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第4章 背中合わせの答え
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「美味しいよ。よく、熟してるし、すっごい甘い蜜がトロトロに」
「うわあああああ!!!」
朝っぱらから何言ってんのよ~!
私は思わず頬を真っ赤にして熱くなると、
「あ、俺、邪魔者?遠慮しとこーか?電車で行こうか?」
とスナックコーナーで、ポテチを抱えながら滋が言うと、私はまた恥ずかしくなって滋を見た。
「この、日常色情魔!!」
思わずそう叫んで坂井さんの足を踏むと、坂井さんは悲鳴にならない声で唸ってしゃがみ込み、滋はそんな坂井さんを見て声を上げて笑った。
「やっぱ、あいつがあんな大きな声出すのは、坂井さんを相手にしてる時だな」
滋はニヤニヤ笑って、スナック菓子を持ってレジに向かうと、私もすぐにその隣のレジへと駆け出した。坂井さんはブツブツ文句を言いながら、ゆっくりと立ち上がって頭を掻くと、コンビニを出ていった。私は坂井さんのそんな後ろ姿を見つめながら、レジ脇にあるチロルチョコに手を伸ばした。
そうして。
静岡のメンタルケアセンターで、みんなが揃った。萌梨はベッドの上で背もたれを少し起こした状態で、うっすらと目を開けたまま、微かに微笑んでいるかのような表情で止まっている。一応、夜は目を閉じて眠っているらしい。その辺の脳のサイクルはよくわかっていないけれど、回復に向かっているのかどうか、何度聞いてもよく分からない。
「うわあああああ!!!」
朝っぱらから何言ってんのよ~!
私は思わず頬を真っ赤にして熱くなると、
「あ、俺、邪魔者?遠慮しとこーか?電車で行こうか?」
とスナックコーナーで、ポテチを抱えながら滋が言うと、私はまた恥ずかしくなって滋を見た。
「この、日常色情魔!!」
思わずそう叫んで坂井さんの足を踏むと、坂井さんは悲鳴にならない声で唸ってしゃがみ込み、滋はそんな坂井さんを見て声を上げて笑った。
「やっぱ、あいつがあんな大きな声出すのは、坂井さんを相手にしてる時だな」
滋はニヤニヤ笑って、スナック菓子を持ってレジに向かうと、私もすぐにその隣のレジへと駆け出した。坂井さんはブツブツ文句を言いながら、ゆっくりと立ち上がって頭を掻くと、コンビニを出ていった。私は坂井さんのそんな後ろ姿を見つめながら、レジ脇にあるチロルチョコに手を伸ばした。
そうして。
静岡のメンタルケアセンターで、みんなが揃った。萌梨はベッドの上で背もたれを少し起こした状態で、うっすらと目を開けたまま、微かに微笑んでいるかのような表情で止まっている。一応、夜は目を閉じて眠っているらしい。その辺の脳のサイクルはよくわかっていないけれど、回復に向かっているのかどうか、何度聞いてもよく分からない。
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