俺は善人にはなれない

気衒い

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第7章 vsアスターロ教

第84話 序列5位"魔眼"のペンネ

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――――――――――――――――――――

レオナ
性別:女 種族:ハイデビル 年齢:87歳

Lv 20
HP 10000/10000
MP 10000/10000
ATK 10000
DEF 10000
AGI 10000
INT 10000
LUK 10000

固有スキル
獄牢・顕現・感情操作・魔の境地・守護神・叡智・サイボーグ・炎熱操作・戦士の誓い・透過・明鏡止水・???

武技スキル
刀剣術:Lv.MAX
体術 :Lv.MAX

魔法
全属性魔法

装備
黒衣一式(神級)
紫の円月輪チャクラムスダルシャナ(伝説級)

称号
悪魔神の加護・母性本能をくすぐる者・睡眠厨・愛を知る者・傅く者・恋する乙女・従者の心得・武神・魔神・魔物キラー・盗賊キラー・無邪気

――――――――――――――――――――

ペンネ
性別:女 種族:改造魔族 年齢:67歳

Lv 30
HP 1000/1000
MP 5000/5000
ATK 2500
DEF 2000
AGI 500
INT 5000
LUK 0

固有スキル
魔眼・賢人・状態異常無効

武技スキル
杖術 :Lv.7
体術 :Lv.4

魔法
火魔法:Lv.5
闇魔法:Lv.6

称号
なし

――――――――――――――――――――




「私達、幹部は改造を施されていてね…………今まで手に入れた称号や固有スキルを失う代わりにとんでもない力が手に入る…………っ!!」

「ちっ、外したの」

「ちょっと!いきなり、攻撃してくるとか…………まだ話している途中じゃない!話は最後まで聞きなさいよ!」

各地でアスターロ教との交戦が続く中、ここでもまた1つの戦いが起きようとしていた。アスターロ教の幹部である"七腐苦人"の1人、"魔眼"のペンネとクラン 黒天の星の幹部である"十人十色"が1人、"紫円"レオナの……………。両者が出会ったのはシリスティラビンにほど近い森の中。お互いがお互いを認識した瞬間、強者であると感じ取り、部下は連れずにこうして対峙しているのだが、どういう訳かペンネの方がレオナを注視する時間が長かった。それに疑問を持ち、出方を窺っていたところ、第一声がつまらない自慢話だった為、痺れを切らしたレオナが攻撃をしたという経緯であった。

「つまらない話は聞きたくないし、オバさんの相手は疲れるの」

「へ~…………随分と言うじゃない。ちなみにお嬢ちゃんはおいくつかしら?」

「87歳なの」

「私より歳上じゃないのよ!」

「細かいことを気にすると皺が増えるの」

「それもあなたの方が先でしょう!」

「"円月陣"」

「っ!!"暗黒螺旋"!!…………ちょっと!だから、人が話している時に」

「ちっ、闇魔法で逸らされたの…………はぁ、仕方ない。分かったの。話、聞いてあげるの」

「それでいいのよ。じゃあ、話すわね。私は"魔眼"っていう二つ名があるんだけど、これは……………っ!危ない、今のはギリギリだったわ」

「お姉さん、凄いの。こんなに避けられる人、そうそういないのに」

「そう?褒められて悪い気はしないわね。それにお姉さんっていう呼び方もいいわね。まぁ、私の方が歳下なはずなんだけど…………って問題はそこじゃないのよ!何でまた話している途中で攻撃しているのかしら!?」

「だって、ボクはお話よりもしたいことがあるの」

「何かしら?」

「害虫駆除」

「くっ!なんて殺気!これはまずいわね」

「"無限月輪"、それと"獄牢"発動」

「"暗黒螺旋"、"石眼"!!」

「覚悟するの。これを食らって生きて帰った者はいないの」

――――――――――――――――――――





レオナの円月輪がペンネを捕捉し、飛来する。しかし、魔眼により、石化させて勢いを削ぎ落下させるというやり方でその場を凌ぐ。両者が出会って、約10分が経った現在、このような展開がずっと続いている。一度石化した円月輪は本来であれば、そのままの状態で元に戻るということがないはずなのだが、シンヤによって与えられた武器はそこら辺のモノとは訳が違う。不壊・自動修復という性能に加えて、持ち主の魔力や器量によって、敵のあらゆる状態異常やデバフを気にすることがなく使用することができるのだ。これには敵も頭を抱えるしかないという状況であるが、ペンネは今それどころではなかった。

「うっ………や、やめて………く、苦しい」

レオナの"獄牢"によって地獄のような苦しみに囚われ、それを先程使用した闇魔法で相殺しようと必死になっているのだ。その間はいわば現実と言うよりは精神世界のような場所で戦っているような形になる為、自身は隙だらけとなる。それを狙ってレオナは円月輪を投げているのだが、これを魔眼で以って対処され、一時的な膠着状態となっているのである。しかし、それも時間の問題であろう。徐々にレオナの固有スキルが闇魔法を上回り始め、今では……………

「……………」

「"獄牢"、解除」

一言も話さなくなっていた。ここいらが潮時であろうと判断したレオナは一度、"獄牢"を解いてみることにした。すると…………

「油断したわね!"暗黒螺旋"!!」

「うっ…………」

「この時を待っていたのよ!これでもう…………うぐっ!」

意識の戻ったペンネが闇魔法を放ち、レオナを捉えた。その魔法は自身が今まで負った精神的・肉体的なダメージをもう一度負うというものでレオナにとって、かなり深手となった。だが、肉を切らせて骨を断つ。その瞬間、魔眼が一時的に効力を失っていた為、円月輪を素早く投擲し、ペンネの背中に深々と突き刺さしたのである。

「い、いつの間に…………」

「お姉さんは先程、やめてと言ったから、固有スキルは解除したの。でも、逆にお姉さんは同じことを言われて、無関係な者の命を奪わなかったことがある?」

「……………ないわ。組織の為に何人もの命を奪った」

「だから、別の攻撃はやめなかったの…………その人達と同じ苦しみを味わいながら逝って」

「当然の報いってやつね……………完敗よ」

「どうして、こんなことを?軽く話してみて分かったの。お姉さんは根っからの悪人じゃないかもしれないって」

「…………私は孤児でね。幼少期に組織のトップに拾われたの。で、一緒に活動してみないか?って提案もされたわ。こんなことを言うと身も蓋もないかもしれないんだけど……………正直、私にとったら他人のことなんて、どうだっていいの。ただあの方にさえ認められれば、それで…………。でも、任務は失敗。こんなんじゃ、たとえ生き残ったとしても意味がないわ」

「お姉さんにとってはその人が恩人であり、認められて褒められることが生き甲斐なんだね。気持ちが分かるの」

「何よ、最期はちゃんと私の話を聞くのね」

「今の話は興味深かったの」

「あっそ……………最期に言うけど、あんたは生き残りなさいよ…………絶対に」

「お姉さんとはもっと違う形で関わりたかったの」

「そんなのあり得ないわ…………これが私の人生だもの」
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