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《恋人とか!》
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來斗との行為を受けてから数日が経った。來斗から連絡が来るものの、来斗のメッセージを読むたびにあのときの光景を思い出し、顔を赤面させてしまう。
そんな朔太郎ではあるが、――仕事は別だ。
「はい。じゃあ、半年も経ったけど時間数は増やさない感じで大丈夫ですか?」
「あ、はい。やっぱりもう少し慣れてから仕事に打ち込もうかな~って。なんか、ごめんなさい。天使さんも相談に乗ってくれてありがとうございます」
利用者の矢谷はパソコンを持ち出して話を聞いてくれる朔太郎へ軽く頭を下げた。朔太郎としては矢谷の勤務数を増やして欲しいなと感じていたようだったが、矢谷は今の勤務で慣れていけばそれで良いと感じているようだ。
朔太郎が働いている福士事業所は、いや、作業所はゆっくりペースで社会復帰を目指す機関であるためそれでも良いのである。ここの作業所は週に一度のペースの人間も居るぐらいだ。だが、それでも社会復帰を目指して日々精進している。
しかし朔太郎は少し残念そうな顔をした。
「でも、惜しいなぁ。矢谷さん、利用者さんとのトラブルもないし最近は安定してきているからもっと来て欲しいなぁ、な~んて」
「あはは……。障がい者雇用は目指しているんですけど、今すぐ働くまでの体力は難しいなって。もう少ししてから、時間数増やそうと思っていますから!」
軽く笑いながら矢谷は視線を手元に移した。矢谷の左中指にはビーズの指輪がきらめいている。朔太郎はそこに目が行ったようだ。
「あれ? 自分で作ったの、それ?」
「気づいてくれてありがとうございます! これ、友達に貰ったんです。手先が器用な子で、私のために作ってくれて……」
左の中指を嬉しそうに見やって軽く笑む矢谷に朔太郎は和んだ。矢谷は純朴というか素朴な可愛さがあるのだ。ゆるきゃらという言葉が似合うほっこりとしたタイプなのである。
そんな彼女が左中指に付けているビーズのアクセサリーは、淡い水色と金色が縁になぞられたデザインであった。
「そうだっ! 今度、天使さんにも作ってもらえるように頼んでおきます! なにが良いですか?」
「えっ、いいの? でも、お金とか取らない?」
「取りませんよ~。その子、趣味でやっているみたいですし。あっ、でも……、作るのが好きだから出品しているみたいですけどねっ」
にぱっと笑いながら話し掛ける矢谷に朔太郎はアクセサリーという言葉で來斗のことを想起した。次第に情事のことまで思い出し真っ赤になってしまう朔太郎に矢谷は首を傾げた。
「……どうかしました? 急に真っ赤になって?」
「あ、い、いやぁ~、ちょっと暑いなぁ~って! あははっっ! ははっ!」
クーラーが効いているのに暑がっている朔太郎に矢谷はさらに首を横にした。それからこんなことを提案したのだ。
「……なんかあったら相談した方が良いですからね? 親しい人とか、――恋人とか!」
「へぇっっっ!???」
朔太郎は素っ頓狂な声を上げたので矢谷は不思議そうな顔をしたのであった。
そんな朔太郎ではあるが、――仕事は別だ。
「はい。じゃあ、半年も経ったけど時間数は増やさない感じで大丈夫ですか?」
「あ、はい。やっぱりもう少し慣れてから仕事に打ち込もうかな~って。なんか、ごめんなさい。天使さんも相談に乗ってくれてありがとうございます」
利用者の矢谷はパソコンを持ち出して話を聞いてくれる朔太郎へ軽く頭を下げた。朔太郎としては矢谷の勤務数を増やして欲しいなと感じていたようだったが、矢谷は今の勤務で慣れていけばそれで良いと感じているようだ。
朔太郎が働いている福士事業所は、いや、作業所はゆっくりペースで社会復帰を目指す機関であるためそれでも良いのである。ここの作業所は週に一度のペースの人間も居るぐらいだ。だが、それでも社会復帰を目指して日々精進している。
しかし朔太郎は少し残念そうな顔をした。
「でも、惜しいなぁ。矢谷さん、利用者さんとのトラブルもないし最近は安定してきているからもっと来て欲しいなぁ、な~んて」
「あはは……。障がい者雇用は目指しているんですけど、今すぐ働くまでの体力は難しいなって。もう少ししてから、時間数増やそうと思っていますから!」
軽く笑いながら矢谷は視線を手元に移した。矢谷の左中指にはビーズの指輪がきらめいている。朔太郎はそこに目が行ったようだ。
「あれ? 自分で作ったの、それ?」
「気づいてくれてありがとうございます! これ、友達に貰ったんです。手先が器用な子で、私のために作ってくれて……」
左の中指を嬉しそうに見やって軽く笑む矢谷に朔太郎は和んだ。矢谷は純朴というか素朴な可愛さがあるのだ。ゆるきゃらという言葉が似合うほっこりとしたタイプなのである。
そんな彼女が左中指に付けているビーズのアクセサリーは、淡い水色と金色が縁になぞられたデザインであった。
「そうだっ! 今度、天使さんにも作ってもらえるように頼んでおきます! なにが良いですか?」
「えっ、いいの? でも、お金とか取らない?」
「取りませんよ~。その子、趣味でやっているみたいですし。あっ、でも……、作るのが好きだから出品しているみたいですけどねっ」
にぱっと笑いながら話し掛ける矢谷に朔太郎はアクセサリーという言葉で來斗のことを想起した。次第に情事のことまで思い出し真っ赤になってしまう朔太郎に矢谷は首を傾げた。
「……どうかしました? 急に真っ赤になって?」
「あ、い、いやぁ~、ちょっと暑いなぁ~って! あははっっ! ははっ!」
クーラーが効いているのに暑がっている朔太郎に矢谷はさらに首を横にした。それからこんなことを提案したのだ。
「……なんかあったら相談した方が良いですからね? 親しい人とか、――恋人とか!」
「へぇっっっ!???」
朔太郎は素っ頓狂な声を上げたので矢谷は不思議そうな顔をしたのであった。
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