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《決死の覚悟》
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その言葉を聞いた瞬間、モグラはとっさに声を発した。「海月っ、走るんだっ!」
「はっ、はいっ!!!!」海月は訳もなく走る。行き先はどうしてだが海であった。
海に向かって全力で走る海月に海の神はほくそ笑んでいた。自ら供物になるべきだと鼻で笑っている様子である。だが、逃がしはしないとその冷酷な瞳で楓を見やる。
「待て。おい、木風……いや、今は楓か。――供物を拘束しろ」
楓は反応に困った。確かにその通りだとは思っているがあまりしたくない行為であった。だが、次の瞬間に海の神は憤りの表情を見せた。
「楓。なにをしている? お前は木の神の右腕ではないのか」
「は、……はい」
楓は地面に根を張らせ樹々を想像した。するとモグラは楓に向けて静かに術を放つ。
「水よ、土よ。我が守るべき者に道しるべを、――示せっ!」
するとモグラは海月に水の輪っかを海に示させた。そこへ引っ張られるように海月は海に向かう。その瞬間に樹々は海月の居た場所を貫いた。間一髪であった。
モグラは海の神に向けて強い口調で放つ。「海月に手は出させないっ!」
すると海の神は自身の右腕に水の竜巻を宿らせる。狙いはモグラに向けてだ。
「――――死ね」
突風に吹き荒れるような海の竜巻にモグラは自身に土と水のシールドを張る。だが、その壁を壊すように竜巻は勢いを増した。
「ぐぅ……うぅっっ……!!!!」
「モグラっ! くそぉっ、俺がもとの姿に戻れば……」
海月の手から離れた火実が嘆いた。すると海の神はその言葉を聞いた途端、術を解いた。モグラは崩れ落ちるように地面になだれ込む。楓が駆け寄り呼びかけた。だが海の神は火実の言葉に衝撃を抱いたようだ。
「火の神……、貴様はどうしたのだ? 貴様も食せるのだぞ。供物は食されるべきだったのだぞ」
しかし火実は海の神に目もくれず、ニワトリの姿で意識のないモグラに駆け寄った。モグラは息を乱しており、だんだんと動物の姿に変化していく。
「ひ、じつ……。お前、あに……き、の、ところ……行きなよ。俺なんか、と、居たら、よく、ないから……」
「なにを言っている。今まであんなに振り回されて散々な目に遭って来たんだ。ここで貴様に死なれては困るっ!」
そう言って火実は動物の姿になっているモグラを背負い逃げ込んでしまった。海の神が驚きで目を見張っている。
「待て、火の神。貴様は我々、神を敵に回しているぞ? 良いのか?」
「……構わない。娘、いや、楓。お前は、あの者の所へ行け」
「火の神様……」
しかし楓は頷くことさえままならなかった。海の神は不機嫌そうに首を横に傾げた。冷淡な口調ではあるが、爽やかで甘い顔立ちはモグラにそっくりだ。さすが兄弟というべきだろう。しかし性格は真反対だが。
「待ってくださいっ!」楓は火実とモグラを抱いてそのまま走り出す。
火実は驚愕していた。「どうしたっ、楓? お前は海の神に――」
「嫌ですっ! あたしは、モグラの看病をしますっ! たとえ、天界に追放されたとしても、それまでです」
楓はそう言い切った後に自身の術を放って樹々を出現させた。出現させたかと思えば掴まって、海へと一直線に向かう。その様子を観察した海の神は不敵に笑った。そして、これからの展開を予測するのだ。
「恐らく、あの供物に火実の術を解いてもらうのだろう。――ならば」
海の神は瞬時にふわりと浮かんで、……消えたのだ。
「はっ、はいっ!!!!」海月は訳もなく走る。行き先はどうしてだが海であった。
海に向かって全力で走る海月に海の神はほくそ笑んでいた。自ら供物になるべきだと鼻で笑っている様子である。だが、逃がしはしないとその冷酷な瞳で楓を見やる。
「待て。おい、木風……いや、今は楓か。――供物を拘束しろ」
楓は反応に困った。確かにその通りだとは思っているがあまりしたくない行為であった。だが、次の瞬間に海の神は憤りの表情を見せた。
「楓。なにをしている? お前は木の神の右腕ではないのか」
「は、……はい」
楓は地面に根を張らせ樹々を想像した。するとモグラは楓に向けて静かに術を放つ。
「水よ、土よ。我が守るべき者に道しるべを、――示せっ!」
するとモグラは海月に水の輪っかを海に示させた。そこへ引っ張られるように海月は海に向かう。その瞬間に樹々は海月の居た場所を貫いた。間一髪であった。
モグラは海の神に向けて強い口調で放つ。「海月に手は出させないっ!」
すると海の神は自身の右腕に水の竜巻を宿らせる。狙いはモグラに向けてだ。
「――――死ね」
突風に吹き荒れるような海の竜巻にモグラは自身に土と水のシールドを張る。だが、その壁を壊すように竜巻は勢いを増した。
「ぐぅ……うぅっっ……!!!!」
「モグラっ! くそぉっ、俺がもとの姿に戻れば……」
海月の手から離れた火実が嘆いた。すると海の神はその言葉を聞いた途端、術を解いた。モグラは崩れ落ちるように地面になだれ込む。楓が駆け寄り呼びかけた。だが海の神は火実の言葉に衝撃を抱いたようだ。
「火の神……、貴様はどうしたのだ? 貴様も食せるのだぞ。供物は食されるべきだったのだぞ」
しかし火実は海の神に目もくれず、ニワトリの姿で意識のないモグラに駆け寄った。モグラは息を乱しており、だんだんと動物の姿に変化していく。
「ひ、じつ……。お前、あに……き、の、ところ……行きなよ。俺なんか、と、居たら、よく、ないから……」
「なにを言っている。今まであんなに振り回されて散々な目に遭って来たんだ。ここで貴様に死なれては困るっ!」
そう言って火実は動物の姿になっているモグラを背負い逃げ込んでしまった。海の神が驚きで目を見張っている。
「待て、火の神。貴様は我々、神を敵に回しているぞ? 良いのか?」
「……構わない。娘、いや、楓。お前は、あの者の所へ行け」
「火の神様……」
しかし楓は頷くことさえままならなかった。海の神は不機嫌そうに首を横に傾げた。冷淡な口調ではあるが、爽やかで甘い顔立ちはモグラにそっくりだ。さすが兄弟というべきだろう。しかし性格は真反対だが。
「待ってくださいっ!」楓は火実とモグラを抱いてそのまま走り出す。
火実は驚愕していた。「どうしたっ、楓? お前は海の神に――」
「嫌ですっ! あたしは、モグラの看病をしますっ! たとえ、天界に追放されたとしても、それまでです」
楓はそう言い切った後に自身の術を放って樹々を出現させた。出現させたかと思えば掴まって、海へと一直線に向かう。その様子を観察した海の神は不敵に笑った。そして、これからの展開を予測するのだ。
「恐らく、あの供物に火実の術を解いてもらうのだろう。――ならば」
海の神は瞬時にふわりと浮かんで、……消えたのだ。
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