46 / 49
《わちゃわちゃ》
しおりを挟む
仁田との電話を切ってからモグラは息を吐いた。「はぁ~、やっぱり兄貴に殺されかけたから疲れたよぉ」それから動物フォルムとなり、海月の肩によじ登る。
疲弊している様子のモグラに海月は少しはにかんでモグラの身体に触れる。硬質な毛並みに意志の強さを感じさせるのはどうしてか。
「おい、供物」
「俺は海月ですよ? 海竜さん」
海竜はモグラフォルムで海月を見上げてから「海月よ……」などと憎たらしげに話し掛けた。「私を元に戻してくれないか? この姿は、その……なんというか」少し頬を赤らめている様子の海竜に今度は火実がニヤついた。
「ほほぉ~。ようやく俺の気持ちがわかったか、海の神、いや。海竜よ。今までさんざんっ、上から俺たちのことを見下げていたのだからこれぐらい――」
「海月、火実をニワトリに」
「はい、モグラさん。火実、――ニワトリの姿になってっ!」
「え、あ、ちょっ――――!???」
すぅっと息を吸って海月はモグラに言われた通りに火実をニワトリの姿にした。モグラは悪戯な顔をしている。すると火実はモグラへ飛びかかろうとした。
しかしモグラは瞬時に楓の傍に寄り、火実は海月の顔にダイレクトアタックをしていた。だが海月は痛そうにしつつもキャッチして火実を抱き締める。
それから火実の匂いを吸い込んでいた。火実は身を震わせた。
「な、なにしているっ! このぉ、へんたいっ!」
「いやぁ、やっぱり良い匂いだなぁと思いまして。あの双子が匂いを嗅ぐ理由がわかるというか」
「わからんでいいわっ!!」
バタバタと身体を震わせる火実を抱き締めて匂いを嗅いでいる海月に今度はモグラが近寄る。それから海月の身体に再びよじ登った。海月はそれに気が付いたようだ。
「あっ、モグラさん。どうしたんですか?」
「……不倫はよくないぞぉ、くらげぇ? 俺という者がありながらっ!!」
海月は火実へ短い足で回し蹴りをして離れさせてから海月に近づいた。それから海月に匂いを嗅がせる。モグラも太陽のような匂いと少し潮の香りもするような気がした。
火実がのこのこと起き上がり、モグラに狙いを定めた。「このモグラ野郎がぁっ!!!!!」
「うるせぇっ、ニワトリ野郎っ!」
「誰がだっ、この変態モグラぁっ!!!!」
二匹が離れてバトルを勃発していると楓の傍に居た海竜が疲弊の息を吐いた。
「……早く天界に帰りたい」
「まぁ、海の神様。こんな能天気な展開になったらそうなりますよね、普通……」
楓も同情しているとピンポーンというチャイムが鳴った。海月はバタバタと出て「はい」と答える。すると画面のモニターには双子の三重と甲斐が居た。
『ちわーっ! 今日、占いやっていないから来たぜぇ!』
『お見舞い持ってきましたよぉ~。あと火実さんに会わせてくださいっ!』
どうやら海月は風邪と勘違いされている様子だ。海月はそんな二人を追い払うことなどせずにエントランスのドアを開ける。「……ありがとうございます」そう海月が告げた時に、双子が驚きで目を見張っていたのがおかしくて仕方がなかった。
喧嘩がまだ絶えずにいる二匹に海月は二匹を摘まんで話し掛ける。「三重と甲斐がこっちに来ますよ、嬉しいですよね?」
火実が身体を震わせていた。どうやら嬉しいらしい。そしてモグラは前足で頭を掻いてから人間の姿になった。
「だったらお茶でも出さないとねっ。はー、忙しいっ!」
だが嬉しそうなモグラに海月もにこやかにしていたのだ。
疲弊している様子のモグラに海月は少しはにかんでモグラの身体に触れる。硬質な毛並みに意志の強さを感じさせるのはどうしてか。
「おい、供物」
「俺は海月ですよ? 海竜さん」
海竜はモグラフォルムで海月を見上げてから「海月よ……」などと憎たらしげに話し掛けた。「私を元に戻してくれないか? この姿は、その……なんというか」少し頬を赤らめている様子の海竜に今度は火実がニヤついた。
「ほほぉ~。ようやく俺の気持ちがわかったか、海の神、いや。海竜よ。今までさんざんっ、上から俺たちのことを見下げていたのだからこれぐらい――」
「海月、火実をニワトリに」
「はい、モグラさん。火実、――ニワトリの姿になってっ!」
「え、あ、ちょっ――――!???」
