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第三話 ヨハンの企み
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ヨハンはシャルロッテの婚約が決まってすぐ、相手となる王太子フレデリックは勿論のこと、アステア王国とその王侯貴族達を調べることにした。
するとアステア王国の抱える事情が浮かび上がってくる。
アステア王国は長くフェーゲル帝国の属国であった。
だが数年前、アステア王国で巨大金鉱山が見つかる。近年、各国の金鉱は採掘され尽し、閉山が相次いでいた。需要と供給の均衡が崩れ始め、金の価格は高騰した。そんな中での巨大金鉱発見。
アステア王国は沸いた。
これまでアステア王国はフェーゲル帝国の属国の中でも下位に位置する小国で、国土は狭く、険しい山脈が聳え立ち、気候も厳しく、特筆する産業も軍事力もなく、フェーゲル帝国に付き従うだけの、発言力のない弱国だった。
それがどうだろう。
これまで歯牙にもかけられなかったはずの帝国から、皇女殿下を嫁がせようと打診された。
アステア王国国王に王国貴族、それから国民まで、全王国民が歓喜した。
この時、アステア王国の誰も、宗主国である帝国に背こうという考えはなかっただろう。帝国皇女が王太子に嫁ぎ、アステア王国王妃となることで、帝国から齎されるだろう恩恵に胸躍らせていたに違いない。
しかし人間は欲深い生き物である。
ヨハンはフェーゲル帝国の属国であるレーヴェンヘルツ大公国の大公令息として、アステア王国へ交流に度々出向いた。
同年代のアステア王国王太子フレデリックと親しくなるのに、さして時間はかからず、二人は国を越えた友情を結ぶことになる。
互いに帝国に属する国の王位継承権第一位の身に置き、また皇女シャルロッテに近しい者であり、共通点は多く、話題に事欠かないだけでなく、互いの悩みは互いに共感できるものだった。心許せる親友として互いを尊重し、国を隔てて友情を築いていく。
ヨハンはシャルロッテをアステア王国に嫁がせるつもりなどなかった。
アステア王国に限らず、シャルロッテをどこに嫁がせることも許さない。
シャルロッテは女王様になる。
ヨハンの元で、シャルロッテは女王様になるのだ。ヨハンだけの女王様。どこかの小国の王妃ではない。
レーヴェンヘルツ大公国以外、シャルロッテが居てよい場所はない。
この大陸において、女は男の所有物でしかない。
しかし唯一、女が男の上に立てる地位がある。それは女王。
シャルロッテが男に隷属するなど許せない。他のどの王侯貴族に嫁いでも、それは逃れられないのだ。
しかしレーヴェンヘルツ大公国ならば。
ヨハンが大公となるレーヴェンヘルツ大公国は、女大公の即位が許される、大陸では珍しく女性と女系子孫の王位継承権を認めている国だ。
もちろん、シャルロッテがヨハンのもとに嫁いだとて、シャルロッテが女大公になるわけではなく、ヨハンが大公になる。名目上は、シャルロッテは大公妃となる。
しかしヨハンはシャルロッテに、男の支配下で生きて欲しくはないのだから。
大公国で自由に生きて欲しい。
ヨハンとともに大公国で生きるのならば、シャルロッテはまるで女王のように振る舞うことが許されるのだ。いや、許されるのではない。女王シャルロッテの臣下へと、喜んで下ろう。
――私の可愛いシャルロッテ。
君の望む通りの世界をあげる。ロッテに自由と幸福をあげる。
そのためならば、私はこの身のすべてを捧げよう。この命も。いや魂すら、君のものだ。愛するシャルロッテ。
ヨハンは親友であるアステア王国王太子フレデリックに、シャルロッテ皇女の悪評をいかにも心苦しい、といった顔で打ち明けるようになった。
婚約者として手紙のやり取りや、年に数度、各国のパーティー等で交流し、少しずつシャルロッテとの絆と情を深めていたフレデリックは当初、ヨハンの話が信じられなかった。
フレデリックが接するシャルロッテは帝国の皇女とは思えぬほど慎ましやかで清廉とした人格であり、属国を束ねる帝国皇族としての義務を知り、皇族としての矜持も十分に持ち、民への情け深く、奢らず高ぶらず、教養高く、幼いうちから淑女と呼ぶに相応しい皇女であった。また、親しくなるにつれ、皇女として淑女たらんとする姿に、可憐で無邪気な一人の少女が隠されていることも知った。
