最強魔獣使いとなった俺、全ての魔獣の能力を使えるようになる〜最強魔獣使いになったんで元ギルドを潰してやろうと思います〜

東雲ハヤブサ

文字の大きさ
58 / 93

57話 破壊

しおりを挟む
 「さあ、早く教えてくれよ。さもないと――」
 「わかったわかった!教えるから!」

 兵士は大量の汗を流しながら、自分の胸の前に手を突き出した。

 なんだよ。
 そんなに怯えるくらいなら俺を煽るようなことを言わずに、最初から教えろよ。

 「じ、実は、先に攻撃を仕掛けに行った者から報告があったのです」
 「どんな連絡だ?」
 「はい、それがファイアーウルフはただの魔獣ではなく、人型魔獣だったと報告があったのです。それで国王様が、奴隷として使うから殺さないように捕獲しろ、と伝えられて作戦が殲滅から捕獲へ変更になったのです」

 俺のいた国の王はそこまで腐っていたんだな。
 奴隷として使うとか言いやがって……絶対に許せない……!
 
 「ということは誰も殺していないということだな」
 「はい」

 魔獣の腕を人間の腕に戻すと、兵士は力が抜けたように座り込んだ。
 
 「それにしても、マラオス王国の連中はやばいね。殺そうと思ってけど、利用価値があったので奴隷にしますってことでしょ?」
 「本当にふざけている方達ですね。そんな方達は私たち覇獣士が潰してみせましょう」
 「そういうことなら、この僕が王の首を取ってみせます」
 
 おいおい、なんであいつらは勝手に話が進んでいるんだ?
 まずはファイアーウルフ達の救出が先だろ。
  
 「ちょっと話が進んでいるところ悪いが、先に救出を――」
 「敵だーー!!!」
 「なんだと!直ちに戦闘準備にかかれ!」

 くそ!なんでバレたんだ!

 すぐさま後ろを振り返って、力が抜けて座っている兵士の姿を確認した。
 
 「お、俺は違います!」
  
 だが、兵士は焦って首を左右に振った。
 それにゼーラが後ろで見張っていたため、コイツが仲間に知らせたという可能性は低いだろう。
 ということは、敵に俺たちを感知することのできる力を持っている者が居るのかもしれない。

 「いたぞ!」

 辺りで見張りを行なっていた兵士たちも、一斉にこちらに向かってきたのか、少しの間で敵に囲まれてしまった。

 「おい!仲間が捕まっているぞ!」
 「そいつを返せ!」

 はぁ?
 何が返せだよ。
 先に奪ったのはお前達だろ……!

 「いや待て!もしかしたらアイツは裏切り者かもしれない!」
 「確かにな……! ここでこそこそしていたからな! おい! お前は一体敵に何を喋ったんだ!」
 「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 俺は脅されていて――」
 「とぼけるな! この付近は魔道士が見張っているんだ! それなのに敵が入って来れるわけはない! お前が誘導したんだろ!」
 「だから俺は何も――」
 「もういい。裏切り者に用はない」

 続々と集まってきた兵士を押しのけて、竜の素材で作ったのか、赤く輝く鱗が見える弓を手にして、顎から長い髭を伸ばす兵士が現れた。

 「マッド様! 俺は裏切り者ではありません!」
 「黙れ」

 マッドと呼ばれた男は、持っていた弓を構えると炎で作られた矢が突然現れて、俺たちに向けて放たれた。
 だが、その炎の矢は俺たちに向けられた攻撃ではなく、仲間であるはずの兵士に向けられたものだった。
 
 「マッド……さま……」

 俺の後ろで倒れ込んだ兵士の腹には、眩しいほどに光る矢が突き刺さり、大量の血が冷たい地面に流れ出していた。

 一体……どういうことだ……。
 なんでこいつは仲間に殺されているんだ……?

 「これで邪魔者は消えたな」
 「邪魔者って……コイツはお前達の仲間だろ……?」
 「仲間? 一体なんのことだ。そいつは敵に情報を漏らした裏切り者なんだ。そんなやつは仲間ではない」
 
 俺はその言葉を聞いた途端、なぜか体が震え出した。
 俺たちを囲う兵士たちに恐怖しているのではない。
 矢を放った兵士に恐怖しているのではない。
 俺が恐怖しているのは、仲間を簡単に裏切り者と決めつけて、そして簡単に殺す、そんなことが出来るやつ達の存在が怖い。

 「お前に罪悪感は無いのか……?」
 「なんのだ?」
 「仲間を殺したことへの、罪悪感だ」
 「はぁ、お前はまだ理解していないらしい。俺が殺したやつは、敵だ」

 そうか……。
 今俺の目の前にいる人間は、俺の知っている人間ではないらしい。
 だから俺は……
 
 「俺は、お前達が怖くて仕方がないよ」



 

 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

処理中です...