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序章
31話
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俺が振りぬいたオリハルコンの長剣とクリムゾンガルムの鋭い牙が己の強さ頑丈さを競う様にギリ、ギリと甲高い音を立て火花を放ちながらつばぜり合いをし両者譲らず暫くの間動かず拮抗していた。
「……グッギギギ……フッグ~~!!はっ、……は~、は~、は~……や、やるじゃないか。さ、流石はEXランクの魔物なだけはあるな。このままだと長引くな。仕方ないタイムリミットが更に短くなるけどスキルを使うか」
俺は体に二重に宿していた力のうち勇者の力を【神の書】に再封印すると強力な軍神のスキルを使う事にした。
軍神アレスのスキルはその全てが行使者のステータスを何倍にも増加させる効果があるがその代わりに体には計り知れない負荷が掛かるが、俺はその様な代償を払うスキルを二つ以上も同時に行使しようとしているのだから我ながら正気の沙汰とは思えないところがある。
…………だけど、しょうがなくねぇ。そうでもしないと正直こいつには勝てる気がしないしさぁ。…………しょうがないよ。うん!しょうがない!もう一度言うけどしょうがない!!
俺はそう自分に言い聞かせると【軍神の指揮】と【軍神の鼓舞】の二つのスキルを使い自分のステータスを合計五倍にして軍神の力と勇者の力を併用していた先程よりも二倍程強くなった。
「……よし、行くぞ。お願いだから奥の手まで使わせないでくれよな!!」
俺はクリムゾンガルムになるべく軌道を読まれない様に縦横無尽に駆け回りクリムゾンガルムに接近して少しずつダメージを与えて行った。
「ハ~……ハ~……ハ~……………いよいよ大ずめって感じか?お互いに大分キツイ感じになって来たみたいだしな」
俺が独り言を呟いて最後で最大の一撃をお見舞いしてやろうと一歩踏み出そうとした時、急に部屋全体が激しく揺れ始めた。
俺は一体何事かと辺りを見回すと、俺の正面で満身創痍ながらも俺を睨みつけて威嚇しているクリムゾンガルムの体を真っ赤なオーラが包み込んで行くところを目撃した。
「……ふっ、そっちも最後の渾身の一撃って訳だな。良いだろう。……俺もなりふり構っていられないなぁ。良いぜ。お前の全快全力最後の渾身の一撃……俺の奥の手で迎え撃ってやるよ。光栄に思いながらあの世に行きな」
俺はそう言うと軍神アレスの最強スキル【軍神の一撃】を先に発動していた【軍神の指揮】と【軍神の鼓舞】の二つのスキルに重ねがけした。
「………………グッ…………グアアアアッ…………」
俺はカッとクリムゾンガルムを見据えると
「…………こいつはあんま持ちそうにないな。…………この一撃で片を付けてやるぜ」
俺と魔狼帝王クリムゾンガルムは互いに見つめ合い力を高め合うとどちらからともなく駆け出した。
俺のオリハルコン制の長剣とクリムゾンガルムの真っ赤なオーラが全て宿った凪ぎ払いが正面から激突し俺の長剣とクリムゾンガルムの右半身が崩壊した。
俺は目の前でゆっくりと崩れ落ちて煙となって消えていく魔狼帝王クリムゾンガルムを見届けるとその場で体を投げ出し大の字になって倒れ込んだ。
「……ハ~……ハ~……ゼェ……ゼェ……キッツ……EXランクやっぱ強いわ~。もう一歩も動けねぇ~」
俺はその後、中ボス部屋でたっぷり一時間程休んだ後重い体を無理やり起こしディメンションゲートで聖域島へ戻った。
※※※
俺が殆ど満身創痍で聖域島に戻ってくると、相も変わらず秘密部屋の共有スペースにある極上のクッションで寛いでいたコメルが俺の状態に驚きつつ駆け寄ってきた。
「ど、どどど、どうしたのです!?そんなにげっそりしてしまって。顔色も悪いです。何かあったですか?」
「……あ、あ~、えっとな、ち、ちょっとダンジョン内でイレギュラーが発生してな。それの対処で少し無茶したんだ。……あ、で、でももう大丈夫だからな。ちょっと中ボス部屋で休んで来たから」
俺が今にも泣き出しそうな勢いで聞き迫ってくるコメルを安心させるためにだるくてしんどい所を少し無理してダンジョンであった事を説明すると、コメルは関を切ったかの様に「これからは絶対に無理しないで下さいです」と言って泣き出してしまった。
この日コメルは一時も俺から離れようとしなかったので、俺もこの日は無理せず大人しく休むことにした。
ダンジョンで取って来た魔狼帝王クリムゾンガルムの毛皮はバールに預けて後の作業は全てバールとシュバルツに任せることにした。
明日の朝地球の家のリビングにどんなカーペットとソファーが置いてあるか今から楽しみです仕方ない。
そして、明日から学校が始まる。これからどんな学校生活が待っていることやらこちらもとても楽しみである。
「……グッギギギ……フッグ~~!!はっ、……は~、は~、は~……や、やるじゃないか。さ、流石はEXランクの魔物なだけはあるな。このままだと長引くな。仕方ないタイムリミットが更に短くなるけどスキルを使うか」
俺は体に二重に宿していた力のうち勇者の力を【神の書】に再封印すると強力な軍神のスキルを使う事にした。
軍神アレスのスキルはその全てが行使者のステータスを何倍にも増加させる効果があるがその代わりに体には計り知れない負荷が掛かるが、俺はその様な代償を払うスキルを二つ以上も同時に行使しようとしているのだから我ながら正気の沙汰とは思えないところがある。
…………だけど、しょうがなくねぇ。そうでもしないと正直こいつには勝てる気がしないしさぁ。…………しょうがないよ。うん!しょうがない!もう一度言うけどしょうがない!!
俺はそう自分に言い聞かせると【軍神の指揮】と【軍神の鼓舞】の二つのスキルを使い自分のステータスを合計五倍にして軍神の力と勇者の力を併用していた先程よりも二倍程強くなった。
「……よし、行くぞ。お願いだから奥の手まで使わせないでくれよな!!」
俺はクリムゾンガルムになるべく軌道を読まれない様に縦横無尽に駆け回りクリムゾンガルムに接近して少しずつダメージを与えて行った。
「ハ~……ハ~……ハ~……………いよいよ大ずめって感じか?お互いに大分キツイ感じになって来たみたいだしな」
俺が独り言を呟いて最後で最大の一撃をお見舞いしてやろうと一歩踏み出そうとした時、急に部屋全体が激しく揺れ始めた。
俺は一体何事かと辺りを見回すと、俺の正面で満身創痍ながらも俺を睨みつけて威嚇しているクリムゾンガルムの体を真っ赤なオーラが包み込んで行くところを目撃した。
「……ふっ、そっちも最後の渾身の一撃って訳だな。良いだろう。……俺もなりふり構っていられないなぁ。良いぜ。お前の全快全力最後の渾身の一撃……俺の奥の手で迎え撃ってやるよ。光栄に思いながらあの世に行きな」
俺はそう言うと軍神アレスの最強スキル【軍神の一撃】を先に発動していた【軍神の指揮】と【軍神の鼓舞】の二つのスキルに重ねがけした。
「………………グッ…………グアアアアッ…………」
俺はカッとクリムゾンガルムを見据えると
「…………こいつはあんま持ちそうにないな。…………この一撃で片を付けてやるぜ」
俺と魔狼帝王クリムゾンガルムは互いに見つめ合い力を高め合うとどちらからともなく駆け出した。
俺のオリハルコン制の長剣とクリムゾンガルムの真っ赤なオーラが全て宿った凪ぎ払いが正面から激突し俺の長剣とクリムゾンガルムの右半身が崩壊した。
俺は目の前でゆっくりと崩れ落ちて煙となって消えていく魔狼帝王クリムゾンガルムを見届けるとその場で体を投げ出し大の字になって倒れ込んだ。
「……ハ~……ハ~……ゼェ……ゼェ……キッツ……EXランクやっぱ強いわ~。もう一歩も動けねぇ~」
俺はその後、中ボス部屋でたっぷり一時間程休んだ後重い体を無理やり起こしディメンションゲートで聖域島へ戻った。
※※※
俺が殆ど満身創痍で聖域島に戻ってくると、相も変わらず秘密部屋の共有スペースにある極上のクッションで寛いでいたコメルが俺の状態に驚きつつ駆け寄ってきた。
「ど、どどど、どうしたのです!?そんなにげっそりしてしまって。顔色も悪いです。何かあったですか?」
「……あ、あ~、えっとな、ち、ちょっとダンジョン内でイレギュラーが発生してな。それの対処で少し無茶したんだ。……あ、で、でももう大丈夫だからな。ちょっと中ボス部屋で休んで来たから」
俺が今にも泣き出しそうな勢いで聞き迫ってくるコメルを安心させるためにだるくてしんどい所を少し無理してダンジョンであった事を説明すると、コメルは関を切ったかの様に「これからは絶対に無理しないで下さいです」と言って泣き出してしまった。
この日コメルは一時も俺から離れようとしなかったので、俺もこの日は無理せず大人しく休むことにした。
ダンジョンで取って来た魔狼帝王クリムゾンガルムの毛皮はバールに預けて後の作業は全てバールとシュバルツに任せることにした。
明日の朝地球の家のリビングにどんなカーペットとソファーが置いてあるか今から楽しみです仕方ない。
そして、明日から学校が始まる。これからどんな学校生活が待っていることやらこちらもとても楽しみである。
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