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1章 学園1
14 召喚
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俺たちは彼に向かって走っていく。しかし、彼は俺たちを近づけさせたくないらしく、次々と【ダーク・ボール】を撃ってくる。
数発撃ったその闇の塊を俺たちはギリギリだが避けることに成功した。しかし、俺たちが避けたのはあくまでギリギリだ。このままではいずれは当たる可能性も考えなくてはならない。
「リン、お前ならこの状況をどうやって打破する?」
「私ですか……2人で戦うことが前提ですよね?」
「あぁ……2人で戦うんだ。1人で戦うことを想像してもどうにもならないだろ?」
「はい。そうですね……私なら引きつけますかね」
「ほぉ……どうやって?」
「相手は1人しかいません。なので、分かれて動けば相手も攻撃に困るはずです」
「まぁ……そうだな。それがいい案だ。しかし、気を抜くなよ。あいつはもう理性を持っていない」
「はい……」
「気を抜いたら黒の魔法に飲み込まれるぞ」
「はいっ!」
俺たちはリンの考えた通り左右から攻めることにした。しかし、相手は理性を持たない化け物みたいなものだ。しかも、あの黒の魔法は体のオーラとして溶け込んでいる。近寄るのも難しいかもしれない。
相手の魔法は俺たちを狙うことはしなかった。まぁ、理性がないからしょうがないのだが、ランダムに俺たちの方に撃ってくる。俺たちは一応、国家によって承認された魔術師だ。そのくらいの攻撃なら避けることは造作もない。
「リンっ!やっぱり、近寄れない。一回退避するぞ」
「ハァハァハァ………は、はい」
予想通り、黒の魔法の影響力は強かった。そのせいか、近寄ることも許されない。これも黒の魔法の特徴だ。無理に近づこうとすると俺の体にまで侵食してしまう。俺たちは勢いよく、後ろに下がる。
「レーナ。爆発魔法を撃ってみろ」
「わ、分かりました。【ファクトス】」
レーナの成長スピードは俺と出会った時より格段と上がっている。そのせいか、この爆発魔法も相手の方にまっすぐ飛んで行き、直撃する。それに俺たちは驚いていた。
「あ、当たりましたよ」
「お、おぅ……すごいな。だが、意味がないみたいだ」
「そうですね………やっぱり、私たちでは厳しいということなのですかね?」
「まぁ……黒の魔法の威力は現代魔法、古代魔法、どちらよりも強いと言われているからな」
「そうですね。黒の魔法は強いです。しかし、これはそれだけではない気がします」
「あぁ……強い。だが、本当の黒の魔法の力はこんなもんじゃない」
「どういうことですか?」
「まぁ、それは後でいい。それよりもこの状況を打破しないとな」
「「はいっ!」」
「まずは……エリック。力を貸してくれ」
「分かったよ。………で、何をすればいい?」
「ん………まずは、出来る限りあの黒の魔法の力を抑えることは出来ないか?」
「分かった。やってみる」
エリックは札のようなものを取り出す。そして、唱えながらその札を相手に向かって手を離す。すると、その札は相手に向かって真っ直ぐ飛んでいく。
「【我の名前はエリック・ドレーク。全ての力をもってそれを制圧する。【アドリック・ファントス】】
その札は光を持っていた。そして、その光は相手に届いた瞬間に消える。札自体が消えて無くなる。すると、相手は「う、?ぅぅぅぅう」と苦しみだす。それに俺たちはビクッと驚く。
「な、何が起こったんだ?」
「まぁ、黒の魔法を極力抑えているんだよ」
「そ、そうなんですか。どのくらい能力はありますか?」
「そうだね……5分くらいかな」
「それだけか……」
「仕方ないじゃん。思ったよりも力が強いんだから」
「そうだな……そう言えば、この中で召喚魔法を使える人は?」
俺がそう聞くとリズさんとリンが手を挙げた。出来れば召喚魔法を使ってほしくはなかったのだが、こんな状況は仕方がない。むしろ、そうしなければ負けてしまう。
「リンの使い魔はどんなのなんだ?」
「み、見てからのお楽しみってことでお願いします」
「お、おぅ………まぁ、いいや。それよりさ、そろそろ、始めるか」
「はい、分かりました」
このまま話しててもラチがあかない。なので、俺はリズさんとリンに召喚魔法を使うことをお願いした。まぁ、そのためにも一番最初にエリックにここ一帯を結界に張ってもらったんだし。その2人は召喚を始める。
「【私、リン・ヴァーンの契約を実行する】」
「【私、リズ・マクラウドの契約を実行する】」
そう言うと彼女たちの足元には赤い魔方陣と青色の魔方陣が描かれていた。召喚魔法の精度は魔力が高いほどいい使い魔を成功することができる。まぁ、もう契約しているからあまり関係ないのだが。
「すげーーーー」
「デカイですね」
「流石………ヴァレッヂ学園の会長と副会長です」
俺も驚いた。リンから出てきたのは巨大なドラゴン。リズから出てきたのは人型の精霊だった。使い魔にするものでドラゴンは難しく、強い。ドラゴンは普通は人には従わないからだ。そして、精霊だ。人型というところがすごい。
強い精霊は多くいるが、人型は言葉をしゃべる。理性も理解もすることができる。こんなに高難易度な二つの使い魔をお目にかかることなど中々ない。
