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2章 教育
17 まさかの展開
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国王の主催するパーティはいつも王城の一階にあるパーティ会場で行われる。俺たちは王国が来た車にゆっくりと揺られ、その王城に向かった。そして、10分ほどするとその王城が見えてくる。
「すごい………初めてここに来た」
「そうなんですか?」
「まぁ………この国に住んでいたってここは私たち学生にとって縁のない場所ですからね」
「そ、そうか………そういうもんなんだな」
「…………ナツくんは、動揺しないんですね?」
「ま、まぁ………」
もう魔術師として活躍しているリンはここにも来たことあるだろう。そして、俺も当然ここに来たことがある。それ以外のレーナとリズさんはこの王城の大きさと雰囲気に動揺をしているらしい。そんな話をしていると王城に設備されている駐車場に到着した。
「では、案内します」
「はい。お願いします」
俺たちは王城に入っていく。中は有名な名画のようなものが多く飾られている。そして、途中には高そうなツボがある。俺たちはここにあるものが壊さないようにその会場に向かった。
「………すげー」
「本当にすごいですね。こんなに多い人とは思いませんでした」
「そ、そうね………」
「では、行きましょうか」
俺でもこんなに多くの人がいるパーティなんか体験したことがない。というか、俺はそもそもパーティというものが苦手で極力出席しないようにしていた。だからかもしれないが。俺たちは中に入っていく。すると、その中から俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
「ナツーーーっ」
その人物は誰だかすぐにわかった。それは、エリックだった。
「どうした?エリック」
「いや………誰もいなくて寂しくてな」
「そうか。よくお前きたな。パーティ、嫌いなのに」
「まぁ、ね。というか、ナツもパーティ嫌いでしょ?」
「そうだな。同じか。国王に挨拶はしたか?」
「いや………まだ、来ていないらしい」
「そうか、来たらまず、挨拶しに行かないとな」
「………本当にいいのか?」
「もちろん。もうここに来てるんだ。サボれねーよ」
「そうだな」
そんなことをエリックと話し込んでいると電気がパッと消える。そして、次に着いた時、この会場の一番前にあるステージの椅子には国王とその隣には一人娘であるリーザ姫が座っていた。
「どうする、ナツ。変な演出でパーティ始まっちゃった」
「そ、そうだな………。どうするか。早くに挨拶しておきたいけどな。今ここで挨拶するのは空気読めないだろ」
「そうだな。じゃあ、少し待ってみる?」
「あぁ……そうだな」
俺たちはパーティがひと段落するまで待つことにした。初めてだったリズさんとレーナは俺たちの指示に従っていた。リンはいつも通り、俺についてくるだけだった。タイミングを待っていると国王の挨拶が始まった。その話はやっぱり長かった。
「今回のパーティの趣旨は………」
そんな話を誰が聞きたいのか分からないが俺たちはじっと聞いていた。すると、数分してその挨拶も終わった。そのあとは企業などのお偉いさんたちが国王や他のお偉いさんたちへの社交辞令が始まった。
「じゃあ、俺たちも行くか」
「だな」
「そうですね」
俺たちは国王の待つステージに向かった。俺たち、5人が来たことに気づいた国王は立ち、ステージを下りて国王から俺たちの方へやってきた。
「ようこそ、お越しくださいました。ヴァレッヂ学園の生徒さんたち」
「お招き、ありがとうございます。それと、わざわざすいません」
「いいですよ。………というか、あなたたちが来るとは驚きでしたよ」
「まぁ………国王からのお呼び出しですから。私たちでもそれをサボるなんてことは出来ませんよ」
「ふっ、そんなことを言うとはね。何回、サボられたかと思ってるんだい?」
「その節はお世話になりました。国王」
「まぁ………いいや。君が戻ってきたと聞いてね。このパーティを企画したんだ」
「それは………すいませんね。そんなことしなくてもいいのに」
「ナツくん。声が漏れているぞ」
「あれ、すいません」
「まぁ、いいや。今日は楽しんでくれ」
「そうです……ね。今日は楽しませていただきます。では」
俺たちは挨拶を終了し、あらかじめ設置されてあった俺たちの席に着席する。そのテーブルの上には豪華な食事が並んであった。俺たちはムシャムシャとその食事を食べていると後ろから声がかかった。
「君たちが………ヴァレッヂ学園の生徒かな?」
「はぁ……そうですが」
「私の名前はルース・ブランデルと申します」
「は、はぁ……どこかで見たことが」
「私はヴァレッヂ学園で理事長をしております」
「り、理事長ですか?」
「はい。だから、立場的にはローザよりも上に立ちますかね」
「ほ、ほぉ……そんな方が俺たちに何の用ですか?」
「少し………やってほしいことがありまして」
「何でしょうか?」
「あなたたちには少しの間、中等部で指導をしていただけないかと」
俺たちは驚きを隠せない。指導するには免許というものが必要になる。というか、そもそも高校生にその指導をさせるというのがおかしいのだ。
「どうして………我々が?」
「まぁ、ローザに聞いたら君たちが優秀だって言ってたからだね」
「はぁ……ローザさんが。あの人は俺に不幸を起こさせたいのかな?」
「頼めないかな?」
「はぁ……ローザさんはもう許可したんですよね?」
「察しがいいね」
「お前たちは?」
「まぁ、やってみてもいいですが」
全員の意見は「やってもいい」というものだった。俺は
「わかりました。引き受けます。いつからですか?」
「そうですね………明後日からお願いしたいと考えています」
「わかりました。明後日に伺います」
平和を願っていた俺は1ヶ月だが指導をすることになった。俺には幸運は来ないらしい。はぁ……もうすでに俺は学園に来たことを後悔していた。というか、まだ一回も授業を受けていない。学校に来た意味というものが分からなくなっていた。
「すごい………初めてここに来た」
「そうなんですか?」
「まぁ………この国に住んでいたってここは私たち学生にとって縁のない場所ですからね」
「そ、そうか………そういうもんなんだな」
「…………ナツくんは、動揺しないんですね?」
「ま、まぁ………」
もう魔術師として活躍しているリンはここにも来たことあるだろう。そして、俺も当然ここに来たことがある。それ以外のレーナとリズさんはこの王城の大きさと雰囲気に動揺をしているらしい。そんな話をしていると王城に設備されている駐車場に到着した。
「では、案内します」
「はい。お願いします」
俺たちは王城に入っていく。中は有名な名画のようなものが多く飾られている。そして、途中には高そうなツボがある。俺たちはここにあるものが壊さないようにその会場に向かった。
「………すげー」
「本当にすごいですね。こんなに多い人とは思いませんでした」
「そ、そうね………」
「では、行きましょうか」
俺でもこんなに多くの人がいるパーティなんか体験したことがない。というか、俺はそもそもパーティというものが苦手で極力出席しないようにしていた。だからかもしれないが。俺たちは中に入っていく。すると、その中から俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
「ナツーーーっ」
その人物は誰だかすぐにわかった。それは、エリックだった。
「どうした?エリック」
「いや………誰もいなくて寂しくてな」
「そうか。よくお前きたな。パーティ、嫌いなのに」
「まぁ、ね。というか、ナツもパーティ嫌いでしょ?」
「そうだな。同じか。国王に挨拶はしたか?」
「いや………まだ、来ていないらしい」
「そうか、来たらまず、挨拶しに行かないとな」
「………本当にいいのか?」
「もちろん。もうここに来てるんだ。サボれねーよ」
「そうだな」
そんなことをエリックと話し込んでいると電気がパッと消える。そして、次に着いた時、この会場の一番前にあるステージの椅子には国王とその隣には一人娘であるリーザ姫が座っていた。
「どうする、ナツ。変な演出でパーティ始まっちゃった」
「そ、そうだな………。どうするか。早くに挨拶しておきたいけどな。今ここで挨拶するのは空気読めないだろ」
「そうだな。じゃあ、少し待ってみる?」
「あぁ……そうだな」
俺たちはパーティがひと段落するまで待つことにした。初めてだったリズさんとレーナは俺たちの指示に従っていた。リンはいつも通り、俺についてくるだけだった。タイミングを待っていると国王の挨拶が始まった。その話はやっぱり長かった。
「今回のパーティの趣旨は………」
そんな話を誰が聞きたいのか分からないが俺たちはじっと聞いていた。すると、数分してその挨拶も終わった。そのあとは企業などのお偉いさんたちが国王や他のお偉いさんたちへの社交辞令が始まった。
「じゃあ、俺たちも行くか」
「だな」
「そうですね」
俺たちは国王の待つステージに向かった。俺たち、5人が来たことに気づいた国王は立ち、ステージを下りて国王から俺たちの方へやってきた。
「ようこそ、お越しくださいました。ヴァレッヂ学園の生徒さんたち」
「お招き、ありがとうございます。それと、わざわざすいません」
「いいですよ。………というか、あなたたちが来るとは驚きでしたよ」
「まぁ………国王からのお呼び出しですから。私たちでもそれをサボるなんてことは出来ませんよ」
「ふっ、そんなことを言うとはね。何回、サボられたかと思ってるんだい?」
「その節はお世話になりました。国王」
「まぁ………いいや。君が戻ってきたと聞いてね。このパーティを企画したんだ」
「それは………すいませんね。そんなことしなくてもいいのに」
「ナツくん。声が漏れているぞ」
「あれ、すいません」
「まぁ、いいや。今日は楽しんでくれ」
「そうです……ね。今日は楽しませていただきます。では」
俺たちは挨拶を終了し、あらかじめ設置されてあった俺たちの席に着席する。そのテーブルの上には豪華な食事が並んであった。俺たちはムシャムシャとその食事を食べていると後ろから声がかかった。
「君たちが………ヴァレッヂ学園の生徒かな?」
「はぁ……そうですが」
「私の名前はルース・ブランデルと申します」
「は、はぁ……どこかで見たことが」
「私はヴァレッヂ学園で理事長をしております」
「り、理事長ですか?」
「はい。だから、立場的にはローザよりも上に立ちますかね」
「ほ、ほぉ……そんな方が俺たちに何の用ですか?」
「少し………やってほしいことがありまして」
「何でしょうか?」
「あなたたちには少しの間、中等部で指導をしていただけないかと」
俺たちは驚きを隠せない。指導するには免許というものが必要になる。というか、そもそも高校生にその指導をさせるというのがおかしいのだ。
「どうして………我々が?」
「まぁ、ローザに聞いたら君たちが優秀だって言ってたからだね」
「はぁ……ローザさんが。あの人は俺に不幸を起こさせたいのかな?」
「頼めないかな?」
「はぁ……ローザさんはもう許可したんですよね?」
「察しがいいね」
「お前たちは?」
「まぁ、やってみてもいいですが」
全員の意見は「やってもいい」というものだった。俺は
「わかりました。引き受けます。いつからですか?」
「そうですね………明後日からお願いしたいと考えています」
「わかりました。明後日に伺います」
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