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1章 学園1
13 闇に堕ちし者
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「これは……酷いな」
「ど、どうして……」
俺は街を見渡す。すると、そこは俺が前きた時とは違う状況に陥っていた。周りの木々は枯れ果てている。その街の光景は異様そのものだった。俺が見る限り人が見当たらない。
「予想……以上だったな」
「そ、そうですね。ここまで、酷いとは」
「あぁ……早く見つけ出さないと、この街は壊滅する」
「そ、そうですね。早く行きましょう」
俺たちは黒の魔法のせいで黒い霧に覆われたヴァンを走る。どんどん走るとその魔法の気配が強くなっていく。そして、走っていくとリンと合流する。
「兄さま。この気配はヤバそうです」
「あぁ……そうだな」
「……あれ?リンさんたちはこの街に入れたんですか?」
「はい。兄さまがこの街に張ってある結界を破ったので」
「いや……あれが結界だったって知らなかったんだよ」
「そうですか。まぁ、私たちが入れたのも兄さまのおかげですからいいですけど。後で謝っておいてくださいね」
「あ、あぁ……わかってるって」
「それより、早くしないと……これは危険です」
「そうだな。これはあの時の動物園より遥かに危ない」
「ど、どういうことですか?」
「あ、あぁ……この魔法の気配には少しだけ闇とは違う種属が入っているんだ」
「………どういうことですか?」
「元々は普通の人間が闇に堕ちたということだよ」
「あ、あなた……は?」
俺たちの間に割って入った人物がいた。俺たちは彼を見て驚いた。
「エリック………お前、仕事していないんじゃ?」
「ナツさん。お久しぶりです。そんなに結界をやすやす破らないでくださいよ。俺の立場がないじゃないっすか」
「ごめん……ってか、お前があの結界張ったのか?」
「そうですけど?どうしました?」
「いや……仕事していないって聞いたから」
「誰に?」
「ローザさんたち」
「まぁ、ほとんど仕事らしいことはしてないけど……そう思われていたとは……心外ですね」
「で、その結界どうした?」
「はぁ……ちゃんと、直しておきましたよ」
彼の名前はエリック・ドレーク。この街のトップのドレーク家の一人息子だ。彼の実力は相当なものだ。しかし、引きこもっているといった人を思い出す。
『はい……そうなのですが、当主たちは留守にしてまして』
俺の頭の中には一人の人物が思い浮かぶ。それは、魔法術師でローザさんの助手。それは、スー・ニーデルだ。俺は後ろを振り返る。この街で分かれるまで一緒にいたはずだ。しかし、今はいない。この状況がすでにおかしい。
「………リン、スーさんはどこ行った?」
「………さぁ?兄さまと一緒だったんじゃないんですか?」
「俺とは一緒にはいない。じゃあ、どこに行ったんだ?」
「もし……あの人が原因なら少し危険かもしれません」
「そうだな……急ぐか」
「はい」
俺たちは黒の魔法に負けず力強く、前に進んでいく。その黒い霧は俺の力を奪っていくかのように疲れるようになっていく。結構走り、俺たちの気力は限界まで達していた。このままでは少し危ない状況にある。
「スーさん………どうしてこうなった?」
「す、すいません。あなたたちとはぐれた後に出くわしてしまいまして」
「そうか。エリック、こいつは誰だか分かるか?」
「う、うん。彼はこの街で魔法術師として働いていた青年」
「そうか……実力はどうだ?」
「俺が……知る限りではこの街で俺の次に位置するな」
「そんな凄腕が闇に堕ちたのか?」
「分からないが……彼が自分の魔力に飲み込まれたとは思えない」
「………じゃあ、誰かにやられたってことか?」
「そ、そういうことになるね……でも、そんな簡単なことじゃないのは知ってるでしょ?」
「あぁ……だが、それができる奴を俺は知っている」
「だ、誰?」
「俺が魔法術師を止めるきっかけとなった人物だ」
「そ、それは……」
「あぁ……『ルシフェル』だ」
これまで大した行動をしてこなかったルシフェル。俺が動き出したことから察するにこれは俺への挑戦ということになる。少し動揺しながら俺はそこにいた全員に命令を下した。
「俺が支持を取る。まず、エリックはここ一帯に結界を張れ」
「わ、わかった」
「レーナとリズさんは後ろから援護してください」
「わ、分かりました」
「分かったわよ」
「リンは俺と一緒に前線だ」
「分かりました、兄さま」
そう支持すると俺たちは行動を移す。彼の目には理性という文字は映っていなかった。そして、オーラは真っ黒そのものだった。俺たちがいることに気がついたのか彼は俺に魔法を撃ってくる。
「【ダーク・ボール】」
それは俺に向けて飛んでくる。しかも、俺がたまに使う【ファイヤー・ボール】とは違い、ここにあるものすべて関係なく飲み込みに来ている感じがする。地面はえぐられ、その大きさは絶大なものだった。
「リン、まずはあいつに近づくか」
「はい」
「だが、殺すなよ。まだ、あいつは完全には飲み込まれていない」
「わ、分かりました。善処します」
「よし、行くゾッ!」
「はいっ!」
俺たちは彼を助けるために動き出したのだった。
「ど、どうして……」
俺は街を見渡す。すると、そこは俺が前きた時とは違う状況に陥っていた。周りの木々は枯れ果てている。その街の光景は異様そのものだった。俺が見る限り人が見当たらない。
「予想……以上だったな」
「そ、そうですね。ここまで、酷いとは」
「あぁ……早く見つけ出さないと、この街は壊滅する」
「そ、そうですね。早く行きましょう」
俺たちは黒の魔法のせいで黒い霧に覆われたヴァンを走る。どんどん走るとその魔法の気配が強くなっていく。そして、走っていくとリンと合流する。
「兄さま。この気配はヤバそうです」
「あぁ……そうだな」
「……あれ?リンさんたちはこの街に入れたんですか?」
「はい。兄さまがこの街に張ってある結界を破ったので」
「いや……あれが結界だったって知らなかったんだよ」
「そうですか。まぁ、私たちが入れたのも兄さまのおかげですからいいですけど。後で謝っておいてくださいね」
「あ、あぁ……わかってるって」
「それより、早くしないと……これは危険です」
「そうだな。これはあの時の動物園より遥かに危ない」
「ど、どういうことですか?」
「あ、あぁ……この魔法の気配には少しだけ闇とは違う種属が入っているんだ」
「………どういうことですか?」
「元々は普通の人間が闇に堕ちたということだよ」
「あ、あなた……は?」
俺たちの間に割って入った人物がいた。俺たちは彼を見て驚いた。
「エリック………お前、仕事していないんじゃ?」
「ナツさん。お久しぶりです。そんなに結界をやすやす破らないでくださいよ。俺の立場がないじゃないっすか」
「ごめん……ってか、お前があの結界張ったのか?」
「そうですけど?どうしました?」
「いや……仕事していないって聞いたから」
「誰に?」
「ローザさんたち」
「まぁ、ほとんど仕事らしいことはしてないけど……そう思われていたとは……心外ですね」
「で、その結界どうした?」
「はぁ……ちゃんと、直しておきましたよ」
彼の名前はエリック・ドレーク。この街のトップのドレーク家の一人息子だ。彼の実力は相当なものだ。しかし、引きこもっているといった人を思い出す。
『はい……そうなのですが、当主たちは留守にしてまして』
俺の頭の中には一人の人物が思い浮かぶ。それは、魔法術師でローザさんの助手。それは、スー・ニーデルだ。俺は後ろを振り返る。この街で分かれるまで一緒にいたはずだ。しかし、今はいない。この状況がすでにおかしい。
「………リン、スーさんはどこ行った?」
「………さぁ?兄さまと一緒だったんじゃないんですか?」
「俺とは一緒にはいない。じゃあ、どこに行ったんだ?」
「もし……あの人が原因なら少し危険かもしれません」
「そうだな……急ぐか」
「はい」
俺たちは黒の魔法に負けず力強く、前に進んでいく。その黒い霧は俺の力を奪っていくかのように疲れるようになっていく。結構走り、俺たちの気力は限界まで達していた。このままでは少し危ない状況にある。
「スーさん………どうしてこうなった?」
「す、すいません。あなたたちとはぐれた後に出くわしてしまいまして」
「そうか。エリック、こいつは誰だか分かるか?」
「う、うん。彼はこの街で魔法術師として働いていた青年」
「そうか……実力はどうだ?」
「俺が……知る限りではこの街で俺の次に位置するな」
「そんな凄腕が闇に堕ちたのか?」
「分からないが……彼が自分の魔力に飲み込まれたとは思えない」
「………じゃあ、誰かにやられたってことか?」
「そ、そういうことになるね……でも、そんな簡単なことじゃないのは知ってるでしょ?」
「あぁ……だが、それができる奴を俺は知っている」
「だ、誰?」
「俺が魔法術師を止めるきっかけとなった人物だ」
「そ、それは……」
「あぁ……『ルシフェル』だ」
これまで大した行動をしてこなかったルシフェル。俺が動き出したことから察するにこれは俺への挑戦ということになる。少し動揺しながら俺はそこにいた全員に命令を下した。
「俺が支持を取る。まず、エリックはここ一帯に結界を張れ」
「わ、わかった」
「レーナとリズさんは後ろから援護してください」
「わ、分かりました」
「分かったわよ」
「リンは俺と一緒に前線だ」
「分かりました、兄さま」
そう支持すると俺たちは行動を移す。彼の目には理性という文字は映っていなかった。そして、オーラは真っ黒そのものだった。俺たちがいることに気がついたのか彼は俺に魔法を撃ってくる。
「【ダーク・ボール】」
それは俺に向けて飛んでくる。しかも、俺がたまに使う【ファイヤー・ボール】とは違い、ここにあるものすべて関係なく飲み込みに来ている感じがする。地面はえぐられ、その大きさは絶大なものだった。
「リン、まずはあいつに近づくか」
「はい」
「だが、殺すなよ。まだ、あいつは完全には飲み込まれていない」
「わ、分かりました。善処します」
「よし、行くゾッ!」
「はいっ!」
俺たちは彼を助けるために動き出したのだった。
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