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第一章 婚約破棄されたので魔王のもとに向かいます
4 前世の記憶を思い出しました
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館に戻った私は、侍女たちの手厚い看護を受けたが、意識は混濁を続け、夢と現実を行ったり来たりしていた。
ここは、首都にあるサヴァティエ家の邸宅である。
父であるサヴァティエ公は領地のサンレンヌ城で暮らしているが、私は聖堂騎士団長の婚約者として首都ラロシューの館で暮らしている。
「ああ、なんて、おかわいそうなお嬢様……」
「一方的に婚約破棄を言い渡されるだなんて……ひどすぎますわ」
「しかも、魔女として断罪されるだなんて、これから、サヴァティエ公爵家はどうなってしまうのかしら……」
夢うつつの中、侍女たちの嘆きが聞こえて来る。
意識が 朦朧とする中で、私は不思議な記憶を思い出していた。
それは、先ほどの婚約破棄の場面についての強烈な 既視感だった。
私は、この婚約破棄の場面を何度も見たことがある。
私は、かつて、この世界よりも、もっと科学の進んだ世界に生きていた。
日本という国だ。
時代は、「令和」と呼ばれていたと思う。
その世界では、ゲームという娯楽があった。
その日本という世界で、ゲームとしてプレイした記憶があるのだ。
あの、婚約破棄の場面を。
城の広間を背景にして立つ、ジャン。
ジャンの立ち絵の手前には、台詞が次々と浮かんでは消える「メッセージウインドウ」がある。
そこで、先ほどの台詞も見たのだ。
「エレイン・ド・サヴァティエ、私はそなたに婚約破棄を申し入れる」
そう、プレイヤーとして、私は先ほどの場面を何度も体験している。
ここは、私が以前の人生で夢中になってプレイした乙女ゲーム、『聖なる乙女と光の騎士たち』の世界なのだ。
(だいたい、ゲームの世界に転生だなんて、そんなことあり得ないでしょう? というか、そもそも人間って転生するの……? いや、確かに異世界転生って、ジャンルは小説にもアニメにもマンガにもたくさんあった。あったけど、それってフィクションの世界の話じゃなかったの!? 本当に、転生とかしちゃうの?)
そんな疑問の声も、自分の中から湧き起こってくるが、実際、そうとしか考えられないのだから、やはり受け入れざるを得ない。
おそらく、婚約破棄と断罪という事件があまりにも衝撃的過ぎたのだ。
それによって、脳に何らかの異変が起き、前世の記憶を思い出したというところではないか。
前世を思い出したのでなければ、気を失って倒れた時に、頭を打った衝撃により、私は気が狂ってしまったのだ。
そして、もうひとつ大切なことがある。
先ほどの場面は、ゲームのヒロインである「聖なる乙女・ヴァレリー」をいじめていた「悪役令嬢・エレイン」が婚約破棄を言い渡されるという場面なのだ。
私は、悪役令嬢のエレイン・ド・サヴァティエなのである。
ここは、首都にあるサヴァティエ家の邸宅である。
父であるサヴァティエ公は領地のサンレンヌ城で暮らしているが、私は聖堂騎士団長の婚約者として首都ラロシューの館で暮らしている。
「ああ、なんて、おかわいそうなお嬢様……」
「一方的に婚約破棄を言い渡されるだなんて……ひどすぎますわ」
「しかも、魔女として断罪されるだなんて、これから、サヴァティエ公爵家はどうなってしまうのかしら……」
夢うつつの中、侍女たちの嘆きが聞こえて来る。
意識が 朦朧とする中で、私は不思議な記憶を思い出していた。
それは、先ほどの婚約破棄の場面についての強烈な 既視感だった。
私は、この婚約破棄の場面を何度も見たことがある。
私は、かつて、この世界よりも、もっと科学の進んだ世界に生きていた。
日本という国だ。
時代は、「令和」と呼ばれていたと思う。
その世界では、ゲームという娯楽があった。
その日本という世界で、ゲームとしてプレイした記憶があるのだ。
あの、婚約破棄の場面を。
城の広間を背景にして立つ、ジャン。
ジャンの立ち絵の手前には、台詞が次々と浮かんでは消える「メッセージウインドウ」がある。
そこで、先ほどの台詞も見たのだ。
「エレイン・ド・サヴァティエ、私はそなたに婚約破棄を申し入れる」
そう、プレイヤーとして、私は先ほどの場面を何度も体験している。
ここは、私が以前の人生で夢中になってプレイした乙女ゲーム、『聖なる乙女と光の騎士たち』の世界なのだ。
(だいたい、ゲームの世界に転生だなんて、そんなことあり得ないでしょう? というか、そもそも人間って転生するの……? いや、確かに異世界転生って、ジャンルは小説にもアニメにもマンガにもたくさんあった。あったけど、それってフィクションの世界の話じゃなかったの!? 本当に、転生とかしちゃうの?)
そんな疑問の声も、自分の中から湧き起こってくるが、実際、そうとしか考えられないのだから、やはり受け入れざるを得ない。
おそらく、婚約破棄と断罪という事件があまりにも衝撃的過ぎたのだ。
それによって、脳に何らかの異変が起き、前世の記憶を思い出したというところではないか。
前世を思い出したのでなければ、気を失って倒れた時に、頭を打った衝撃により、私は気が狂ってしまったのだ。
そして、もうひとつ大切なことがある。
先ほどの場面は、ゲームのヒロインである「聖なる乙女・ヴァレリー」をいじめていた「悪役令嬢・エレイン」が婚約破棄を言い渡されるという場面なのだ。
私は、悪役令嬢のエレイン・ド・サヴァティエなのである。
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