40 / 138
第5章 動き始めた疑惑
鬼が棲む家
しおりを挟む
小沢俊一の妻、小沢祥子が再婚し梶原祥子となって、2年後。カーブを曲がり切れなくて、転倒し反対車線のトラックと激突、致命傷となった……。だけど、ここで萌梨ちゃんに聞きたい。祥子さんは、普段車にはあまり乗らない人だったんじゃないか?」
坂井さんが言うと、私はドキッとして眉をしかめて頷いた。
「……うん。運転、好きじゃなかった。だから、滅多に車なんか乗らないから、事故に遭ったのかと」
「……あの車のブレーキは、切断されていたんだよ」
坂井さんが言うと、私は心臓が大きく高鳴った。
「…えっ?」
「事故の衝撃ではないかとも疑われたが、あれは前以て、切断されていた切り口だった。だから、ブレーキがかからなくて曲がり切れなかった。普段車には乗らない彼女が、車に乗るような、何かがあった。すぐに何処かに行くよう、仕向けられたとか。電車やバス、タクシーではなく、車を使わせるための策がね。そして、事故に遭ったんだ………。ブレーキのこともあって、ようやく警察の重い尻が持ち上がり、捜査室が再開された」
ドクン、ドクンと心臓が高鳴った。
気付きもしなかった。疑いも、しなかった。
パパが、殺されたなんて。お母さんの事故が、殺意的なものだったなんて…。子供だったし、突然のことで哀しかったから、疑いもしなかった。
「…でも、誰が……そんな………」
と私は言いながら、脳裏に一人の男の顔が浮かんで、息が止まりそうになった。
「………ま、まさか……!!」
私は気がついたら手が震えていて、先輩が気づいて私の手を握り締めてくれると、坂井さんも真顔で私をじっと見つめていた。
「今、君の脳裏に浮かんだ犯人像は、誰だい?」
と坂井さんが訊ねると、さらに私はドキドキして涙が溢れて頭を横に振った。
「そんな……まさか……!いくらなんでも…梶原が……!?」
私は独り言のようにそう呟くと、頭を抱えて、思わず佃島先輩の胸に顔を伏せると、先輩も驚きながら私を抱きしめてくれた。
鬼だ…!
もしそうだとしたら、あいつは本物の鬼!
怖い…!!
坂井さんが言うと、私はドキッとして眉をしかめて頷いた。
「……うん。運転、好きじゃなかった。だから、滅多に車なんか乗らないから、事故に遭ったのかと」
「……あの車のブレーキは、切断されていたんだよ」
坂井さんが言うと、私は心臓が大きく高鳴った。
「…えっ?」
「事故の衝撃ではないかとも疑われたが、あれは前以て、切断されていた切り口だった。だから、ブレーキがかからなくて曲がり切れなかった。普段車には乗らない彼女が、車に乗るような、何かがあった。すぐに何処かに行くよう、仕向けられたとか。電車やバス、タクシーではなく、車を使わせるための策がね。そして、事故に遭ったんだ………。ブレーキのこともあって、ようやく警察の重い尻が持ち上がり、捜査室が再開された」
ドクン、ドクンと心臓が高鳴った。
気付きもしなかった。疑いも、しなかった。
パパが、殺されたなんて。お母さんの事故が、殺意的なものだったなんて…。子供だったし、突然のことで哀しかったから、疑いもしなかった。
「…でも、誰が……そんな………」
と私は言いながら、脳裏に一人の男の顔が浮かんで、息が止まりそうになった。
「………ま、まさか……!!」
私は気がついたら手が震えていて、先輩が気づいて私の手を握り締めてくれると、坂井さんも真顔で私をじっと見つめていた。
「今、君の脳裏に浮かんだ犯人像は、誰だい?」
と坂井さんが訊ねると、さらに私はドキドキして涙が溢れて頭を横に振った。
「そんな……まさか……!いくらなんでも…梶原が……!?」
私は独り言のようにそう呟くと、頭を抱えて、思わず佃島先輩の胸に顔を伏せると、先輩も驚きながら私を抱きしめてくれた。
鬼だ…!
もしそうだとしたら、あいつは本物の鬼!
怖い…!!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)
MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。
しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。
母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。
その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。
純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。
交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる