45 / 104
第3章 汚れた記憶
13
しおりを挟む
私がそう言うと、祐兄は頷いて微笑んだ。
「再婚だったけど、親父は中学の頃からずっと、お母さん………祥子さんのことが好きだったんだ。祥子さんを追って、せっかく決まった高校も変更して、祥子さんと同じ高校にしたらしい。だけど、なかなか手に入らない祥子さんをものにしたくて、オヤジは卑劣な手を使って祥子さんを手に入れたんだ」
祐兄は運ばれてきた料理を見て、箸を持った。私は緊張したまま、
「…卑劣な手段…て?」
と尋ねると、祐兄と滋は顔を見合わせて悪そうに俯いた。
「…眠らせて、暴行した…」
祐兄が小さく言うと、私は息を飲んだ。
「訴えられなかったの?!」
「梶原の父親が、揉み消した。二人は付き合ってた、ということにしてね……」
「!!!」
私は思わず涙が溢れて、はっとして涙を拭った。
「祥子さんは苦しみ、悩んで、でも果樹園を守りたかったんだと思う。噂は悪い方に広まっていくからね。そのことも示談で弁護士から言われたらしい。祥子さんの将来に傷がつく、とかね。仕方なく梶原家が出した提案を受け入れて、二人は付き合い始めたよ。やがて東京に来て大学に通うようになって、小沢俊一さんと会った。萌梨の父親だよ。オヤジと別れて、祥子さんは小沢さんと付き合い始めた。二人はうまくいってたらしい。オヤジは諦めてなかったみたいだけどな。小沢さんと祥子さんは、オヤジの会社に就職した。オヤジは二人に当て付けするように、結婚したんだ。その相手は、小沢さんの元カノだったそうだ」
「再婚だったけど、親父は中学の頃からずっと、お母さん………祥子さんのことが好きだったんだ。祥子さんを追って、せっかく決まった高校も変更して、祥子さんと同じ高校にしたらしい。だけど、なかなか手に入らない祥子さんをものにしたくて、オヤジは卑劣な手を使って祥子さんを手に入れたんだ」
祐兄は運ばれてきた料理を見て、箸を持った。私は緊張したまま、
「…卑劣な手段…て?」
と尋ねると、祐兄と滋は顔を見合わせて悪そうに俯いた。
「…眠らせて、暴行した…」
祐兄が小さく言うと、私は息を飲んだ。
「訴えられなかったの?!」
「梶原の父親が、揉み消した。二人は付き合ってた、ということにしてね……」
「!!!」
私は思わず涙が溢れて、はっとして涙を拭った。
「祥子さんは苦しみ、悩んで、でも果樹園を守りたかったんだと思う。噂は悪い方に広まっていくからね。そのことも示談で弁護士から言われたらしい。祥子さんの将来に傷がつく、とかね。仕方なく梶原家が出した提案を受け入れて、二人は付き合い始めたよ。やがて東京に来て大学に通うようになって、小沢俊一さんと会った。萌梨の父親だよ。オヤジと別れて、祥子さんは小沢さんと付き合い始めた。二人はうまくいってたらしい。オヤジは諦めてなかったみたいだけどな。小沢さんと祥子さんは、オヤジの会社に就職した。オヤジは二人に当て付けするように、結婚したんだ。その相手は、小沢さんの元カノだったそうだ」
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる