草稿集

藤堂Máquina

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使命

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それは全てを観ていた。

全てを観ては消えていった。

誰とでもぶつかり、自分の存在を最大限に主張したあと消えていった。

ぶつかった後の主張に統一性はなかった。

悪い意味ではない。

相手相手足らしめ、そして自分を必要不可欠なものだと自覚させた。

いつも急いでいた。

世界中を走り続けた。

朝から晩まで働き続けた。

それが使命だった。

ある日彼がいなくなると、多くの者が彼の後を追おうと自然と体を動かした。
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