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第6話「復讐への糧」
しおりを挟むひゃはははは!
きゃー、あははは!
あれから、本日二回戦目に突入したらしいテンガとシャラ。
散々に打ちのめされたクラムはぐったりとし──濡れた地面に這いつくばり耳を塞いでいる。
それでも、聞こえるシャラの甘い声と、快楽に裏打ちされた嬌声。そして、生々しい肉を打つ音……。
湿っぽさが混じるソレは聞くに堪えない。
あの天幕の中で、大事な家族であった義母がテンガに貫かれているのだ。
アンアン♡ と激しく聞こえる喘ぎ声に耳を抉り出したくなる。
せめて少しでも嫌がっていたり、抵抗していれば慰めになったかもしれないというのに……シャラは肉の悦びに打ち震えている。
(もう……やめてくれよ!!)
それを耐えるために、気を逸らす……。
悲しいことに、こんな仕打ちをされても、さっきの煽情的なシャラの行為を間近に見て、そして今の彼女の喘ぎ声を聞いて、ナセルの男性が猛り狂っていた。
「くそぉぉお!」
余りのやるせなさに、頭に血が上り沸騰したような気持になる。
それを落ち着けようと、ギュッと握りしめるそれは、義母さんの匂いがした。
さっき、勇者達が寝所に戻る前────。
──「よぉ? 血が出てるぜ? 拭いときな」……そう言って、ポイっと投げてよこしたのは、シャラがわざと置いていったという……ソレだ。
……。
バカにしやがって……!
「ちくしょう! ちくしょう!!」
握りしめたそれごと地面を叩く。
キツク握りしめても、怒りが紛れるわけでもなく、微かに漂う香りに……淫らな匂いのするそれに……優しいシャラの顔を思い出しただけ。
もっとも、テンガからクラムに手渡された瞬間、シャラはシャラで、物凄く嫌そうな顔をしていたが……。
だが、取り戻すようなことはせず、自らが身に着けていたものであっても、それがクラムの上に落ち──彼の体についた汚れが、少しばかり滲みこんでしまったのを見て……一気に興味を失ったようだ。
まるで、ボロ雑巾でも見るかのような目────。
「シャ────……」
くそぉぉ!!!!
くそくそくそ!!!!!
ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!
バンバン! と……バシャバシャ! と濡れた水の溜まった地面を何度も叩く。
手の皮が破れて、
血が滲み、
骨にすらヒビが……!
それでも、やめない。
やめられない。
やめたくない。
なんで、
なんで、こんなことになったんだよ……。
なんで、
なんで!
なんでだぁぁ!!
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
ガンガンガン!
バンバンバン!!
あああああああああああああ!!!!
義母さん、ミナ、ネリス、……そして、俺の子……──!
家族────!!
家族──!!
カゾク────!!
がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
それらがテンガの手元にある!
勇者の手元にある!
シャラだけじゃない!
ミナも!
ネリスも!!
俺の子────ルゥナも!!
みんな、アイツの下にある!
抱かれている!
奪われている!!
汚されている!!!
いやだ、いやだ、いやだ!
返せ!
返せ!
返せ!
俺の家族を返せぇぇぇぇえ!
「はぁ、はぁ、はぁ……」
そんなクラムの絶叫さえ楽しんでいる二人。
クスクス、ゲラゲラと────。
テンガとシャラが笑っている。
シャラが笑っている!!
テンガが! テンガが! テンガがぁぁぁああ!
ぶ、
ぶ、
ブッ殺してやる!!
ブッ殺してやる!!
絶対、ブッ殺してやる!!
勇者テンガぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
叫びを掻き消すように、また雨が降りだす……。
その雨に打たれながら、
喉を枯らして叫びながら、
どうしてこうなってしまったのか……。
何が悪かったのかを思い出す。
決して忘れない様に、
決して慣れない様に、
決して諦めない様に、
それを糧に……。
必ず勇者を──────。
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