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30話 余裕
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リウスがナーシャと対峙している頃、カロスは約五万の敵を相手に戦っていた。
「逃げろー!」
「五大魔獣に勝てるわけないじゃないか!」
流石の五大魔獣でも五万の敵にはかなわず、というわけでもなく、マラオス王国軍は人を入れ替えては逃げ、人を入れ替えては逃げを繰り返していた。
「なんだ?我が相手だと五万の人数でも敵わないか。数の暴力とはならないようだな」
カロスは辺り一面を氷で埋め尽くし、氷桜で敵を次々と殺しながら余裕の表情をした。
(やはり五万と言っても数だけか。所詮はそこら辺の人間を集めただけなようなものだ。こんなの人間一人相手にしているのと何も変わらんな)
カロスが次々と氷で殺している頃、崖の上で戦いを眺めている者たちがいた。
「五大魔獣ってあんな感じなんだな。俺初めて見たわ」
「私は見たことあるよ。もう記憶にないけど」
初めて見る五大魔獣に少し興奮した様子を見せるのはガタイがよく、大剣を背負うマガトスだ。
「じゃあちょっくら行ってくるわ。マラオス王国軍は見ての通り雑魚ばっかりだしよ」
そう言って崖から飛び降りようとするマガトスを、小柄な少女、ユワーノが必死に止めた。
「今回は流石にまずいって!こんなこと言うと私が殺されるかもだけど、マガトスだけじゃ絶対に負けるし」
「なんだと、クソチビが!殺して……」
「お前たちは何をいちゃついている」
崖の上で言い合いをマガトス達に声をかけたのは、仮面をかぶり、長い髪を下ろす女だった。
「なんだ、ヴァミア。お前殺されたいのか?」
「悪い。どうしてもイチャついてるようにしか見えなかったのでな」
ヴァミアが現れた瞬間、ユワーノはマガトスから離れ姿勢を正した。
「ヴァミアよぉ、いつあいつを殺しに行くんだ?」
あいつ、と言いながらマガトスは後ろを振り返りカロスを睨んだ。
「フルカとマナ、ダオクの3人が来てから作戦を決行する」
「じゃあまだアイツを殺しに行けねぇじゃねーかよ。早く来ねえとフルカ達も殺すぞ」
マガトスは不満をあらわにし、近くにあった大きな岩を大剣で粉々にした。
「それならアイツらは殺させずに済みそうだな」
ヴァミアは後ろを振り返ってそう言った。
「ごめんごめーん。遅くなっちゃった」
ヴァミアが振り返った方向にいたのは、1人が顔の前で手を合わせて謝り、その人物を後ろから呆れたような目で見る2人の人物だった。
「おい、お前ら遅いぞ。もう少し遅かったら殺そうかと思っていたところだ」
「別に俺が遅れた原因じゃないし」
「そう……。おくれた原因はマナのせい……」
「私!?でもあれは仕方なくて……」
「おい……」
マガトスは大剣を手に持ったまま低い声を出し、マナ達を威嚇した。
「俺がキレてんのは遅れた原因じゃねぇ。遅れたことにキレてんだ。そんな言い訳ばっかりしている暇があったら遅れねぇようにさっさと来いよ。わかったか?」
「はい……」
「すいません……
「気をつけます……」
「なんだ。マガトスも真面目なこと言えるんだ」
ユワーノは姿勢を正したまま、軽くマガトスをからかった。
「なんだとクソチビが……!」
マガトスの牙がユワーノへ向き、今にも大剣を振り下ろしそうな状態になったとき、ヴァミアが両手を胸の前に出して手を叩いた。
直後、騒がしかった空気が一瞬で緊張に呑まれ、マガトスでさえ勝手に体が硬直した。
「作戦をこれから使えるので静かにしてもらおうか。君たち」
この時、ヴァミアがした表情を知るものは誰一人としていなかった。
「逃げろー!」
「五大魔獣に勝てるわけないじゃないか!」
流石の五大魔獣でも五万の敵にはかなわず、というわけでもなく、マラオス王国軍は人を入れ替えては逃げ、人を入れ替えては逃げを繰り返していた。
「なんだ?我が相手だと五万の人数でも敵わないか。数の暴力とはならないようだな」
カロスは辺り一面を氷で埋め尽くし、氷桜で敵を次々と殺しながら余裕の表情をした。
(やはり五万と言っても数だけか。所詮はそこら辺の人間を集めただけなようなものだ。こんなの人間一人相手にしているのと何も変わらんな)
カロスが次々と氷で殺している頃、崖の上で戦いを眺めている者たちがいた。
「五大魔獣ってあんな感じなんだな。俺初めて見たわ」
「私は見たことあるよ。もう記憶にないけど」
初めて見る五大魔獣に少し興奮した様子を見せるのはガタイがよく、大剣を背負うマガトスだ。
「じゃあちょっくら行ってくるわ。マラオス王国軍は見ての通り雑魚ばっかりだしよ」
そう言って崖から飛び降りようとするマガトスを、小柄な少女、ユワーノが必死に止めた。
「今回は流石にまずいって!こんなこと言うと私が殺されるかもだけど、マガトスだけじゃ絶対に負けるし」
「なんだと、クソチビが!殺して……」
「お前たちは何をいちゃついている」
崖の上で言い合いをマガトス達に声をかけたのは、仮面をかぶり、長い髪を下ろす女だった。
「なんだ、ヴァミア。お前殺されたいのか?」
「悪い。どうしてもイチャついてるようにしか見えなかったのでな」
ヴァミアが現れた瞬間、ユワーノはマガトスから離れ姿勢を正した。
「ヴァミアよぉ、いつあいつを殺しに行くんだ?」
あいつ、と言いながらマガトスは後ろを振り返りカロスを睨んだ。
「フルカとマナ、ダオクの3人が来てから作戦を決行する」
「じゃあまだアイツを殺しに行けねぇじゃねーかよ。早く来ねえとフルカ達も殺すぞ」
マガトスは不満をあらわにし、近くにあった大きな岩を大剣で粉々にした。
「それならアイツらは殺させずに済みそうだな」
ヴァミアは後ろを振り返ってそう言った。
「ごめんごめーん。遅くなっちゃった」
ヴァミアが振り返った方向にいたのは、1人が顔の前で手を合わせて謝り、その人物を後ろから呆れたような目で見る2人の人物だった。
「おい、お前ら遅いぞ。もう少し遅かったら殺そうかと思っていたところだ」
「別に俺が遅れた原因じゃないし」
「そう……。おくれた原因はマナのせい……」
「私!?でもあれは仕方なくて……」
「おい……」
マガトスは大剣を手に持ったまま低い声を出し、マナ達を威嚇した。
「俺がキレてんのは遅れた原因じゃねぇ。遅れたことにキレてんだ。そんな言い訳ばっかりしている暇があったら遅れねぇようにさっさと来いよ。わかったか?」
「はい……」
「すいません……
「気をつけます……」
「なんだ。マガトスも真面目なこと言えるんだ」
ユワーノは姿勢を正したまま、軽くマガトスをからかった。
「なんだとクソチビが……!」
マガトスの牙がユワーノへ向き、今にも大剣を振り下ろしそうな状態になったとき、ヴァミアが両手を胸の前に出して手を叩いた。
直後、騒がしかった空気が一瞬で緊張に呑まれ、マガトスでさえ勝手に体が硬直した。
「作戦をこれから使えるので静かにしてもらおうか。君たち」
この時、ヴァミアがした表情を知るものは誰一人としていなかった。
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