それだから、アステア王国王太子フレデリックは、ヨハンの話す悪辣なシャルロッテ皇女像に疑問を呈した。
「シャルロッテは私の従妹だ」
「勿論知っている」
辛そうに眉根を寄せ俯くヨハンに、フレデリックは胡乱な視線を投げる。
「私の父は皇帝陛下の臣下だが、陛下にとって仲の良い弟でもあり、私は陛下の甥として目をかけていただいている」
「それで?」
「……君に密告するのは陛下への背信行為に他ならないが、だが私は、親友が帝国に裏切られ、貶められようとするのを黙って見ていることは、もはや出来ない」
「どういうことだ?」
ヨハンに不審の目を向けていたフレデリックが、身を直してヨハンに向き直る。ヨハンは内心、ほくそ笑んだ。
「帝国はシャルロッテを君に嫁がせることで、いずれアステア王国の所有する金鉱山を帝国のものにするつもりだ」
「そんなことはいかに帝国といえど……」
「できるさ。君がこのままシャルロッテに骨抜きになれば。シャルロッテはいずれアステア王国の王妃となる。国王に次ぐ権力を有するようになる」
「この大陸で、王妃といえど、女性が王宮の古狸達にどう立ち向かうんだ?」
フレデリックは半信半疑でヨハンに質す。
「シャルロッテを甘く見るなよ。彼女は帝国法を知り尽くしている。その上で女性が王宮で生き抜く手段も熟知している。彼女がアステア王国の慣習法を超える成文法を立法するのは難しいことじゃない」
フレデリックの目に軽蔑の色が浮かぶ。
「なんてふしだらな……!」
だがすぐにフレデリックは首を振った。
「しかし僕の知るシャルロッテ皇女殿下は、そのようなお人ではない。僕は人を見る目があると自負している」
ヨハンは内心で大いにせせら笑った。
――私のことも暴けないお前が?
「しかし君がシャルロッテと共にする時間は限られている。彼女の全てが信じるに足ると、どうして言えよう。そして君がそのように人を判ずるとするなら、私は君の信に足らぬということだろうか。……私もシャルロッテ同様、君と会う機会は確かに限られている」
ヨハンが眉根を寄せ、懇願するようにフレデリックを見上げる。言い募る声は哀しそうに掠れていた。
「……それは、君が彼女を誤解して……、そうだ。何か誤解の生じるようなすれ違いが重なったのだろう」
「それはない」
ヨハンはきっぱりと断言した。
「私は帝国で、おそらく最もシャルロッテの近くにいる者の一人だ。ああ、勘違いしないでくれ」
フレデリックの目に浮かぶ嫉妬の色と剣呑な眼光鋭い眼差しに、ヨハンは鷹揚に手を振った。
「近くにいるというのは、私はシャルロッテの護衛を兼ねているからに過ぎない。シャルロッテに専属の護衛騎士はもちろんいるが、従兄妹同士ということで、物理的な護衛ではなく、外交戦略における護衛として任されているんだ」
しかし疑わしそうに目を眇めるフレデリックに、ヨハンは肩を竦めた。
「君がすぐに私の言葉を信じられなくても仕方がない。何しろシャルロッテの擬態は完璧だ。しかし私はだからこそ、君に忠言する。私はシャルロッテの護衛のうち唯一、シャルロッテの外交の場で離れることなく傍につくことが出来る。これでも大公令息だからね……」
ヨハンはおどけるように両手を広げる。
「今すぐ、私の言うことを信じろとは言わない。しかし友として君に捧げた、私の言葉をどうか忘れないでくれ」
「……わかった。君の友情を忘れないでおこう」
ヨハンはフレデリックに疑惑の種を蒔くと、アステア王国を後にした。
そのあとは坂道を転がり落ちるように、ヨハンの思惑通りに物事は進んだ。
もともと帝国はアステア王国の金鉱に目をつけていた。それはヨハンの虚言ではない。勿論、金鉱が齎す富を見据えてシャルロッテを嫁がせることに決めたのだ。そしてそれはアステア王国も了承していたはずだ。
ただ、ヨハンの示唆したような、金鉱そのものを乗っ取るという意味ではなかった。それは帝国、王国双方同じく。
しかし一度根付いた疑惑は、容易には打ち消すことが難しい。
次第にフレデリックの胸中に、帝国への不信感、そしてシャルロッテへの不信感が募っていく。
疑心暗鬼になった小国の王太子は、見るもの聞くもの全てに、疑惑を呈するようになる。そうして帝国の指示やシャルロッテの振る舞いに、勝手に後ろ暗い意味を見出しては、苦悩し、葛藤する。
本来なら大したことのない、よくある小さな他愛ない不満は、やがてアステア王国王太子に大いなる反逆の意志を育てさせることとなった。
するとアステア王国の抱える事情が浮かび上がってくる。
アステア王国は長くフェーゲル帝国の属国であった。
だが数年前、アステア王国で巨大金鉱山が見つかる。近年、各国の金鉱は採掘され尽し、閉山が相次いでいた。需要と供給の均衡が崩れ始め、金の価格は高騰した。そんな中での巨大金鉱発見。
アステア王国は沸いた。
これまでアステア王国はフェーゲル帝国の属国の中でも下位に位置する小国で、国土は狭く、険しい山脈が聳え立ち、気候も厳しく、特筆する産業も軍事力もなく、フェーゲル帝国に付き従うだけの、発言力のない弱国だった。
それがどうだろう。
これまで歯牙にもかけられなかったはずの帝国から、皇女殿下を嫁がせようと打診された。
アステア王国国王に王国貴族、それから国民まで、全王国民が歓喜した。
この時、アステア王国の誰も、宗主国である帝国に背こうという考えはなかっただろう。帝国皇女が王太子に嫁ぎ、アステア王国王妃となることで、帝国から齎されるだろう恩恵に胸躍らせていたに違いない。
しかし人間は欲深い生き物である。
ヨハンはフェーゲル帝国の属国であるレーヴェンヘルツ大公国の大公令息として、アステア王国へ交流に度々出向いた。
同年代のアステア王国王太子フレデリックと親しくなるのに、さして時間はかからず、二人は国を越えた友情を結ぶことになる。
互いに帝国に属する国の王位継承権第一位の身に置き、また皇女シャルロッテに近しい者であり、共通点は多く、話題に事欠かないだけでなく、互いの悩みは互いに共感できるものだった。心許せる親友として互いを尊重し、国を隔てて友情を築いていく。
ヨハンはシャルロッテをアステア王国に嫁がせるつもりなどなかった。
アステア王国に限らず、シャルロッテをどこに嫁がせることも許さない。
シャルロッテは女王様になる。
ヨハンの元で、シャルロッテは女王様になるのだ。ヨハンだけの女王様。どこかの小国の王妃ではない。
レーヴェンヘルツ大公国以外、シャルロッテが居てよい場所はない。
この大陸において、女は男の所有物でしかない。
しかし唯一、女が男の上に立てる地位がある。それは女王。
シャルロッテが男に隷属するなど許せない。他のどの王侯貴族に嫁いでも、それは逃れられないのだ。
しかしレーヴェンヘルツ大公国ならば。
ヨハンが大公となるレーヴェンヘルツ大公国は、女大公の即位が許される、大陸では珍しく女性と女系子孫の王位継承権を認めている国だ。
もちろん、シャルロッテがヨハンのもとに嫁いだとて、シャルロッテが女大公になるわけではなく、ヨハンが大公になる。名目上は、シャルロッテは大公妃となる。
しかしヨハンはシャルロッテに、男の支配下で生きて欲しくはないのだから。
大公国で自由に生きて欲しい。
ヨハンとともに大公国で生きるのならば、シャルロッテはまるで女王のように振る舞うことが許されるのだ。いや、許されるのではない。女王シャルロッテの臣下へと、喜んで下ろう。
――私の可愛いシャルロッテ。
君の望む通りの世界をあげる。ロッテに自由と幸福をあげる。
そのためならば、私はこの身のすべてを捧げよう。この命も。いや魂すら、君のものだ。愛するシャルロッテ。
ヨハンは親友であるアステア王国王太子フレデリックに、シャルロッテ皇女の悪評をいかにも心苦しい、といった顔で打ち明けるようになった。
婚約者として手紙のやり取りや、年に数度、各国のパーティー等で交流し、少しずつシャルロッテとの絆と情を深めていたフレデリックは当初、ヨハンの話が信じられなかった。
フレデリックが接するシャルロッテは帝国の皇女とは思えぬほど慎ましやかで清廉とした人格であり、属国を束ねる帝国皇族としての義務を知り、皇族としての矜持も十分に持ち、民への情け深く、奢らず高ぶらず、教養高く、幼いうちから淑女と呼ぶに相応しい皇女であった。また、親しくなるにつれ、皇女として淑女たらんとする姿に、可憐で無邪気な一人の少女が隠されていることも知った。
それだから、アステア王国王太子フレデリックは、ヨハンの話す悪辣なシャルロッテ皇女像に疑問を呈した。
「シャルロッテは私の従妹だ」
「勿論知っている」
辛そうに眉根を寄せ俯くヨハンに、フレデリックは胡乱な視線を投げる。
「私の父は皇帝陛下の臣下だが、陛下にとって仲の良い弟でもあり、私は陛下の甥として目をかけていただいている」
「それで?」
「……君に密告するのは陛下への背信行為に他ならないが、だが私は、親友が帝国に裏切られ、貶められようとするのを黙って見ていることは、もはや出来ない」
「どういうことだ?」
ヨハンに不審の目を向けていたフレデリックが、身を直してヨハンに向き直る。ヨハンは内心、ほくそ笑んだ。
「帝国はシャルロッテを君に嫁がせることで、いずれアステア王国の所有する金鉱山を帝国のものにするつもりだ」
「そんなことはいかに帝国といえど……」
「できるさ。君がこのままシャルロッテに骨抜きになれば。シャルロッテはいずれアステア王国の王妃となる。国王に次ぐ権力を有するようになる」
「この大陸で、王妃といえど、女性が王宮の古狸達にどう立ち向かうんだ?」
フレデリックは半信半疑でヨハンに質す。
「シャルロッテを甘く見るなよ。彼女は帝国法を知り尽くしている。その上で女性が王宮で生き抜く手段も熟知している。彼女がアステア王国の慣習法を超える成文法を立法するのは難しいことじゃない」
フレデリックの目に軽蔑の色が浮かぶ。
「なんてふしだらな……!」
だがすぐにフレデリックは首を振った。
「しかし僕の知るシャルロッテ皇女殿下は、そのようなお人ではない。僕は人を見る目があると自負している」
ヨハンは内心で大いにせせら笑った。
――私のことも暴けないお前が?
「しかし君がシャルロッテと共にする時間は限られている。彼女の全てが信じるに足ると、どうして言えよう。そして君がそのように人を判ずるとするなら、私は君の信に足らぬということだろうか。……私もシャルロッテ同様、君と会う機会は確かに限られている」
ヨハンが眉根を寄せ、懇願するようにフレデリックを見上げる。言い募る声は哀しそうに掠れていた。
「……それは、君が彼女を誤解して……、そうだ。何か誤解の生じるようなすれ違いが重なったのだろう」
「それはない」
ヨハンはきっぱりと断言した。
「私は帝国で、おそらく最もシャルロッテの近くにいる者の一人だ。ああ、勘違いしないでくれ」
フレデリックの目に浮かぶ嫉妬の色と剣呑な眼光鋭い眼差しに、ヨハンは鷹揚に手を振った。
「近くにいるというのは、私はシャルロッテの護衛を兼ねているからに過ぎない。シャルロッテに専属の護衛騎士はもちろんいるが、従兄妹同士ということで、物理的な護衛ではなく、外交戦略における護衛として任されているんだ」
しかし疑わしそうに目を眇めるフレデリックに、ヨハンは肩を竦めた。
「君がすぐに私の言葉を信じられなくても仕方がない。何しろシャルロッテの擬態は完璧だ。しかし私はだからこそ、君に忠言する。私はシャルロッテの護衛のうち唯一、シャルロッテの外交の場で離れることなく傍につくことが出来る。これでも大公令息だからね……」
ヨハンはおどけるように両手を広げる。
「今すぐ、私の言うことを信じろとは言わない。しかし友として君に捧げた、私の言葉をどうか忘れないでくれ」
「……わかった。君の友情を忘れないでおこう」
ヨハンはフレデリックに疑惑の種を蒔くと、アステア王国を後にした。
そのあとは坂道を転がり落ちるように、ヨハンの思惑通りに物事は進んだ。
もともと帝国はアステア王国の金鉱に目をつけていた。それはヨハンの虚言ではない。勿論、金鉱が齎す富を見据えてシャルロッテを嫁がせることに決めたのだ。そしてそれはアステア王国も了承していたはずだ。
ただ、ヨハンの示唆したような、金鉱そのものを乗っ取るという意味ではなかった。それは帝国、王国双方同じく。
しかし一度根付いた疑惑は、容易には打ち消すことが難しい。
次第にフレデリックの胸中に、帝国への不信感、そしてシャルロッテへの不信感が募っていく。
疑心暗鬼になった小国の王太子は、見るもの聞くもの全てに、疑惑を呈するようになる。そうして帝国の指示やシャルロッテの振る舞いに、勝手に後ろ暗い意味を見出しては、苦悩し、葛藤する。
本来なら大したことのない、よくある小さな他愛ない不満は、やがてアステア王国王太子に大いなる反逆の意志を育てさせることとなった。
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