日本語教師日誌

藤堂Máquina

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7月9日

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7月9日

今日の授業は2つ。
1つは会話の授業で、日本へプログラマーとしての仕事をしに行きたいというアメリカ人でもう1つは現地の学校の授業であった。
アメリカ人とは会話の授業であった。
内容はそれほど複雑ではなかった、というより文法的に難しいテーマができなかった。
少しの間、日本に住んでいた経験があるため、話す能力についてはそれなりのレベルがあり、聞く能力に関してもかなり上手な方だとは思うのだが、かなり荒削りな部分が多く、おそらく語彙を正確には捉えられていない。
もちろん、それは簡単なことではいため、言語を学ぶ上で誰しも通る道である。
できる限り語彙を拾って、相手の話している内容を推測する。
言語学においては当然の方略である。
しかしレベルとして、私の使った語彙はどれも聞き取れて欲しい。
特に私は簡単な語彙を選んで話しているため、同じレベルの学生は大抵聞き取ってくれる。
意識しなければずっとそのままだろうし、文法を意識すれば会話の中で少しずつ改善されていくことであるため、伝えていかなければならない。
それに加えて、私の質問を繰り返すように答えることが多いため、この点についての注意も必要である。
例えば「今日は何時に起きましたか?」という質問をすると「何時」の場所を「7時」に変えて答えるというような形だ。
大抵の場合は問題ないのだが、この例だと疑問の助詞の「か」までついているようなことである。
助詞一つで意味は変わってくるため、意味は伝わるものの、仕事で使うために練習しているなら直して行かなければなるまい。
伝える分には会話は上手なのだが、丁寧ではないため、仕事で使えるレベルとは言い難い。
敬語を使えとまでは言わないが、それにしてももう少し意識的なトレーニングが必要である。
現地の授業はテーマが「どこ」であった。
今日はその中で助詞「の」と組み合わせて所属や国籍の表現を勉強した。
理解に関してはそれほど問題はなかったのだが、練習方法のパターンが多くないため退屈である。
このレベルだと仕方がないようにも思うし、オンラインで授業をするなら限界のようにも思うのだが、何か工夫が必要である。
今の問題はひらがなやカタカナをスムーズに読めない学生がいることである。
ノートを見ることができないため、どのような字を書いたり、板書のペースも分からない。
学生にとって有意義な時間になっていれば良いのだが、悩みは絶えない。
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