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第二十六章 逃げ場所のない夜
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遥は、いつのまにか眠っていたのかもしれない。あるいは、眠っていたと思い込もうとしていたのかもしれない。
気がつくと、温室の外には冷えた夜の空気が広がっていた。月は高く、さっきまで見上げていたガラスの天井には、無数の星がにじんでいた。
でも、心は何一つ晴れていなかった。
あの妄想が夢だったのか、現実だったのか、それすらも判別できない。
握りしめたままのペンダントが、手のひらの中でかすかにぬくもりを伝えている。 まるで、かつての優しい碧人が、まだどこかにいると訴えるように。
遥は顔を上げた。
けれど、どこかへ行こうなどと考えることすらなかった。 逃げようという気力も、希望も、もう遥の中には残っていなかった。
岡部も、碧人も、そして由梨さえも、今の遥には遠すぎた。
温室の隅からそっと身を起こした遥は、重い足を引きずるようにして、ガラスの影が濃い奥のベンチへと移動した。
ただ、冷えた空気の中で、そこにうずくまるだけ。
運命が、静かに自分を見下ろしている気がした。
彼女は手の中のイルカの形のペンダントトップを見つめる。
優しい笑顔の碧人。肩越しに見た彼の横顔。くだらない会話に笑い合った時間――。
遥はゆっくりと目を閉じた。
(あの頃だけが……わたしの、ほんとうだった)
過去の幻影にすがるようにして、遥は闇に身を沈めていった。
その静けさの中、遠くで何かが軋む音がしたことに、彼女はまだ気づいていなかった。
*
温室の扉が再び軋む音を立てて開いた。 夜の風が吹き込むと同時に、はっきりとした足音が響き始める。
「……遥」
その声に、遥は凍りついた。
碧人だった。
遥は反射的に身を伏せた。身を潜めるように、植物の陰に身体を隠す。 足音が、確かに近づいてくる。
「遥……いるんだろう?」
その声はかつての優しい声音に似ていた。 けれど、遥にはそれが恐怖にしか感じられなかった。
ペンダントを強く握りしめながら、遥は必死に息を潜める。
(来ないで……お願い……見つからないで……)
足音が温室の奥へと進んでいく。もうすぐ、もうすぐ、遥がいる場所に辿り着く。
その瞬間――
「遥ちゃん! こっち!」
叫ぶ声が響いた。 岡部だった。
遥の身体が条件反射で動いた。 恐怖が理性を上回り、考える間もなく、岡部の声のする方へと駆け出していた。
「待って!遥――!」
碧人の叫び声が背後から追ってくる。
遥は振り返らなかった。 ただ逃げる。
岡部の声の方へ、助けを求めて。
そして、碧人はその後ろ姿を見つけると、無言でその場を駆け出した。
獲物を追うように。
植物園の裏門へ続く管理用の小道を、遥は夢中で走った。 どこへ行くかもわからない。ただ岡部の声にすがって、暗闇を突き進む。
だが、周囲に岡部の姿はなかった。
「岡部さん!?」
声を上げたその瞬間、物陰からぬっと岡部が現れた。
「よかった……無事だったんだね」
肩で息をする遥に、岡部は優しく微笑みかけた。
「もう、大丈夫だ。車を用意してある。ここから離れよう」
その声音は、確かに穏やかで、どこか懐かしさすら感じさせた。
だが、遥の足は自然と一歩後ずさった。
背後から迫る碧人の足音。 前には優しげな岡部。
遥の心は、恐怖と混乱の渦の中にあった。
「信じてくれ、遥ちゃん。僕は、君を守りたくて……ずっと、ずっと……」
その言葉に、かつて岡部が見せた執着の記憶がフラッシュバックする。 けれど、今はそれすら現実なのか幻なのか判別できない。
「お願い、今はもう、誰も信じられない……」
遥はそう呟いた。
岡部の笑みが一瞬だけ歪んだ気がした。
だがすぐに、彼は穏やかな口調で囁いた。
「それでもいい。信じられなくても構わない。ただ、君を救いたいだけなんだ」
そのとき、すぐ背後で枝を踏みしめるような乾いた音が響いた。
碧人だ。
遥は反射的に岡部の背後へと隠れる。 岡部は遥をかばうように立ち塞がり、鋭い目で闇の奥を見つめていた。
「もう時間がない。行こう」
岡部の言葉に、遥は頷くしかなかった。
*
遥は岡部の後ろに隠れるようにして歩き出した。 けれど、その心はますます混乱していた。
「こっちだ、早く」
岡部は手を差し出し、促す。遥はその手に触れることを躊躇いながらも、背後から迫る気配に突き動かされるように、彼のあとを追った。
「どこに行くの?」
震える声で尋ねる遥に、岡部は静かに微笑んだ。
「人気のない駐車場がある。そこに車を停めてあるんだ」
駐車場――。 その単語に、遥の胸の奥がチクリと痛んだ。
どこかで聞いたような、でも思い出せない記憶。
遠く、植物園の奥から足音が響いた。一定のリズムで、まっすぐにこちらに向かってくる。
遥は振り返らなかった。 でも、その足音だけで誰かがわかった。
碧人だ。
岡部が急かすように言う。
「急がないと追いつかれる」
遥は頷いた。 だけど、その脚は重くて思うように動かなかった。
ペンダントが汗ばむ手のひらの中でぬくもりを放っていた。 それが、追ってくる者の正体を複雑にさせた。
(あれは本当に……わたしの知っていた碧人だった?)
岡部の影が長く伸び、遥を包むように歩調を合わせてくる。
「大丈夫。僕が守るよ」
その言葉が、かつて聞いたことのある上司の優しさに重なる。 けれど、その口調の端に見えた“なにか”が、遥を再び不安にさせるのだった。
背後から、足音が加速する――。
*
人気のない駐車場へと続く裏路地に差しかかったとき、岡部はふと立ち止まった。
「ここから先は、もう走った方がいい」
そう言って遥の手を取ろうとする。遥は一瞬躊躇ったが、碧人の足音がすぐ近くにまで迫っていることに気づき、思わずその手を掴んでしまった。
暗闇に照らされるわずかな街灯。その下に止まっている車が見えた。
「ほら、あれだ」
岡部が指差したその車は、白いバン。車種に見覚えはなかったが、不思議と背筋に冷たいものが走った。
(なにか……違う)
遥は思った。だがその疑念を言葉にする余裕はなかった。
「早く!」
岡部が後ろを振り返りながら、遥を促す。
遥が一歩を踏み出そうとした瞬間だった。
「遥ぁああああああああっ!!!」
背後から、凄まじい叫び声が夜気を裂いた。
遥の身体が硬直する。 振り返ると、碧人が走ってきていた。狂気に染まった瞳、唇には血の気がなく、右手はなにかを握っている。
岡部が遥をかばうように立ち塞がり、叫んだ。
「遥ちゃんを……渡さない!」
次の瞬間、碧人が叫び声とともに突進してきた。
遥は二人の間に取り残されるような格好になり、その場に立ち尽くした。
目の前で、碧人と岡部が激しくぶつかる。
悲鳴と怒号、鈍い衝突音が夜の静寂を切り裂いた。
遥は思わず耳を塞ぎ、目を閉じた。
世界が、崩れ落ちていく音がした。
*
耳を塞いでいた遥の前で、衝突の余波が終わりを告げたとき、空気が変わった。
静寂。
遥はゆっくりと指の隙間から目を開けた。
岡部と碧人が、互いの胸ぐらを掴んだまま睨み合っていた。
「なぜ……おまえがここにいる?」 岡部が低く唸る。
「遥を……守るためだ」
碧人の声もまた低く、息が荒い。 その言葉に、遥は驚き、足がすくんだ。
「守る……? あなたが?」
遥の呟きに、碧人ははっとして遥を見た。
「遥、岡部は――お前を……」
「やめろ!!!」
岡部が碧人を突き飛ばし、激しく地面に叩きつけた。 碧人は背中を打ちつけたが、すぐに立ち上がる。
「嘘をつくな。遥ちゃんは、俺が守ってきた。お前に壊されるわけにはいかない!」
その声は、怒りとも哀しみともつかない、ひび割れた叫びだった。
遥は一歩、後ろへ下がる。 混乱の中で、頭が追いつかない。 誰が正しいのか。 誰を信じればいいのか。
碧人の目は、苦しげだった。 けれど、その奥には確かな決意が宿っていた。
「遥、逃げろ。今すぐ」
その瞬間、岡部が懐から銀色の光を取り出した。 ナイフだった。
「やめて!!」
遥の叫びが夜を裂いた。
その一瞬の静寂の中で、遥の心は張り裂けそうだった。
(どっちが味方?どっちも敵?どうすればいいの……?)
目の前で対峙する二人。 どちらも「守る」と言いながら、互いを殺さんばかりの目で見据えている。
岡部の手に握られたナイフ。 碧人の震える拳。
どちらが本当の敵なのか。 それとも、どちらも真実から遠いところにいるのか。
遥はわからなくなっていた。
恐怖と疑念、記憶と想像、希望と絶望が渦を巻く。 足が動かない。息も詰まる。 逃げ出したくても、どこへも逃げられない。
そのとき、遥の手の中でペンダントが小さく震えたように感じた。
(……わたしは……どうすれば……)
気がつくと、温室の外には冷えた夜の空気が広がっていた。月は高く、さっきまで見上げていたガラスの天井には、無数の星がにじんでいた。
でも、心は何一つ晴れていなかった。
あの妄想が夢だったのか、現実だったのか、それすらも判別できない。
握りしめたままのペンダントが、手のひらの中でかすかにぬくもりを伝えている。 まるで、かつての優しい碧人が、まだどこかにいると訴えるように。
遥は顔を上げた。
けれど、どこかへ行こうなどと考えることすらなかった。 逃げようという気力も、希望も、もう遥の中には残っていなかった。
岡部も、碧人も、そして由梨さえも、今の遥には遠すぎた。
温室の隅からそっと身を起こした遥は、重い足を引きずるようにして、ガラスの影が濃い奥のベンチへと移動した。
ただ、冷えた空気の中で、そこにうずくまるだけ。
運命が、静かに自分を見下ろしている気がした。
彼女は手の中のイルカの形のペンダントトップを見つめる。
優しい笑顔の碧人。肩越しに見た彼の横顔。くだらない会話に笑い合った時間――。
遥はゆっくりと目を閉じた。
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過去の幻影にすがるようにして、遥は闇に身を沈めていった。
その静けさの中、遠くで何かが軋む音がしたことに、彼女はまだ気づいていなかった。
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「……遥」
その声に、遥は凍りついた。
碧人だった。
遥は反射的に身を伏せた。身を潜めるように、植物の陰に身体を隠す。 足音が、確かに近づいてくる。
「遥……いるんだろう?」
その声はかつての優しい声音に似ていた。 けれど、遥にはそれが恐怖にしか感じられなかった。
ペンダントを強く握りしめながら、遥は必死に息を潜める。
(来ないで……お願い……見つからないで……)
足音が温室の奥へと進んでいく。もうすぐ、もうすぐ、遥がいる場所に辿り着く。
その瞬間――
「遥ちゃん! こっち!」
叫ぶ声が響いた。 岡部だった。
遥の身体が条件反射で動いた。 恐怖が理性を上回り、考える間もなく、岡部の声のする方へと駆け出していた。
「待って!遥――!」
碧人の叫び声が背後から追ってくる。
遥は振り返らなかった。 ただ逃げる。
岡部の声の方へ、助けを求めて。
そして、碧人はその後ろ姿を見つけると、無言でその場を駆け出した。
獲物を追うように。
植物園の裏門へ続く管理用の小道を、遥は夢中で走った。 どこへ行くかもわからない。ただ岡部の声にすがって、暗闇を突き進む。
だが、周囲に岡部の姿はなかった。
「岡部さん!?」
声を上げたその瞬間、物陰からぬっと岡部が現れた。
「よかった……無事だったんだね」
肩で息をする遥に、岡部は優しく微笑みかけた。
「もう、大丈夫だ。車を用意してある。ここから離れよう」
その声音は、確かに穏やかで、どこか懐かしさすら感じさせた。
だが、遥の足は自然と一歩後ずさった。
背後から迫る碧人の足音。 前には優しげな岡部。
遥の心は、恐怖と混乱の渦の中にあった。
「信じてくれ、遥ちゃん。僕は、君を守りたくて……ずっと、ずっと……」
その言葉に、かつて岡部が見せた執着の記憶がフラッシュバックする。 けれど、今はそれすら現実なのか幻なのか判別できない。
「お願い、今はもう、誰も信じられない……」
遥はそう呟いた。
岡部の笑みが一瞬だけ歪んだ気がした。
だがすぐに、彼は穏やかな口調で囁いた。
「それでもいい。信じられなくても構わない。ただ、君を救いたいだけなんだ」
そのとき、すぐ背後で枝を踏みしめるような乾いた音が響いた。
碧人だ。
遥は反射的に岡部の背後へと隠れる。 岡部は遥をかばうように立ち塞がり、鋭い目で闇の奥を見つめていた。
「もう時間がない。行こう」
岡部の言葉に、遥は頷くしかなかった。
*
遥は岡部の後ろに隠れるようにして歩き出した。 けれど、その心はますます混乱していた。
「こっちだ、早く」
岡部は手を差し出し、促す。遥はその手に触れることを躊躇いながらも、背後から迫る気配に突き動かされるように、彼のあとを追った。
「どこに行くの?」
震える声で尋ねる遥に、岡部は静かに微笑んだ。
「人気のない駐車場がある。そこに車を停めてあるんだ」
駐車場――。 その単語に、遥の胸の奥がチクリと痛んだ。
どこかで聞いたような、でも思い出せない記憶。
遠く、植物園の奥から足音が響いた。一定のリズムで、まっすぐにこちらに向かってくる。
遥は振り返らなかった。 でも、その足音だけで誰かがわかった。
碧人だ。
岡部が急かすように言う。
「急がないと追いつかれる」
遥は頷いた。 だけど、その脚は重くて思うように動かなかった。
ペンダントが汗ばむ手のひらの中でぬくもりを放っていた。 それが、追ってくる者の正体を複雑にさせた。
(あれは本当に……わたしの知っていた碧人だった?)
岡部の影が長く伸び、遥を包むように歩調を合わせてくる。
「大丈夫。僕が守るよ」
その言葉が、かつて聞いたことのある上司の優しさに重なる。 けれど、その口調の端に見えた“なにか”が、遥を再び不安にさせるのだった。
背後から、足音が加速する――。
*
人気のない駐車場へと続く裏路地に差しかかったとき、岡部はふと立ち止まった。
「ここから先は、もう走った方がいい」
そう言って遥の手を取ろうとする。遥は一瞬躊躇ったが、碧人の足音がすぐ近くにまで迫っていることに気づき、思わずその手を掴んでしまった。
暗闇に照らされるわずかな街灯。その下に止まっている車が見えた。
「ほら、あれだ」
岡部が指差したその車は、白いバン。車種に見覚えはなかったが、不思議と背筋に冷たいものが走った。
(なにか……違う)
遥は思った。だがその疑念を言葉にする余裕はなかった。
「早く!」
岡部が後ろを振り返りながら、遥を促す。
遥が一歩を踏み出そうとした瞬間だった。
「遥ぁああああああああっ!!!」
背後から、凄まじい叫び声が夜気を裂いた。
遥の身体が硬直する。 振り返ると、碧人が走ってきていた。狂気に染まった瞳、唇には血の気がなく、右手はなにかを握っている。
岡部が遥をかばうように立ち塞がり、叫んだ。
「遥ちゃんを……渡さない!」
次の瞬間、碧人が叫び声とともに突進してきた。
遥は二人の間に取り残されるような格好になり、その場に立ち尽くした。
目の前で、碧人と岡部が激しくぶつかる。
悲鳴と怒号、鈍い衝突音が夜の静寂を切り裂いた。
遥は思わず耳を塞ぎ、目を閉じた。
世界が、崩れ落ちていく音がした。
*
耳を塞いでいた遥の前で、衝突の余波が終わりを告げたとき、空気が変わった。
静寂。
遥はゆっくりと指の隙間から目を開けた。
岡部と碧人が、互いの胸ぐらを掴んだまま睨み合っていた。
「なぜ……おまえがここにいる?」 岡部が低く唸る。
「遥を……守るためだ」
碧人の声もまた低く、息が荒い。 その言葉に、遥は驚き、足がすくんだ。
「守る……? あなたが?」
遥の呟きに、碧人ははっとして遥を見た。
「遥、岡部は――お前を……」
「やめろ!!!」
岡部が碧人を突き飛ばし、激しく地面に叩きつけた。 碧人は背中を打ちつけたが、すぐに立ち上がる。
「嘘をつくな。遥ちゃんは、俺が守ってきた。お前に壊されるわけにはいかない!」
その声は、怒りとも哀しみともつかない、ひび割れた叫びだった。
遥は一歩、後ろへ下がる。 混乱の中で、頭が追いつかない。 誰が正しいのか。 誰を信じればいいのか。
碧人の目は、苦しげだった。 けれど、その奥には確かな決意が宿っていた。
「遥、逃げろ。今すぐ」
その瞬間、岡部が懐から銀色の光を取り出した。 ナイフだった。
「やめて!!」
遥の叫びが夜を裂いた。
その一瞬の静寂の中で、遥の心は張り裂けそうだった。
(どっちが味方?どっちも敵?どうすればいいの……?)
目の前で対峙する二人。 どちらも「守る」と言いながら、互いを殺さんばかりの目で見据えている。
岡部の手に握られたナイフ。 碧人の震える拳。
どちらが本当の敵なのか。 それとも、どちらも真実から遠いところにいるのか。
遥はわからなくなっていた。
恐怖と疑念、記憶と想像、希望と絶望が渦を巻く。 足が動かない。息も詰まる。 逃げ出したくても、どこへも逃げられない。
そのとき、遥の手の中でペンダントが小さく震えたように感じた。
(……わたしは……どうすれば……)
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