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第6章 もう、負けない
ずっと思っていたこと
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『君が今まで感じていたこと、疑問があればなんでも言ってほしい。そこに隠された真実が、あるかもしれない。鍵は、おそらく君が握っている。俺は、君と同じように、梶原守留が真犯人だと睨んでる。このまま、あいつを野放しにしておけないからな』
坂井さんがそう言うと、私はドキドキしながらも、ゆっくり、話し始めた。
「初めて梶原に会った時は、私は確か…12才くらいだったかな。パパの告別式でした。お母さんは、とても驚いて梶原を見ていました。梶原は嬉しそうにお母さんを見ていたけど、お母さんは逆に……戸惑っているような、不思議な顔をしていたのを覚えています。それから、梶原はしょっちゅう家に来るようになって、お母さんは幸せそうには見えなかったけれど、梶原はいつも満足そうに笑っていました。最初は、それが怖くて、なんだか気持ち悪かった…。でも慣れてくると、それでもイイ人なんだって思えるようになって…」
私は身震いがして肩をすくめると、
「萌梨。焦らなくていいよ。大丈夫…」
と佃島先輩が優しく言って肩を抱き寄せてくれたので、私は静かに深呼吸をした。
「再婚…か。早過ぎるとは思った?」
と坂井さんが尋ねると、私は頷いた。
「思いました。だって、パパとあんなに愛し合っていたのに、パパが死んで、毎日泣いてたのに…嘘だったみたいに心変わりするなんて」
「お母さんが、そう言ったの?」
「え?」
「心変わりしたって」
「……ううん。言ってない」
「じゃあ、なんて言って君に再婚を報告したか、覚えてる?」
坂井さんの質問に、私は眉をしかめながら目を閉じて、記憶の扉を探した。
なんて、言ってた?
確かに、梶原を好きになったなんて言葉は、聞いていない。
坂井さんがそう言うと、私はドキドキしながらも、ゆっくり、話し始めた。
「初めて梶原に会った時は、私は確か…12才くらいだったかな。パパの告別式でした。お母さんは、とても驚いて梶原を見ていました。梶原は嬉しそうにお母さんを見ていたけど、お母さんは逆に……戸惑っているような、不思議な顔をしていたのを覚えています。それから、梶原はしょっちゅう家に来るようになって、お母さんは幸せそうには見えなかったけれど、梶原はいつも満足そうに笑っていました。最初は、それが怖くて、なんだか気持ち悪かった…。でも慣れてくると、それでもイイ人なんだって思えるようになって…」
私は身震いがして肩をすくめると、
「萌梨。焦らなくていいよ。大丈夫…」
と佃島先輩が優しく言って肩を抱き寄せてくれたので、私は静かに深呼吸をした。
「再婚…か。早過ぎるとは思った?」
と坂井さんが尋ねると、私は頷いた。
「思いました。だって、パパとあんなに愛し合っていたのに、パパが死んで、毎日泣いてたのに…嘘だったみたいに心変わりするなんて」
「お母さんが、そう言ったの?」
「え?」
「心変わりしたって」
「……ううん。言ってない」
「じゃあ、なんて言って君に再婚を報告したか、覚えてる?」
坂井さんの質問に、私は眉をしかめながら目を閉じて、記憶の扉を探した。
なんて、言ってた?
確かに、梶原を好きになったなんて言葉は、聞いていない。
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