放浪記-ラドラダ

藤堂Máquina

文字の大きさ
5 / 6

5日目

しおりを挟む
5日目

このくらいになるともうすっかり生活に慣れていた。
昼も夜も気温が大体どんなもんかも把握したため、それこそ驚くことも無くなった。
生活のリズムや朝ごはんの時間も決まったため、他の人のこともそれほど気にしなくていい。
と言っても要はご飯の時間さえ守っていれば別に何をしてもいいのだ。
そう言う訳で夜はすることもないため早く寝て、朝もそれなりに起きるようになったため、暖かい気候の中健康的な生活をしてしまっていた。
一応翌日に帰ることになっていたため、私のしたいことと言えばお土産を買うことくらいであった。
それで朝起きると私はここの家族にその旨を伝え、どんなものがおすすめかも聞いた。
しかし正直なところそれほど魅力的なものはなかった。
一応説明しておくと、この地域は牛が美しいらしくそれで革製品が有名らしい。
「牛が美しい」というのは革が美しいのか、牛そのものが美しいのかは分からない。
牛を比べたことはないし革を見る目もないため、どうしようもない。
まぁそう言うことで革のものを買おうとも思ったのだが、ここで買う理由もないことを思い出す。
いや、買えばいいんだろうけど、わざわざここで買う理由もない気がするのだ。
言ってしまえば田舎である。
首都に行った方が選択肢は多いし、例えば「民族の何か」とか、「ここにしかない食べ物」とかだったら買ってもいいのだが、それ以外だと特に魅力的とは思えなかった。
それこそ革製品はボゴタでも買えるし、失礼な話違いがわからないためどれでもいいと思ったのだ。
それでも見には行ってから考えさせていただくことにした。
それで午後、車を出してもらう約束を取り付けた。
それまではなんとなく仕事をしたり休んだり、昼食の準備を手伝ったりした程度で、特別なにかあった訳ではない。それから私が外に出たのは午後3時くらいのことであった。
その授業は6時からであり、車での外出ということもあり、十分な時間があった。
私は帰ってきた時の洗濯ができるだけ楽な服を選び出発した。
まずはじめに行ったところは車で10分ほど行ったところにある村であった。
途中マグダレナの河を渡って行く方向、つまり来た時に通った道だ。
そこの広大な土地では牛が飼われているということだった。
確かにこの土地は広い。
ガソリンスタンドなんか大人用のサッカーコートが2つくらいとれそうな広さである。
少なくとも私の衰えた体力では一周ゆっくり走り切る前にスタミナが切れるだろう。
気温の高さがその想像を確信に変える。
私たちはそのガソリンスタンド向かいにある住宅地の中へ進む。
その一角で革製品を販売している人物を聞くと、村の入り口近くにある家に住む人物の元を案内してくれた。
私たちがその家に行くと、少し気難しそうなおじさんが出てきた。
聞くと売っていることに間違いはないそうだ。
私はそこの家の外にある小さな小屋に入ると、そこには確かに売っている品々が並べられていた。
地味だ。
最初に思ったのはそれであった。
革製品のため、そんなに派手なものを期待していた訳ではない。
しかしそうは言っても地味だ。
そもそも品揃えが馬や牛のムチだったり、手綱だったり、後は小さな飾りだったり、「買ってどうすんだよ」と言いたくなるようなものばかりだった。
しかしわざわざ家から出てきてもらった手前、何も買わないというのも悪いと思ってしまった。
それにそれほど高いものでもない。
そんなに興味はなかったものの、友達にあげるものとして考えればまぁいいかと思い、とりあえず一つ二つ買って行くことにした。
結論から言うと、ムチと手綱を一つずつ買った。
理由は他になかったからである。
まずムチについて述べると、持ち手は真っ直ぐな木でできており、販売時には革の部分が巻き付けてあった。
私はその中から木の1番短いものを選んだ。
長いものを選んだ方が見栄えば良さそうだったが、万が一スーツケースに入らなかったら元も子もない。
実際ボゴタに戻ってからスーツケースに入れてみたが、ギリギリとは言わないものの、長いものを買っていたら入ったか分からない。
そのためその選択は間違っていなかったようだ。
もう一つ、手綱の方はかなり丈夫に見える。
だからと言って使い道はこれっぽっちもない。
とりあえず何あげても喜びそうな友人にあげることにしよう。
壁に飾っておくだけでそれなりの雰囲気にはなるんじゃないかとは思う。
別に深く考えて買ったわけでもないのだが、相場よりかなり安いらしく、一緒に来ていた家族は喜んでいた。
その後、私たち一行は町の方へ向かった。
方向は違うもののこちらの方が家からは近い。
多分20分か30分あれば歩いても行ける距離だろう。
ここは町である。
故に人の出が多い。
どうしてこうも多いのかは分からないが、ここの経済は動いているようだ。
私は帽子や服を見たかったのだが、あまり外に出たくはない。
そのため、車の中から店を探してまわったが、いいものは見つけられなかった。
数分間だけ降りて歩いたが、やはりダメだったため、帰ることになった。
結局のところ買ったのはムチと手綱だけになってしまった。
まぁボゴタに戻ったら何かを買えばいい。
何せ首都である。
大抵のものはなんでも揃う。
今日の東京という街のように、値段がつくものに関してはないものを探す方が難しいような町である。
買い物するには十分である。
そのため何も不満はなかった。
私たちは家に帰る。
そして私はシャワーを浴びると授業の準備をした。
それからはまた特に書くことはない。
8時まで授業があっただけだ。
強いて言えば翌日はボゴタに戻ることになっていたために荷造りをしたが、さほど時間は必要なかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

アルファポリスであなたの良作を1000人に読んでもらうための25の技

MJ
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスは書いた小説を簡単に投稿でき、世間に公開できる素晴らしいサイトです。しかしながら、アルファポリスに小説を公開すれば必ずしも沢山の人に読んでいただけるとは限りません。 私はアルファポリスで公開されている小説を読んでいて気づいたのが、面白いのに埋もれている小説が沢山あるということです。 すごく丁寧に真面目にいい文章で、面白い作品を書かれているのに評価が低くて心折れてしまっている方が沢山いらっしゃいます。 そんな方に言いたいです。 アルファポリスで評価低いからと言って心折れちゃいけません。 あなたが良い作品をちゃんと書き続けていればきっとこの世界を潤す良いものが出来上がるでしょう。 アルファポリスは本とは違う媒体ですから、みんなに読んでもらうためには普通の本とは違った戦略があります。 書いたまま放ったらかしではいけません。 自分が良いものを書いている自信のある方はぜひここに書いてあることを試してみてください。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...