最強魔獣使いとなった俺、全ての魔獣の能力を使えるようになる〜最強魔獣使いになったんで元ギルドを潰してやろうと思います〜

東雲ハヤブサ

文字の大きさ
63 / 93

62話 本当の顔

しおりを挟む
 幕の外の世界とは切り離され、時間の進みが遅くなったこの場所で、カロスはもう時間など気にすることなく戦闘を継続していた。
 カロスとベルゼルフ対万を超える敵。
 普通に考えれば圧倒的に不利な状況だが、それでもカロス達はそうはならない。

 「あの時操の金鳥が厄介すぎる……。 とにかくあいつをどうにかしなければ……」
 
 魔王に匹敵するほどの強さを持つヴァミアでさえ、カロスとベルゼルフのコンビネーションは恐ろしく厄介なものだった。
 だが、それでもヴァミアは焦りを感じていない。

 グードラのように、ベルゼルフにとって圧倒的に格下の場合、自ら力を解いて自由に動けるようになることはできない。
 だが、ヴァミアはベルゼルフと同等、もしくはそれ以上の力を持っているため、すぐにベルゼルフの力を解いてしまうことができる。

 「くっ……! アイツ全然動きが止まらない……!」
 「いや、ベルゼルフの攻撃は効いている。だが、やつは一瞬にして力を解いてしまっている」
 「ならどうしたら――」
 「来るぞ!」

 ベルゼルフの言葉を遮り、カロスは氷の鎖を生成する。

 「止まれ!」

 ベルゼルフの力に、素早い動きが静かに止まるが、それも一瞬の間だ。
 すぐさま力を解かれて、次の攻撃が来てしまう。

 もう、すでにカロスとベルゼルフは気づいていた、というよりも、確信していた。
 今目の前にいる者が、魔王に匹敵するほどの力を持っていることを。

 五大魔獣が2体で相手をしても、全く倒すことが出来ないのが何よりもの証拠だ。

 ヴァミアの動きが止まった瞬間に、カロスが生成した氷の鎖で手足を縛りつけた。

 「くっ……」
 「流石のお前でも、この我の鎖からは逃げることは出来まい」

 氷の鎖はヴァミアを捕らえたまま、ウネウネとまるで生きているかのように動き回り、何度も地面に叩きつけた。
 だがそんな攻撃は、当然ヴァミアに効くことはない。
 まるで何も問題が無いかのように、拘束されたままの状態で剣を一閃すると、金属の何十倍もの硬さもある氷を木っ端微塵に砕け散らせた。

 「カロスの氷が……」
 「まさかここまでの力の持ち主とは……」

 自由になった身で、ヴァミアは少し下を向くと、右手を仮面にかざし、そして下にずらした。

 「え?ヴァミア仮面取るつもりなの?」
 「マジで……ていうか、まだ誰もヴァミアの素顔見たことないよね?」
 「多分……」

 崖の上から一切動こうとしないマナとダオクは、ヴァミアが取った行動に驚きを隠せずに、少し興奮気味になった。
 それもそのはずだ。
 ヴァミアと同じパーティーメンバーでさえ、あの仮面の下の顔を見た者は誰一人としていないのだから。

 五大魔獣を圧倒する力を持っているとは思えないほどの華奢な手でつつまれる仮面は、少しずつ下にずれていき、そしてついに『顔』が明らかとなった。

 仮面が地面に落とされ、顔が明らかとなった瞬間、辺りは今までに無いほどの緊張感が漂った。
 それはカロスでさえ感じたことがないほどの。

 「あの顔は……」
 「なんだ? カロスはあの顔に見覚えがあるのか?」
 「いや、我はあいつを知らない。なのに、何故か知っているような気がするのだ……」

 我はあいつを、ヴァミアを知らない。
 だが、ヴァミアの中・を知っているような気がするのだ。

 一切の汚れも受け付けないような白い肌に、ヴァミアが操る炎とは真逆の、たった一睨みで空気を凍えさせてしまうぐらいの美しく冷たい青き目を持つ、人物。

 今この場にいる者全員が、素顔を見たことがない。
 それなのにも関わらず、なぜカロスが見覚えがあるのか、自分自身、わかるわけがなかった。

 だが、そんなことを考えている暇は無い。
 少しでも余分なことを考えれば、待つのは“死“だ。

 「流石に時間がかかり過ぎてしまっている。だから私は、本気を出す」

 スゥー……と静かな音を立てて息を吸い、ヴァミアは肺に空気を入れる。

 どこまでも透き通るような青き目が、カロス達を捉えると、風に長い銀髪をなびかせながら剣を構えた。
 だが、その顔はどこか悲しげな表情で――

 「火怒羅ひどら

 そして、今までとは比べられないほどの火力の炎が剣を纏い、ヴァミアの周りのは黒き炎で造られた、大蛇が出現した。

 

 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

処理中です...