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61話 感謝
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「本当にありがとうございます……!」
「もしあのまま助けて頂けなかったら、きっと私たちは殺されていました。いまも命を失わずに済んでいるのは、リウス様のおかげです!」
ファイアーウルフ達は、グーレに腕につけられていたリングを破壊されたあと、これからどうするか話し合っていた俺の元にやってきて、深く頭を下げてきた。
「おいおい! やめてくれよ! 元はといえばお前達が危険な目に遭ったのは俺のせいでもあるんだ。それに、俺一人では救出することが出来たかわからなかったしな」
「そうだぞ。この私が助けてやったと言っても過言では無い!」
そうグーレは言い放つと、俺の隣までやってきて腰に手を当て、偉そうに仁王立ちした。
でも、魔王だから偉そうにしても何の問題もないんだがな。
「ちょっと話を聞いてもらっていいか?」
感謝の言葉で溢れる空間に、俺の声を捻じ入れると、すぐさま静かな空間へと変わった。
「今からお前達を獣人の国に送り届けようと思う。それで、今回は安全に送る方法を考えているから安心してくれ。ということでゼーラ、よろしくな」
「はい。お任せ――え? 私がですか?」
「ああ。頼んだぞ」
なぜゼーラの頼んだかというと、こいつは影移動を使うことが出来るからだ。
影移動ならば敵に遭遇することもないし、万が一遭遇してしまった場合でもゼーラがいてば問題はないだろう。
「いや、でも、私はリウス様と――」
「これはゼーラにしか頼めないんだよ。だからお願い!」
これはゼーラにしか頼めない、そう言われたのが嬉しかったのか、急に喜びで溢れる顔をすると、俺に向かって頭を下げてきた。
「承知しました。この者達を必ず無事にとどけてみせます」
「ああ、頼んだ」
「それとエンファとアマウスも一緒に同行してもらって行ってもいいか? ムラルドルに説明をしてもらいたいんだ」
「いいぜ。魔王様が全て綺麗に片付けましたって伝えておいてやるよ」
「何一つ間違っちゃいねぇな。よし、では各自行動を始めてくれ」
まだ何も終わってはいない。
本番はここからだ。
何が起きるのかわからない。
誰が命を散らして行くのかもわからない。
俺たちはそんな戦場に、これから足を踏み入れる。
俺たちは今、星の明かりだけで照らされる山道を、一歩一歩慎重に進んで行っていた。
今この場にいるのは、俺とミルマ、覇獣士達、グーレの8人だ。
ファイアーウルフ達は、人数に限界のない影移動でスムーズに移動が進み、皆獣人の国に向かうため影の中に消えていった。
ファイアーウルフ達の問題は片付いたのだが、新たに問題が問題が生じてしまった。
「ねぇ~、まだつかないの~?」
「仕方ないだろ。場所がわからないんだから」
「シェビー、あなたは覇獣士の一人なのですよ? もっとしっかりしてくださいませ」
「そんなこと言っちゃってさ、ロスカだって足疲れてるくせに」
「私はあなたみたいに疲れてなどいません!」
「嘘つきぃ~」
「私は嘘などつきません!」
と、こんな感じにずっと言い合いが発生している。
今は黙っているが、さっきまではクッカとクロランが言い合いをしていた。
しかし、仲が悪いという雰囲気ではない。
仲がいいという雰囲気でもないが。
「リウス様」
突然、俺の真後ろで歩いていたミルマが、右方面を見ながら俺を呼び止めた。
「なんだ?」
「あそこに見えるのは何でしょうか?」
「あれは……」
どうやら今いる場所は、高台のようで森全体を見渡すことができる。
そして、そこから俺の視界に入ったものは、どんなに暗く、木で覆われる場所でさえあり得ないほど目立つ幕・のようなものが降りていた。
逆に、どうして俺は気づくことが出来なかったのか不思議なくらいだ。
急に立ち止まったことで、異変に気づいたグーレ達は、俺が向ける視線と同じ方へ目を向けた。
「あれってなに?」
「わ……私も見たことがない……です……」
この場のいる全員が、見たことのない何かに首を傾げる――わけではなかった。
「クフフ……やつめ、まさか来るとはな」
遠い場所にある謎の何かに、突然気持ちを高ぶらせたように笑ったグーレは、今すぐにでもあの場所に向かいたい、とでも言うかのような表情で俺を見てきた。
「何か知っているのか?」
「勿論、知っているぞ。だが、教えてやるのには条件がある。あそこに向かってくれ」
なぜか素直に教えてくれず、条件を出してきた。
条件を出してまで、あそこに行きたいのか。
「そういうことならやっぱりいいや。今はカロス達のところに向かうのが最優先――」
「恐らくだが、あの場所にお前が探すやつがいるぞ」
「あそこに!?」
「ああ、ということはつまり……」
ニヤッと笑って俺に言わせようとするグーレ。
あそこにカロスがいるかもしれないと言われたら、勿論――
「行かない、なんて言うわけがないだろ?」
「クハハ! そうこなくてはな」
「もしあのまま助けて頂けなかったら、きっと私たちは殺されていました。いまも命を失わずに済んでいるのは、リウス様のおかげです!」
ファイアーウルフ達は、グーレに腕につけられていたリングを破壊されたあと、これからどうするか話し合っていた俺の元にやってきて、深く頭を下げてきた。
「おいおい! やめてくれよ! 元はといえばお前達が危険な目に遭ったのは俺のせいでもあるんだ。それに、俺一人では救出することが出来たかわからなかったしな」
「そうだぞ。この私が助けてやったと言っても過言では無い!」
そうグーレは言い放つと、俺の隣までやってきて腰に手を当て、偉そうに仁王立ちした。
でも、魔王だから偉そうにしても何の問題もないんだがな。
「ちょっと話を聞いてもらっていいか?」
感謝の言葉で溢れる空間に、俺の声を捻じ入れると、すぐさま静かな空間へと変わった。
「今からお前達を獣人の国に送り届けようと思う。それで、今回は安全に送る方法を考えているから安心してくれ。ということでゼーラ、よろしくな」
「はい。お任せ――え? 私がですか?」
「ああ。頼んだぞ」
なぜゼーラの頼んだかというと、こいつは影移動を使うことが出来るからだ。
影移動ならば敵に遭遇することもないし、万が一遭遇してしまった場合でもゼーラがいてば問題はないだろう。
「いや、でも、私はリウス様と――」
「これはゼーラにしか頼めないんだよ。だからお願い!」
これはゼーラにしか頼めない、そう言われたのが嬉しかったのか、急に喜びで溢れる顔をすると、俺に向かって頭を下げてきた。
「承知しました。この者達を必ず無事にとどけてみせます」
「ああ、頼んだ」
「それとエンファとアマウスも一緒に同行してもらって行ってもいいか? ムラルドルに説明をしてもらいたいんだ」
「いいぜ。魔王様が全て綺麗に片付けましたって伝えておいてやるよ」
「何一つ間違っちゃいねぇな。よし、では各自行動を始めてくれ」
まだ何も終わってはいない。
本番はここからだ。
何が起きるのかわからない。
誰が命を散らして行くのかもわからない。
俺たちはそんな戦場に、これから足を踏み入れる。
俺たちは今、星の明かりだけで照らされる山道を、一歩一歩慎重に進んで行っていた。
今この場にいるのは、俺とミルマ、覇獣士達、グーレの8人だ。
ファイアーウルフ達は、人数に限界のない影移動でスムーズに移動が進み、皆獣人の国に向かうため影の中に消えていった。
ファイアーウルフ達の問題は片付いたのだが、新たに問題が問題が生じてしまった。
「ねぇ~、まだつかないの~?」
「仕方ないだろ。場所がわからないんだから」
「シェビー、あなたは覇獣士の一人なのですよ? もっとしっかりしてくださいませ」
「そんなこと言っちゃってさ、ロスカだって足疲れてるくせに」
「私はあなたみたいに疲れてなどいません!」
「嘘つきぃ~」
「私は嘘などつきません!」
と、こんな感じにずっと言い合いが発生している。
今は黙っているが、さっきまではクッカとクロランが言い合いをしていた。
しかし、仲が悪いという雰囲気ではない。
仲がいいという雰囲気でもないが。
「リウス様」
突然、俺の真後ろで歩いていたミルマが、右方面を見ながら俺を呼び止めた。
「なんだ?」
「あそこに見えるのは何でしょうか?」
「あれは……」
どうやら今いる場所は、高台のようで森全体を見渡すことができる。
そして、そこから俺の視界に入ったものは、どんなに暗く、木で覆われる場所でさえあり得ないほど目立つ幕・のようなものが降りていた。
逆に、どうして俺は気づくことが出来なかったのか不思議なくらいだ。
急に立ち止まったことで、異変に気づいたグーレ達は、俺が向ける視線と同じ方へ目を向けた。
「あれってなに?」
「わ……私も見たことがない……です……」
この場のいる全員が、見たことのない何かに首を傾げる――わけではなかった。
「クフフ……やつめ、まさか来るとはな」
遠い場所にある謎の何かに、突然気持ちを高ぶらせたように笑ったグーレは、今すぐにでもあの場所に向かいたい、とでも言うかのような表情で俺を見てきた。
「何か知っているのか?」
「勿論、知っているぞ。だが、教えてやるのには条件がある。あそこに向かってくれ」
なぜか素直に教えてくれず、条件を出してきた。
条件を出してまで、あそこに行きたいのか。
「そういうことならやっぱりいいや。今はカロス達のところに向かうのが最優先――」
「恐らくだが、あの場所にお前が探すやつがいるぞ」
「あそこに!?」
「ああ、ということはつまり……」
ニヤッと笑って俺に言わせようとするグーレ。
あそこにカロスがいるかもしれないと言われたら、勿論――
「行かない、なんて言うわけがないだろ?」
「クハハ! そうこなくてはな」
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