18 / 65
《妖艶な女、八岐大蛇》
しおりを挟む
蛇の集合体から固まって現れたのは白髪の美しい女であった。見惚れてしまうほどの妖艶さによーじはたじろいでしまう。しかし、その妖艶さは不気味でもあった。
女は愕然としている夜空に向けてにこりと笑んだ。「夜空、その男はおぬしのなんじゃ? あの者は?」女の言葉に夜空はためらいつつ答える。
「えっと……、この小さな男の子は知りませんけどよーじは僕の親友です」
すると女は微かによーじに向けて笑んだまま自己紹介をする。「我が大蛇じゃ。またの名を八岐大蛇という。鬼道丸様のみ使いとして生きていたものじゃ」
だが、と言って大蛇はきじを見てまた軽やかに笑う。その笑いは不気味でもあった。「そなたは鬼道丸様の出来損ないだな。弟だろう。やはり粗末で小さい坊主じゃ」
するときじは白い短刀の弥生を収めたかと思えばよーじに近づいた。その行動を見て大蛇は高笑いをする。「そうかっ。おぬしっ、兄に勝てないから人間を頼るのだなっ! ははっ、これは面白い。自分が五体満足でなくなるのを、その男が背負うのだろうな!」
その言葉に今度はよーじが驚いた。すると目の前に居た睦月が瞬時に長刀を手にして大蛇へ向かって窓の外へ投げ出す。大蛇と共に睦月は校舎から真っ逆さまに落ちていくのでよーじが目を閉じた、瞬間にきじが目の前に現れる。「ごめん、……よーじ」するとよーじの視界が暗転して意識を失ってしまった。
夜空は親友であるよーじの身体の中に少年がすり抜けるように入っていく姿を見て唖然としていた。カメラを持っていないのが残念であった。
しかも驚くべきことに少年に取り込まれたよーじの髪は長くなり、服装も変化していく。あの少年が着ていた黒と白の菊の紋様の羽織になり下駄を履いていたのだ。
夜空は驚いて口を開けたまま目を見開く。「……よーじ。よーじな、の?」
するとよーじは振り向いたかと思えばつかつかと夜空の元へ向かう。夜空は恐怖で苛まれた。すると引き寄せられるように指輪がぽろりと外れてしまった。「あっ……。指輪が……!」装着していた指輪を嵌めようとするとそれをよーじのような青年が阻んで奪ってしまう。
さすがの夜空もこれには怒って返せと言い放つ。「返してよっ! それは僕の願いが叶う指輪だ。よーじにはいらないだろう」そんな夜空によーじのような青年は寂しげな顔をして呟く。
「……いる。これは兄者の怒りを治める為に必要なのだから」
「兄者って……、どういうこと?」
「いずれ話す。それじゃあおらは大蛇を倒しに行く」
そう言って長い髪の青年は破られた窓から飛び出してしまった。その俊敏な動きと華麗な姿のよーじに夜空は見惚れてしまう。しかし、あの美女である大蛇のことも気になった。大蛇はいったいどうなってしまうのだろうか。あの可憐で美しい女性はどうなってしまうのだろう。
「……僕も行かなきゃ」
そして夜空も血だらけで窓が破られた教室を去るのであった。その後、いい意味でも悪い意味でも教室が封鎖されるのはその数分後であった。
女は愕然としている夜空に向けてにこりと笑んだ。「夜空、その男はおぬしのなんじゃ? あの者は?」女の言葉に夜空はためらいつつ答える。
「えっと……、この小さな男の子は知りませんけどよーじは僕の親友です」
すると女は微かによーじに向けて笑んだまま自己紹介をする。「我が大蛇じゃ。またの名を八岐大蛇という。鬼道丸様のみ使いとして生きていたものじゃ」
だが、と言って大蛇はきじを見てまた軽やかに笑う。その笑いは不気味でもあった。「そなたは鬼道丸様の出来損ないだな。弟だろう。やはり粗末で小さい坊主じゃ」
するときじは白い短刀の弥生を収めたかと思えばよーじに近づいた。その行動を見て大蛇は高笑いをする。「そうかっ。おぬしっ、兄に勝てないから人間を頼るのだなっ! ははっ、これは面白い。自分が五体満足でなくなるのを、その男が背負うのだろうな!」
その言葉に今度はよーじが驚いた。すると目の前に居た睦月が瞬時に長刀を手にして大蛇へ向かって窓の外へ投げ出す。大蛇と共に睦月は校舎から真っ逆さまに落ちていくのでよーじが目を閉じた、瞬間にきじが目の前に現れる。「ごめん、……よーじ」するとよーじの視界が暗転して意識を失ってしまった。
夜空は親友であるよーじの身体の中に少年がすり抜けるように入っていく姿を見て唖然としていた。カメラを持っていないのが残念であった。
しかも驚くべきことに少年に取り込まれたよーじの髪は長くなり、服装も変化していく。あの少年が着ていた黒と白の菊の紋様の羽織になり下駄を履いていたのだ。
夜空は驚いて口を開けたまま目を見開く。「……よーじ。よーじな、の?」
するとよーじは振り向いたかと思えばつかつかと夜空の元へ向かう。夜空は恐怖で苛まれた。すると引き寄せられるように指輪がぽろりと外れてしまった。「あっ……。指輪が……!」装着していた指輪を嵌めようとするとそれをよーじのような青年が阻んで奪ってしまう。
さすがの夜空もこれには怒って返せと言い放つ。「返してよっ! それは僕の願いが叶う指輪だ。よーじにはいらないだろう」そんな夜空によーじのような青年は寂しげな顔をして呟く。
「……いる。これは兄者の怒りを治める為に必要なのだから」
「兄者って……、どういうこと?」
「いずれ話す。それじゃあおらは大蛇を倒しに行く」
そう言って長い髪の青年は破られた窓から飛び出してしまった。その俊敏な動きと華麗な姿のよーじに夜空は見惚れてしまう。しかし、あの美女である大蛇のことも気になった。大蛇はいったいどうなってしまうのだろうか。あの可憐で美しい女性はどうなってしまうのだろう。
「……僕も行かなきゃ」
そして夜空も血だらけで窓が破られた教室を去るのであった。その後、いい意味でも悪い意味でも教室が封鎖されるのはその数分後であった。
0
あなたにおすすめの小説
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』
本能寺から始める常陸之介寛浩
青春
「大好きなはずなのに……! 兄の『推し活』が止まらない!?」
かつて、私は信じていた。
優しくて、頼もしくて、ちょっと恥ずかしがり屋な──
そんな普通のお兄ちゃんを。
でも──
中学卒業の春、
帰ってきた幼馴染みの“オタク姫”に染められて、
私のお兄ちゃんは**「推し活命」**な存在になってしまった!
家では「戦利品だー!」と絶叫し、
年末には「聖戦(コミケ)」に旅立ち、
さらには幼馴染みと「同人誌合宿」まで!?
……ちがう。
こんなの、私の知ってるお兄ちゃんじゃない!
たとえ、世界中がオタクを称えたって、
私は、絶対に──
お兄ちゃんを“元に戻して”みせる!
これは、
ブラコン妹と
中二病オタク姫が、
一人の「兄」をめぐって
全力でぶつかり合う、果てしなき戦いの物語──!
そしていつしか、
誰も予想できなかった
本当の「大好き」のカタチを探す、
壮大な青春ストーリーへと変わっていく──。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる