草稿集

藤堂Máquina

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芸術について

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‪   僕の思う芸術の根底にあるのは「人間は醜い生き物」ということであって、その醜さの中に美しさを見出すことが芸術である。

   だから傷が付いてたり、機械に変えられてしまったり、植えつけられたとしても美しさになり得る要素があればそれは芸術である。

   ただ「グロいのが好き」ということではなく、‬ ‪むしろグロいのは苦手なくらいだ。

   バラバラにされた人間を美しく配置し直すならばそれは芸術だと思うし、美味しく食べられるのならそれも芸術だ。 

   僕の感性のマイノリティかもしれない部分について言えば、例えばダンスだったり、何かスポーツだったり、そういうところには美しさは感じにくいというところだ。

   もちろん人そのものを「可愛い」と思ったり、好きになったりするだけの感性は持っているものの、芸術としての魅力を感じないのだ。

   自分にはできないことだから「すごい」とも思うがそれだけのように感じる。

   ドキュメンタリー番組を見て、美談として受け入れることはできるし、共感もできるけど、‬ ‪それは芸術とはまた別のものだ。

   多くの人が本当にあれを芸術と捉えていることが理解できない。

   周りに合わせているだけなのではないかと思うくらいだ。

   僕は歌は好きだ。

   あれだけ醜いものの中からあんなに美しい音が出るなんてとても感動する。
  水々しくてとても素敵だ。

   だから遺体をアートにしてしまう‬ ‪殺人鬼や、悲鳴を聴くためだけに人を殺す人がいたって何も不思議とは思わないのだ。

   僕自身、誰かを殺すことも殺されることもどちらもしたいとは思わないけれど、ただその類の感情を抑えられない人物が存在したとしてもそれは当たり前のことなのではないかと思うのだ。

   本物ではなくてアートとして発散し‬ ‪てくれれば一番いいんだけどね。

   そうすれば支持したいと思うし、芸術とみなして、みなされているいる限りは誰も不幸にすることもないだろう。‬
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