すぅっと息を吸って海月はモグラに言われた通りに火実をニワトリの姿にした。モグラは悪戯な顔をしている。すると火実はモグラへ飛びかかろうとした。
しかしモグラは瞬時に楓の傍に寄り、火実は海月の顔にダイレクトアタックをしていた。だが海月は痛そうにしつつもキャッチして火実を抱き締める。
それから火実の匂いを吸い込んでいた。火実は身を震わせた。
「な、なにしているっ! このぉ、へんたいっ!」
「いやぁ、やっぱり良い匂いだなぁと思いまして。あの双子が匂いを嗅ぐ理由がわかるというか」
「わからんでいいわっ!!」
バタバタと身体を震わせる火実を抱き締めて匂いを嗅いでいる海月に今度はモグラが近寄る。それから海月の身体に再びよじ登った。海月はそれに気が付いたようだ。
「あっ、モグラさん。どうしたんですか?」
「……不倫はよくないぞぉ、くらげぇ? 俺という者がありながらっ!!」
海月は火実へ短い足で回し蹴りをして離れさせてから海月に近づいた。それから海月に匂いを嗅がせる。モグラも太陽のような匂いと少し潮の香りもするような気がした。
火実がのこのこと起き上がり、モグラに狙いを定めた。「このモグラ野郎がぁっ!!!!!」
「うるせぇっ、ニワトリ野郎っ!」
「誰がだっ、この変態モグラぁっ!!!!」
二匹が離れてバトルを勃発していると楓の傍に居た海竜が疲弊の息を吐いた。
「……早く天界に帰りたい」
「まぁ、海の神様。こんな能天気な展開になったらそうなりますよね、普通……」
楓も同情しているとピンポーンというチャイムが鳴った。海月はバタバタと出て「はい」と答える。すると画面のモニターには双子の三重と甲斐が居た。
『ちわーっ! 今日、占いやっていないから来たぜぇ!』
『お見舞い持ってきましたよぉ~。あと火実さんに会わせてくださいっ!』
どうやら海月は風邪と勘違いされている様子だ。海月はそんな二人を追い払うことなどせずにエントランスのドアを開ける。「……ありがとうございます」そう海月が告げた時に、双子が驚きで目を見張っていたのがおかしくて仕方がなかった。
喧嘩がまだ絶えずにいる二匹に海月は二匹を摘まんで話し掛ける。「三重と甲斐がこっちに来ますよ、嬉しいですよね?」
火実が身体を震わせていた。どうやら嬉しいらしい。そしてモグラは前足で頭を掻いてから人間の姿になった。
「だったらお茶でも出さないとねっ。はー、忙しいっ!」
だが嬉しそうなモグラに海月もにこやかにしていたのだ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
熱い風の果てへ
朝陽ゆりね
ライト文芸
沙良は母が遺した絵を求めてエジプトにやってきた。
カルナック神殿で一服中に池に落ちてしまう。
必死で泳いで這い上がるが、なんだか周囲の様子がおかしい。
そこで出会った青年は自らの名をラムセスと名乗る。
まさか――
そのまさかは的中する。
ここは第18王朝末期の古代エジプトだった。
※本作はすでに販売終了した作品を改稿したものです。
神木さんちのお兄ちゃん!
雪桜
キャラ文芸
✨ キャラ文芸ランキング週間・月間1位&累計250万pt突破、ありがとうございます!
神木家の双子の妹弟・華と蓮には"絶世の美男子"と言われるほどの金髪碧眼な『兄』がいる。
美人でカッコよくて、その上優しいお兄ちゃんは、常にみんなの人気者!
だけど、そんな兄には、何故か彼女がいなかった。
幼い頃に母を亡くし、いつも母親代わりだったお兄ちゃん。もしかして、お兄ちゃんが彼女が作らないのは自分達のせい?!
そう思った華と蓮は、兄のためにも自立することを決意する。
だけど、このお兄ちゃん。実は、家族しか愛せない超拗らせた兄だった!
これは、モテまくってるくせに家族しか愛せない美人すぎるお兄ちゃんと、兄離れしたいけど、なかなか出来ない双子の妹弟が繰り広げる、甘くて優しくて、ちょっぴり切ない愛と絆のハートフルラブ(家族愛)コメディ。
果たして、家族しか愛せないお兄ちゃんに、恋人ができる日はくるのか?
これは、美人すぎるお兄ちゃんがいる神木一家の、波乱万丈な日々を綴った物語である。
***
イラストは、全て自作です。
カクヨムにて、先行連載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる