最強魔獣使いとなった俺、全ての魔獣の能力を使えるようになる〜最強魔獣使いになったんで元ギルドを潰してやろうと思います〜

東雲ハヤブサ

文字の大きさ
69 / 93

68話 休戦

しおりを挟む
 「リウス様、我は戻って敵を殺してきてみせます」
 「わかった。俺たちも周りの敵を対処する」
 「失礼します!」

 傷が治ったことのより、さっきよりも体が軽くなったのか銀毛を靡かせながら、ここからは目視できない敵へと向かって行った。

 「皆んな聞いてくれ。これから俺達は戦闘に入る。ミルマ、今すぐ妹の居るところへ駆けつけたいかもしれないが、その場所は1番危険な場所だ。だから……」
 「リウス様。大丈夫です」
 
 馬鹿だ俺は。
 自分の都合で、仲間が死んでしまうのが怖いからって……。
 これではまるでミルマの事を信じてないみたいじゃないか。

 「すまない。お前の妹のことは任せたぞ」
 「はい!」
 「それで覇獣士は、この辺りにいる敵の対処をしてもらう」
 「えー、それって雑魚の集まり?」
 「雑魚もいれば、強いのもいる」
 「ならいっか」
 「ということで各自行動を開始して……」
 「リウス様、私の事をお忘れになっておりませんか?」

 突如背後から声が聞こえ、皆ギョッとした表情で俺の後ろを見ると、そこには礼儀正しく立つゼーラがいた。
 
 「え? なんでいるんだ?」
 「影移動でやって参りました」
 「いや、そういう事じゃなくて。ファイアーウルフ達は?」
 「無事送り届けました」
 
 こいつは仕事ができる奴だな。
 さすがゼーラだ。

 「あ、それとある方を連れてきました」
 
 やっぱりこいつ仕事できるか分からないな。
 なんで問題を増やすような事を……

 「この方達です」

 そう言って、ゼーラが出て来たのであろう影に手を突っ込み、何かを摘むと力尽くで引き上げた。

 「おいお前! 離せよ!」
 「少し大人しくしてください」

 ゼーラに捕まれ、影から出てきたのは怒声をあげる男だった。

 「もう一人います」

 そしてゼーラはもう一度手を入れて、誰かを引き上げる。

 「なんでこんなに強いのこいつ!」

 一体ゼーラは誰を連れてきたんだか。
 どう考えても獣人の国の者ではなさそうだ。
 
 「この者達は私がここに来る前に、崖の上で話していたのを見つけたので連れてきました。会話の内容からマラオス王国の者だと思われます。ちなみに名前はダオクとマナだそうです」
 「何勝手に人の話を聞いてんだ!」
 「貴方達が気づかない方が悪いのでは?」

 まぁ、恐らくゼーラが言うようにこの二人はマラオス王国の連中だろうな。
 だが、マラオス王国の象徴が彫られた鎧を身につけていないことからして、ギルドに所属しているのだろう。

 「なになに、これが私たちの相手してくれるの?」
 「やっと僕の出番ですか」

 勝手に戦闘モードに入って、目の前の二人から目を離さない覇獣士達。
 まるで獲物を見つけた猛獣のようだ。

 「マジかよ……この状況今までで1番ヤバいわ」
 「あいつがここに連れて連れてきたせいで……!」
 
 ゼーラに連れてこられた2人も、剣を引き抜いて構える。
 だがここで戦闘が始まってもあっという間の結果がつくだろうな。
 なにせ、ファイアーウルフ達を捕まえた兵士達をあっという間に壊滅させてしまうほどの力を持っているのだから。

 「まあまあ一旦落ち着い――」
 「死ねぇぇぇえええ!!!」

 俺が落ち着かせようと声をかけた瞬間、俺の背後に何者かが接近し、大声を上げた。
 すぐさま背後を向くと、俺の頭目掛けて大剣を振り下ろされていた。

 振り下ろされた剣を受け止めようと、腕を前に伸ばし――俺が受け止める前に、シェビーが足で大剣を受け止めた。

 「クヒヒッ」
 「なにっ!」

 大剣を握る大柄の男は後ろに退避し、体制を整える。
 退避した先には、遠くから走ってきたのか、息を切らして疲れている様子の2人がいた。
 
 「新しい獲物はっけーん!」
 「誰が獲物だ! ふざけたこと抜かしやがって!」
 「マガトスじゃん!」
 「それにフルカとユワーノも!」

 どうやら新たに現れたこの3人は仲間のようだ。
 でもこれで探す手間が省けたな。
 
 「なんでお前達は捕まってんだよ」
 「だって急に影に引きずり下ろしてくるから」
 「仕方ないだろ」
 「ちっ! 言い訳ばっかしやがって! やっぱお前達みたいな雑魚は放っておくべきだったな」

 なんだ? 
 こいつらこんな時に仲間割れしてるのか?
 どうしようもない奴らだ。

 「お前らあれだろ。今ヴァミアと五大魔獣が戦ってる奴の仲間だろ」
 「違うんだが」
 「嘘をつくな! 今ここでお前達を殺してやる!」
 「マガトス、あなた馬鹿なんじゃないの?」
 「はぁ?ユワーノお前――」

 なぜか後ろにいる仲間?に馬鹿にされ、顔に血管を浮かび上がらせる大柄の男。
 
 「さっき上から見てたでしょ。この人達と氷結の白狼が話してるの」
 「……」
 「今、五大魔獣達とヴァミアはマガトスの言った謎の男と戦ってるんだよ? それなのに、この人達が謎の男の仲間なら氷結の白狼が殺さないわけがないでしょ?」
 「そうだ。その人の言う通り。だから俺達はその謎の男の仲間じゃなくて、俺達の仲間は氷結の白狼だ」
 「なら俺たちの敵に違いねぇな」

 確かにそれは間違いないな。

 「だから! 今ヴァミアと五大魔獣達は一時的に手を組んで戦ってるの! それなのに私達がここで殺し合ったら自分から負けに行くようなものじゃん!」
 「珍しくマガトスが押されてる」
 「まぁ、ユワーノが言ってることが正しいからね」
 「だからここで戦うのはやめて――」
 「でもよ……」

 マガトスと呼ばれた男は、怒鳴るわけでもなく、暴言を吐くわけでもなく、ただ冷たい声で言った。

 「どうせ目的果たせなかったら、俺たち殺されるんだぜ?」

 
 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

処理中です...