きっとこの世はニャンだふる♪

Ete

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真実

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俺はまた草むらの陰から製材所の猫たちを見た。
いるいる。
今日は白もいる。
ヤバいなぁ。

親子猫はいつも戯れて遊んでいる。
俺もあんな小ちゃかったなぁ。
やっぱり親がいるっていい。

もう少し進むと、サビ猫がいた。
1匹だけ他の猫とは離れている。
どうしよう…話しかけてみるか?

「こんにちは、いい天気ですね…」
変だな。

「よう!日向ぼっこか?」
コリャ馴れ馴れしいな。

「あの~、ちょいとお聞きしたいんですが…」
…これで行くか…


俺が一歩前に出ようとした時だった。
「何やってるにゃ?」

ビックーーーーン⁉︎


やべっ⁉︎見つかった⁉︎

耳を水平にしながら恐る恐る振り向く。
と、そこにはなんと‼︎

茶トラ…
俺の母親と思われる猫が居る!

突然のことに、俺は固まって動けない!
こ…言葉も出ない!

ど…どうすんだ。
前ばっか見てて全く気が付かなかった。
しかも本人…あわわ、いきなり本猫登場とは(汗)

「あなた…この間の…?」

「あ、ヒャい!そうです」
思わず声がひっくり返ってしまった。
ジーッと見られている。
外観は汗は出てないけど、毛の中はダラダラと冷や汗が伝っているのが分かる!

茶トラ猫は俺の頭やカラダ、お尻まで、隈なくスンスン匂いを嗅いだ。

「あなた…私の子ね?」
「え⁉︎」
突然の告白⁉︎

「なんで?わかるんですか?」
「そりゃ自分の子ぐらい…匂いで分かるわよ」

なんと!
そう言うもんなのか?
俺はあちこちスンスンしてみた。
…クチャい…。

「うふふふ!面白い子ね」
優しく笑う茶トラ猫。
「本当に、本当に俺のお母さんですか?」
念には念を入れて!
オレオレ詐欺ならぬ、私がママよ詐欺もあるかもしれない!

「あなたの他にもう1匹、茶トラの女の子がいたでしょう?違う?」
チャチャのことか?

「チャチャのことも知ってるんですか?」
それが本当なら、この猫は間違いなくお母さんだ。

「もちろん。のんびり屋さんの娘。チャチャって名前付けてもらったのね。あなたは?」
「俺はクロです!」
「クロ…そう…大きくなって…」
お母さん…本当にお母さんだ!

母親は俺をペロペロたくさん舐めてくれた。
「くすぐったいよ!」
「いい子ね」

やっぱりここに居たんだ。
俺の勘はすごい!

お母さんの温もり。
チャチャ、先にごめんね。
俺は思いっきりスリスリして甘えてしまった。

「ところでなんでこんな所にいるの?」
母親が聞いてくる。
「色々…事情があって…」
まさか妹を妊娠させたと言い辛い。

「これから行くところはあるの?」

「いや…特に…お母さんを探しに来て…あとのことは考えてなくて」
嘘は言っていない。

「急がないなら今夜はここで寝たら?話したい事もたくさんあるし」
「え⁉︎でも…俺、余所者だし…」
また喧嘩になったらたまったもんじゃない!

「大丈夫。私がちゃんと話をつけてあげる」

「ほんとに?俺も聞きたいことがあるんです!」

いいのかなぁ…と思いつつ、ここは素直に甘えよう。
寝床があるのはありがたいし、実際行くあてもない。
俺は母親の言う通り 今日はここで泊まる事にした。
でも他の猫…大丈夫かなぁ。
俺は少し心配だった。

お母さんはとても優しい猫だった。
とにかく信じてみよう!
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