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第六章 社交シーズン(ウイレミナ)
マーゴット
しおりを挟む「お久しぶりです。オルヴィス侯爵令嬢」
隣室には、多くの令嬢やその女性の親類がおり、ひと言で言うなれば、優雅さが飽和している状態だった。
頭に羽根飾りがついたのが今年社交界デビューした令嬢たちである。そして、色違いのドレスを着ているのが、拝謁を一番近くで見届けた夫人なのである。
「マーゴット!」
ウィレミナに後ろから声をかけたのは、寄宿学校時代の親しい友人でルームメイトだった、ロビンソン伯爵令嬢、マーゴット・ロビンソンであった。
「元気そうね。ミナ」
「紹介するわ。私の母のオルヴィス侯爵夫人。そして、お母様、この方は寄宿学校時代の友人のマーゴット・ロビンソン伯爵令嬢よ」
ウィレミナの背後でニコニコとしていた母を紹介する。母にマーゴットの話をしたことは何度もあるが、二人が会ったのはこれが初めてである。
「初めまして、侯爵夫人」
「初めまして、マーゴット嬢。お噂は娘からよく聞いているわ」
少しの談笑が始まり、さらに人が増えて来ると、ケイトが言った。
「二人で話したいこともあるでしょう。少しお暇するわ。マーゴットさん、楽しかったわ。シーズン中に屋敷で晩餐会などを開く予定なの。どうぞいらっしゃってくださいな」
「えぇ、ありがとうございます。侯爵夫人」
***
「読んだわよ。あなたのお姉さま、ミセス・エルシーに注目されているのね。お相手にはあったことがあるの?ディキンソン卿には」
「えぇ、あるわ。お姉様に会いに領地までいらっしゃったのよ」
「あなたのお姉さん、どうして結婚しないのかしら?」
「……わからないわ」
考え込んでウィレミナが言う。
「今年こそ結婚するかしら?
結婚って素敵よね。私も出会いがあるんだわ。今シーズン中に結婚できるかしら?」
夢見る表情でマーゴットが言う。
「そんなにすぐ結婚したいの?」
マーゴットにはやや夢見がちなところがある。本ばかり読んで、夢見ることが彼女の得意技であった。
「結婚はしたいわ。だって素敵なことでしょう?」
「わからないわ」
「わからない、わからないじゃあつまらないわ。そうだわ、今日の昼食会にお姉さんは来ているの?」
「えぇ、もう会場にいるはずよ」
「去年デビューした令嬢を初め、今シーズンの社交界を飾る子息令嬢が招待されているって話だから、きっとディキンソン卿も居るわね」
マーゴットはこう見えて情報通だった。
それからウィレミナは、今年デビューする令嬢たちの拝謁が終わって、解放されるまで、マーゴットと語り合っていた。
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