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《あなたを信じます》
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睦月とクシナはよーじの、きじの言葉を聞いて沈黙が勝ったものの再び喧嘩という名の戦闘が始まった。
睦月がクシナへ空中から槍や弓矢を飛ばす。それをクシナが長刀で翻し間合いを詰めて打ち込んだ。睦月は刀で交し合い、クシナを拭き飛ばす。
クシナが怒りの形相となった。そして長刀に祈りを込めるように願う。「草薙剣よ……、我の糧となれっ!」
それから雨粒が降り出した。さすがのよーじもこの状況には、まずいと感じる。これは大洪水を起こすかもしれないと考えたからだ。
しかし睦月は攻撃をやめようとしない。それはクシナもだ。だからよーじは弥生と赤と白の数珠を重ねて願う。
すると地響きと地鳴りが起こった。二人は何事かと思って見やるとそこには怒りで満ち溢れていたよーじが、いや、きじの姿が居たのだ。
「やめろって言ってんだ。聞こえねぇのか、神のみ使いたちよ」
その威厳のあるきじの、鬼治丸の言葉に睦月もクシナも攻撃を止めた。それだけ今のきじは畏怖さを伴わせていたのだ。武器は飛び交うことはなくなった。そして雨粒も次第に止む。よーじは深く頷いて二人を見やった。
「睦月。お前、おらと狼煙の話を聞いていたな? 自分が朱印なりたくないからと思ってクシナを狙ったんだろう?」
「そ……れは――」
「どういうことですか、きじ様? 朱印とはなんのことです?」
それからよーじに憑依しているきじは事のあらましを話した。その話を聞いて目を丸くさせているクシナは睦月へ視線を向ける。それから面目がないような睦月へ柔らかく笑んだ。
「あなたは焦っていたのですね。そんな話を聞いてしまったらそれは焦ります。……ごめんなさい。訳も聞かずにあなたを殺めようとしてしまって」
「い、いえ。あの……、クシナさんは悪くありませんっ。俺が、その、……自分の自由を奪われたくなかったからであって」
そんな睦月へクシナは微笑みかけたかと思えばきじへ顔を向けた。「なにか考えがあると仰っていましたが、本当なのでしょうか?」
するときじは赤と白の数珠を指さした。指さしたかと思えば言い放ったのだ。「これは弥生の依代だ」そう言って説明をしだしたのだ。
「依代は本来であれば神が宿る場所と言われている。知っている通り、岩や樹木などがその例だ。そして、おらの身体を司る者として、御朱印帳としているのがよーじだ。御朱印帳はなんの為にあると思う?」
睦月とクシナはその問いかけに思い当たったようで顔を見合わせていた。二人の顔を見てきじはにこっと笑う。
「朱印は神との縁を大事にする為、台紙に記帳するんだ。言うなれば神との縁だ。つまり、弥生は朱印となったものの依代の数珠は置いていった。数珠となった弥生は呼び出せるはずだ。数珠が依代なんだからな」
しかしそれでも睦月は不安がっていた。やはり信じられないといった様子である。
「で、でも本当にそうなのでしょうか? 弥生が仮に呼び出せたとしても俺たちは……」
途端に睦月は顔を俯かせてしまう。しかしクシナは違った。クシナは胸に手を当ててきじを宿しているよーじへ魂を分かたせる。魂がふわりと浮かんでよーじの中に納まったかと思えば、声が聞こえた。「私はあなたを信じます」
それから夜空が崩れ落ちた。彼の右手の親指には銀色の指輪が嵌められている。そして何もかも承知していたかのような夜空は消えていったクシナへ言葉を乗せたのだ。
「ありがとう、クシナさん。僕の運動神経なんかより、……あなたともっと想い出を作りたかった」
静かに咽び泣く夜空によーじは胸を抑えた。そしてきじとの憑依が解かれる。きじは大切そうに数珠を持っている中でよーじは自分の左胸を見やる。
そこには『八岐大蛇』と印字された朱印がなされていた。クシナも仲間になったのだ。しかし、悲しむ者がまた一人増えてしまった。
睦月がクシナへ空中から槍や弓矢を飛ばす。それをクシナが長刀で翻し間合いを詰めて打ち込んだ。睦月は刀で交し合い、クシナを拭き飛ばす。
クシナが怒りの形相となった。そして長刀に祈りを込めるように願う。「草薙剣よ……、我の糧となれっ!」
それから雨粒が降り出した。さすがのよーじもこの状況には、まずいと感じる。これは大洪水を起こすかもしれないと考えたからだ。
しかし睦月は攻撃をやめようとしない。それはクシナもだ。だからよーじは弥生と赤と白の数珠を重ねて願う。
すると地響きと地鳴りが起こった。二人は何事かと思って見やるとそこには怒りで満ち溢れていたよーじが、いや、きじの姿が居たのだ。
「やめろって言ってんだ。聞こえねぇのか、神のみ使いたちよ」
その威厳のあるきじの、鬼治丸の言葉に睦月もクシナも攻撃を止めた。それだけ今のきじは畏怖さを伴わせていたのだ。武器は飛び交うことはなくなった。そして雨粒も次第に止む。よーじは深く頷いて二人を見やった。
「睦月。お前、おらと狼煙の話を聞いていたな? 自分が朱印なりたくないからと思ってクシナを狙ったんだろう?」
「そ……れは――」
「どういうことですか、きじ様? 朱印とはなんのことです?」
それからよーじに憑依しているきじは事のあらましを話した。その話を聞いて目を丸くさせているクシナは睦月へ視線を向ける。それから面目がないような睦月へ柔らかく笑んだ。
「あなたは焦っていたのですね。そんな話を聞いてしまったらそれは焦ります。……ごめんなさい。訳も聞かずにあなたを殺めようとしてしまって」
「い、いえ。あの……、クシナさんは悪くありませんっ。俺が、その、……自分の自由を奪われたくなかったからであって」
そんな睦月へクシナは微笑みかけたかと思えばきじへ顔を向けた。「なにか考えがあると仰っていましたが、本当なのでしょうか?」
するときじは赤と白の数珠を指さした。指さしたかと思えば言い放ったのだ。「これは弥生の依代だ」そう言って説明をしだしたのだ。
「依代は本来であれば神が宿る場所と言われている。知っている通り、岩や樹木などがその例だ。そして、おらの身体を司る者として、御朱印帳としているのがよーじだ。御朱印帳はなんの為にあると思う?」
睦月とクシナはその問いかけに思い当たったようで顔を見合わせていた。二人の顔を見てきじはにこっと笑う。
「朱印は神との縁を大事にする為、台紙に記帳するんだ。言うなれば神との縁だ。つまり、弥生は朱印となったものの依代の数珠は置いていった。数珠となった弥生は呼び出せるはずだ。数珠が依代なんだからな」
しかしそれでも睦月は不安がっていた。やはり信じられないといった様子である。
「で、でも本当にそうなのでしょうか? 弥生が仮に呼び出せたとしても俺たちは……」
途端に睦月は顔を俯かせてしまう。しかしクシナは違った。クシナは胸に手を当ててきじを宿しているよーじへ魂を分かたせる。魂がふわりと浮かんでよーじの中に納まったかと思えば、声が聞こえた。「私はあなたを信じます」
それから夜空が崩れ落ちた。彼の右手の親指には銀色の指輪が嵌められている。そして何もかも承知していたかのような夜空は消えていったクシナへ言葉を乗せたのだ。
「ありがとう、クシナさん。僕の運動神経なんかより、……あなたともっと想い出を作りたかった」
静かに咽び泣く夜空によーじは胸を抑えた。そしてきじとの憑依が解かれる。きじは大切そうに数珠を持っている中でよーじは自分の左胸を見やる。
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