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《睦月の戦闘》
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睦月が居なくなってしまった。そしてきじとも口を利かなくなってしまった。きじは弥生を失ったショックで口を利いてくれないのだ。だからよーじも敢えて口を利いていない。
静かな一週間が過ぎて体育祭は無事に終わり、よーじはテンションが上がってクシナと共に居る夜空を見やる。「はぁ~っ、サイコーの体育祭だった!」
夜空はクシナに憑依されれば運動神経が抜群に上がる。だからクシナを朱印としてよーじの左胸に納めれば、その能力は失われる。
親友である夜空が嬉しそうに自分の足が速くなったのが嬉しくて堪らない様子を見るのが正直言って辛かった。だが、納めない限りいずれ起こるであろうきじの兄である鬼道丸が目覚めて災厄が起こるのだ。
「やったよ~! 初めて一位が取れたっ!」
「良かったですわ、夜空様。私は嬉しいですっ」
「あはっ。クシナさんのおかげだよ~。本当にありがとう!」
二人の仲睦まじい姿がよーじは痛ましく思えた。自分がそれを引き裂いてしまうのかと思うと苦しくて堪らない。
そして今は体育祭帰りの通学路。クシナ以外のよーじと夜空は体操着であった。リュックを下げて嬉しそうに歩いている夜空とクシナへよーじはただ俯いている。その姿を見て夜空やクシナが気が付いたようだ。
「どうかしたの、よーじ? やっぱりきじくんと睦月さんが来なかったのは寂しかった?」
「そうでしょうね……。お二人とも、なにやっているんだが。よーじ様は長距離走で一位を勝ち取っていたのに……」
「本当だよねっ。あれはすごかったなぁ。やっぱりよーじはすごいよ!」
事情を知らない夜空とクシナがよーじを励ましてくれる。有り難いが今は苦しくて仕方がない。そんな時であった。
よーじの脳内にフラッシュするように映像が浮かんだ。それは槍が飛んでくる映像であった。よーじは瞬時に弥生を呼び出した。「弥生っ、――――来いっ」
すると白い小刀に変身した弥生が出現した。それから二人の前に出て槍を跳ねのけた。跳ねのけた槍に夜空が目を見開く。「槍っ!?? なにが起こって……?」
「夜空様。私と憑依なさって」
「え、あ、うんっ!」
クシナの身体が透けていき夜空の中へ吸い込まれていく。その時を境に夜空へ無数の槍が飛んで行く。それをよーじが跳ねのけて、運動神経が抜群になった夜空がどこからか長刀を取り出して翻していった。
夜空が叫んだ。「誰ですかっ! 出てきてくださいっ!」
しかし槍や弓矢が飛ぶばかり。よーじは弥生の力を駆使して走り抜けるウサギの如く敵陣へ向かう。すると驚いた。そこには睦月が居たのだから。
「睦月……、どうして?」
睦月はひどく悲痛そうな顔をして訴えかけた。
「兄貴、これは兄貴の為なんです。兄貴が傷ついていくのは嫌なんですっ!」
睦月は訳が分からないと言った様子の夜空へ十数本の武器を飛ばした。武器で四方八方塞がれた夜空に睦月はトドメの斬撃を食らわせる。
しかしその刹那、夜空はまるで意思を失ったかのような動きで塞がれた武器の山から飛び出て睦月へ刃を向けた。睦月は瞬時に槍で対抗する。
それからゆらりと夜空が怒りに任せたような顔をして睦月へ言い放つ。「私にあだなす奴は、夜空様に刃を向ける者は、――殺すっ!」
夜空に憑依したクシナが睦月へ剣を向けた。槍と長刀が混じり合い、轟音が鳴り響く。よーじはどうすべきか良いのかわからずにいた。しかしそんな斬撃の中で声が聞こえたのだ。
「よーじっ、よーじっ!!!!」
その声は一週間も口を利いてくれなかったきじの姿であった。きじはなにかを持っていた。それは真紅と白の数珠でありそれを愛おしげに持っていたのだ。「おらが悪かったっ! だからお願いだっ、おらと憑依してくれっ!」
よーじが藁にも縋る思いで駆けつけてくるきじと手を取って憑依をする。そして真紅の瞳となったよーじは睦月とクシナの喧騒を止める。
「やめろ、お前ら。おらに妙案がある」よーじの手元には赤と白の数珠が煌めいていたのだ。
静かな一週間が過ぎて体育祭は無事に終わり、よーじはテンションが上がってクシナと共に居る夜空を見やる。「はぁ~っ、サイコーの体育祭だった!」
夜空はクシナに憑依されれば運動神経が抜群に上がる。だからクシナを朱印としてよーじの左胸に納めれば、その能力は失われる。
親友である夜空が嬉しそうに自分の足が速くなったのが嬉しくて堪らない様子を見るのが正直言って辛かった。だが、納めない限りいずれ起こるであろうきじの兄である鬼道丸が目覚めて災厄が起こるのだ。
「やったよ~! 初めて一位が取れたっ!」
「良かったですわ、夜空様。私は嬉しいですっ」
「あはっ。クシナさんのおかげだよ~。本当にありがとう!」
二人の仲睦まじい姿がよーじは痛ましく思えた。自分がそれを引き裂いてしまうのかと思うと苦しくて堪らない。
そして今は体育祭帰りの通学路。クシナ以外のよーじと夜空は体操着であった。リュックを下げて嬉しそうに歩いている夜空とクシナへよーじはただ俯いている。その姿を見て夜空やクシナが気が付いたようだ。
「どうかしたの、よーじ? やっぱりきじくんと睦月さんが来なかったのは寂しかった?」
「そうでしょうね……。お二人とも、なにやっているんだが。よーじ様は長距離走で一位を勝ち取っていたのに……」
「本当だよねっ。あれはすごかったなぁ。やっぱりよーじはすごいよ!」
事情を知らない夜空とクシナがよーじを励ましてくれる。有り難いが今は苦しくて仕方がない。そんな時であった。
よーじの脳内にフラッシュするように映像が浮かんだ。それは槍が飛んでくる映像であった。よーじは瞬時に弥生を呼び出した。「弥生っ、――――来いっ」
すると白い小刀に変身した弥生が出現した。それから二人の前に出て槍を跳ねのけた。跳ねのけた槍に夜空が目を見開く。「槍っ!?? なにが起こって……?」
「夜空様。私と憑依なさって」
「え、あ、うんっ!」
クシナの身体が透けていき夜空の中へ吸い込まれていく。その時を境に夜空へ無数の槍が飛んで行く。それをよーじが跳ねのけて、運動神経が抜群になった夜空がどこからか長刀を取り出して翻していった。
夜空が叫んだ。「誰ですかっ! 出てきてくださいっ!」
しかし槍や弓矢が飛ぶばかり。よーじは弥生の力を駆使して走り抜けるウサギの如く敵陣へ向かう。すると驚いた。そこには睦月が居たのだから。
「睦月……、どうして?」
睦月はひどく悲痛そうな顔をして訴えかけた。
「兄貴、これは兄貴の為なんです。兄貴が傷ついていくのは嫌なんですっ!」
睦月は訳が分からないと言った様子の夜空へ十数本の武器を飛ばした。武器で四方八方塞がれた夜空に睦月はトドメの斬撃を食らわせる。
しかしその刹那、夜空はまるで意思を失ったかのような動きで塞がれた武器の山から飛び出て睦月へ刃を向けた。睦月は瞬時に槍で対抗する。
それからゆらりと夜空が怒りに任せたような顔をして睦月へ言い放つ。「私にあだなす奴は、夜空様に刃を向ける者は、――殺すっ!」
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「よーじっ、よーじっ!!!!」
その声は一週間も口を利いてくれなかったきじの姿であった。きじはなにかを持っていた。それは真紅と白の数珠でありそれを愛おしげに持っていたのだ。「おらが悪かったっ! だからお願いだっ、おらと憑依してくれっ!」
よーじが藁にも縋る思いで駆けつけてくるきじと手を取って憑依をする。そして真紅の瞳となったよーじは睦月とクシナの喧騒を止める。
「やめろ、お前ら。おらに妙案がある」よーじの手元には赤と白の数珠が煌めいていたのだ。
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