付いてくれないのだろうと怨んだ。そして何もできない自分を呪った。
その頃は、両親も兄のことを心配していた。何度も兄と話し合おうと試みていたし、あれこれと手は尽くしていた。しかし、兄がそれに応えることはなかった。
結局、彼らの方が先に折れた。
話し合いの末、兄の心の傷が癒えるまでは、しばらくそっとしておこうということになった。妙な噂も、兄が姿を見せなければそのうち自然に消滅していくだろうと考えての結論だった。
……しかし、事態はより悪い方向へと進んでしまうこととなった。
兄が引き籠り始めてから、一か月ほどが経ったある日の晩、私の家が所有する神社の境内で、小さなボヤ騒ぎがあったのだ。
父から連絡を受けた私は、急いで家から一時間ほどの距離にある神社に駆けつけた。すると、野次馬の向こうに見える拝殿の一角から、赤い炎が上がっているのが見えた。
しかし、幸い小さな火事であったようで、火はすぐに消し止められた。参拝客の少ない夕暮れ時であったために死傷者もおらず大事には至らなかった。
野次馬の中で、私はほっと胸を撫でおろした。
だが、私の後ろに立っていた男が、焦げた拝殿の一角を指差して、突然こんなことを言い出したのだ。
『私はこの神社の息子が火をつけているのを見た。忌の子が神社を燃やしていたぞ』
と。
私は唖然とした。
自分の背丈の二倍ほどもある男に振り向いて、下から思いきり睨みつけてやった。胃の底から、ふつふつと怒りが湧いてくるのがわかった。
ありえない。いい加減にしろ。ずっと家に籠っていた兄に、どうしてそんなことができるのか―――
説明してみろ。証拠を示せ。いたずら半分でこれ以上、私の大切な兄を追い詰めるな。
しかし、私が言い返すよりも前に、
『それは本当か』
『やはり忌の子だったんだ。気味が悪い』
『今度はうちの家が燃やされるんじゃないか』
男の言葉を聞いた野次馬たちが次々と騒ぎ始めた。
……結局、ようやく収まりかけていた妙な噂は、以前よりもさらに肥大化することになった。
兄を指す言葉が〝忌の子〟から〝災厄の子〟に成り代わった。
……私はまた、兄を助けられなかった。
前にも増して兄は部屋から出てこなくなってしまった。風呂にもほとんど入らなくなり、食事の量も減っていった。
しかし、何よりも最悪だったのは、私の両親の態度だった。あろうことか、父と母はあの野次馬の放った言葉を半分信じかけていたのだ。
何もしてやれない無力な私たちを怨み、兄が神社に火を放ったのではないか。これは兄からの警告なのではないか。
そう、彼らは本気で考え始めていたのだ。
そんなこと、あるはずがないのに……。
だが思えば、この時が初めて私たち家族に大きな亀裂が走った瞬間かもしれなかった。
火事のあった翌日から、両親は露骨に兄のことを腫れもの扱いにした。以前のようにそっとしておこうという気遣いからではなく、ただ近寄るのが怖いという理由で兄のことを避け始めたのだ。
そこから先は早かった。
いつしか両親は、兄が自分たちのことを殺そうとしているのではないかと疑うようになった。
なにを馬鹿な、と私は必死に抗議したが、一度そう思い込んでしまった彼らの思考を変えることは難しかった。
―――殺しに来る。今にあの子が殺しに来る。あんな力を向けられたら私たちはお終いだ。何故あんな子を産んでしまったのか―――
そう、両親は怯え続けた。毎夜毎夜、布団の中で震え続けていた。
―――そして、ボヤ騒ぎから数週間後の夜、あの出来事が起こった。
恐らくは、殺される前に殺してしまおうという浅はかな結論に至ったのだろう。そう結論付けてしまうほどに、彼らの精神は衰弱していた。
父と母は兄の食事に毒を盛った。
しかし失敗した。殺し損ねた。
一度しくじった彼らにもう次はなかった。
次こそ本当に兄に殺されると慄いた彼らは〝ごめんなさい〟と一言だけ書いた紙を置いて行方を晦ませた。そうするより他になかったのだろう。同じ立場だったなら、私でもそうしていたかもしれない。
兎にも角にも、その日から私と兄は、親に捨てられた子供という存在になった。
最初の頃は辛かった。朝起きるたびに突き付けられる現実が受け入れられなくて、何度も何度も泣いた。夜になると、このまま世界に一人きり取り残されてしまうんじゃないかという不安に駆られてまた泣いた。しばらくは本当に辛い日々が続いた。
しかし、徐々にそんなことも言っていられなくなった。
私たちには、頼れる親戚や知り合いが全く存在しなかったのだ。
兄が引き籠ってしまっている以上、家のことは全て私がしなければならない。掃除や洗濯はもちろん、三食の食事も全て私が作らなければならなかった。
料理というものを全くしたことのなかった私は、それこそ、初めの頃は片栗粉と小麦粉の違いもよくわかっていなかったのだが、レシピ本を買って懸命に勉強し、指にいくつもの切り傷を作っていった結果、開始から半月後ぐらいには、そこそこまともな料理が作れるようになっていた。味もそこまで悪いものではなかった。
朝は太陽が顔を覗かせる前に起床し、兄と私の分の朝食、そして昼のお弁当を作る。兄は学校に行っていなかったため、私の作ったお弁当はもちろん家で食べることになってしまうのだが、せめて形だけでもと、私は兄の昼ご飯は、毎回弁当箱に詰めるようにしていた。これを見て、いつか兄が自分から学校に行きたいと言ってくれることを、心のどこかで願っていたのかもしれない。
学校から帰宅してからは、朝に干しておいた洗濯物を取り込み、洗い物を片付ける。そして、すぐに夕飯の準備に取り掛かる。当然、遊びに行くような時間などない。テレビを見てくつろぐような暇もない。自分だけの時間はほとんど取れないような生活だった。
しかし、そんな多忙な日々を辛いと思ったことは、一度としてなかった。ずっと尊敬してきた兄の役にほんの少しでも立てていることが嬉しかったし、何より、これからは私が兄を護っていかなければならないという強い使命感が私を駆り立てていたからだ。
小学生にはあるまじき目が回るような日々を過ごし、ゆっくりと考え事をする余裕もなかったためか、私は両親のことを少しずつ忘れていった。彼らが家を出て行ってしまってから一ヶ月も経った頃には、悲しいとか寂しいとか、そういった感情はほとんど消えてしまい、兄と私しかいない家の空間にも、もうすっかりと耐性ができてしまっていた。兄が生きてさえいてくれれば、私には十分だった。
―――両親が家を出て行ってから数か月後。
桜の蕾が色付き、春の陽気が色濃くなり始めたある日のこと、依然自分の部屋に籠りっぱなしだった兄に少しの変化が訪れた。
それは私がいつものように、兄の部屋の前まで夕飯を運んでいった時のことだった。おかずを乗せたお盆を床に置いて扉に背を向けた時、部屋の中から小さな音が聞こえたのだ。
はじめ、私はそれが兄の声だとはわからなかった。ガラガラに掠れた声だったし、何よりも兄が言葉を発することなんてここ数ヶ月間なかったことだったから―――何かの物音だと思ったのだ。しかし、それが兄の発した声だと気が付いたのは、そこに微かな息遣いを感じたからだ。
小動物のように素早い動きで、私は自分の耳を部屋の扉に押し当てていた。心臓がバクバクと脈打っているのが、音と振動になって自分に伝わってきた。
扉の向こうで、微かな声が聞こえた。兄が何かを話している。
私はその言葉を一つも聞き漏らすまいと、体重を扉にかけ、全神経を耳に集中させた。
単語を一つ一つ拾い、その意味を繋げていくと、兄の言ったことはおおよそ次のような内容だった。
―――この家を出たい。ここにいるのは苦痛だ。
私はその場で泣き崩れそうになった。
兄にそんな苦痛を感じさせていたことに申し訳が立たなかったし、何より兄が、自分から何かをしたいと言ってきたことは、本当に久々のことだったから―――
そのため私には、兄の望みを叶えてあげる他に選択肢はなかった。
早速その日の内に、私は長年生まれ育った家を出て行く準備に取り掛かった。必要最低限の物だけを鞄に詰めて、他のものは適宜取りにくればいいだろうと考えた。準備を進めていく途中で、そういえばここを出て行って、私たちは一体どこに引っ越せばいいのだろう、という当然の疑問が浮かび上がってきたが、幸い私の家が保有する神社の杉林の中に、使われていない小さな小屋が二つと納屋が一つあったことを思い出し、当面はそこで暮らせばいいと考えた。
そして翌日。引っ越し当日の朝。一通りの荷物を詰め終えた私は、兄の部屋の扉をノックし声を掛けた。
ややあって扉の向こうで人の動く気配があり、ドアノブが回された。錆びた蝶番の擦れる音とともに扉が開かれ、生ごみの腐ったような匂いと共に、のっそりと兄が現れた。
兄の姿を認めた瞬間、私は思わず息を呑んだ。数ヶ月ぶりに目にした兄の姿は、私の知る兄とはあまりにもかけ離れた姿だった。
ぼうぼうに伸びた黒髪は油でギトギトになり廊下の明かりを受けててらてらと光っていた。頬は遠目にもわかるほどにこけており、顔色は真っ青を通り越して真っ白になっていた。
あまりにも変わり果てた兄の様子に、私は思わず泣きたい衝動に駆られた。しかし、一番辛いはずの兄が泣いていないのに当事者でもない私が泣くことはお門違いだと思い、胸の奥から湧き上がってくる感情をぐっと抑え込んだ。
兄を風呂に入れ、その間に私は兄の部屋で、彼の荷物をまとめた。
そして太陽が西に傾き始める頃、私は兄の手を引き、逃げるようにして家を出た。途中で後ろを振り返ると、長年私たちを育んでくれた家が、まるで責めるみたいに、私たちを追いかけて来るように見えた。それが怖くて、私は歩くスピードを速めた。兄の手を強く引いた。
―――ならばどうすればよかったのか。どうすることが正解だったのか。
早足に歩きながら、私は他の誰にでもなく自分に問いかけた。
―――仕方ない……仕方ないじゃないか。私にはこれくらいのことしかできない。こうすることでしか兄を助けてあげられない。全部仕方のないことだ。
言い訳のような呪文を心の中で繰り返しながら、私は更に歩を速めた。
それと同時に、私はこれからのことを少しだけ悟った。
もう、あの家へ帰ることはないだろう。
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