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第二章『奴隷王国ドーレル滅亡』

2話

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 クロードは念話で軽くパルと会話をすると、ソファーに座ってこちらを見ている国王に話しかける。

「それで、早速本題なのですが奴隷王国ドレールとドラゴン族の卵と竜人族の子供達に関してです。詳細は既にうちの方からギルド経由でお知らせしてある通りです」

「うむ、奴隷王国ドレールの件はは俺も前々から気にしてはいたのだ。だが、事は国家間の問題ゆえなかなか手が出せなかったのだよ。しかし、まさかエルフ族に対する人攫い行為だけに飽き足らず、ドラゴン族の卵と竜人族の子供達も拐っていたとは、由々しき事態だ。だがしかし、国相手だとそれ相応の準備が必要だ。……よって、奴隷王国ドレールは要注意観察とし、先にドラゴン族の卵と竜人族の子供達の捜索及び犯人の特定、捕縛を最優先とする。……クロードよこれでよいな?」

「はい。俺、いえ、私も今はそれが最善だと思っています」

「うむ、では早速ことに当たるようにな!!」

 クロードは、国王の許可を得ると執務室を出て直ちにシャリナを呼び寄せ卵と子供達捜索の進捗度合いを聞く。

『丁度今、誘拐犯達の隠れ家の一つを見つけたって連絡が来たところだよ~』

『そうか。……それじゃあ、シャリナは一足先にクランハウスに戻って皆に出かける準備をさせておいてくれ。俺もすぐに戻る。戻ったら直ぐにその隠れ家に向かうぞ』

 クロードはシャリナとの念話を切ると、急いで王城を出てクランハウスへと転移する。


 クランハウスに戻ってきたかクロードは直ぐに自分の準備を整え皆が待つラウンジへ向かう。

「皆、待たせたな。……これからシャリナの配下の精霊達が見つけた誘拐犯の隠れ家に向かう。決して殺さないように無力化してくれ。……行くぞ!!」

※※※

 シャリナ配下の精霊の案内で辺境都市バスフェンの郊外までやって来たクロード達は今、草むらに身を隠して遠目に見える古ぼけた民家を観察していた。

「まさか、あそこが誘拐犯達の隠れ家なのか?俺にはごく普通の民家にしか見えないぞ」

「ご主人様、それが彼らの狙いなのです。外敵にここに隠れ家があると思わせないこと。それさえ出来れば彼らの勝ちですからね」

「成程、確かに俺の様に思ってろくに捜索もせずに離れて行くか」

 クロードは自身を納得させつつ自分達にある魔法を掛ける。

「幻影魔法『インビジブル』」

 クロードが魔法を掛けるとこれまで視認できていた皆の姿が途端に見えなくなる。

 突然仲間達の姿が見えなくなったことで皆が多少の混乱を起きたもののクロードの説明により平静を取り戻す。

 皆が落ち着いたのを確認したクロードは皆に指示を出す。

「侵入してすぐに戦闘を始めると隠れ家にまだ囚われているかも知れない子達に被害があるかも知れない。中の様子を一通り確認してから隠れ家を制圧する。……侵入開始だ!!」


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