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最終章 逆襲の投資家
黒幕
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「――大会議室は既に押さえられ、大臣たちは敵の手に落ちました。奴らがここへ辿り着くのも時間の問題かと」
「そうか」
伝令係の言葉に、オーキは気のない返事で返した。
それを聞いて、彼の左右に立つ側近二人も顔を見合わせ顔を強張らせている。
既に城の大部分は陥落していた。
「ランダー、お前はいつまで俺の前に立ちはだかる? 俺はどうあがいても、お前を超えることはできないのか」
オーキは遂に認めた。
自分はただの無力な騎士でしかなかったのだと。
宰相たちの甘言に乗せられ、一時の夢におぼれてしまったあわれな道化だ。
彼は大きくを息を吸い、覚悟を決めると立ち上がった。
「俺は一人で決着をつけに行く。お前たちは逃げろ」
オーキはそう告げ、玉座に立てかけてあった剣を取り歩き出す。
側近二人と伝令係は慌てた。
「な、なにをおっしゃいます!? 私どもは王様を守るのが使命なのですよ!」
「もういいんだ。俺はエデンの王なんかじゃない」
オーキは歩みを止めない。
煌びやかな装飾の施された鞘から、ゆっくりと剣を抜く。
鞘を投げ捨てそのまま一直線に扉まで歩いていく。
その気迫に、伝令係は息をのみ道を開けた。
――バタンッ!
しかしそのとき、勢いよく扉を開け玉座の間へ入って来た者が二人。
オーキは足を止めた。
「……キグス? なぜ戻って来た?」
「王様、ここで戦っても意味はありません。一度退くのです」
「なにを言っている? それにその者は……」
オーキは眉をしかめ、キグスの横に立っていた者を見る。
全身を黒装束で包み、頭には深々とフードをかぶって口元には魔獣を想起させるような剥き出しの牙を描いた禍々しいマスク。フードとマスクの隙間から僅かに覗く肌には、まるで亀裂のような細く枝分かれした青色の筋が浮かび上がっている。
明らかにただ者ではない。
「王様、この者はファウスト・サナトスと言います。私の協力者です」
「なに?」
キグスに紹介され、ファウストは淡々と会釈した。
「実は、彼は魔人族なのです」
「キグス宰相、あなたはなにを考えている? そんな得体の知れない輩《やから》を城内に招き入れるなど」
「ですが実力は確かです。かの新通貨レンゴクも、彼らサナトス家の魔術による産物なのですから」
「なん、だと……」
衝撃的な事実に、オーキは目を見開く。
多くの民を不幸にした元凶が目の前にいるのだ。
平静ではいられない。
「王様、どうかお聞きください。確かに新通貨は失敗したのかもしれません。しかしその有用性は疑いようもありませんでした。王様と私、そしてファウスト殿が逃げ延びさえすれば、再びこのエデンを逆賊から取り戻せるのです!」
キグスは自信満々に言い放った。
しかしオーキにはその言葉が信じられない。
「……逆賊と言ったのか? 民を」
「そうですとも。首謀者に扇動され、エデンの王に刃を向けた愚かな者たちです。これは明確な反逆。エデンの民を名乗る資格はありません」
「……もし、俺が断ると言ったら?」
キグスは静かに目を見開き、オーキを睨みつけるファウストの視線が威圧感を孕む。
やがてキグスは、周囲の伝令係と側近たちを見回すと、冷徹な表情で告げた。
「そのときは、やむを得ませんな」
「……そうやって……レイス王も切り捨てたのか?」
「クククククッ。気付いてしまわれましたか」
核心を突く問いに、キグスは誤魔化す素振りも見せず、邪悪な笑みを浮かべた。
オーキは絶望に顔を歪める。
「今の俺のように協力を拒んだからか?」
「そうですとも。あれだけ新通貨の素晴らしさを説明したというのに、レイスは首を縦に振らなかった。それどころか、魔人と手を組んだ私を危険因子だと見なしたのです。だから先手を打ちました」
「そういうことか……」
オーキは顔を伏せ、肩を落として呟いた。その様子からは覇気を感じられない。
周囲の騎士たちもなにも言えず唖然と成り行きを見守っていた。
「お分かり頂けましたかな? 我々とたもとを分かつという本当の意味が。別にこれまで通り協力して頂ければ、なにも問題はありません」
そう言ってキグスが笑みを浮かべ、穏やかに言う。
すると、オーキは俯いたままなにも言わず、のっそりと歩き出した。
表情は見えないが、脱力しゆらゆら歩く様は微塵の意思も感じさせない。
「ショックを受けるのも仕方のないことです。これが政治なのですから。さあ、反逆者たちがここへ辿り着く前に、緊急用の避難通路から脱出しましょう!」
キグスは三日月のような歪んだ笑みを浮かべファウストへ目配せすると、彼も深く頷いた。
オーキは答えず、のっそりと歩きファウストの横を通り過ぎる。
その直後、立ち止まり憤怒のオーラを発した。
「お前か……お前がエデンをっ!」
次の瞬間、オーキは叫んで剣を振り上げる。
「なっ――」
――ザシュッ!
高速の斬撃で、ファウストを右肩口から袈裟斬りにしていた。
さらに素早く剣を引き、その切っ先でファウストの胸を深々と貫く。
「グゥゥゥッ!」
ファウストは胸を押さえて呻き、胸に刺さった刀身を震える手で握る。
黒装束にはじんわりと血が広がっていく。
オーキが剣を引き抜くと、ファウストは激しく咳き込みその場に崩れ落ちた。
「ファ、ファウスト殿ぉっ!」
あまりにも一瞬の出来事だった。
キグスはすぐにしゃがみ込み、ファウストの体をさするが、既にこと切れていた。
「な、なんてことをするのだっ!?」
怒りと憎しみがない交ぜになった表情でオーキを睨みつけるキグス。
オーキは冷徹な表情で、剣の切っ先をキグスの鼻先へ向けた。
「たとえ、この瞳が曇っていたとしても、我が誇りたる剣だけは鈍らせてたまるか!」
「くっ、貴様ぁ……自ら破滅の道を選ぶつもりか」
「選ばせたのはあなただ」
オーキが剣を横へ振ると、キグスの鼻をかすめ血が垂れた。
「ひっ! こ、後悔するぞっ!」
キグスは、尻餅をつき無様にも地を這って逃げようとする。
オーキは血の付いた剣を払うと、側近たちへ命令した。
「逆賊キグスを拘束しろ!」
「は、はいっ!」
側近たちが慌ててキグスの両側から掴みかかり、強引に立たせた。
キグスはしばらく暴れたが、腕力では騎士たちに敵うはずもなく、すぐに大人しくなった。
彼はぐったりとうな垂れ、もう抵抗の意思は感じない。
そして、オーキは彼らを連れ広間に出る。
「そうか」
伝令係の言葉に、オーキは気のない返事で返した。
それを聞いて、彼の左右に立つ側近二人も顔を見合わせ顔を強張らせている。
既に城の大部分は陥落していた。
「ランダー、お前はいつまで俺の前に立ちはだかる? 俺はどうあがいても、お前を超えることはできないのか」
オーキは遂に認めた。
自分はただの無力な騎士でしかなかったのだと。
宰相たちの甘言に乗せられ、一時の夢におぼれてしまったあわれな道化だ。
彼は大きくを息を吸い、覚悟を決めると立ち上がった。
「俺は一人で決着をつけに行く。お前たちは逃げろ」
オーキはそう告げ、玉座に立てかけてあった剣を取り歩き出す。
側近二人と伝令係は慌てた。
「な、なにをおっしゃいます!? 私どもは王様を守るのが使命なのですよ!」
「もういいんだ。俺はエデンの王なんかじゃない」
オーキは歩みを止めない。
煌びやかな装飾の施された鞘から、ゆっくりと剣を抜く。
鞘を投げ捨てそのまま一直線に扉まで歩いていく。
その気迫に、伝令係は息をのみ道を開けた。
――バタンッ!
