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9 爽やか君
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貴族は基本的に他の貴族、特に目上の人の名前を覚えておかなければならない。
しかし だ。
俺はこの少年を覚えていない。顔も知らない。どこの子息か分からない。
原作にも出てきていない
正直ピンチだ。
しかしこの食べ方、姿勢、所作などを見たら分かるが確実にその辺の貴族では無い
俺も伯爵の子息で、ある程度爵位は高いが下手したらこの爽やかイケメン君はもっと高い位の貴族かもしれない。
対処法は無い。爽やかイケメン君の自己紹介を待つしか無いのだ
首席だっためもしかしたら首席の挨拶的なやつで言ってたかもしれないがド忘れした。寝不足だったため半分夢の中にいたのだ。貴族にあるまじき行為だ
俺は必死にこの爽やかイケメン君の顔と名前を一致させようと踏ん張るがなかなか思い出せない
「さあ、座って」
「ありがとうございます、では遠慮なく...」
爽やかイケメン君は俺に対して砕けた口調である
本来貴族社会では目上の人は勿論自分より位の下の人にも敬語を使わなければ行けない
ただ、まだ齢12やそこらの俺たちはまだそこまで気にしなくても良い
というのも、この学園では貴族の位関係なく、差別なく、平等だというモットーがある。まあ、生徒全員平等とか普通に無理であるが形だけでも、と 貴族の位が平等か、もしくは自分より下の人には敬語を使わなくても良いという暗黙の了解というのがある
仲良い友人と呼べる人には目上でも敬語は普通使わない
俺はレオンハルトと表面的に見ても仲が良いと自負している
しかし今のレオンハルトはどうだ。バリッバリの敬語である
これは何を意味しているか必然だ。
レオンハルトは俺の事はまだ友人だとは思ってくれていないということだ。
前に1度敬語じゃなくても良いよと行ったことがあるが、断固拒否られた
その時は結構ショックを受けたものだ。
そして友人と思っていない=俺の事はなんとも思っていない
レオンハルトが侯爵になったら速攻捨てられてしまう...!
それは駄目だ!なんのために努力していると思っているんだ
レオンハルトが侯爵になったら媚びを売ってレオンハルトのおこぼれを貰うためだろ。
俺は絶対に諦めないからな
話は壮大にそれたが、何が言いたいかと言うと、その、爽やかイケメン君の名前の爵位が知りたい
悶々としていると爽やかイケメンと目が合った
「おっと、ごめんね。紹介が遅れちゃった
僕はルアナ・レドモンド よろしくね」
「私はウィリアム・クレアモントです。
こちらこそよろしくお願いします」
レドモンド、レドモンドか.......
俺の苗字 クレアモントは貴族にごまんといる。
しかしレドモンドはたった一族しかいない
公爵家レドモンド、陛下の側近であり宰相を務めている一族だ
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