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第二章『奴隷王国ドーレル滅亡』
3話
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草むらから出たナビー達はクロードの指示通り隠れ家の建物を包囲するように位置どる。
クロードは皆が位置に着いた事を確認すると隠れ家の中へとシャリナ配下の精霊を送り込み建物の中の様子を探ってもらう。
それから数分後、隠れ家に送り込んだ精霊からの報告によると建物の中には既に誘拐された竜人族の子供達やドラゴン族の卵はいなく、この隠れ家に潜伏していた誘拐犯の一味もどうやら撤収の準備をしているようだ。
「……くそ、一歩遅かったか」
『……たった今、隠れ家に送り込んだ精霊から報告があった。どうやら子供達と卵は既にこの隠れ家にはいなかったようだ。よって、これから隠れ家に潜伏している誘拐犯の一味の捕縛に取り掛かる。……皆、突入の準備をしてくれ。――――』
クロードは皆に指示を出し建物の扉の隙間から支援魔法の一つ『スリープ』をナビーと共に流し込んだ。
神眼で建物の中の様子を確認し一階と二階にいた誘拐犯が眠りに就いた事を確かめるとクロードは皆に新たに指示を出す。
『――――これより誘拐犯の隠れ家に突入する!皆!俺に続け!!』
『『『『『了解!!』』』』』
クロード達は音をたてないように慎重かつ素早く建物に侵入すると誘拐犯の捕縛と証拠資料などの捜索にあたる。
早々に一階と二階に転がっていた誘拐犯達を一階のリビングに集めて一緒に連れて来ていたルシファー配下の悪魔に見張りを任せたクロード達は建物中を捜索し、犯罪の証拠となる物や今回の事件に奴隷王国ドーレルが関与している証拠を探していたが、未だ見つけられずにいた。
「…………ここにも無いな。これで二階にある部屋は全部調べたな。あと調べてない所は……地下だけか。ナビー地下に向かうよ」
クロードはナビーを連れて一階に向かうと他のメンバーとも合流して地下へと続いている階段へ向かう。
「後は地下だけか……何か証拠となる物が残っていると良いが――――」
クロードは皆と頷き合い地下へと降りて行く。
「……うっ、酷い匂いがしますね」
「「「「「うぅぅ」」」」」
階段を降りて行くと地下の方から酷い死臭が漂って来る。
狼系のモンスターであるレイアと子供達は両手で鼻をおさえ涙目になっている。
階段を降り切ると眼前には向かい合う様に幾つもの牢屋があった。
全ての牢屋はもぬけの殻で誰もいない。
しかし、幾つかの牢屋には白骨化している大小様々な遺体やまだ亡くなったばかりであろう傷だらけで痛々しい状態の遺体が放置されていた。
クロードは暫しその尋常ならざる光景を目に焼き付けると皆を連れて牢屋と牢屋の間に設けられた通路を進み階段の反対側にある扉を通って行く。
その際、クロードの両拳は力強く握り込まれ血が滴り落ち床に小さな血だまりを作り上げていた。
クロードは皆が位置に着いた事を確認すると隠れ家の中へとシャリナ配下の精霊を送り込み建物の中の様子を探ってもらう。
それから数分後、隠れ家に送り込んだ精霊からの報告によると建物の中には既に誘拐された竜人族の子供達やドラゴン族の卵はいなく、この隠れ家に潜伏していた誘拐犯の一味もどうやら撤収の準備をしているようだ。
「……くそ、一歩遅かったか」
『……たった今、隠れ家に送り込んだ精霊から報告があった。どうやら子供達と卵は既にこの隠れ家にはいなかったようだ。よって、これから隠れ家に潜伏している誘拐犯の一味の捕縛に取り掛かる。……皆、突入の準備をしてくれ。――――』
クロードは皆に指示を出し建物の扉の隙間から支援魔法の一つ『スリープ』をナビーと共に流し込んだ。
神眼で建物の中の様子を確認し一階と二階にいた誘拐犯が眠りに就いた事を確かめるとクロードは皆に新たに指示を出す。
『――――これより誘拐犯の隠れ家に突入する!皆!俺に続け!!』
『『『『『了解!!』』』』』
クロード達は音をたてないように慎重かつ素早く建物に侵入すると誘拐犯の捕縛と証拠資料などの捜索にあたる。
早々に一階と二階に転がっていた誘拐犯達を一階のリビングに集めて一緒に連れて来ていたルシファー配下の悪魔に見張りを任せたクロード達は建物中を捜索し、犯罪の証拠となる物や今回の事件に奴隷王国ドーレルが関与している証拠を探していたが、未だ見つけられずにいた。
「…………ここにも無いな。これで二階にある部屋は全部調べたな。あと調べてない所は……地下だけか。ナビー地下に向かうよ」
クロードはナビーを連れて一階に向かうと他のメンバーとも合流して地下へと続いている階段へ向かう。
「後は地下だけか……何か証拠となる物が残っていると良いが――――」
クロードは皆と頷き合い地下へと降りて行く。
「……うっ、酷い匂いがしますね」
「「「「「うぅぅ」」」」」
階段を降りて行くと地下の方から酷い死臭が漂って来る。
狼系のモンスターであるレイアと子供達は両手で鼻をおさえ涙目になっている。
階段を降り切ると眼前には向かい合う様に幾つもの牢屋があった。
全ての牢屋はもぬけの殻で誰もいない。
しかし、幾つかの牢屋には白骨化している大小様々な遺体やまだ亡くなったばかりであろう傷だらけで痛々しい状態の遺体が放置されていた。
クロードは暫しその尋常ならざる光景を目に焼き付けると皆を連れて牢屋と牢屋の間に設けられた通路を進み階段の反対側にある扉を通って行く。
その際、クロードの両拳は力強く握り込まれ血が滴り落ち床に小さな血だまりを作り上げていた。
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