「では、兄さま。行きます」
「あぁ……」
リズさんとリンは黒の魔法を倒すために立ち上がった。
数発撃ったその闇の塊を俺たちはギリギリだが避けることに成功した。しかし、俺たちが避けたのはあくまでギリギリだ。このままではいずれは当たる可能性も考えなくてはならない。
「リン、お前ならこの状況をどうやって打破する?」
「私ですか……2人で戦うことが前提ですよね?」
「あぁ……2人で戦うんだ。1人で戦うことを想像してもどうにもならないだろ?」
「はい。そうですね……私なら引きつけますかね」
「ほぉ……どうやって?」
「相手は1人しかいません。なので、分かれて動けば相手も攻撃に困るはずです」
「まぁ……そうだな。それがいい案だ。しかし、気を抜くなよ。あいつはもう理性を持っていない」
「はい……」
「気を抜いたら黒の魔法に飲み込まれるぞ」
「はいっ!」
俺たちはリンの考えた通り左右から攻めることにした。しかし、相手は理性を持たない化け物みたいなものだ。しかも、あの黒の魔法は体のオーラとして溶け込んでいる。近寄るのも難しいかもしれない。
相手の魔法は俺たちを狙うことはしなかった。まぁ、理性がないからしょうがないのだが、ランダムに俺たちの方に撃ってくる。俺たちは一応、国家によって承認された魔術師だ。そのくらいの攻撃なら避けることは造作もない。
「リンっ!やっぱり、近寄れない。一回退避するぞ」
「ハァハァハァ………は、はい」
予想通り、黒の魔法の影響力は強かった。そのせいか、近寄ることも許されない。これも黒の魔法の特徴だ。無理に近づこうとすると俺の体にまで侵食してしまう。俺たちは勢いよく、後ろに下がる。
「レーナ。爆発魔法を撃ってみろ」
「わ、分かりました。【ファクトス】」
レーナの成長スピードは俺と出会った時より格段と上がっている。そのせいか、この爆発魔法も相手の方にまっすぐ飛んで行き、直撃する。それに俺たちは驚いていた。
「あ、当たりましたよ」
「お、おぅ……すごいな。だが、意味がないみたいだ」
「そうですね………やっぱり、私たちでは厳しいということなのですかね?」
「まぁ……黒の魔法の威力は現代魔法、古代魔法、どちらよりも強いと言われているからな」
「そうですね。黒の魔法は強いです。しかし、これはそれだけではない気がします」
「あぁ……強い。だが、本当の黒の魔法の力はこんなもんじゃない」
「どういうことですか?」
「まぁ、それは後でいい。それよりもこの状況を打破しないとな」
「「はいっ!」」
「まずは……エリック。力を貸してくれ」
「分かったよ。………で、何をすればいい?」
「ん………まずは、出来る限りあの黒の魔法の力を抑えることは出来ないか?」
「分かった。やってみる」
エリックは札のようなものを取り出す。そして、唱えながらその札を相手に向かって手を離す。すると、その札は相手に向かって真っ直ぐ飛んでいく。
「【我の名前はエリック・ドレーク。全ての力をもってそれを制圧する。【アドリック・ファントス】】
その札は光を持っていた。そして、その光は相手に届いた瞬間に消える。札自体が消えて無くなる。すると、相手は「う、?ぅぅぅぅう」と苦しみだす。それに俺たちはビクッと驚く。
「な、何が起こったんだ?」
「まぁ、黒の魔法を極力抑えているんだよ」
「そ、そうなんですか。どのくらい能力はありますか?」
「そうだね……5分くらいかな」
「それだけか……」
「仕方ないじゃん。思ったよりも力が強いんだから」
「そうだな……そう言えば、この中で召喚魔法を使える人は?」
俺がそう聞くとリズさんとリンが手を挙げた。出来れば召喚魔法を使ってほしくはなかったのだが、こんな状況は仕方がない。むしろ、そうしなければ負けてしまう。
「リンの使い魔はどんなのなんだ?」
「み、見てからのお楽しみってことでお願いします」
「お、おぅ………まぁ、いいや。それよりさ、そろそろ、始めるか」
「はい、分かりました」
このまま話しててもラチがあかない。なので、俺はリズさんとリンに召喚魔法を使うことをお願いした。まぁ、そのためにも一番最初にエリックにここ一帯を結界に張ってもらったんだし。その2人は召喚を始める。
「【私、リン・ヴァーンの契約を実行する】」
「【私、リズ・マクラウドの契約を実行する】」
そう言うと彼女たちの足元には赤い魔方陣と青色の魔方陣が描かれていた。召喚魔法の精度は魔力が高いほどいい使い魔を成功することができる。まぁ、もう契約しているからあまり関係ないのだが。
「すげーーーー」
「デカイですね」
「流石………ヴァレッヂ学園の会長と副会長です」
俺も驚いた。リンから出てきたのは巨大なドラゴン。リズから出てきたのは人型の精霊だった。使い魔にするものでドラゴンは難しく、強い。ドラゴンは普通は人には従わないからだ。そして、精霊だ。人型というところがすごい。
強い精霊は多くいるが、人型は言葉をしゃべる。理性も理解もすることができる。こんなに高難易度な二つの使い魔をお目にかかることなど中々ない。
「では、兄さま。行きます」
「あぁ……」
リズさんとリンは黒の魔法を倒すために立ち上がった。
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