しかしそのとき、勢いよく扉を開け玉座の間へ入って来た者が二人。
オーキは足を止めた。
「……キグス? なぜ戻って来た?」
「王様、ここで戦っても意味はありません。一度退くのです」
「なにを言っている? それにその者は……」
オーキは眉をしかめ、キグスの横に立っていた者を見る。
全身を黒装束で包み、頭には深々とフードをかぶって口元には魔獣を想起させるような剥き出しの牙を描いた禍々しいマスク。フードとマスクの隙間から僅かに覗く肌には、まるで亀裂のような細く枝分かれした青色の筋が浮かび上がっている。
明らかにただ者ではない。
「王様、この者はファウスト・サナトスと言います。私の協力者です」
「なに?」
キグスに紹介され、ファウストは淡々と会釈した。
「実は、彼は魔人族なのです」
「キグス宰相、あなたはなにを考えている? そんな得体の知れない輩《やから》を城内に招き入れるなど」
「ですが実力は確かです。かの新通貨レンゴクも、彼らサナトス家の魔術による産物なのですから」
「なん、だと……」
衝撃的な事実に、オーキは目を見開く。
多くの民を不幸にした元凶が目の前にいるのだ。
平静ではいられない。
「王様、どうかお聞きください。確かに新通貨は失敗したのかもしれません。しかしその有用性は疑いようもありませんでした。王様と私、そしてファウスト殿が逃げ延びさえすれば、再びこのエデンを逆賊から取り戻せるのです!」
キグスは自信満々に言い放った。
しかしオーキにはその言葉が信じられない。
「……逆賊と言ったのか? 民を」
「そうですとも。首謀者に扇動され、エデンの王に刃を向けた愚かな者たちです。これは明確な反逆。エデンの民を名乗る資格はありません」
「……もし、俺が断ると言ったら?」
キグスは静かに目を見開き、オーキを睨みつけるファウストの視線が威圧感を孕む。
やがてキグスは、周囲の伝令係と側近たちを見回すと、冷徹な表情で告げた。
「そのときは、やむを得ませんな」
「……そうやって……レイス王も切り捨てたのか?」
「クククククッ。気付いてしまわれましたか」
核心を突く問いに、キグスは誤魔化す素振りも見せず、邪悪な笑みを浮かべた。
オーキは絶望に顔を歪める。
「今の俺のように協力を拒んだからか?」
「そうですとも。あれだけ新通貨の素晴らしさを説明したというのに、レイスは首を縦に振らなかった。それどころか、魔人と手を組んだ私を危険因子だと見なしたのです。だから先手を打ちました」
「そういうことか……」
オーキは顔を伏せ、肩を落として呟いた。その様子からは覇気を感じられない。
周囲の騎士たちもなにも言えず唖然と成り行きを見守っていた。
「お分かり頂けましたかな? 我々とたもとを分かつという本当の意味が。別にこれまで通り協力して頂ければ、なにも問題はありません」
そう言ってキグスが笑みを浮かべ、穏やかに言う。
すると、オーキは俯いたままなにも言わず、のっそりと歩き出した。
表情は見えないが、脱力しゆらゆら歩く様は微塵の意思も感じさせない。
「ショックを受けるのも仕方のないことです。これが政治なのですから。さあ、反逆者たちがここへ辿り着く前に、緊急用の避難通路から脱出しましょう!」
キグスは三日月のような歪んだ笑みを浮かべファウストへ目配せすると、彼も深く頷いた。
オーキは答えず、のっそりと歩きファウストの横を通り過ぎる。
その直後、立ち止まり憤怒のオーラを発した。
「お前か……お前がエデンをっ!」
次の瞬間、オーキは叫んで剣を振り上げる。
「なっ――」
――ザシュッ!
高速の斬撃で、ファウストを右肩口から袈裟斬りにしていた。
さらに素早く剣を引き、その切っ先でファウストの胸を深々と貫く。
「グゥゥゥッ!」
ファウストは胸を押さえて呻き、胸に刺さった刀身を震える手で握る。
黒装束にはじんわりと血が広がっていく。
オーキが剣を引き抜くと、ファウストは激しく咳き込みその場に崩れ落ちた。
「ファ、ファウスト殿ぉっ!」
あまりにも一瞬の出来事だった。
キグスはすぐにしゃがみ込み、ファウストの体をさするが、既にこと切れていた。
「な、なんてことをするのだっ!?」
怒りと憎しみがない交ぜになった表情でオーキを睨みつけるキグス。
オーキは冷徹な表情で、剣の切っ先をキグスの鼻先へ向けた。
「たとえ、この瞳が曇っていたとしても、我が誇りたる剣だけは鈍らせてたまるか!」
「くっ、貴様ぁ……自ら破滅の道を選ぶつもりか」
「選ばせたのはあなただ」
オーキが剣を横へ振ると、キグスの鼻をかすめ血が垂れた。
「ひっ! こ、後悔するぞっ!」
キグスは、尻餅をつき無様にも地を這って逃げようとする。
オーキは血の付いた剣を払うと、側近たちへ命令した。
「逆賊キグスを拘束しろ!」
「は、はいっ!」
側近たちが慌ててキグスの両側から掴みかかり、強引に立たせた。
キグスはしばらく暴れたが、腕力では騎士たちに敵うはずもなく、すぐに大人しくなった。
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