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僕は愛しい人の傍に居たい。

甘えたい。【2】

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フワフワとした意識の中でマナはふと室内の匂いを嗅いで思う。

(…なんか、美味しそうな匂いが…する。)

上体を起こして起き上がればマナに今度はアリッストが気が付いたようだ。アリッストは少しばつが悪そうな顔を見せてからマナに尋ねる。

「その…!まぁ!俺が久しぶりに作りたいなと思ったから作ったんだけどな!…お前もいるか?」

「…?えっと、貰えるならもらいたいんですけど。」

するとアリッストは耳を少し動かしてから話すのだ。


「そうか!!なら良いだろう!…ちょっと歪な料理にはなったが味は保証するぜ?」

「ありがとう…ございます。」

マナが応えればアリッストは彼をテーブルに座らせてとある料理を持ってきた。ゴロゴロしていたりもしくはミキサーにかけたような歪さを感じさせるスープにマナは首を傾げる。

「あの…。失礼なんですけど、これは…一体?」

「一体って…野菜のスープに決まってんだろ?ほら、早く喰え。冷めるぞ?」

アリッストに急かされるがマナは奇妙な見た目をしている野菜スープに手を付けられないでいる。しかしアリッストが自信ありげな顔をしているのでマナは一口食べてみた。…意外とイケることが分かった瞬間であった。

「!!!美味しい…。こんなに見た目がおかしいのに?」

「おかしいは余計だバカクズ。…うまいだろ?」

「はい…。美味しいです。」

美味しそうに飲みながら耳をぴくぴくとさせて喜ぶ姿にアリッストは心を鷲掴みにされる。そんな彼にマナは食べ終わったらしく手を合わせてから食器を片付けようとした。そんな彼にアリッストが手を貸す。

「俺がやるから!お前はそこで見ててろ!」

普段とは違うアリッストの行動にさすがにマナでも違和感を感じたようだ。

「…なんかアリッストさん。妙に優しくないですか?…いつもはこんなに優しくしてくれないのに。」

「ばっ!バカ言ってんじゃねぇよ!俺は…別に」

「何か隠してます?」

「へっ?」

マナの今の容姿にときめいて優しくしているのを悟られなかったが確かにルゥーダの愛獣の件は黙っていたなと思ったアリッストは少し考える。

(まぁルゥーダの件は言ってもいいんだが…そしたらこいつ。もっとめげないか?…落ち込まないか?…というか、これを考えてる時点で…俺は。)

「アリッスト…さん?やっぱり何か隠して」

「分かんねぇな…。今の俺の気持ちが…よ。」

「はい?」

疑問を浮かべるマナにアリッストは隣に座って彼の頬を触る。頬やおでこを触って見せればマナは少し気持ちよさそうな表情を見せて猫耳をぴくぴくとさせる。そんなマナにアリッストは自身の想いを綴る。

「俺はお前に2つ隠していることがある。…1つ目はルゥーダに愛獣にならないかって誘われたこと。受け入れれば、俺は女神になった妹に会えるかもしれない。」

「…愛獣ですか。…良いですよ。僕はそれは全然」

「2つ目は…俺の今の気持ちだ。」

「???何かあったんですか?」

するとアリッストはマナを押し倒して猫耳を外した。マナが猫耳を外し人間になったとしてもアリッストの気持ちは揺るぐことは無かった。突然、アリッストに押し倒されて戸惑っているマナは真剣な表情を見せている彼に鼓動を早くさせる。そんなマナにアリッストは告白をする。

「いっつもお前を悲しませて悪かった。…でもそれでも、お前が恋しくて、愛しくて…守ってやりたい。」

「???何を言って」

心臓の音がうるさいくらい聞こえるマナにアリッストはキスをしてから言い放つ。

「…俺を恋人として見てくれないか?」

衝撃的な言葉にマナは顔を赤らめるがとある思いを過らせたのであった。
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