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16章-02
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――遠いような近いような、過去であり未来の時間でもあった『かつて』の話。
たとえば、部隊の招集者であるエルドレッド第三王子殿下は、かつて周囲に何も期待しない人だった。
王太子が決まっている以上、兄を支えることが義務となった彼は、自分に向いた軍部に所属して活躍しているように……なりだけはそう見えた。
けれど実際には、王族を危険な場所へ出すことを良しとしない人ばかりで。招集者と言っても、ほとんど形だけの部隊長をさせられていた。
移動手段はもっぱら馬車。戦闘は騎士たちが行い、各地の休憩時でさえ守られ、ただそこにいるだけの人。
買い出しすらも一人でできなかったのだから、最初は反発していた彼も途中からはもう諦めてしまっていた。
王族が同行しているという大義名分のためだけに、彼はそこにいたのだ。
……今のアンジェラのように盾役をホイホイ任せたり、サボッていたら『男たち働きなさいよ』と檄を飛ばすような仲間は一人もいなかった。
殿下のことを考えれば、当然その護衛騎士であるダレンさんのことも思い出せる。
今でこそ、キレの良いツッコミを入れてくれるいいお兄さんだけど、かつての彼はそれこそ額面通りの『近衛騎士』だったと思う。
それも、忠誠心が高いとかそういうわけではない。そういう任務だから、面倒ごとが起こらないように努めているだけなのだ。
前衛として一緒にいることは多かったはずなのに、彼と話した記憶がほとんどなかったのも、きっとそのせいだ。
反対に、今ここにいないクロヴィスさんは、よく喋る人だったと思う。
子煩悩な父と化していた彼だけど、前はとにかく血の気が多く、戦うことに執着している人だった。
だからこそ、戦闘能力のない『聖女』によくつっかかって困ったのを覚えている。彼こそ、回復魔法に一番お世話になっていたのだけどね。
後衛を務める魔術師たちもまた、今とは全然違う付き合い方をしていた。正直なところ、あまり話す機会がなかったので、端から見た印象になるのだけど。
まずエルフの賢者さんは『人間は汚らわしい』を徹底する人で、用がなければこちらに近付きもしないような人だった。
さりげなく補佐はしてくれていたから、根底は変わっていないのだろうけど。積極的に動いてくれることはまずなかった。
聖女のことは認めていたけど、今の彼のような『世話焼きの母親』めいたことは絶対にしなかったな。孤高という言葉があれほど似合う人も、そうはいないだろう。
逆に導師カールハインツは、聖女に対しては比較的親身になって接していたと思う。
頑張りが空回りしがちな彼女を放っておけなかったらしい。あの頃はジュード・オルグレンよりも、きっと導師のほうが彼女とすごした時間が長かっただろう。……多分。
彼は今と全く変わっていない唯一の人物だ。ただ、以前なら素直に伝えていた優しさを、今のアンジェラには上手く伝えられていないけれど。
その弟子のウィリアムさんは、正しく真逆だった。
皮肉屋で『どうせ俺なんか』が口癖の彼は、口も悪く、卑屈で、そのくせ戦場では暴れたがるという、実に付き合い辛い性格をしていた。
今の謝り癖はどうかと思うけど、人の話を聞いてくれるという意味でははるかにマシだ。彼については、導師の再教育が上手くいった結果なのだろう。こちらとしても、大変ありがたい。
そして、今回は参加していないハルトさん。彼は今もかつてもあまり変わっていないだろう。非常に僕に似ているというか……彼はとにかく『ディアナさんが世界の中心』だったから、それ以外のことには一切頓着していなかった。
どれだけ空気がギスギスしていようが、バラバラで非効率な戦い方をしていようが、彼はほとんど口を出してこなかった。
……きっと彼は、ディアナさんを唯一と扱うことで、自己否定的な部分が強かった彼女を守っていたのだと思う。
……そう。今でこそ、誰よりも雄々しく勇ましい騎士となった彼女だが、実は心がとても繊細な人だった。
髪と目の色こそ同じだけど、かつての彼女は今とは似ても似つかない、ごく普通の女性の容姿をしていたしね。
変わらないのは、騎士という高潔な職を尊び、それを体現しようと努めているところ。かつての彼女も男顔負けの実力者だったし、仲が悪い皆をなんとか取りもとうとしている努力はみえた。
……残念ながら、それは上手くいかず。特に彼女の同僚のクロヴィスさんと、同性である聖女は壊滅的に仲が悪かった。そうして挟まれる立場になった彼女は、己の無力さを責めたのだろう。
――その結果が、アンジェラが憧れてやまない、今の『ディアナ様』なのかもしれない。
ジュード・オルグレンは、聖女の『従者』であった。
幼少から親や仕事仲間に言われていたように、主従の立場を崩すことはなく。自分を『私』と呼んでいた男は、適切な距離感を保ったまま成長した。
聖女に憧れはあったけれど、それ以上ではない。十歳の彼女が教会に預けられてからは、少しでも役に立てるようにという理由で、王都の騎士団で剣の腕を磨いた。
師が叔父上ではなく騎士団の人間だったので、今の僕とは戦い方も全然違う。
騎士団での日々も別に悪くはなかったけど……まあ、特筆するような思い出はない。従者の『私』には、大切な人のためという必死さはなかったから。
彼女が幸せになってくれれば、それでいいと考えていた。それは自分の役目ではないと。
そして聖女――お嬢様は、とにかく正しくあろうとした人だった。
伯爵家の一人娘として。その後は、聖女に選ばれた者として。世界を救うために旅立った者として。
“こうあるのが正しい”という姿を痛いほど真剣に求める人だった。私は神様に選ばれた聖女なのだから、皆を正しい道へ導くのが使命だと。
平等に、公平に、皆で仲良くしましょう、と。
人間なんて千差万別。正しくあろうとしても、それが上手くできない者だってもちろんいる。そうやって生きている人間にとっては、正しいだけの彼女は疎ましかっただろう。彼女の言葉の全てが、きれいごとに聞こえたかもしれない。
事実、戦えない聖女の体は、傷一つないとてもきれいなものだったから。
ただ正しさを語り続けた彼女の声は、誰にも届かなくなった。
かつての『私』でさえも、離れなかったのは聖女が主だったからにすぎない。諫められるような、親しい関係も築けていなかった。
だから聖女が、このツィーラーの街で『彼』に出会ってしまったのも、ある意味運命だったのかもしれない。
「こんにちは、おはなししませんか」
多分、男だったのだと思う。性別を感じさせない中性的な容姿のその人物は、たどたどしい言葉遣いで道行く人全てに声をかけていた。
ツィーラーの街は廃れてしまった元観光地だ。今いるのは、ごくわずかな元からの住人と、遺跡付近の魔物を倒すために訪れている戦う人間ばかり。
彼の声には、誰も耳を貸さなかった。なのに彼は、ずっとニコニコしながら、この部隊の面々にも同じように声をかけてきた。
「あら、こんにちは。何かご用ですか?」
そんな彼に応えてしまったのが、聖女だ。困っている人がいたら……といういかにもな善行に、ほとんどの仲間が彼女を置いて先に行ってしまった。
「おはなししたい。きみたちのことを、おしえて?」
「私たちのこと? 何をお教えすればいいでしょう」
抽象的な質問にも、彼女は柔らかな笑みを浮かべながら答えている。
真っ白な髪に、色素がほとんどない瞳。なのに、日に当たると虹のような輝きが見えるような……なんとなく、普通の人間とは違う容姿をしていた。
「お嬢様。私どもの戦いに民間人を巻き込むのは」
「大丈夫よ、ジュード。お話しをしているだけだもの。……それに、私は戦地へついて行かないほうが、クロヴィスさんも戦いやすいと思うわ」
「…………」
この頃にはすでに、聖女とクロヴィスさんの仲は完全にこじれてしまっており、彼女は乞われない限りは街の宿で大人しく待っているのが常だった。
戦わせてもらえない殿下ですら現地には行っていたので、実質一番仲間から疎遠だったのは聖女だろう。
寂しげに笑う彼女に、『私』もかける言葉を持ち合わせてはおらず。ただ、きょとんとした彼が、こちらの様子を交互に眺めている。
「わたしと、おはなし、してくれる?」
「ええ、私が答えられることなら。お話ししましょう」
それが、彼と聖女の始まりだった。不思議な子にちょっと絡まれただけだと、誰もがそう思って止めなかった。
むしろ、彼が聖女の相手をしてくれているおかげで、こちらへの“干渉”が大幅に少なくなり、クロヴィスさんなどは機嫌がよくなっていたぐらいだ。
「お嬢様、何かあったらすぐに呼んで下さい」
「大丈夫、何もないわ」
いつの間にか、彼女を置いて行くことが当たり前になってきてしまった仲間たち。
ディアナさんだけが、いつも気遣わしげに聖女を見ていたけど、他の皆はすっかり無視を決め込んでしまっている。
……当の聖女本人も、仲間たちといるよりも彼とすごすほうが気楽だったのだろう。
「こんにちは、アンジェラ。今日は何を教えてくれる?」
仲間たちがいなくなると、入れ替わるように彼が聖女のもとへとやってくる。
一度二人の話を聞いたことがあったけれど、小さな子に勉強を教えているような、本当にたわいない話しかしていなかった。
……平和で何よりだと。そう思って放ってしまったことが、敗因だったのだろう。
口調が明瞭なものになっていたり、所作が洗練されてきていたり。その学習速度がおかしいことは、少し注意していれば気付けたはずなのに。
――聖女は、ゆるやかに転がり落ちていく。
敵意も悪意も害意もなく、ただそう在れと造られた、無垢なる彼に。
たとえば、部隊の招集者であるエルドレッド第三王子殿下は、かつて周囲に何も期待しない人だった。
王太子が決まっている以上、兄を支えることが義務となった彼は、自分に向いた軍部に所属して活躍しているように……なりだけはそう見えた。
けれど実際には、王族を危険な場所へ出すことを良しとしない人ばかりで。招集者と言っても、ほとんど形だけの部隊長をさせられていた。
移動手段はもっぱら馬車。戦闘は騎士たちが行い、各地の休憩時でさえ守られ、ただそこにいるだけの人。
買い出しすらも一人でできなかったのだから、最初は反発していた彼も途中からはもう諦めてしまっていた。
王族が同行しているという大義名分のためだけに、彼はそこにいたのだ。
……今のアンジェラのように盾役をホイホイ任せたり、サボッていたら『男たち働きなさいよ』と檄を飛ばすような仲間は一人もいなかった。
殿下のことを考えれば、当然その護衛騎士であるダレンさんのことも思い出せる。
今でこそ、キレの良いツッコミを入れてくれるいいお兄さんだけど、かつての彼はそれこそ額面通りの『近衛騎士』だったと思う。
それも、忠誠心が高いとかそういうわけではない。そういう任務だから、面倒ごとが起こらないように努めているだけなのだ。
前衛として一緒にいることは多かったはずなのに、彼と話した記憶がほとんどなかったのも、きっとそのせいだ。
反対に、今ここにいないクロヴィスさんは、よく喋る人だったと思う。
子煩悩な父と化していた彼だけど、前はとにかく血の気が多く、戦うことに執着している人だった。
だからこそ、戦闘能力のない『聖女』によくつっかかって困ったのを覚えている。彼こそ、回復魔法に一番お世話になっていたのだけどね。
後衛を務める魔術師たちもまた、今とは全然違う付き合い方をしていた。正直なところ、あまり話す機会がなかったので、端から見た印象になるのだけど。
まずエルフの賢者さんは『人間は汚らわしい』を徹底する人で、用がなければこちらに近付きもしないような人だった。
さりげなく補佐はしてくれていたから、根底は変わっていないのだろうけど。積極的に動いてくれることはまずなかった。
聖女のことは認めていたけど、今の彼のような『世話焼きの母親』めいたことは絶対にしなかったな。孤高という言葉があれほど似合う人も、そうはいないだろう。
逆に導師カールハインツは、聖女に対しては比較的親身になって接していたと思う。
頑張りが空回りしがちな彼女を放っておけなかったらしい。あの頃はジュード・オルグレンよりも、きっと導師のほうが彼女とすごした時間が長かっただろう。……多分。
彼は今と全く変わっていない唯一の人物だ。ただ、以前なら素直に伝えていた優しさを、今のアンジェラには上手く伝えられていないけれど。
その弟子のウィリアムさんは、正しく真逆だった。
皮肉屋で『どうせ俺なんか』が口癖の彼は、口も悪く、卑屈で、そのくせ戦場では暴れたがるという、実に付き合い辛い性格をしていた。
今の謝り癖はどうかと思うけど、人の話を聞いてくれるという意味でははるかにマシだ。彼については、導師の再教育が上手くいった結果なのだろう。こちらとしても、大変ありがたい。
そして、今回は参加していないハルトさん。彼は今もかつてもあまり変わっていないだろう。非常に僕に似ているというか……彼はとにかく『ディアナさんが世界の中心』だったから、それ以外のことには一切頓着していなかった。
どれだけ空気がギスギスしていようが、バラバラで非効率な戦い方をしていようが、彼はほとんど口を出してこなかった。
……きっと彼は、ディアナさんを唯一と扱うことで、自己否定的な部分が強かった彼女を守っていたのだと思う。
……そう。今でこそ、誰よりも雄々しく勇ましい騎士となった彼女だが、実は心がとても繊細な人だった。
髪と目の色こそ同じだけど、かつての彼女は今とは似ても似つかない、ごく普通の女性の容姿をしていたしね。
変わらないのは、騎士という高潔な職を尊び、それを体現しようと努めているところ。かつての彼女も男顔負けの実力者だったし、仲が悪い皆をなんとか取りもとうとしている努力はみえた。
……残念ながら、それは上手くいかず。特に彼女の同僚のクロヴィスさんと、同性である聖女は壊滅的に仲が悪かった。そうして挟まれる立場になった彼女は、己の無力さを責めたのだろう。
――その結果が、アンジェラが憧れてやまない、今の『ディアナ様』なのかもしれない。
ジュード・オルグレンは、聖女の『従者』であった。
幼少から親や仕事仲間に言われていたように、主従の立場を崩すことはなく。自分を『私』と呼んでいた男は、適切な距離感を保ったまま成長した。
聖女に憧れはあったけれど、それ以上ではない。十歳の彼女が教会に預けられてからは、少しでも役に立てるようにという理由で、王都の騎士団で剣の腕を磨いた。
師が叔父上ではなく騎士団の人間だったので、今の僕とは戦い方も全然違う。
騎士団での日々も別に悪くはなかったけど……まあ、特筆するような思い出はない。従者の『私』には、大切な人のためという必死さはなかったから。
彼女が幸せになってくれれば、それでいいと考えていた。それは自分の役目ではないと。
そして聖女――お嬢様は、とにかく正しくあろうとした人だった。
伯爵家の一人娘として。その後は、聖女に選ばれた者として。世界を救うために旅立った者として。
“こうあるのが正しい”という姿を痛いほど真剣に求める人だった。私は神様に選ばれた聖女なのだから、皆を正しい道へ導くのが使命だと。
平等に、公平に、皆で仲良くしましょう、と。
人間なんて千差万別。正しくあろうとしても、それが上手くできない者だってもちろんいる。そうやって生きている人間にとっては、正しいだけの彼女は疎ましかっただろう。彼女の言葉の全てが、きれいごとに聞こえたかもしれない。
事実、戦えない聖女の体は、傷一つないとてもきれいなものだったから。
ただ正しさを語り続けた彼女の声は、誰にも届かなくなった。
かつての『私』でさえも、離れなかったのは聖女が主だったからにすぎない。諫められるような、親しい関係も築けていなかった。
だから聖女が、このツィーラーの街で『彼』に出会ってしまったのも、ある意味運命だったのかもしれない。
「こんにちは、おはなししませんか」
多分、男だったのだと思う。性別を感じさせない中性的な容姿のその人物は、たどたどしい言葉遣いで道行く人全てに声をかけていた。
ツィーラーの街は廃れてしまった元観光地だ。今いるのは、ごくわずかな元からの住人と、遺跡付近の魔物を倒すために訪れている戦う人間ばかり。
彼の声には、誰も耳を貸さなかった。なのに彼は、ずっとニコニコしながら、この部隊の面々にも同じように声をかけてきた。
「あら、こんにちは。何かご用ですか?」
そんな彼に応えてしまったのが、聖女だ。困っている人がいたら……といういかにもな善行に、ほとんどの仲間が彼女を置いて先に行ってしまった。
「おはなししたい。きみたちのことを、おしえて?」
「私たちのこと? 何をお教えすればいいでしょう」
抽象的な質問にも、彼女は柔らかな笑みを浮かべながら答えている。
真っ白な髪に、色素がほとんどない瞳。なのに、日に当たると虹のような輝きが見えるような……なんとなく、普通の人間とは違う容姿をしていた。
「お嬢様。私どもの戦いに民間人を巻き込むのは」
「大丈夫よ、ジュード。お話しをしているだけだもの。……それに、私は戦地へついて行かないほうが、クロヴィスさんも戦いやすいと思うわ」
「…………」
この頃にはすでに、聖女とクロヴィスさんの仲は完全にこじれてしまっており、彼女は乞われない限りは街の宿で大人しく待っているのが常だった。
戦わせてもらえない殿下ですら現地には行っていたので、実質一番仲間から疎遠だったのは聖女だろう。
寂しげに笑う彼女に、『私』もかける言葉を持ち合わせてはおらず。ただ、きょとんとした彼が、こちらの様子を交互に眺めている。
「わたしと、おはなし、してくれる?」
「ええ、私が答えられることなら。お話ししましょう」
それが、彼と聖女の始まりだった。不思議な子にちょっと絡まれただけだと、誰もがそう思って止めなかった。
むしろ、彼が聖女の相手をしてくれているおかげで、こちらへの“干渉”が大幅に少なくなり、クロヴィスさんなどは機嫌がよくなっていたぐらいだ。
「お嬢様、何かあったらすぐに呼んで下さい」
「大丈夫、何もないわ」
いつの間にか、彼女を置いて行くことが当たり前になってきてしまった仲間たち。
ディアナさんだけが、いつも気遣わしげに聖女を見ていたけど、他の皆はすっかり無視を決め込んでしまっている。
……当の聖女本人も、仲間たちといるよりも彼とすごすほうが気楽だったのだろう。
「こんにちは、アンジェラ。今日は何を教えてくれる?」
仲間たちがいなくなると、入れ替わるように彼が聖女のもとへとやってくる。
一度二人の話を聞いたことがあったけれど、小さな子に勉強を教えているような、本当にたわいない話しかしていなかった。
……平和で何よりだと。そう思って放ってしまったことが、敗因だったのだろう。
口調が明瞭なものになっていたり、所作が洗練されてきていたり。その学習速度がおかしいことは、少し注意していれば気付けたはずなのに。
――聖女は、ゆるやかに転がり落ちていく。
敵意も悪意も害意もなく、ただそう在れと造られた、無垢なる彼に。
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