72 / 93
71話 巨水の滝槍
しおりを挟む
「ぐぁぁっ! 貴様ぁ……よくも私の顔を傷つけたなぁ!!!」
「散々自分の手を汚してるくせしてよく言うな」
「黙れ! 私は自分の所有物を壊してるだけだ! 自分の物壊して何が悪い!」
「その考えがおかしいんだよ」
俺は少しの隙の間に、腰から尾をはやして地面に叩きつける。
「貴様、それは何だ」
「そんなに知りたいなら確かめさせてやるよ」
尾を横に振ると、セハンに向けて無数の棘が飛んでいった。
さらに、風を操って棘の威力を倍増させる。
この棘の威力なら、どんな鉱石でも破壊することが出来る。
これをくらえば、セハンでさえ致命傷を負うだろう。
「そんな棘如きで、私を殺せるとでも思っているのか! 水壁の防空」
だが俺の棘がセハンに到達する前に、突如現れた水の壁が邪魔をして地面に落とされた。
「おいおい……普通の水程度じゃ、びくともしないはずだぞ……」
やはり国を支配できる力を持っているだけはある。
あの棘の威力を一瞬で殺せるということは、相当水の扱いに慣れているのだろうな。
これは面倒な相手だな……。
「お前、ヴァミアのことを所有物だと言ったな」
「ああ。それがどうした」
「俺はヴァミアが魔王に匹敵すると聞いた。それなのに、どうしてお前は従わせることが出来る」
「フッ……、そんなの決まっているだろ。それ以上の力でねじ伏せるだけだ。あいつは、私がまだこの地位に就いていない頃、森の奥で捕獲したのだ。最初は殺すつもりだったが、どうやら人型魔獣で、さらに相当な強さだった。だから私の所有物にしたのだ」
「そうか。教えてくれて助かるよ」
俺は全身を魔獣の力で固めた後、腕を岩のように変化させていく。
別に体を変化させなくても使うことはできるが、やっぱり変化させた方が使いやすい。
「お前のその能力……実に興味深い……」
「俺が興味を持たれるなんて嬉しいな」
軽く冗談を吐きながら、足に力をためて一気にセハンとの間合いを詰める。
二重に硬化させた腕を、みぞおちを狙って打ち込むが今度は余裕を持ってかわされる。
「お前はまだ動きが遅い。巨水の滝槍」
セハンが腕を前に伸ばすと、手から水が流れていき、一本の槍を作り上げた。
そのまま、腕を大きく後ろに振りかぶると、俺に向けて槍を放った。
俺は、すぐさま目の前に岩の壁をを作り上げて防御に徹する。
あいつが使う攻撃は、そこら辺の奴らの攻撃とは比にならない。
だからより防御を固めなければならない。
俺は足元から植物の蔓を生やして、それを槍に向けてどんどん伸ばしていく。
まず最初に、あの蔓を槍に巻きつけて威力を削る。
その後に、俺の目の前にある岩に衝突させて槍を完全に消滅させる。
これが俺の作戦だ。
鶴は予定通りにやりに絡みついて、水を吸収していった。
よし、これで絡みつかなかったらどうしようかと思ったが、その心配は不必要だったようだ。
槍はそのまま俺のところに向けて飛来してくる。
本当はもう少し削っておきたかったけど、多分いけるだろう。
蔓に巻きつかれ、威力を少し失った水の槍は、俺を防御するために作り上げた岩の壁にぶつかり、そのまま液体になり空中に分散して――いくことはなかった。
「は?」
本来ならすでに消滅しているはずの槍は、分厚く硬い岩を簡単に貫き、気付けば俺の心臓のすぐ正面に、それはあった。
「散々自分の手を汚してるくせしてよく言うな」
「黙れ! 私は自分の所有物を壊してるだけだ! 自分の物壊して何が悪い!」
「その考えがおかしいんだよ」
俺は少しの隙の間に、腰から尾をはやして地面に叩きつける。
「貴様、それは何だ」
「そんなに知りたいなら確かめさせてやるよ」
尾を横に振ると、セハンに向けて無数の棘が飛んでいった。
さらに、風を操って棘の威力を倍増させる。
この棘の威力なら、どんな鉱石でも破壊することが出来る。
これをくらえば、セハンでさえ致命傷を負うだろう。
「そんな棘如きで、私を殺せるとでも思っているのか! 水壁の防空」
だが俺の棘がセハンに到達する前に、突如現れた水の壁が邪魔をして地面に落とされた。
「おいおい……普通の水程度じゃ、びくともしないはずだぞ……」
やはり国を支配できる力を持っているだけはある。
あの棘の威力を一瞬で殺せるということは、相当水の扱いに慣れているのだろうな。
これは面倒な相手だな……。
「お前、ヴァミアのことを所有物だと言ったな」
「ああ。それがどうした」
「俺はヴァミアが魔王に匹敵すると聞いた。それなのに、どうしてお前は従わせることが出来る」
「フッ……、そんなの決まっているだろ。それ以上の力でねじ伏せるだけだ。あいつは、私がまだこの地位に就いていない頃、森の奥で捕獲したのだ。最初は殺すつもりだったが、どうやら人型魔獣で、さらに相当な強さだった。だから私の所有物にしたのだ」
「そうか。教えてくれて助かるよ」
俺は全身を魔獣の力で固めた後、腕を岩のように変化させていく。
別に体を変化させなくても使うことはできるが、やっぱり変化させた方が使いやすい。
「お前のその能力……実に興味深い……」
「俺が興味を持たれるなんて嬉しいな」
軽く冗談を吐きながら、足に力をためて一気にセハンとの間合いを詰める。
二重に硬化させた腕を、みぞおちを狙って打ち込むが今度は余裕を持ってかわされる。
「お前はまだ動きが遅い。巨水の滝槍」
セハンが腕を前に伸ばすと、手から水が流れていき、一本の槍を作り上げた。
そのまま、腕を大きく後ろに振りかぶると、俺に向けて槍を放った。
俺は、すぐさま目の前に岩の壁をを作り上げて防御に徹する。
あいつが使う攻撃は、そこら辺の奴らの攻撃とは比にならない。
だからより防御を固めなければならない。
俺は足元から植物の蔓を生やして、それを槍に向けてどんどん伸ばしていく。
まず最初に、あの蔓を槍に巻きつけて威力を削る。
その後に、俺の目の前にある岩に衝突させて槍を完全に消滅させる。
これが俺の作戦だ。
鶴は予定通りにやりに絡みついて、水を吸収していった。
よし、これで絡みつかなかったらどうしようかと思ったが、その心配は不必要だったようだ。
槍はそのまま俺のところに向けて飛来してくる。
本当はもう少し削っておきたかったけど、多分いけるだろう。
蔓に巻きつかれ、威力を少し失った水の槍は、俺を防御するために作り上げた岩の壁にぶつかり、そのまま液体になり空中に分散して――いくことはなかった。
「は?」
本来ならすでに消滅しているはずの槍は、分厚く硬い岩を簡単に貫き、気付けば俺の心臓のすぐ正面に、それはあった。
0
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる